自由研究のテーマは決まったのに、仮説が思いつかず、そこで止まっていませんか。

「何を予想すればいいのか分からない」「仮説と目的の違いが分からない」「間違った仮説を書いたら恥ずかしい」と悩む人もいるでしょう。

けれど、仮説は最初から正解を当てるための文章ではありません。

身近な疑問を、実験や観察で確かめられる形へ変えるための最初の考えです。

この記事では、仮説を作る基本を、次の3ステップで説明します。

  1. 疑問を見つける
  2. 何と何を比べるか決める
  3. 結果と理由を予想する

一人で仮説を考える方法だけでなく、友達や先生と話す方法、AIを質問役として使う方法、仮説を修正するときの考え方も紹介します。

記事の最後には、悪もこあい先生からの「これは仮説か、仮説ではないか」という挑戦状もあります。

必要な部分から読んでも構いません。仮説の意味から理解したい人は、最初から順番に進んでみましょう。

自由研究の仮説を疑問・比べる・予想の3ステップで作る図

目次
  1. 先に答え|自由研究の仮説は「疑問→比べる→予想」で作れる
  2. そもそも仮説とは?|予想・目的・結果との違い
  3. まずは小学生のころを思い出そう|中学生になると仮説はどう変わる?
  4. 「疑問→比べる→予想」の3ステップで仮説を作ろう
  5. 健太と恵子が「疑問→比べる→予想」で仮説を立ててみた
  6. 一人でも、周りと話しても大丈夫|仮説を深める方法
  7. AIを使って仮説を見直す方法|答えではなく質問をもらおう
  8. 仮説は途中で直してもいい|訂正と修正から研究は深まる
  9. 仮説と結果が違っても大丈夫|最初の予想を消さずに考えよう
  10. コラム|「もしかしたら」から科学を進めた人たち
  11. 自由研究で使える仮説の例
  12. 悪もこあい先生から最後の挑戦状|これは仮説か、仮説ではないか
  13. コピペして使える|自由研究の仮説作成テンプレート
  14. まとめ|仮説は、疑問を調べられる形へ変える第一歩
  15. 参考文献・参考資料
  16. あわせて読みたい記事

先に答え|自由研究の仮説は「疑問→比べる→予想」で作れる

最初に、この記事の答えをお伝えします。

仮説とは、まだ確かめていない疑問に対する「理由のある、確かめられる予想」です。

仮説は、次の3ステップで考えられます。

ステップ1|疑問を見つける

身近な出来事から、「なぜだろう」「条件を変えるとどうなるのだろう」という疑問を見つけます。

ステップ2|何と何を比べるか決める

調べたい条件を一つ決め、それ以外の条件をできるだけそろえます。

ステップ3|結果と理由を予想する

次の形にすると、仮説を書きやすくなります。

〇〇のほうが、△△になると予想した。
なぜなら、□□と考えたからである。

たとえば、「氷の溶け方」を調べる場合は、次のように考えられます。

  • 疑問:金属の皿と木の板では、どちらに置いた氷が早く溶けるのだろう
  • 比べる:氷を置く素材だけを変え、氷の大きさや置く場所はそろえる
  • 予想:金属の皿に置いた氷のほうが早く溶けると予想する
  • 理由:金属は木より熱を伝えやすいと考えたから

文章にすると、次のようになります。

同じ大きさの氷を同じ場所に置いた場合、金属の皿に置いた氷は、木の板に置いた氷より早く溶けると予想した。金属は木より熱を伝えやすく、周りの熱が氷へ伝わりやすいと考えたからである。

ここまで読んで自分の仮説を作れそうなら、まずノートに書いてみましょう。

「そもそも疑問が見つからない」「何を比べればよいか分からない」という人は、ここから一つずつ詳しく見ていきます。

金属と木に置いた氷を比べて仮説を作る例

そもそも仮説とは?|予想・目的・結果との違い

自由研究で「仮説を書きましょう」と言われても、何を書けばよいのか分からない人もいるでしょう。

この記事では、仮説を次のように考えます。

仮説とは、まだ確かめていない疑問に対して、理由をもとに立てる「確かめられる予想」です。

仮説は、すでに分かっている答えを書くものではありません。

これから実験や観察をする前に、「たぶん、このような結果になるのではないか」と考えた内容です。

中学生の自由研究では、次の3つが入っていると、仮説として分かりやすくなります。

  • どのような結果になると予想するか
  • なぜそうなると考えたか
  • 実験や観察で確かめられるか

予想と仮説は何が違うの?

日常生活では、「予想」と「仮説」をほとんど同じ意味で使うこともあります。

自由研究では、予想に理由と確かめ方を加えると、仮説に近づくと考えると分かりやすいでしょう。

予想

日なたの植物のほうが、よく育つと思う。

これも仮説の始まりです。

ただし、「よく育つ」とは、草丈が高くなることなのか、葉が増えることなのか、まだ分かりません。なぜそう思ったのかも書かれていません。

確かめやすい仮説

同じ種類の植物に同じ量の水を与えた場合、日なたに置いた植物は、日陰に置いた植物より草丈が高くなると予想した。日なたのほうが多くの光を受け、光合成をしやすいと考えたからである。

こちらには、次の内容が入っています。

  • 日なたと日陰を比べる
  • 草丈を測る
  • 水の量などをそろえる
  • 予想した理由を書く

曖昧な予想を、比べたり測ったりできる形へ整えたものが、自由研究で使いやすい仮説です。

テーマ・疑問・目的・仮説・結果・考察の違い

「氷の溶け方」を調べる場合を例に整理してみましょう。

項目 役割
テーマ 研究で扱う大きな題材 氷の溶け方
疑問 研究で明らかにしたい問い 金属と木では、どちらに置いた氷が早く溶けるのだろう
目的 何を調べる研究なのか 氷を置く素材によって、溶ける速さに違いがあるか調べる
仮説 実験前に考えた答え 金属に置いた氷のほうが早く溶けると予想する
結果 実際に観察・測定した事実 金属では12分、木では19分で溶けた
考察 結果が起きた理由を考える 金属は周りの熱を氷へ伝えやすかったと考えられる

仮説は、実験前に考えた予想です。

結果は、実際に測って得られた事実です。結果を見てから、最初の仮説を書き換えるものではありません。

すべての自由研究に仮説が必要とは限らない

自由研究には、条件を変えて結果を比べる実験だけでなく、次のような研究もあります。

  • 生き物や植物の観察記録
  • 地域の歴史や文化の調査
  • 標本や図鑑作り
  • 工作や装置の製作
  • アンケートや聞き取り調査

研究内容によっては、「AとBのどちらがどうなるか」という仮説を立てにくい場合もあります。

学校から仮説を書くよう指示されている場合は、その決まりに従いましょう。

そうでない場合は、無理に仮説を作るのではなく、「何を明らかにしたいのか」「どこに注目して観察するのか」という疑問や目的をはっきりさせることも大切です。

自由研究のテーマ・疑問・目的・仮説・実験・結果・考察の流れ

まずは小学生のころを思い出そう|中学生になると仮説はどう変わる?

「仮説」と聞くと、難しい研究で使う言葉のように感じるかもしれません。

けれど、小学生のころにも、仮説に近いことを考えた経験はなかったでしょうか。

たとえば、アサガオを育てながら、次のように考えたことがあるかもしれません。

日なたに置いたアサガオのほうが、よく育つと思う。

これも立派な仮説の始まりです。

まだ結果を確かめる前に、「たぶんこうなる」と予想しているからです。

では、中学生になると、仮説はまったく別のものになるのでしょうか。

そうではありません。

中学生の仮説でも、「結果を予想する」という基本は同じです。ただし、小学生のころよりも、次の内容を具体的に考えるようになります。

  • 何と何を比べるのか
  • 何を見たり測ったりするのか
  • どのような結果になると予想するのか
  • なぜそう考えたのか

小学生のころの仮説

日なたに置いたアサガオのほうが、よく育つと思う。

中学生になって考える仮説

日なたに置いたアサガオは、日陰に置いたアサガオより草丈が高くなると予想した。日なたのほうが多くの光を受け、光合成をしやすいと考えたからである。

中心となる予想は、どちらも同じです。

中学生の仮説では、「よく育つ」を「草丈が高くなる」という測れる形に変え、比べる相手と予想の理由を加えています。

小学生の素朴な予想を中学生の確かめられる仮説へ具体化する図

中学生になったからといって、急に難しい仮説を思いつく必要はありません。

小学生のころの素朴な予想に、次の3つを足していけばよいのです。

何を比べるのか。
何を見て確かめるのか。
なぜそう考えたのか。

「疑問→比べる→予想」の3ステップで仮説を作ろう

ここからは、仮説を作る3ステップを詳しく見ていきます。

最初から完成した文章を考える必要はありません。

疑問、比較、予想を一つずつ決めると、仮説の形が見えてきます。

ステップ1|疑問は何から生まれる?

自由研究の疑問は、特別なひらめきから生まれるとは限りません。

普段の生活で感じた、小さな違和感や変化が入口になります。

疑問のきっかけになるもの

  • いつもと違うと感じたこと
  • 思った通りにならなかったこと
  • 二つのものの違いに気づいたこと
  • 季節や場所によって変化したこと
  • 授業で習い、もっと知りたいと思ったこと
  • 図鑑や本を読んで不思議に思ったこと
  • 家や学校で少し困っていること
  • 生き物や植物を見て気づいたこと

たとえば、冷たい飲み物に入れた氷を見て、次のように感じたとします。

氷は、置く場所によって溶ける速さが違う気がする。

ここから、次の疑問が生まれます。

氷は、置くものによって溶ける速さが変わるのだろうか。

ただし、「置くもの」には、金属、木、ガラス、布、プラスチックなど、たくさんの種類があります。

そのままでは広すぎるため、実際に用意できるものへ絞ります。

金属の皿と木の板では、どちらに置いた氷が早く溶けるのだろう。

これで、実験によって確かめられる疑問へ近づきました。

テーマを疑問へ変える言葉

テーマしか思いつかないときは、次の言葉を足してみましょう。

  • なぜ〜なのだろう
  • どちらが〜なのだろう
  • 〜を変えると、どうなるのだろう
  • 〜の量によって、違いは出るのだろうか
  • 〜する前と後で、何が変わるのだろうか
  • 場所や時間によって、違いはあるのだろうか

たとえば、「ダンゴムシ」というテーマなら、次のように変えられます。

  • ダンゴムシは、明るい場所と暗い場所のどちらを選ぶのだろう
  • ダンゴムシは、乾いた場所と湿った場所のどちらを選ぶのだろう
  • 時間帯によって、ダンゴムシの動き方は変わるのだろうか

この章のまとめ:
疑問は、身近な「違い」「変化」「思い通りにならなかったこと」から見つけられます。

自由研究の疑問が違い・変化・困りごと・知りたいことから生まれる図

ステップ2|何と何を比べる?

疑問ができたら、次は何と何を比べるかを決めます。

「比べる」とは、ただ二つのものを用意することではありません。

調べたい条件だけを変え、それ以外の条件をできるだけ同じにすることが大切です。

「変えるもの・そろえるもの・見るもの」を整理する

金属の皿と木の板に置いた氷を比べる場合は、次のように整理できます。

  • 変えるもの:氷を置く素材
  • 比べるもの:金属の皿と木の板
  • そろえるもの:氷の大きさ、形、置く場所、開始時刻、室温
  • 見るもの:氷が溶け終わるまでの時間

もし、金属の皿だけ日なたに置き、木の板を日陰に置いたら、素材の違いだけでなく、日光の違いも結果へ影響します。

大きさの違う氷を使った場合も、どちらが素材の影響なのか分かりにくくなります。

一度に変える条件を増やしすぎない

次の実験では、複数の条件が同時に変わっています。

大きい氷を金属の皿に置いて扇風機を当て、小さい氷を木の板に置いてそのままにする。

この場合、結果が違っても、次のどれが原因か分かりません。

  • 氷の大きさ
  • 皿の素材
  • 風の有無

まず金属と木の違いを調べるなら、素材以外の条件をできるだけそろえます。

中学生の段階では、次の3つを意識すれば十分です。

一つだけ変える。
ほかはできるだけそろえる。
結果を同じ方法で測る。

高校や大学では、これらを「変数」や「条件」と呼ぶことがあります。

今は難しい言葉を覚えるより、「何を変え、何をそろえ、何を見るか」を説明できることが大切です。

この章のまとめ:
比べるときは、調べたいものを一つ決め、それ以外の条件をできるだけそろえます。

自由研究で変えるもの・そろえるもの・見るものを整理した図

ステップ3|どんな結果になると予想する?

疑問と比べる条件が決まったら、その疑問に対する仮の答えを考えます。

これが、仮説の中心となる予想です。

基本形は次のとおりです。

〇〇のほうが、△△になると予想した。
なぜなら、□□と考えたからである。

氷の例なら、次のようになります。

金属の皿に置いた氷は、木の板に置いた氷より早く溶けると予想した。金属は木より熱を伝えやすいと考えたからである。

予想と理由を組み合わせて確かめられる仮説を作る図

予想の理由は何から考える?

理由は、次のような経験や知識から考えられます。

  • 以前に自分が見たこと
  • 日常生活で経験したこと
  • 学校の授業で学んだこと
  • 本や図鑑で調べたこと
  • 似た出来事から考えたこと
  • 家族や友達から聞いたこと

最初から完全に正しい理由を思いつく必要はありません。

ただし、「なんとなく」だけで終わらせず、自分が何をもとに予想したのかを言葉にして残しましょう。

理由が正しいかは、資料でも確かめる

仮説の理由に科学的な説明を使う場合は、教科書、図鑑、学校の資料、信頼できる本などでも確認しましょう。

自分の経験から考えた理由と、資料で確認した知識は、分けて書いても構いません。

普段、金属を触ると木より冷たく感じるため、金属のほうが温度を伝えやすいのではないかと考えた。その後、資料を調べ、金属は木より熱を伝えやすいことを確認した。

「最初にどう考えたか」と「調べて何が分かったか」を残すと、研究の過程が伝わりやすくなります。

この章のまとめ:
仮説は、疑問に対する予想と、そのように考えた理由を組み合わせて作ります。

健太と恵子が「疑問→比べる→予想」で仮説を立ててみた

ここまで説明した3ステップを使って、健太と恵子が仮説を立てる様子を見てみましょう。

健太はテーマを決めたが、仮説が思いつかない

健太は、冷たい飲み物に入れた氷を見ながら、自由研究のテーマを思いつきました。

健太:「氷の溶け方を自由研究にしようかな」

しかし、テーマを決めたところで止まってしまいます。

健太:「でも、仮説って何を書けばいいんだろう。氷は時間がたつと溶ける、では仮説にならないよね」

「氷の溶け方」は研究のテーマですが、まだ何を確かめるのかが決まっていません。

ステップ1|不思議に思ったことを探す

恵子は、すぐに答えを教えるのではなく、健太へ質問しました。

恵子:「氷を見ていて、不思議に思ったことはある?」

健太は、家で氷を使ったときのことを思い出しました。

健太:「金属のトレーに置いた氷は、木のテーブルに落ちた氷より早く溶けた気がする」

恵子:「では、置くものによって氷の溶ける速さが変わるのかもしれないね」

健太は、最初の疑問を書きました。

氷は、置くものによって溶ける速さが変わるのだろうか。

ステップ2|何と何を比べるか決める

恵子:「家で用意できて、違いを比べやすいものは何かな?」

健太:「金属の皿と木の板なら用意できそう」

疑問をさらに具体的にします。

金属の皿と木の板では、どちらに置いた氷が早く溶けるのだろう。

次に、健太は実験の条件を整理しました。

  • 変えるもの:氷を置く素材
  • 比べるもの:金属の皿と木の板
  • そろえるもの:氷の大きさ、置く場所、開始時刻、室温
  • 見るもの:氷が溶け終わるまでの時間

健太:「金属の皿だけ日なたに置いたら、素材ではなく日光の違いになってしまうね」

恵子:「そうだね。調べたいこと以外は、できるだけ同じにする必要があるね」

ステップ3|結果と理由を予想する

恵子:「健太は、どちらの氷が早く溶けると思う?」

健太:「金属の皿かな。触ると金属のほうが冷たく感じるし、熱が伝わりやすそうだから」

健太は、最初に次の仮説を書きました。

金属の皿に置いた氷のほうが早く溶けると思う。金属は熱を伝えやすそうだから。

これでも予想と理由は書けています。

さらに、何と何を比べるのかが伝わるように整えました。

同じ大きさの氷を同じ場所に置いた場合、金属の皿に置いた氷は、木の板に置いた氷より早く溶けると予想した。金属は木より熱を伝えやすく、周りの熱が氷へ伝わりやすいと考えたからである。

恵子は少し違う仮説を考えた

ところが、恵子は少し違うことを考えていました。

恵子:「最初は金属のほうが早く溶けると思うけれど、途中から差が小さくなる可能性はないかな」

健太:「どうして?」

恵子:「氷に触れている金属も冷えていくから。最初と最後で溶ける速さが変わるかもしれないと思ったの」

恵子の仮説は、次のようにまとめられます。

金属の皿に置いた氷は、最初は木の板に置いた氷より早く溶けるが、時間がたつと溶ける速さの差は小さくなると予想した。氷によって金属の皿も冷やされ、氷へ伝わる熱が少なくなると考えたからである。

健太と恵子は、同じ疑問について考えていますが、予想の内容は少し違います。

話し合いだけで、どちらかを正解と決める必要はありません。

二人の仮説を確かめるには、完全に溶けるまでの時間だけでなく、途中の変化も記録するとよいかもしれません。

  • 1分ごとの氷の大きさ
  • 途中で溶けて出た水の量
  • 金属や木の表面温度

人と違う仮説を聞くことで、実験で見る項目が増えることもあります。

健太と恵子が質問と比較を通して氷の仮説を立てる様子

一人でも、周りと話しても大丈夫|仮説を深める方法

自由研究は、一人でも進められます。

自分が気になったことを、自分のペースで観察したり実験したりするのも、立派な研究です。

周りへ相談しなければ、よい仮説が作れないわけではありません。

一方で、話せる相手がいる場合は、自分の仮説を聞いてもらったり、相手の仮説を聞いたりすることで、別の見方に気づくこともあります。

大切なのは、自分で考える方法と、周りの視点を借りる方法のどちらか一方だけを正しいとしないことです。

一人で進めるときは、自分で自分に質問する

一人で仮説を考える場合は、ノートへ最初の予想を書き、その後で自分に質問してみましょう。

たとえば、最初の仮説が次の内容だったとします。

ダンゴムシは暗い場所を選ぶと思う。

この仮説へ、次の質問をします。

  • 何と何を比べるのか
  • 「選ぶ」とは、何を見て判断するのか
  • 暗さ以外に違う条件はないか
  • なぜ暗い場所を選ぶと思ったのか
  • 何匹を使い、何分後に結果を見るのか

質問へ一つずつ答えていきます。

  • 明るい場所と暗い場所を比べる
  • 一定時間後にいるダンゴムシの数を見る
  • 広さや湿り方はできるだけ同じにする
  • 石や植木鉢の下で見つけることが多いから

すると、次のように具体化できます。

明るさ以外の条件をできるだけそろえた場合、ダンゴムシは明るい場所より暗い場所に多く集まると予想した。普段、石や植木鉢の下で見つけることが多いからである。一定時間後に、それぞれの場所にいる数を比べて確かめる。

一人で考える場合も、頭の中だけで考え続ける必要はありません。

紙に書き、自分で質問し、自分で答えることで、仮説を深められます。

時間を置いて読み直す

仮説を書いたら、少し時間を置いて読み直す方法もあります。

読み直すときは、次のように考えてみましょう。

この仮説を初めて読む人にも、何を比べ、何を予想しているか伝わるだろうか。

「よく育つ」「たくさん」「すぐ」「元気になる」などの言葉は、人によって意味が変わりやすいため、測れる言葉へ直せないか確認します。

自分の仮説を聞いてもらう

友達、家族、先生などへ相談できる場合は、いきなり「仮説を考えてください」と頼むのではなく、現在考えているところまでを伝えましょう。

氷の溶け方を調べようと思っています。
金属の皿と木の板を比べたいです。
金属のほうが早く溶けると予想していますが、条件のそろえ方に自信がありません。

このように伝えれば、相手もすべてを代わりに決めるのではなく、必要な部分について質問しやすくなります。

人の仮説を聞くときは、まず理由を聞く

自分と違う仮説を聞いたときに、すぐ「それは違う」と否定する必要はありません。

まずは、次のように聞いてみましょう。

どうして、その結果になると思ったの?

たとえば、ダンゴムシについて、次の二つの予想が出ることがあります。

暗い場所を選ぶと思う。普段、石の下にいることが多いから。

明るさよりも、湿っている場所を選んでいるのではないか。石の下は暗いだけでなく、乾きにくいから。

理由を比べると、次の新しい疑問が生まれます。

ダンゴムシは、明るさと湿度のどちらを選んでいるのだろう。

人の仮説を聞くことは、自分の考えを捨てることではありません。

自分では見落としていた条件へ気づく機会になります。

先生に相談するときに伝える4つのこと

  • 調べたいこと
  • 現在考えている仮説
  • 比べようとしている条件
  • 自分が困っている部分

たとえば、次のように質問できます。

日なたと日陰で植物の育ち方を比べようと思っています。日なたのほうが草丈が高くなると予想しています。草丈を測る予定ですが、葉の数も記録したほうがよいでしょうか。

自分の考えを先に伝えることで、必要な部分について具体的な助言を受けやすくなります。

グループ研究では、作業だけでなく考えも共有する

グループで自由研究をする場合は、写真を撮る人、記録する人、時間を測る人など、作業を分担することがあります。

ただし、仮説を一人だけで決めてしまうと、ほかの人が研究の意味を理解できなくなることがあります。

実験前に、全員で次の内容を確認しましょう。

  • 何を疑問に思っているのか
  • 何と何を比べるのか
  • どのような結果を予想しているのか
  • なぜそう考えたのか
  • 何を同じ条件にするのか

全員が同じ予想を持つ必要はありません。

意見が違う場合は、それぞれの予想と理由を記録しておくと、結果が出た後の考察にも使えます。

一人での見直しと周りとの対話の両方で仮説を深める図

AIを使って仮説を見直す方法|答えではなく質問をもらおう

一人で自由研究を進めていて、仮説のどこを見直せばよいか分からないときは、AIを質問役として使う方法もあります。

ただし、次のように聞くだけでは、AIが作った仮説をそのまま使うことになりやすいため、注意が必要です。

自由研究の仮説を考えて。

AIには、完成した答えを作ってもらうのではなく、自分で考えるための質問をしてもらいましょう。

AIへ質問役を頼む例

私は中学生で、ダンゴムシの自由研究を考えています。
今の仮説は「ダンゴムシは暗い場所を選ぶと思う」です。
仮説を代わりに完成させず、私が自分で考えられるように、比べる条件、測るもの、予想の理由について、一つずつ質問してください。
中学生にも分かる言葉を使ってください。

すると、AIから次のような質問が返ってくるかもしれません。

  • 明るい場所と暗い場所のほかに、違ってしまう条件はありませんか
  • ダンゴムシが場所を選んだと、何を見て判断しますか
  • 何匹を使い、何分後の数を比べますか
  • 暗い場所を選ぶと思った理由は何ですか
  • 明るさ以外に、湿度も関係している可能性はありませんか

これらの質問へ自分で答えることで、最初の仮説を具体的にできます。

見落としている可能性も聞いてみる

自分の予想だけを考えていると、ほかの原因を見落とすことがあります。

そのようなときは、次のように聞くこともできます。

私は、ダンゴムシは暗い場所を選ぶと予想しています。
この予想とは違う結果になる可能性や、見落としている条件を、中学生にも分かる言葉で教えてください。

AIから、湿度、温度、容器の広さ、ダンゴムシの個体差、最初に置いた位置などが示されるかもしれません。

ただし、AIの回答がすべて正しいとは限りません。

教科書、図鑑、学校の資料、信頼できる本などでも確認し、必要に応じて先生や保護者へ相談しましょう。

AIを使うときに守りたいこと

  • AIが作った文章をそのまま提出しない
  • 自分の予想と理由を、自分の言葉で書く
  • AIの説明を正しいと決めつけず、資料でも確かめる
  • 名前、学校名、住所などの個人情報を入力しない
  • 危険な実験をAIの提案だけで行わない
  • 学校でAI利用の決まりがある場合は、その決まりに従う
  • どのようにAIを使ったか記録しておく

火、薬品、電気、刃物、カビ、生き物などを扱う実験は、AIの回答だけで進めず、必ず先生や保護者へ相談してください。

コピペ用|AIに質問役を頼むテンプレート

私は中学生で、自由研究のテーマは「____」です。
今の仮説は「____」です。
仮説を代わりに完成させず、私が自分で考えられるように、次の順番で一つずつ質問してください。

  1. 何と何を比べるか
  2. 何を見たり測ったりするか
  3. そろえる条件は何か
  4. なぜその結果になると思うか
  5. 見落としている可能性はないか

中学生にも分かる言葉を使ってください。

AIの役割は、正解を代わりに提出することではありません。

一人で考えるときに、自分へ質問を返してくれる相手として使うと、仮説の曖昧な部分へ気づきやすくなります。

AIに仮説を丸投げする使い方と質問役として使う方法の比較

仮説は途中で直してもいい|訂正と修正から研究は深まる

仮説を立てるときに、「一度決めた仮説は、最後まで変えてはいけないのかな」と不安になる人もいるでしょう。

仮説は、最初から完璧な文章でなくても構いません。

実験方法を考えたり、人から質問を受けたりする中で、分かりにくい部分を直し、確かめやすい形へ変えていきます。

ただし、次の二つは分けて考える必要があります。

  • 実験前に、仮説を確かめやすい形へ直す
  • 実験後に、結果をもとに新しい仮説を考える

曖昧な言葉を、測れる言葉へ直す

最初の仮説が、次の内容だったとします。

温かい水のほうが、砂糖がよく溶けると思う。

「よく溶ける」には、いくつかの意味があります。

  • すべて溶けるまでの時間が短い
  • 溶ける砂糖の量が多い
  • 少ない回数で混ざる

調べたい内容が「溶けるまでの時間」なら、次のように直します。

同じ量の水と砂糖を使った場合、水温が高いほど、砂糖がすべて溶けるまでの時間は短くなると予想した。

一度に変える条件が多すぎないか見直す

次の仮説では、複数の条件が同時に変わっています。

温かい水を多く入れ、細かい砂糖を強くかき混ぜると、早く溶けると思う。

変わっている条件は、次のとおりです。

  • 水温
  • 水の量
  • 砂糖の粒の大きさ
  • かき混ぜる強さ

これでは、何が原因で早く溶けたのか分かりません。

水温の違いを調べるなら、次のように修正します。

水の量、砂糖の量、砂糖の種類、かき混ぜ方を同じにした場合、水温が高いほど砂糖は早く溶けると予想した。

予想と理由がつながっているか確認する

仮説の予想と、その理由がずれていないかも確認します。

日なたの植物のほうが草丈が高くなると思う。日なたのほうが暖かいからである。

もし調べたいのが光の量による違いなら、「暖かいから」という理由だけでは、温度の影響を調べる研究にも見えます。

光に注目するなら、次のように直せます。

日なたに置いた植物は、日陰に置いた植物より草丈が高くなると予想した。日なたのほうが多くの光を受け、光合成をしやすいと考えたからである。

仮説を見直す4つの質問

  1. 何と何を比べるのか分かるか
  2. 結果を観察したり数値で測ったりできるか
  3. 一度に変える条件が多すぎないか
  4. 予想と理由がつながっているか

仮説を修正することは、最初の考えが失敗だったという意味ではありません。

何が曖昧だったのか、何を確かめればよいのかが見えてきたということです。

仮説を確かめやすく修正するための4つの質問

仮説と結果が違っても大丈夫|最初の予想を消さずに考えよう

実験や観察をすると、仮説と違う結果が出ることがあります。

そのときに、「仮説が外れたから失敗だ」と考える必要はありません。

仮説は、正解を当てるためだけのものではないからです。

仮説を立てることで、次の内容が見えやすくなります。

  • 何を比べるのか
  • 何を測るのか
  • どの条件をそろえるのか
  • 結果が出た後に何を考えるのか

結果に合わせて、最初の仮説を書き換えない

たとえば、最初に次の仮説を立てたとします。

温かい水のほうが、冷たい水より砂糖が早く溶けると予想した。

しかし、実験では、ほとんど差が出ませんでした。

この場合も、最初の仮説はそのまま残します。

結果に合わせて、「最初から差は出ないと予想していた」と書き換える必要はありません。

予想と違った理由を考える

  • 水温の差が小さすぎたのではないか
  • かき混ぜ方がそろっていなかったのではないか
  • 時間の測り方に違いがあったのではないか
  • 砂糖の量が少なく、差が表れにくかったのではないか
  • 最初に考えた理由を見直す必要があるのではないか

そのうえで、次の実験へ向けた新しい仮説を作れます。

水温の差をさらに大きくすると、砂糖が溶けるまでの時間にも、はっきりした違いが出るのではないか。

これは、最初の仮説を隠して書き換えたのではありません。

結果を受け止め、次の疑問と仮説へ進んだのです。

仮説と違う結果は、研究の終わりではありません。次の問いが生まれる入口です。

正解よりも、なぜ違ったのかを考えた道のりが、自由研究の大切な部分になります。

仮説と違う結果から考察し次の疑問と仮説へ進む流れ

コラム|「もしかしたら」から科学を進めた人たち

仮説を立てて確かめる方法は、学校の自由研究だけで使われるものではありません。

昔の科学者たちも、「もしかしたら、こうなのではないか」という疑問から研究を始めました。

ただし、科学者だから最初から正しい答えが分かっていたわけではありません。

仮説を立て、観察や実験を行い、結果を比べながら考えを確かめていきました。
パスツール・ウェゲナー・メンデルの仮説と研究を示す図

パスツール|目に見えない微生物が外から入るのではないか

昔は、食べ物や飲み物を放置すると、生き物が自然に発生すると考える人がいました。

フランスの科学者ルイ・パスツールは、微生物は何もないところから生まれるのではなく、外から入ってくるのではないかと考えました。

パスツールは、空気は入るものの、ほこりなどが液体へ届きにくい形のフラスコを使って実験しました。

条件を工夫して比べることで、自分の考えを確かめたのです。

この話から分かるのは、仮説を思いつくだけでなく、「どうすれば確かめられるか」まで考えることの大切さです。

ウェゲナー|大陸は昔つながっていたのではないか

世界地図を見ると、南アメリカ大陸の東側とアフリカ大陸の西側は、パズルのように似た形をしています。

ドイツの科学者アルフレート・ウェゲナーは、海を隔てた大陸で似た化石や地層が見つかることにも注目し、大陸は昔一つにつながっていて、その後少しずつ動いたのではないかと考えました。

しかし当時は、巨大な大陸がどのような仕組みで動くのかを十分に説明できませんでした。

そのため、考えはすぐには広く受け入れられませんでした。

その後、海底などの研究が進み、大陸を載せたプレートが動いていることが分かってきました。

ただし、この話は、「周りに反対されても、自分だけを信じれば必ず正しい」という意味ではありません。

仮説には、証拠と検証が必要です。不十分な部分があれば、その後の研究で確かめたり、修正したりします。

メンデル|親の特徴は、どのように子へ伝わるのか

グレゴール・メンデルは、エンドウを育てながら、親の特徴がどのような決まりで子へ伝わるのかを調べました。

花の色、種子の色、草丈など、見分けやすい特徴に注目し、異なる特徴を持つエンドウを交配しました。

そして、次の世代にどの特徴が現れるかを、何度も数えて比べました。

その結果、特徴の現れ方には一定の規則があることを見つけました。

メンデルの研究は、発表後すぐに広く注目されたわけではありませんが、後の遺伝学へつながりました。

身近な植物でも、条件を決め、結果を記録し、何度も比べることで、大きな発見につながることがあります。

仮説は、正解を当てるためだけのものではない

パスツールは、実験方法を工夫して仮説を確かめました。

ウェゲナーの考えは、当時すべてを説明できたわけではありませんが、後の研究へ重要な問いを残しました。

メンデルの研究は、すぐに注目されなくても、後の科学の土台になりました。

仮説の価値は、最初から正解を当てることだけではありません。

仮説を立てることで、何を調べ、何を比べ、何を記録すればよいかが見えてきます。

自由研究で使える仮説の例

ここまでの考え方を、別のテーマにも当てはめてみましょう。

テーマ 疑問 仮説の例
植物 日なたと日陰では、成長に違いが出るか 日なたの植物のほうが草丈が高くなると予想した。多くの光を受け、光合成をしやすいと考えたからである。
砂糖 水温によって、溶ける速さは変わるか 温かい水のほうが、冷たい水より砂糖が早く溶けると予想した。水温が高いほうが砂糖が水の中へ広がりやすいと考えたからである。
ダンゴムシ 明るい場所と暗い場所のどちらを選ぶか ダンゴムシは暗い場所に多く集まると予想した。普段、石や植木鉢の下で見つけることが多いからである。
布の種類によって水の吸い方は変わるか 厚い綿の布は、薄い布より多くの水を吸うと予想した。厚い布のほうが水を含める部分が多いと考えたからである。
乾燥 風の有無で水の減り方は変わるか 風を当てた容器の水のほうが早く減ると予想した。風によって水蒸気が運ばれ、蒸発しやすくなると考えたからである。
糸電話の糸の長さで聞こえ方は変わるか 糸が長くなるほど音は小さく聞こえると予想した。振動が伝わる間に弱くなると考えたからである。

例文をそのまま写すのではなく、自分が実際に用意できる道具、測れる内容、観察できる期間に合わせて変えましょう。

植物・砂糖・ダンゴムシ・布・水・音から仮説を考えるテーマ例

悪もこあい先生から最後の挑戦状|これは仮説か、仮説ではないか

ここまで長い記事を読み進めてきたあなたへ。

悪もこあい先生から、最後の挑戦状が届きました。

悪もこあい先生が仮説か仮説ではないかを問う最後の挑戦状

悪もこあい先生:
「説明を読んで、分かったつもりになっていませんか。
疑問への予想になっているか。理由があるか。実際に確かめられるか。
それでは、本当に仮説を見分けられるか確かめましょう」

まず自分で考えてから、答えを開いてください。

第1問

ダンゴムシについて調べる。

これは仮説でしょうか。

答えを見る

答え:仮説ではありません。

これは、研究で扱いたいテーマです。

何を疑問に思っているのか、どのような結果を予想しているのかが、まだ書かれていません。

たとえば、次のようにすると仮説へ近づきます。

ダンゴムシは、明るい場所より暗い場所に多く集まると予想した。普段、石や植木鉢の下で見つけることが多いからである。

第2問

金属の皿と木の板では、どちらに置いた氷が早く溶けるのだろう。

これは仮説でしょうか。

答えを見る

答え:仮説ではありません。

これは、実験で明らかにしたい疑問です。

仮説にするには、この疑問に対する予想と理由を加えます。

金属の皿に置いた氷のほうが、木の板に置いた氷より早く溶けると予想した。金属は木より熱を伝えやすいと考えたからである。

第3問

温かい水のほうが、砂糖は早く溶けると思う。

これは仮説でしょうか。

答えを見る

答え:仮説の始まりです。ただし、もう少し具体的にできます。

結果の予想は書かれています。

ただし、水や砂糖の量、かき混ぜ方、何をもって「早く溶けた」と判断するのかが、まだ分かりません。

同じ量の水と砂糖を使い、同じ方法でかき混ぜた場合、水温が高いほど、砂糖がすべて溶けるまでの時間は短くなると予想した。

このようにすると、より確かめやすくなります。

第4問

日なたに置いた植物は、日陰に置いた植物より草丈が高くなると予想した。日なたのほうが多くの光を受け、光合成をしやすいと考えたからである。

これは仮説でしょうか。

答えを見る

答え:仮説です。

この文章には、次の内容が入っています。

  • 日なたと日陰を比べている
  • 草丈がどう変わるかを予想している
  • 予想の理由が書かれている
  • 観察や測定で確かめられる

実際の実験では、植物の種類、水の量、観察期間などもそろえます。

第5問

ダンゴムシは絶対に暗い場所を選ぶ。石の下にいるから、調べなくても分かる。

これは、自由研究に使いやすい仮説でしょうか。

答えを見る

答え:このままでは、研究に使いやすい仮説とはいえません。

結果の予想と理由はあります。

しかし、「絶対に」「調べなくても分かる」と決めつけると、観察や実験で確かめる姿勢がなくなってしまいます。

仮説は、正しいと信じ込む答えではありません。

明るさ以外の条件をそろえた場合、ダンゴムシは明るい場所より暗い場所に多く集まると予想した。普段、石の下で見つけることが多いからである。

このようにすれば、結果によって確かめられます。

第6問

実験では予想と違う結果になったので、最初の仮説を結果と同じ内容に書き換えた。

これは正しい進め方でしょうか。

答えを見る

答え:おすすめできません。

実験前に立てた仮説は、その時点で自分が考えていた予想として残します。

予想と違う結果が出た場合は、次の内容を考察します。

  • 条件のそろえ方に問題はなかったか
  • 測り方に違いはなかったか
  • 別の原因が影響していないか
  • 最初の理由を見直す必要はないか

必要なら、次の実験へ向けた新しい仮説を作ります。

最終問題

次の文章を、より確かめやすい仮説へ直してください。

植物は、水をたくさんあげたほうが元気になると思う。

考えるときは、次の問いを使います。

  • どの植物を使うのか
  • 何と何を比べるのか
  • 「たくさん」とはどのくらいか
  • 「元気」は何を見て判断するのか
  • 水以外の条件はどうそろえるか
  • なぜその結果になると考えたのか
答えの例を見る

一つの例は、次のようになります。

同じ種類で同じくらいの大きさの植物に、毎日10ミリリットルと30ミリリットルの水を与えた場合、30ミリリットル与えた植物のほうが、7日後の草丈が高くなると予想した。水が多いほうが、植物が成長に必要な水分を得やすいと考えたからである。

ただし、実際には、水が多すぎることで植物が弱る可能性もあります。

別の結果を予想した人がいても構いません。

大切なのは、答えを同じにすることではなく、予想、理由、確かめ方を自分の言葉で説明できることです。

悪もこあい先生:
「正解した数だけを数える必要はありません。
なぜ仮説なのか。なぜ仮説ではないのか。
自分の言葉で説明できたなら、合格です。
では、その力をあなた自身の自由研究で使いなさい」

 

悪もこあい先生が理由まで説明できた読者へ合格を伝える場面

コピペして使える|自由研究の仮説作成テンプレート

自分のテーマへ当てはめながら、空欄を埋めてみましょう。

私が不思議に思ったことは、____です。

____と____を比べます。

変えるものは、____です。

そろえるものは、____です。

結果は、____のほうが____になると予想します。

なぜなら、____と考えたからです。

結果は、____を見たり測ったりして確かめます。

一人で仮説を見直す4つの質問

  • 何と何を比べるのか
  • 何を見て結果を判断するのか
  • 同じにする条件は何か
  • なぜその結果になると思うのか

提出前の最終チェック

  • 疑問に対する予想になっている
  • 何と何を比べるか分かる
  • 何を観察・測定するか分かる
  • 一度に変える条件が多すぎない
  • 予想した理由が書かれている
  • 実際に確かめられる内容になっている
  • AIや人の文章をそのまま写していない
  • 自分の言葉で説明できる
  • 実験前の仮説を記録している
  • 仮説と結果が違っても、最初の仮説を消していない

中学生の自由研究で仮説を提出する前に確認する最終チェックリスト

まとめ|仮説は、疑問を調べられる形へ変える第一歩

中学生の自由研究の仮説は、次の3ステップで考えられます。

  1. 身近な出来事から疑問を見つける
  2. 何と何を比べるか決める
  3. 結果と理由を予想する

仮説とは、疑問に対する「理由のある、確かめられる予想」です。

最初から完璧な文章を作る必要はありません。

一人で自分へ質問してもよく、友達や先生へ話してもよく、AIを質問役として使っても構いません。

大切なのは、最後に自分で考え、自分の言葉で仮説を決めることです。

仮説が外れても、自由研究が失敗したことにはなりません。

予想と違う結果が出たら、「なぜ違ったのだろう」と考え、新しい疑問や次の仮説へ進めます。

仮説は、正解を先に当てるための文章ではありません。
自分の疑問を、調べられる道筋へ変えるための第一歩です。

まずは、身近な「なぜだろう」を一つ、ノートに書くところから始めてみましょう。

もこあい先生より

仮説は、正解を当てるための文章ではありません。

「なぜだろう」と気づき、自分なりの理由を考え、実際に確かめてみる。その道のりに、自由研究の大切な学びがあります。

今日の「なんで?」を大切にしよう。答えより、考えた道のりが宝もの。

参考文献・参考資料

この記事は、次の公的資料・研究資料を参考にしながら、中学生が自由研究で使いやすい形に整理しています。

  1. 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』
    問題の発見、仮説の設定、検証計画、観察・実験、結果の分析、考察、次の課題へ進む探究の流れを確認するために参照しました。
  2. 文部科学省『初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0』
    生成AIを学習で利用するときの基本的な考え方、出力をそのまま正解とせず人が判断する姿勢、情報モラルや安全面を確認するために参照しました。
  3. 深谷達史ほか「課題の設定を支援する自由研究の授業実践とその効果検証」
    自由研究では、実験方法だけでなく、研究の出発点となる課題や疑問を設定する支援も重要であることを確認するために参照しました。
  4. 安藤秀俊「理科の自由研究における教師の認識に関する一考察」
    自由研究と、科学的な見方・考え方や興味・関心との関係を確認するために参照しました。

※学校によって、仮説の書き方、提出形式、生成AIの利用に関する決まりは異なります。実際に提出するときは、学校や担当の先生から示された指示を優先してください。

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