📌読み返しは効率悪い?「思い出す勉強(想起練習)」が強い理由とやり方大全



読み返しより想起練習が強いことを象徴する学習机とメモのビジュアル
読むだけから「思い出す」へ切り替える



昔のわたしは、ノートや教科書を何度も読み返して「ちゃんと勉強した気」になっていました。
でもテストになると、いざという時に出てこない。
そのとき気づいたんです。「読む」より先に、思い出す練習が必要なんだって。



読み返しだけだと「分かった気分」は増えますが、テストで出せる力は伸びにくいです。
この記事では、思い出す勉強(想起練習)を、今日から回せるテンプレにしてまとめます。

この記事でできること(結論)

  • 読み返し中心の勉強を、点に変わる勉強へ切り替えられる
  • 想起練習のテンプレA〜Dを「そのまま使える形」で手に入る
  • 英語・社会・理科・数学・国語で、教科別のやり方まで落とし込める
  • 続かない問題を、If-Thenと環境調整で「続く仕組み」にできる

今日の1分(ここだけやればOK)

  1. 教材を閉じて、1問だけ思い出す(白紙でも口でもOK)
  2. 答え合わせ(ズレは1個だけ
  3. 丸を1つ

※「ゼロの日」を作らないのが最強です。

こんな人に向いています

  • 勉強してるのに、テストで点に結びつかない
  • まとめノートは作ってるのに、思い出せない
  • 復習が続かない(忙しい/疲れている/スマホに吸われる)
  • 直前期に「結局なにすればいい?」で迷う

目次
※この下に目次(RTOC)が表示されます。

はじめに(注意:研究知見の扱い方について)
本記事は学習心理学・認知心理学・学習科学の研究知見をもとに構成していますが、研究の条件(対象・教材・評価方法)により解釈には幅があり得ます。
実践では「小さく試して調整する」前提でご活用ください。



1. 読み返しが強そうに見える理由

健太 読み返すと安心するんですよね…。やった気がするっていうか。
もこあい先生 その感覚は自然だよ。読み返しは「理解した気分」を作りやすいんだ。

読み返しは、内容がスムーズに頭に入ってくるので気持ちよく感じます。
でもテストや本番で必要なのは、「見たら分かる」ではなく見なくても出せる力です。

落とし穴:読み返し中心だと「分かった気」になりやすい一方で、思い出して出す練習が不足しがちです。

読み返しと想起練習の違いを2カラムで示し定着の差を直感的に理解できる比較図
同じ時間でも「出せる力」が変わる
悪もこあい先生 読み返しは“安心”を増やす。点は増やさない。
点を増やしたいなら、出せ。出す練習をしろ。



2. 思い出す勉強が強い理由

想起練習は、簡単に言うと「思い出す」練習です。
テストは「思い出す場」なので、練習も同じ形に寄せるほど強くなります。

ポイント:想起練習は「間違えるための勉強」です。
間違いが出るほど、穴が見えます。穴が見えれば、次に埋められます。

想起練習を想起から答え合わせと修正を経て丸ログで回す循環フロー図
短く回すほど強くなる

最小ループ(超重要)

  1. 思い出す(白紙/口/ミニテスト)
  2. 答え合わせ(ズレを確認)
  3. ズレは1個だけ直す(増やしすぎない)
  4. 丸を1つ(続ける仕組み)



3. 読み返しを捨てる必要はあるか?

結論はシンプルです。
読み返しはゼロにしなくてOK。ただし役割を変えます。

読み返しの使い方 OK 理由
初見で全体像をつかむ OK 材料がないと想起できない
想起の後に答え合わせとして読む OK フィードバックが入る
読み返しだけで終わる NG 思い出す練習がゼロ
悪もこあい先生 「読むだけ」で終わるな。
最後に1回出せ。それが勉強だ。



4. 想起練習テンプレ大全

ここがこの記事の核です。
迷ったら、テンプレから1つだけ選べば回ります。

想起練習テンプレAからDをカード形式で整理し選び方を直感化した図
迷ったらカードから1枚だけ選ぶ
健太 こういうの欲しかった…!やること多いと、逆に動けないんですよ。
悪もこあい先生 お前は“全部やる”で死ぬタイプだ。
1つで勝て。1つを回せ。

テンプレA 白紙再現

  1. 教科書やノートを閉じる
  2. 要点を3つだけ白紙に出す
  3. 答え合わせしてズレを1個修正

目安:3分。完璧は不要。

テンプレB 自作ミニテスト

  1. 問題を3〜5問だけ作る(短い穴埋めでOK)
  2. 解く
  3. 間違いの原因を1行で書く

目安:5〜10分。「作る」ができると最強。

テンプレC 独り授業

  1. 見出しを1つ決める
  2. 90秒で説明する(声でも心の中でもOK)
  3. 詰まった語を1つだけ確認する

目安:1〜2分。疲れていても回りやすい。

テンプレD ミスの型から修正

  1. ミスを分類する(計算/符号/条件/手順/知識)
  2. 次はこうする、を1行で決める
  3. 同タイプを1問だけやり直す

目安:3分。ミスが減る=点が上がる。

《恵子のメモ帳》テンプレを選ぶ最短ルール
  • 机に座れる → A(白紙再現)
  • 疲れてる → C(独り授業)
  • 直前期 → D(ミス修正)
  • 慣れてきたら → B(自作ミニテスト)



5. 続く仕組みを作る

勉強は、やる気より設計です。
ここを押さえると、想起練習が自然に回り始めます。

習慣の合図となるトリガーから想起練習の行動へつなぐIf-Thenの流れを示す図
迷いを消すと続く

If-Then 宣言

  • もし ____ したら、____ をやる。
  • 例:もし 机に座ったら1問だけ 思い出す。
  • 例:もし 夕食の前になったら白紙再現3分 をやる。

教材を机に出しスマホを離して学習の摩擦を調整する環境設計を示す俯瞰図
意思より配置

環境をいじると強い

  • 教材は机に出しっぱなしにする(始めやすくする)
  • スマホは手の届かない場所に置く(やめやすくする)
  • 最初の行動は1分で終わる形にする(折れない)

学習の継続を丸ログで可視化しゼロの日を減らすカレンダー図
丸だけで勝てる

丸ログの作り方

  1. カレンダーに、できた日に丸をつける
  2. 量は問わない(1問でも丸)
  3. 丸が増えるほど、続く

悪もこあい先生が行動を促し健太がやる気に切り替わる学習机シーンの挿絵
読むだけで終わるな。1問出せ
悪もこあい先生 やる気が出ない?関係ない。
1問だけだ。ゼロの日を作るな。
《恵子のメモ帳》集中できない日の最小形
  1. 1問だけ(30秒〜1分)
  2. 無理ならヒントを見て10秒想起
  3. それも無理なら机に座って教材を開くだけ(儀式)

※儀式で終えた日は、翌日に1問で取り返す。



6. 科目別の想起練習のやり方

同じ想起でも、教科で出し方が変わります。
合言葉はこれです。短く出す → すぐ答え合わせ → ズレは1個

英語社会理科数学国語の科目別に想起練習の出し方が変わることを示すアイコン帯
教科で出し方が変わる
健太 ここが知りたかったです…。英語は?数学は?って。
悪もこあい先生 自分の教科の型を決めろ。決めたら強い。

6-1. 英語の想起

英語は「意味」だけで止まると弱くなりがち。強い順は意味 → 用法 → 例文です。

レベル 出すもの
Lv1 意味 discover=発見する
Lv2 用法 be interested in ~
Lv3 例文(穴埋め) I ( ) to go. → want

英語テンプレ

  • 単語3つ:意味→できたら用法
  • 熟語:日本語→英語で1回出す
  • 長文:本文を見ず「要点1文」を言ってから答え合わせ

6-2. 社会の想起

社会は暗記に見えて、実はストーリーです。原因→結果→影響を矢印で出せると強い。

社会テンプレ

  1. テーマを1つ決める
  2. 原因→結果→影響を矢印で3つ出す
  3. 答え合わせしてズレを1個修正

6-3. 理科の想起

理科は公式を「唱える」より、意味と変化を言えることが大切です。
「何が増えるとどうなる?」が言えれば強い。

理科テンプレ

  1. 公式の各文字が何か言う
  2. 増えるとどうなるか言う(比例・反比例)
  3. 例題1問で答え合わせ

6-4. 数学の想起

数学は答えより手順の再現です。手順が出れば解けます。

数学テンプレ

  1. 例題を見て「手順を3ステップ」で言う
  2. 解答で答え合わせ
  3. ズレ1個修正→類題1問

6-5. 国語の想起

国語は読み返す前に先に出す主張・理由・根拠です。

国語テンプレ

  1. 本文を閉じて主張を1文で言う
  2. 理由を1つ言う
  3. 根拠を本文で確認してズレ1個修正



7. よくある質問|想起練習のやり方・読み返し・直前期

想起練習のよくある質問とつまずきをまとめるFAQパート導入用のバナー図
迷いを潰して続ける
悪もこあい先生 FAQは“安心”のためじゃない。決断のために読め。

7-1. 読み返しは意味ない?効率悪い?

結論:読み返しは入口か答え合わせに置けばOK。
読み返しだけで終わるのがNGです。最後に必ず1回、出してください。

7-2. 想起練習はいつやる?復習タイミング

結論:いつでもOK。ただし最強は固定。If-Thenで決めると続きます。

7-3. ノートは必要?まとめノートは作るべき?

結論:ノートはOK。ただし先に想起→1行修正が条件。
まとめノートで満足すると、想起が消えます。

7-4. テスト直前でも効く?直前期の回し方

結論:効きます。直前期は「新しいこと」より穴つぶし
頻出→短く想起→答え合わせ→類題1問、を回します。

頻出から想起して答え合わせし類題を1問解く直前期の最短学習ループ図
直前期は派手さより穴つぶし

7-5. 集中できない・やる気が出ない日はどうする?

結論:集中を目標にしない。1問だけを目標にする。
ゼロの日を避ければ、習慣は勝ちます。

7-6. 想起練習がつらい/思い出せない時は?

結論:ヒントあり想起でOK。最初はズルしていい。
ヒントを徐々に外すことで、出せる力が育ちます。

7-7. 想起練習は何分やればいい?

結論:最小は1分。慣れたら3分、余裕がある日は10分。
長さより回数が正義です。

FAQまとめ

  1. 読む(入口)
  2. 思い出す(1問でOK)
  3. 答え合わせ(ズレ1個)
  4. 丸を1つ



8. まとめ|結局どれをやればいい?

ここまで読んで「分かった」で終わると、また戻ります。
あなたがやることは、①テンプレを1つ決める → ②If-Thenを1つ決める → ③丸をつけるです。

あなたの状態 選ぶテンプレ 最小行動
机に座れる A 白紙で要点3つ(3分)
疲れている C 独り授業90秒
直前期 D ミス1行修正→類題1問
慣れてきた B 自作ミニテスト3〜5問

If-Then 最終宣言

  • もし ____ したら、____ をやる。
  • 例:もし机に座ったら、1問だけ思い出す。
もこあい先生より:
「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」
悪もこあい先生 最後に言う。
読むだけで終わるな。今から1問、出せ。



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参考文献・出典

※本記事は、学習心理学・認知心理学・教育心理学の研究知見をもとに構成しています。
ただし研究の条件(対象・教材・評価方法)により結果の解釈には幅があり得ます。実践では「小さく試して調整する」前提でご活用ください。

参考文献・出典(クリックで開く)
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    (参照日:2026-01-11)
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    (参照日:2026-01-11)



この記事に含まれる学問要素(対応表)

※本文では難しい専門用語をできるだけ避け、実践に落とす形でまとめました。
どの発想がどの分野に近いかを、最後に対応表として整理しておきます(興味が出たら深掘り用)。

この記事の要素 中身(キーワード) 主な分野 ひとこと
思い出す勉強が強い 想起練習 / テスト効果 認知心理・教育心理 出せる力が伸びる
白紙再現 生成(自力再生)/ フィードバック 学習科学 穴が見える=最短
自作ミニテスト 自己テスト / 質問化 教育心理 問題がなくても回せる
独り授業 精緻化 / 説明生成 学習科学 詰まる所が伸びしろ
間隔を空ける復習 分散学習 / 間隔効果 認知心理 忘れかけが強い
混ぜて解く 交互学習(インターリーブ) 学習科学 見分ける力が伸びる
分かった気を防ぐ メタ認知 / 学習の錯覚 認知心理 想起が理解テスト
If-Then固定 実行意図 行動科学 迷いを消す
摩擦の設計 環境デザイン / ナッジ 行動経済・行動デザイン 意志に頼らない
丸ログで続ける 可視化 / 強化 / 習慣形成 行動科学 報酬は進捗



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読者の指摘や新しい研究知見に応じて、必要に応じて更新します。

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  • 2026-01-13:初版公開。