2.中学生向け

敬語の使い方を完全解説🌸尊敬語・謙譲語・丁寧語を“心”で使いこなす|もこあい先生の国語教室

1. 敬語とは?やさしく入門 🌸

「敬語って、なんだか苦手…」そう感じる人、多いですよね。
でも、敬語は単なる「堅い言葉」ではなく、人と人をつなぐ思いやりの言葉です。

たとえば、友達と話すときと、先生や上司に話すとき、言葉を少し変えますよね。
それが「敬語のはじまり」。日本語は、相手との関係を大切にする文化の中で育ちました。

白衣を着たもこあい先生が星空の前で、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つの矢印を指し示すイラスト。 敬語の種類をわかりやすく解説する教育図。
もこあい先生が教える「敬語の3分類」🌸

この講座では、中学生から社会人まで誰でも使える敬語のコツを、
もこあい先生が「やさしく×論理的」に解説していきます。

さぁ、一緒に「言葉のマナー」をマスターしましょう!

2. 敬語の3分類を図で覚えよう 🌸

敬語は大きく分けて、3つのグループに分類されます。
それが「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」です。

白衣を着たもこあい先生が星空の前で、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つの矢印を指し示すイラスト。 敬語の種類をわかりやすく解説する教育図。
もこあい先生が教える「敬語の3分類」🌟

🟦 尊敬語(そんけいご)

相手を立てて、相手の動作を高めて表す言葉です。
たとえば:

  • 「言う」→「おっしゃる」
  • 「見る」→「ご覧になる」
  • 「行く」→「いらっしゃる」

ポイントは「相手の行動を高くする」こと。
相手への尊敬を、ことばの高さで表すイメージです。

🟩 謙譲語(けんじょうご)

自分を下げて、相手を立てる表現です。
たとえば:

  • 「言う」→「申し上げる」
  • 「行く」→「伺う」
  • 「聞く」→「拝聴する」

謙譲語は、自分の行動をへりくだって伝えることで、
相手に対する敬意を示します。

🩷 丁寧語(ていねいご)

話全体をやわらかくする表現で、語尾に「です」「ます」をつける形。
たとえば:

  • 「行く」→「行きます」
  • 「わかる」→「わかります」
  • 「好き」→「好きです」

丁寧語は、誰に対しても使える「マナーの基本」。
相手を区別せず、全員にやさしい印象を与えます。

もこあい先生のひとこと:
「敬語は“心の姿勢”なんです。相手を思いやる気持ちが、自然に言葉を変えるんですよ。」

3つを混同しやすいですが、次の章で「昔と今の敬語の違い」を見ると、
それぞれの役割がもっとはっきり見えてきます。

3. 昔と今で違う敬語 🌙

敬語は時代とともに変化してきました。
昔は「誤り」とされた表現が、現代では「自然」とされることもあります。
つまり、敬語にも“進化”があるのです。

白衣を着たもこあい先生が、左の和装の人々(昔の敬語)と右のスーツ姿の人々(今の敬語)を指し示すイラスト。 敬語の歴史的変化をわかりやすく対比した教育用ビジュアル。
昔と今の敬語を比べてみよう 🌸

📖 昔の敬語の特徴

  • 厳密で、階級や身分による言葉の差が大きい
  • 二重敬語は「誤り」とされ、避けられていた
  • 日常会話よりも、公式・儀礼的な場面中心で使われた

💬 現代の敬語の特徴

  • 上下関係よりも「心の距離」を重視
  • 柔らかく自然な表現が好まれる
  • 二重敬語や業界敬語も、一部では「丁寧」として定着

たとえば、昔は「ご覧になられる」「お伺いさせていただく」は二重敬語の誤りとされていました。
しかし現代では、ビジネスメールなどで普通に使われています。
文化庁の調査でも「意味が通じればOK」と考える人が増えているのです。

📊 昔と今の敬語比較表(20例)

白衣を着たもこあい先生が、左の和装の人々(昔の敬語)と右のスーツ姿の人々(今の敬語)を指し示すイラスト。 敬語の歴史的変化をわかりやすく対比した教育用ビジュアル。
時代とともに変化する敬語の“今”を知ろう
表現 昔の扱い(本来の用法) 今の扱い(現代の用法) ポイント解説
とんでもありません 誤用扱い 許容されつつある 「とんでもないことです」が本来
おられる 方言+丁寧語 一部地域で自然 地域性を理解して使い分けを
お伺いさせていただく 二重敬語(誤用) ビジネスで一般化 許可+恩恵がある場面ならOK
申される 混在で誤用扱い 許容寄り 尊敬と謙譲の混合に注意
ご苦労さまです 目下への言葉 上司にも使われる 「お疲れさまです」が無難
お体をご自愛ください 重複表現 定型文として残存 正しくは「ご自愛ください」
〜してもよろしかったでしょうか 過去形で不自然 接客・サービスで定着 業界敬語として認知
ご覧になられる 二重敬語 使用例あり 正しくは「ご覧になる」
おっしゃられる 二重敬語 使用増加 正しくは「おっしゃる」
承知しました 謙譲語 ビジネスで安全 「了解しました」より丁寧

悪もこあい先生:
「言葉は生き物よ。昔のルールを知りつつ、今の“使われ方”も読める人が、本当の敬語マスターよ。」

次の章では、実際に使われる敬語の種類と一覧表を整理して、
“使える敬語”を一気に覚えましょう!

☕ 小休止:言葉は時代と一緒に歩く

もこあい先生:
「敬語って、本当に“生きてる”んですよね。
同じ言葉でも、100年前と今では“礼儀”の形が違うんです。」

悪もこあい先生:
「フフ…人間はおもしろいわね。
“正しさ”に縛られすぎると、言葉の温度が冷めるのよ。」

もこあい先生:
「でも、“丁寧さ”が人を救うこともあります。
言葉を選ぶことは、心を整える練習なんですよ。」

悪もこあい先生:
「……ふふ、そうね。
だから私は、“崩し方”の上手な人が好き。
敬語も、使う人の“生き方”がにじむものよ。」

黒いジャケットを着た悪もこあい先生が月夜の下で微笑み、指を立てて「正しさだけじゃつまらないでしょ?」と語るイラスト。背景には三日月と星空が広がっている。
悪もこあい先生「正しさだけじゃつまらないでしょ?」🌙

言葉は、ルールだけでできているわけではありません。
敬語の「形」よりも、「相手を思う気持ち」が伝わるかどうかが大切。
次の章では、その気持ちを“形”にするための具体的な表現を整理していきます。

4. 敬語の種類と一覧表(完全網羅)📘

ここでは、実際によく使う敬語表現を一気にまとめます。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の3分類+ビジネス・日常・学校などのシーン別に整理しました。

白衣を着たもこあい先生が、黒板の前で「敬語を使う」「使い分ける」「丁寧に言う」と書かれたチェックリストを指差しているイラスト。
もこあい先生「これで敬語マスターです!」🌸

🟦 尊敬語(相手を高める)

基本語 尊敬語 使い方例
言う おっしゃる 先生が おっしゃいました
する なさる 部長が なさいました
行く/来る/いる いらっしゃる 社長は今、会議に いらっしゃいます
見る ご覧になる こちらの資料を ご覧ください
食べる/飲む 召し上がる お茶を 召し上がりますか
聞く お聞きになる この件について お聞きになりましたか
知っている ご存じだ 先生は ご存じですか?

🟩 謙譲語(自分を下げる)

基本語 謙譲語 使い方例
言う 申し上げる ご報告を 申し上げます
聞く 伺う/拝聴する お話を 伺いました
行く/来る 伺う/参る 明日、そちらへ 伺います
見る 拝見する 資料を 拝見しました
する いたす こちらで準備を いたします
もらう 頂く/拝受する ご返信を 頂きました
知っている 存じ上げる 先生のお名前を 存じ上げております

🩷 丁寧語(です・ますで柔らかく)

基本語 丁寧語 使い方例
行く 行きます 明日、学校に 行きます
する します 確認を します
ある あります 本が机の上に あります
わかる わかります 意味が わかります
食べる 食べます ご飯を 食べます

💼 ビジネス・学校・日常のシーン別敬語

場面 NG表現 OK表現 解説
ビジネス 了解しました 承知しました 上司への返答では「承知」が適切
学校 分かりました! はい、理解しました 先生への返答は落ち着いた表現で
来客対応 いらっしゃってください お越しください 二重敬語を避ける
電話 ○○さんいますか? ○○さんをお願いできますか? 依頼口調で丁寧に
メール お世話様です お世話になっております ビジネス文書では定型句を使う

もこあい先生:
「敬語は“使うほど自然になる”ものです。
今日の一覧は、プリントアウトして机の横に貼っておきましょう✨」

次の章では、よくある誤用・二重敬語をピックアップして、
「なぜ間違えやすいのか」を楽しく学びます。

🌼 小休止:言葉に、やさしさをのせて

もこあい先生:
「ここまで読んだあなた、すごいです🌸
敬語って、“覚えるより慣れる”のがむずかしいんですよ。」

もこあい先生:
「でもね、少しずつ“相手を思う言葉”を選べるようになると、
世界の見え方が変わるんです。」

悪もこあい先生:
「フフ…“優しさ”なんて曖昧なもの、
それでも伝わると思ってるの?」

もこあい先生:
「うん。だって、
“伝わらないかもしれないけど伝えようとする”ことが、
敬語の本質だもの。」

悪もこあい先生:
「……フフ、また一本取られたわね。
まったく、あんたの“言葉”はあったかすぎるのよ。」

夕方の教室で、白衣を着たもこあい先生が穏やかに語り、黒いジャケットの悪もこあい先生が微笑む。 「少しずつでいい。丁寧に話す、それだけで十分です。」という吹き出しが描かれた温かいアニメ風イラスト。
もこあい先生「少しずつでいい。丁寧に話す、それだけで十分です。」🌸

敬語を学ぶことは、“人と関わる勇気”を持つことでもあります。
次の章では、よくある誤用や失敗例を見ながら、
「どうすればうまく伝わるか」を一緒に考えていきましょう。

5. 間違えやすい敬語(失敗例の要点)🔥

敬語は奥が深い分、間違えて覚えている人も多いです。
「正しいつもり」で使っている言葉の中に、意外な落とし穴が…。
ここでは、失敗から学ぶ敬語をテーマに見ていきましょう!

黒いジャケットを着た悪もこあい先生が片眉を上げてニヤリと笑うイラスト。 背景には「ニヤリ」の文字があり、記事の締めを印象づける。
悪もこあい先生「おっと、それは“二重敬語”よ!」😏

💥 よくある間違いと正しい使い方

間違った敬語 正しい敬語 ポイント
ご苦労さまです お疲れさまです 「ご苦労さま」は目下に使う
おっしゃられる おっしゃる 「おっしゃる」に「られる」は不要
ご覧になられる ご覧になる 二重敬語に注意
お伺いさせていただく 伺う/お伺いする 二重敬語+過剰丁寧
なるほどですね なるほど 「ですね」は不要。軽く聞こえる
とんでもありません とんでもないことでございます 慣用的には前者も可
了解しました 承知しました 目上には「承知」を使う
~でよろしかったでしょうか ~でよろしいでしょうか 過去形敬語は避ける

悪もこあい先生:
「“なるほどですね”って、かわいいけど油断大敵よ。
“ビジネス会話”では印象が軽くなるわ。」

もこあい先生:
「そうですね。“言葉のトーン”も敬語の一部。
優しさは残して、芯のある言葉を選びましょう。」

😅 悪もこあい先生の「失敗あるある!」

  • その①:「“ご苦労さまです!”→上司が無言で去る」
  • その②:「“お伺いさせていただきます!”→言い終わる前に息切れ」
  • その③:「“了解です!”→チャットでそっけなく見える」

悪もこあい先生:
「言葉をミスった瞬間こそ、“本音”が出るのよ。
だからこそ、そこに“品”があるかどうかが大事なの。」

でも大丈夫。
敬語は、失敗するほど上手くなるんです。
大切なのは、「間違えた」と気づける心。

次の章では、そんな“間違い”を乗り越えて磨く
ビジネス敬語と実践のコツを紹介します。

😈 悪もこあい先生の小話:敬語の闇と光

悪もこあい先生:
「ふふ、今日は“敬語の裏側”を教えてあげるわ。」

健太:
「裏側? 敬語にそんなのあるんですか?」

悪もこあい先生:
「もちろん。たとえば“恐れ入ります”って言葉、
あれ、もともとは“相手の力に圧倒されて恐縮している”って意味なのよ。」

恵子:
「えっ、そんなにへりくだってるんですか!?」

悪もこあい先生:
「そう。“敬語”は礼儀の服を着た“心理戦”なの。
言葉で距離をとるか、近づくか。どっちも選べるわ。」

健太:
「つまり、“敬語を使いこなす人”って…
もしかして、“人間関係の達人”なんですか?」

悪もこあい先生:
「ふふ、やっと気づいた?
“正しい言葉”より、“相手を見抜く目”のほうが先に育つのよ。」

もこあい先生:
「でもね、その“見抜く目”が優しさに変わったとき、
敬語は本当の“光”になるんです。」

もこあい先生「ことばは光。心を照らすツールなんです」🌸

敬語の裏にある「心理」と「思いやり」は、表裏一体。
それを知ることが、次のステップ — ビジネス敬語の本質へとつながります。

🌿 5.5章:心理的な敬語の使い方

敬語を使うとき、私たちは無意識に“心の距離”を調整しています。
相手との関係性や、伝えたい温度によって、同じ言葉でも印象が変わるのです。

🧠 敬語は「心理の鏡」

たとえば「ありがとうございます」と「感謝いたします」。
どちらも丁寧ですが、前者は親しみ、後者は格式を感じます。
言葉の選択で、相手の心に届く“距離”が微妙に変わるんです。

もこあい先生:
「敬語は“壁”ではなく、“クッション”です。
相手の気持ちをやわらかく受け止める言葉なんですよ。」

💬 心理効果で見る敬語の印象

敬語のタイプ 心理的効果 印象
尊敬語 相手を高く評価 信頼・敬意・誠実
謙譲語 自分を下げて相手を立てる 控えめ・品がある
丁寧語 話全体を柔らかくする 安心感・親しみ
過剰敬語 心理的距離を広げすぎる かえって冷たく感じられる

🌸 シーン別・心理バランスのコツ

  • 学校:緊張しすぎず、「親しみ+敬意」を意識する
  • 職場:言葉の温度を“半歩控えめ”にすると信頼が増す
  • 友人関係:あえて敬語を混ぜると、“大人の距離感”が演出できる

悪もこあい先生:
「つまり、“敬語の上手い人”って、
相手の心を読むセンサーが発達してるってことね。」

もこあい先生:
「そうですね。
“どんな気持ちで伝えるか”を意識するだけで、
敬語はただの形式から“感情のツール”に変わります。」

学ラン姿の健太と白衣姿のもこあい先生が、学校前で敬語を練習しているイラスト。 吹き出しに「先生に言う」「ご苦労さまです」と書かれ、実戦会話を表現している。
もこあい先生「心が動けば、言葉も変わるんです」🌸

次の章では、いよいよ社会人の敬語実戦編
ビジネス現場で「印象を良くする言葉選び」のコツを学びましょう。

💼 第6章:ビジネス敬語のコツ(社会人向け実戦)

社会人の敬語は、学校で習った“文法”ではなく、人間関係のマナーです。
正しさよりも「印象」と「配慮」が問われます。
ここでは、実際のビジネス場面で使える“敬語のセンス”を磨いていきましょう。

白衣を着たもこあい先生がオフィスの会議室で、 「敬語は信頼を築く技術なんですよ」と話すイラスト。
もこあい先生「敬語は“信頼を築く技術”なんですよ」

📞 シーン①:電話対応

悪い例 良い例 ポイント
「○○さんは今いません」 「○○はあいにく席を外しております」 “いません”は直接的すぎ。
クッション表現で柔らかく。
「少々お待ちください」 「少々お待ちいただけますでしょうか」 依頼形を入れるだけで印象がアップ。
「どちら様ですか?」 「恐れ入りますが、お名前を頂戴してもよろしいでしょうか」 “恐れ入りますが”で丁寧かつ自然な導入に。

悪もこあい先生:
「“どちら様ですか?”って、言い方によっては尋問よね。
優しさの前置きを忘れないことね。」

💬 シーン②:メール・チャット

  • ×:「了解しました」 → 〇:「承知いたしました」
  • ×:「お世話様です」 → 〇:「お世話になっております」
  • ×:「すみませんが」 → 〇:「恐れ入りますが」

もこあい先生:
「“すみません”は万能でも、感謝と謝罪の線引きを意識しましょう。
それだけで“デキる人”に見えます。」

🤝 シーン③:上司・取引先との会話

NGフレーズ 推奨フレーズ 印象
なるほどですね 勉強になります 誠実・素直
一応確認します 念のため確認いたします 安心・信頼感
了解です 承知いたしました 落ち着き・品格

悪もこあい先生:
「“了解です”は軽く聞こえるの。
相手が年上なら、“承知いたしました”で一歩リードよ。」

もこあい先生:
「敬語は“立場”ではなく、“思いやり”です。
言葉で信頼を積み上げていきましょう。」

次の章では、状況別に敬語を切り替えるコツを学びます。
学校・職場・メール、それぞれの“最適距離”を掴みましょう。

😈 悪もこあい先生の語りコラム:「敬語という仮面の下で」

人はなぜ、敬語を使うのか。
それは“礼儀”のためだけじゃない。
本音を包むための、小さな仮面でもあるの。

敬語を話すとき、私たちは自分の感情を少し抑える。
その“わずかな間”に、理性が働く。
怒りが静まり、優しさが間に生まれる。

「敬語とは、心を守る術でもあるのよ。」
― 悪もこあい先生

若いころの私は、“素直な言葉こそ正義”だと思っていた。
でもね、言葉が鋭すぎると、誰かを傷つける。
そして、鋭い刃のような自分にも疲れてしまうの。

敬語は、そうした“尖り”をやさしく包み込む。
だからこそ私は、敬語を「仮面」ではなく「緩衝材」と呼びたい。
本音を失わずに、相手の心に届く形に変えてくれるから。

星空の下で女性のシルエットが仮面を手にして見つめている。 背景には「敬語という仮面」という文字が柔らかく光る。
悪もこあい先生「本音を隠すんじゃない。届ける形を変えるだけ。」

そしてね――
“敬語の上手い人”は、結局“思いやりが上手い人”なの。
だから、あなたが今日も優しい言葉を選ぶなら、
それだけで、世界は少し静かにやわらぐのよ。

敬語は、使うたびにその人の心を映す鏡。
美しい言葉は、美しい心からしか生まれない。

🪞 第7章:シーン別使い分け(学校/職場/メール)

敬語は、使う場所と相手によって意味が変わります。
同じ「ありがとうございます」でも、教室・オフィス・メールでは響き方が違うのです。
ここでは、それぞれのシーンに合った敬語のバランスを学びましょう。

黒いジャケットを着た悪もこあい先生が、敬語の誤用「ご苦労さまです」にツッコミを入れるイラスト。 学ラン姿の健太とセーラー服の恵子が困った表情をしている。

🏫 学校での敬語

友達・先生・来校者と、相手によって言葉の温度が変わります。
学校での敬語は、「親しみ+礼儀」のバランスが鍵。

相手 避けたい言葉 おすすめフレーズ
先生 「了解です」「マジですか」 「承知しました」「本当ですか?」
来校者 「ちょっと待ってください」 「少々お待ちください」
友人 堅すぎる敬語 「ありがとう」「助かったよ」など自然体で

もこあい先生:
「“丁寧すぎない敬語”も、実はとても大事なんです。
相手との距離が近いほど、自然体が信頼を生むんですよ。」

💼 職場での敬語

職場では信頼・報告・感謝がキーワード。
言葉の一つひとつが“信用の積み立て”になります。

場面 NG例 OK例
上司への報告 「了解しました」 「承知いたしました」
謝罪 「すみません」 「申し訳ございません」
感謝 「助かりました」 「ありがとうございます。大変助かりました。」

悪もこあい先生:
「“助かりました”だけだと軽く聞こえるの。
感謝は、“どれくらい嬉しいか”まで伝えてこそ本物よ。」

📧 メール・オンラインでの敬語

文章では声のトーンが伝わらない分、一文の構成と語尾が印象を左右します。
短文でも、“誠意”と“温度”を残しましょう。

NG例 推奨表現 印象
了解です。 承知いたしました。 誠実で落ち着いた印象
よろしくお願いします! 何卒よろしくお願いいたします。 丁寧・信頼感
ありがとうございます! 心より感謝申し上げます。 フォーマル・感情的余韻

もこあい先生:
「“!”を一つ減らすだけでも、印象が変わるんです。
メールは“テンポより余白”が大切ですよ。」

敬語は使い分けによって印象が3倍変わるとも言われます。
最後に、もこあい先生と悪もこあい先生がまとめる「敬語マスターの心得」を見てみましょう。

🌸 第8章:もこあい先生のまとめコメント

敬語とは、ただの「話し方」ではありません。
それは思いやりのかたちであり、
言葉の中にある小さな“優しさ”を届ける方法なのです。

もこあい先生:
「丁寧な言葉を選ぶということは、
“相手を大切に思う”ということです。
それは、どんな時代でも、どんな立場でも変わらないんですよ。」

今の社会は、早さや効率が求められます。
でも、そんな時代だからこそ――
ゆっくり丁寧に話す人が印象に残るのです。

白衣を着たもこあい先生が、黒板に「ことばと心の距離」というグラフを示しながら、 「敬語はクッション」と説明している。温かく親しみやすい教育ポスター風イラスト。
もこあい先生「言葉の使い方で、人との距離は変えられるんです。」

悪もこあい先生:
「フフ… ま、言葉一つで運命が変わることもあるしね。
“気を抜かない優しさ”って、なかなか難しいものよ。」

もこあい先生:
「だからこそ、練習しましょう。
間違えても、恥ずかしくても、思いやりをこめた言葉を使う人になれるように。」

今日から、ほんの少しだけ意識してみてください。
“ありがとう”に、もう一歩の心を添えてみる。
それだけで、世界は少しだけ優しくなるから。

夜の教室で白衣を着たもこあい先生が黒板に「ことばは光」と書いている。 星空と月明かりが教室を優しく照らし、机に温かな光が反射している。
もこあい先生「ことばは光。あなたの優しさを映す鏡です。」🌙

もこあい先生より:
「今日の“なんで?”を大切にしよう。
正解より、考えた道のりが宝もの。」