小学生の国語で「なぜですか」に答えられない人へ|理由の見つけ方5ステップ
「なぜですか。」
と聞かれると、急に答えられなくなることはありませんか。
本文を探しても、
「どこに理由が書いてあるの?」
と迷ってしまうことがあります。
そんなとき、
「なぜ」と書いてあるから、本文から「〜から」を探そう
としていないでしょうか。
もちろん、理由が「〜ので」「〜から」などの形で、そのまま書かれていることもあります。
でも、いつもそうとは限りません。
- 行動の前後に理由の手がかりがある
- 問題文とは違う言葉で書かれている
- いくつかの文をつながないと理由が見えてこない
こともあります。
この記事では、
「なぜですか」と聞かれたときに、理由をどこから探せばよいのか
を順番に見ていきます。
※この記事は主に小学校中学年〜高学年を想定しています。低学年でも、保護者の方などと一緒に「何の理由を聞かれているのかな?」と確認する練習に使えます。
- 先に確認|「答えの場所」そのものがわからないときは
- 「なぜですか」は、何を聞いている問題?
- 「なぜ」の答えは、いつも「から」の近くにあるとは限らない
- 「なぜですか」の理由を探す5ステップ
- 理由の見つけ方には、いくつかのパターンがある
- 悪もこあい先生の「なぜ」の解き方、本当に大丈夫?
- 「なぜ?」で迷ったら、出来事のつながりを見よう
- 家でできる1分練習|「どうして?」を一つだけ聞いてみる
- 保護者の方へ|「なんで?」のあとに答えを言いすぎない
- ここまでできたら十分
- 保存用|「なぜですか」の5チェック
- 悪もこあい先生も、昔は「から」を探していた?
- むずかしい「なぜ?」ほど、基本に戻ろう
- 次回予定|登場人物の気持ちは、どこから考える?
- 参考文献・参考資料
- 更新・訂正履歴
- もこあい先生より
先に確認|「答えの場所」そのものがわからないときは
今回の記事は、
「答えの場所はだいたい探せるけれど、『なぜですか』になると理由がわからない」
という人向けの記事です。
もし、
- 問題文のどこを見ればよいかわからない
- 本文のどこへ戻ればよいかわからない
- 答えの手がかりそのものを探すのが難しい
という場合は、先にこちらの記事から読むとわかりやすくなります。
小学生の国語で答えの場所がわからない人へ|問題文と本文を見る5ステップ
シリーズ①では、
問題文 → 本文 → 前後や段落 → 問題文
と行き来する基本を紹介しています。
「なぜですか」は、何を聞いている問題?
まず覚えておきたいのは、
「なぜですか」=理由を聞いている
ということです。
たとえば、
けんたは、なぜ急いで家を出たのでしょう。
という問題なら、探すのは、
「けんたが急いで家を出た理由」
です。
本文から、
けんたは急いで家を出ました。
という文を見つけても、それだけではまだ答えになりません。
なぜなら、そこに書かれているのは、
「何をしたか」
だからです。
「なぜですか」で考えたいのは、
「どうして、その行動をしたの?」
という部分です。
「なぜ」の答えは、いつも「から」の近くにあるとは限らない
たとえば、
雨が降ってきたので、ゆうきは窓を閉めました。
という文章なら、
なぜ、ゆうきは窓を閉めたのですか。
の答えは、
雨が降ってきたから。
と比較的すぐ見つかります。
でも、次の文章ではどうでしょう。
時計を見ると、集合時刻まであと5分でした。
けんたは急いで靴をはきました。
本文には、
「集合時刻まであと5分だったから」
とは書かれていません。
それでも、
集合時刻まであと5分でした。
という文が、けんたが急いだ理由につながっています。
つまり、
「なぜ」=本文から「から」という言葉を探す
ではありません。
探したいのは、
「どうしてそうしたのか」「何があったからそうしたのか」「何のためにそうしたのか」
につながる情報です。
「なぜですか」の理由を探す5ステップ
理由がわからなくなったら、次の順番で確認してみましょう。
ステップ1|何をした理由なのか確認する
まず、
「何についての理由を聞かれているのか」
を確認します。
たとえば、
さきは、なぜ教室へ戻ったのでしょう。
なら、探すのは、
「さきが教室へ戻った理由」
です。
「さき」が出てくる場所を探すだけではなく、
どの行動の理由なのか
まで確認します。
ステップ2|その出来事が書かれている場所へ戻る
次に、聞かれている行動や出来事が書かれているところへ戻ります。
たとえば、
さきは急いで教室へ戻りました。
という文を見つけます。
でも、ここで答えを決めないようにします。
問題で聞かれているのは、
「戻ったこと」ではなく「戻った理由」
だからです。
ステップ3|その出来事の前後を読む
理由は、行動の少し前に書かれていることがあります。
たとえば、
さきは教室の窓を開けたままだったことを思い出しました。
さきは急いで教室へ戻りました。
なら、一つ前の文が理由につながります。
ただし、
理由がいつも直前の一文にあるとは限りません。
後ろの文で理由が説明されることもあります。
そのため、まず前後を読み、それでもわからない場合は、
段落全体まで少し広げて読む
ようにしましょう。
ステップ4|「どうして?」「何のため?」につながる情報を探す
難しい言葉を覚える必要はありません。
次のように考えてみましょう。
- 何があったから?
- 何に気づいたから?
- 何のために?
たとえば、
雨が降ってきた → 窓を閉めた
なら、雨が降ったことが理由につながります。
時計を見た → 時間がないと気づいた → 急いだ
なら、「時間がないと気づいたこと」が理由につながります。
友達にも本を読んでもらいたい → おすすめカードを作った
なら、「何のために?」を見ると理由がわかります。
※大人向けに整理すると、「原因」「きっかけ」「目的」などがありますが、小学生のうちは無理に言葉を覚えなくても大丈夫です。
ステップ5|理由として自然につながるか確認する
理由になりそうな部分を見つけたら、問題文とつないでみましょう。
さきが教室へ戻ったのは、窓を開けたままだったことを思い出したから。
このように自然につながるか確認します。
場合によっては、
- 〜から
- 〜ので
- 〜ため
- 〜するために
などの形にすると確かめやすくなります。
ただし、
本文から「から」を探すという意味ではありません。
見つけた情報が、理由として問題文につながるかを確かめるために使います。
理由の見つけ方には、いくつかのパターンがある
「なぜですか」の問題でも、理由の書かれ方は同じではありません。
この記事では、代表的な3つを見てみましょう。
例1|理由がそのまま書かれている
本文
雨が強く降ってきたので、ゆうきは開いていた窓を閉めました。
問題
ゆうきが窓を閉めたのは、なぜですか。
答えの例
雨が強く降ってきたから。
この例では、
「雨が強く降ってきたので」
と、理由が比較的そのまま書かれています。
これは見つけやすいタイプです。
例2|理由が行動の前後にある
本文
時計を見ると、集合時刻まであと5分でした。
けんたは急いで靴をはき、家を出ました。
問題
けんたが急いで靴をはいたのは、なぜですか。
本文には、
「集合時刻まであと5分だったから」
とは、そのまま書かれていません。
でも、行動の前に、
時計を見ると、集合時刻まであと5分でした。
と書かれています。
これが理由につながる手がかりです。
答えの例
集合時刻まであと5分しかなかったから。
このように、
行動が書かれた文だけではなく、その前後を見る
ことで理由が見つかることがあります。
例3|複数の文をつないで理由を考える
※少し高学年向けの例です。
本文
学級では、最近、休み時間に校庭で遊ぶ人が少なくなっていました。
夏の校庭には、日かげになる場所があまりありません。
「暑くて、長く外で遊べない」という声も出ていました。
そこで、学級会で校庭に日よけを作れないか話し合うことになりました。
問題
学級で、校庭の日よけについて話し合うことにしたのは、なぜですか。
この問題では、一つの文だけを見るのではなく、
- 休み時間に校庭で遊ぶ人が少なくなっていた
- 夏の校庭には日かげが少なかった
- 暑くて長く遊べないという声があった
という情報をつなぎます。
答えの例
夏の校庭には日かげが少なく、暑くて長く外で遊べないという声が出ていたから。
このような問題では、
「答えと同じ一文」を探すのではなく、関係する複数の文をつないで理由を考える
必要があります。
高学年になって文章が長くなっても、
「何の理由?」→「関係する文はどこ?」
という基本は変わりません。
悪もこあい先生の「なぜ」の解き方、本当に大丈夫?
悪もこあい先生:
「『なぜですか』って書いてある!
じゃあ本文から『から』を探せばいいのね!」
……それだけでは、見つからないことがあります。
本文に「〜から」が書かれていなくても、理由が別の形で表されていることがあるからです。
よくある間違い①|「から」だけを探す
時計を見ると、もう集合時刻が近づいていました。
けんたは急いで家を出ました。
悪もこあい先生:
「『から』がない! じゃあ理由は書いてないわ!」
でも、
集合時刻が近づいていたこと
が、けんたの行動につながっています。
「から」という言葉だけではなく、
出来事どうしのつながり
を見ます。
よくある間違い②|行動そのものを書いてしまう
さきが教室へ戻ったのは、なぜですか。
悪もこあい先生:
「急いで教室へ戻ったから!」
これでは、
何をしたか
をもう一度書いているだけです。
聞かれているのは、
なぜその行動をしたのか
です。
よくある間違い③|自分ならどうするかで答える
悪もこあい先生:
「私だったら雨にぬれたくないから戻るわね!」
自分の考えを持つことは悪くありません。
でも、本文について答える問題では、
本文のどこからそう考えたのか
を確認します。
よくある間違い④|理由と結果を逆にする
たとえば、
雨が降った → 窓を閉めた
なら、
- 理由につながる出来事 → 雨が降った
- その結果の行動 → 窓を閉めた
です。
これを、
窓を閉めた → 雨が降った
と逆にすると、文章のつながりがおかしくなってしまいます。
迷ったら、
「どちらが先に起きた?」
と考えてみましょう。
「なぜ?」で迷ったら、出来事のつながりを見よう
「なぜですか」の問題では、一つの言葉だけを見るより、
出来事と出来事のつながり
を見ることが大切です。
たとえば、
時計を見る
↓
時間がないと気づく
↓
急いで家を出る
という流れがあります。
このとき、
「急いで家を出た理由」は、その前の出来事
から考えられます。
物語文でも説明文でも、
「その前後に何があった?」
「何のためにそうした?」
という視点が役立ちます。
家でできる1分練習|「どうして?」を一つだけ聞いてみる
教科書や短い文章を読んだとき、全部の問題を解かなくてもかまいません。
人物が何かをしたところで、
「この人は、どうしてこうしたのかな?」
と一つだけ考えてみます。
そして、
「どこを読んでそう思った?」
と本文に戻ります。
この二つだけでも、
行動 → 理由 → 根拠
を見る練習になります。
保護者の方へ|「なんで?」のあとに答えを言いすぎない
子どもが理由を見つけられないとき、すぐに、
「ここに書いてあるでしょ」
と答えを示したくなることがあります。
そんなときは、
「何をした理由を聞かれているのかな?」
「その行動の前後には何があった?」
「どの文が関係しそう?」
と聞いてみる方法があります。
ただし、何度聞いてもわからないときに、質問を続けすぎる必要はありません。
「この二つの文を一緒に読んでみようか」
と、見る範囲を狭めても大丈夫です。
ヒントを出すことは悪いことではありません。
答えそのものではなく、
理由がありそうな場所まで案内する
だけでも、十分な支えになります。
ここまでできたら十分
最初から長い理由を書けなくても大丈夫です。
まずは、次の3つができるか確認してみましょう。
- □ 何をした理由なのかわかる
- □ その出来事が書かれた場所へ戻れる
- □ 理由につながりそうな文を一つ見つけられる
まず理由の手がかりを見つけられれば、大きな一歩です。
慣れてきたら、複数の文をつないで答える練習へ進みましょう。
保存用|「なぜですか」の5チェック
「なぜですか」で迷ったら、次の5つを確認してみましょう。
- □ ① 何をした理由を聞かれている?
- □ ② その出来事の場所へ戻った?
- □ ③ その前後も読んだ?
- □ ④ 「どうして?」「何のため?」につながる情報は見つかった?
- □ ⑤ 理由として自然につながる?
⑤では、
「〜から」「〜ので」「〜ため」「〜するために」
などを使って、問題文と自然につながるか確かめてみましょう。
ただし、本文から「から」を探すという意味ではありません。
自分が見つけた情報が、本当にその行動の理由になっているか
を確認するために使います。
悪もこあい先生も、昔は「から」を探していた?
悪もこあい先生:
「……まあね。
私も昔は、『なぜですか』を見たら、とりあえず本文から『から』を探してたのよ。」
悪もこあい先生:
「見つからないと、『理由なんて書いてないじゃん!』って思ったりして。」
健太:
「悪もこあい先生もやってたんだ!」
悪もこあい先生:
「だから何よ。」
恵子:
「でも今は、言葉だけじゃなくて前後を見るんだよね。」
悪もこあい先生:
「そういうこと。
理由って、ちゃんと『から』って名札をつけて待ってるとは限らないのよ。
……まあ、私みたいに早とちりしないことね。」
むずかしい「なぜ?」ほど、基本に戻ろう
もこあい先生:
「『なぜですか』の問題がむずかしくなると、長い答えを考えることばかり気になってしまうことがあるよね。
でも、そんなときこそ、
『何をした理由?』
『その前後に何があった?』
という基本に戻ってみよう。
理由は、難しい言葉の中に隠れているとは限らないよ。
出来事どうしのつながりを一つずつ見ていけば、答えにつながる手がかりが見えてくるんだ。
むずかしくなったときほど、基本に戻れる人は強いよ。」
次回予定|登場人物の気持ちは、どこから考える?
今回の記事では、
「なぜですか」と聞かれたときの理由の探し方
を紹介しました。
次回は、
本文に「うれしい」「悲しい」と書かれていないときに、登場人物の気持ちをどう考えるのか
を扱う予定です。
会話・行動・様子・前後の出来事を手がかりにして考えていきます。
次回予定
登場人物の気持ちがわからない小学生へ|会話・行動・様子を見る順番
公開後は、この記事から読めるようにリンクを追加する予定です。
参考文献・参考資料
この記事では、「なぜですか」と聞かれたときに、何についての理由を聞かれているのかを確認し、本文の前後や関係する文を手がかりにして考える方法を紹介しました。
記事の作成にあたっては、主に以下の公的資料に示されている、小学校国語科の「読むこと」の考え方を参考にしています。
- 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編』
文章の構造や内容を捉えること、叙述を基に考えること、考えとそれを支える理由や事例との関係を読むことなどを確認するために参考にしました。 - 文部科学省「小学校学習指導要領解説」
現行の小学校国語科における「読むこと」の学習内容や、学年ごとの考え方を確認するために参照しました。 - 文部科学省『令和7年度 全国学力・学習状況調査の結果について』小学校国語
文章を読む目的を意識して必要な情報を捉えることや、根拠を明確にして考えることに関する内容を参考にしました。
※この記事内の「雨が降って窓を閉める例」「集合時刻まであと5分の例」「校庭の日よけについて話し合う例」などは、特定の国語教科書や問題集から引用したものではなく、読み方を説明するために作成したオリジナル例です。
※実際の授業やテストでは、学年・教材・設問の形式によって答え方が異なる場合があります。学校や教科書で具体的な指示がある場合は、その指示も確認してください。
更新・訂正履歴
- 2026年9月:記事を新規作成。「なぜですか」の理由を探す5ステップ、3種類の具体例、よくある間違い、家庭での練習方法、保存用チェックを掲載しました。
※今後、内容の追記・表現の見直し・図版の修正などを行った場合は、この欄に記録します。
もこあい先生より
「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」









