🧭 ガイドライン：AIは“練習相手”、ゴールはあなたの言葉

• AIは補助輪：答えを丸投げしない。発想・構成・添削に使う。
• 著作権＆引用：引用は短く。出典を明記。古典の多くは著作権切れでも長すぎる引用は避けるのが吉。
• 提出物は自分の言葉で：AIの下書きを「自分の経験・解釈」で上書きして仕上げる。

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🧩 要約の基礎：何を残して何を捨てる？

要約のコツは「主張・理由・根拠」「誰が・何を・なぜ・どうした」の芯を残すこと。装飾はそぎ落とし、骨組みだけを残します。

📌 失敗しがちポイント（もこあい先生の実体験より）

• 失敗1：大事な専門語を落として意味が変わる
  → 改善：「本文のキーワード3語を先に抽出」→それを入れて1文にする。
• 失敗2：字数に合わせようとして主張が消える
  → 改善：まず100字で作ってから50字に圧縮（段階圧縮）。
• 失敗3：要約なのに自分の意見が混入
  → 改善：「評」と「要」を分離。要約→評論の順に。

🧪 コピペOK：要約プロンプト（基本〜応用）

【段落ごと要約】
「次の本文を段落ごとに1〜2文で要約してください。段落番号と要点を対応させて出力。
最後に“全体の主張”を30〜50字で示してください。」

【3点抽出→1文化】
「本文のキーワードを3つ抽出し、その3語を必ず入れて“1文要約”を作ってください。」

【接続詞トレース】
「本文内の“しかし/つまり/たとえば/だから”に注目し、論の流れを箇条書きで整理→最後に1文要約。」

【段階圧縮】
「この100字要約を50字→30字へ段階的に圧縮してください。意味が変わらないことを優先。」

【図式化】
「本文の因果関係をA→B→Cの矢印で図式化し、最後に25字で1文要約。」

【難易度調整】
「以下の要約を(小学生/中学生/高校生)向けに言い換えてください。専門語は短い定義を添える。」

【誤読チェック】
「この要約の“抜け・飛躍・曲解”を3点指摘し、修正案を出してください。」

【役割別要約】
「本文を“先生に説明/友達に説明/保護者に説明”の3パターンで要約し、語彙と例示を調整してください。」

👉 要約の筋トレには、⏰ 勉強計画記事の“表にする”テクも有効です。

💬 感想文の基本：あらすじで終わらせない

感想文は「作品×自分」の交差点。
①印象（感情）→②理由（場面/言葉）→③自分の経験/価値観→④学びの順で書くと、あらすじ地獄から抜け出せます。

📌 ありがち失敗 → こう直す

• 失敗：「面白かった」「すごかった」で終わる
  → 改善：どの場面の何が“面白/すご”かったか、引用の近くに理由を書く。
• 失敗：作品の再説明で終わる
  → 改善：あらすじは4〜5行以内。以降は自分と作品の“接点”に紙幅を使う。
• 失敗：同じ言葉の繰り返し
  → 改善：類語・反対語に言い換え、具体例を足す。

🧪 コピペOK：感想文プロンプト集（骨組みづくり）

【感情曲線】
「読書中に感じた感情の変化を3〜5点で列挙→各点に対応する場面/言葉/理由をセットにしてください。」

【接点マップ】
「作品テーマ(例：友情/正義/責任)と自分の体験を接続する“接点”を3つ挙げ、各々80〜120字で書いてください。」

【導入テンプレ】
「次の型で200〜300字の序論を書いてください：
(出会い)→(作品の核)→(私は何に反応したか)→(本文で深掘りする予告)」

【引用の扱い】
「短い引用(1〜2文)→その意味(30〜50字)→自分の気づき(80〜120字)の順で段落を組んでください。」

📚 有名文学で練習：3つの深掘り例

① 夏目漱石『坊っちゃん』：まっすぐさは正義か、未熟か

視点のヒント：主人公の“直情径行”は、痛快と未熟の両面をもつ。学校という小さな社会で、正義はどう働く？

「夏目漱石『坊っちゃん』について、①主人公の長所短所 ②教師社会のルール ③自分の学校経験との接点 を各150字で整理。
そのうえで“直情は社会でどう評価されるか”を300字で論じてください。」

失敗→改善：
× 痛快だった！→ なぜ？どの場面？誰のどの言葉？
× 教師がひどい→ なぜ？“制度・上下”の視点を足す。

② 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』：幸福と喪失、友情はどこへ行く？

視点のヒント：ジョバンニとカンパネルラ、現実と幻想、宗教的イメージ。幸福は“自分のもの”か“誰かのため”か。

「『銀河鉄道の夜』のテーマ候補を5つ挙げ、それぞれに対応する場面/象徴を整理。
“わたしにとっての幸福”を150字で定義→作品の価値観と重なる点/ずれる点を各120字で。」

失敗→改善：
× きれいだった→ 何が？色・音・構図など五感で語る。
× 難しい→ どこが？分からない点を列挙し、仮説を立てる。

③ 芥川龍之介『蜘蛛の糸』：救済は誰のため？

視点のヒント：利己心vs救済。神仏・地獄側/カンダタ側/第三者、それぞれの倫理を比べる。

「『蜘蛛の糸』を“神仏側/カンダタ側/第三者”の3視点で100字ずつ要約。
その違いを表で比較し、最後に“自分が学んだ教訓”を150字で。」

失敗→改善：
× カンダタは悪い人→ 事実＋具体行為に基づく評価へ。
× 教訓を断定→ 自分の価値観/限界をセットで書くと誠実。

🎭 実験的な感想文（遊びながら深くなる）

発想をズラすと、作品の“別の顔”が見えます。

【悪役視点】
「この作品の“悪役側”の視点で、自分を正当化するミニ感想(200字)を書いてください。根拠を1つ入れる。」

【未来の自分視点】
「10年後の私がこの作品を読み返したと仮定して、今とは違う読みを200字で。」

【編集者視点】
「この作品の魅力を“帯コメント”風に100字×3で。読者層をそれぞれ想定。」

【スピーチ化】
「クラススピーチ用の1分台本（180〜220字）。冒頭フック→本論→しめの一言。」

🧱 終盤：超難関『ドグラ・マグラ』に挑戦！

最後は夢野久作『ドグラ・マグラ』（1935）。
“読む人の神経に変調をきたす”と言われるほどの難解作。だけど、だから面白い。ここでは「どこが・なぜ難しいのか」を丁寧に解きほぐし、AIを活用した攻略法を提案します。

🔍 どれだけ難しいのか（全力で深掘り）

1. 語りの信頼性が揺れる：語り手が“自分”を確かめられない。読者は常に「本当にそうなのか？」を疑い続ける。
2. 時間が渦巻く：夢・回想・手記・報告書が入れ子状に重なり、時系列が崩れる。
3. 文体・媒体の変奏：小説文、医学レポート、手紙、新聞……媒体の切替で読者の足場がズレる。
4. 専門語・思想の奔流：心理学/遺伝/催眠/病理などの概念が容赦なく飛び交う。
5. メタ的視線：物語が“物語であること”を意識させる瞬間があり、現実と虚構の境界がぼやける。
6. 解釈の多層性：同じ場面でも“何が起きているか”の読みが分岐する。結論が一つに収束しない。

要するに、“足場が常に揺れる読書”なんです。でも、それを楽しみに変える方法があります。

🗺️ 攻略の思考フレーム

• 話者タグづけ：章・段落ごとに「誰が語っているか」を明示。
• 確からしさスコア：事実と思われる記述に0〜3の確度をつける。
• タイムライン二重化：“語りの順序”と“出来事の順序”を別々に並べて比較。
• モチーフ辞典：反復するイメージ（時計/夢/血/遺伝…）をリスト化し、出現箇所を追跡。
• 負荷分散：章ごとに休憩＆メモ。理解“不能”地点も正直に記録する。

🧪 コピペOK：『ドグラ・マグラ』読解プロンプト

【章ごと整理】
「第◯章を“話者/出来事/媒体(手記・会話・報告など)/確からしさ(0-3)”で表にし、最後に100字要約。」

【二重タイムライン】
「語られた順序と出来事の推定順序を二列で並べ、矛盾点/未確定点を箇条書きに。」

【モチーフ追跡】
「時計/夢/遺伝/血…などの反復モチーフと出現箇所、場面ごとの“意味の変化”を一覧化。」

【語りの信頼性チェック】
「次の叙述の“信頼性を下げる要素”を指摘し、別解釈を2つ提示。」

【用語や背景の理解】
「出てくる心理学・医学用語を高校生向けに100字以内で解説。難語には“現代の例え”を付ける。」

💬 感想文に落とす視点（正解は一つじゃない）

• アイデンティティの溶解：“わたし”はどこまで“わたし”？
• 遺伝/環境/責任：行為の責任は個人か、宿命か、社会か。
• 夢と現実：「夢だから無効」では終わらない、現実への影響。
• 読者の共犯性：混乱を“楽しむ”私たち自身も物語の一部？

「『ドグラ・マグラ』感想文の骨組みを作ってください。
①一文要約(25〜40字) ②強く反応した場面と理由(150字)
③“わからなさ”の正直な告白(120字) ④自分の経験/価値観との接点(150字)
⑤この作品が今の私に投げかける問い(120字) ⑥締めの一言(50字)」

📝 もこあい先生の“挑戦”ミニ感想（例）

正直に言うと、『ドグラ・マグラ』は何度も迷子になりました。物語が意地悪だからではなく、たぶん私の“自分って何？”という弱点を突いてくるから。読んでいるあいだ、私は私でいられたのか――そんな奇妙な不安が続きました。
それでもページを閉じると、目の前の“今ここ”がはっきりする。わからなさを言葉にすることは、世界から逃げないことだと気づきます。
AIに章ごとの整理を手伝ってもらいながら、「確からしさ」の低い場所を丸ごと“わからない”と認める。すると、作品は突然やさしくなりました。
この本は、答えをくれない。けれど、問いの立て方を教えてくれる。だから私は、また最初のページに戻るのです。

👉 “完全理解”を目指さなくていい。「わからない」を正直に書く勇気も、感想文の立派な技術です。

🧰 仕上げ：自分の言葉にするための最終プロンプト

「次の感想文草稿を、“あらすじ比率/自分視点の濃度/引用の扱い/具体性/独自性”の5観点で10点満点評価。
弱点トップ2を改善する書き換え案を段落単位で提示。」

「この段落の語彙を、(やさしめ/硬め/比喩多め)の3種類に言い換えて提示。元の意味を変えない範囲で。」

「この300字段落を150字→100字→70字に短くし、逆に450字に厚くするバージョンも作成。」

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