「計算はできるのに、文章題になると手が止まってしまう」。

そんなことはありませんか?

算数の文章題が苦手なとき、原因は「計算ができないこと」だけとは限りません。
むしろ、式を作る前に、
何を聞かれているのか、どの数字を使うのか、何が変わったのか
が見えにくくなっている場合があります。

この記事では、小学生が算数の文章題でつまずいたときに使いやすい、
「きく・まる・うごき・しき・たんい」
の5ステップで、文章題の読み方を整理します。

この記事でできるようになること

  • 文章題で「何を聞かれているか」を見つけやすくなる
  • 数字だけ見て式を作るミスを減らせる
  • たし算・ひき算・かけ算・わり算を選ぶ前の考え方がわかる
  • 保護者が家で声をかけるときのポイントがわかる
  • AIを使う場合も、答えを丸投げせずヒントとして使いやすくなる

✅ クリックして開く:この記事の使い方

まずは、この記事の中の
「きく・まる・うごき・しき・たんい」
だけ親子で確認してみてください。

いきなり何問も解く必要はありません。学校の宿題やドリルから1問だけ選び、
「聞かれていること」を見つける練習から始めれば十分です。


文章題が苦手なのは、計算ができないからとは限らない

算数の文章題を見ると、すぐに数字を探したくなります。

たとえば、問題文の中に「8」と「3」が出てきたら、
「8+3かな?」「8−3かな?」と考えたくなるかもしれません。

でも、文章題は数字当てゲームではありません。

大切なのは、数字を見る前に、
何を答える問題なのかを見つけることです。

もこあい先生より

文章題は、急いで式にする問題ではありません。
まず「何を聞かれているのか」を見つける問題です。

算数の文章題を前に困っている健太と、やさしく見守るもこあい先生の場面
文章題が苦手でも大丈夫。まずは「どこで止まっているか」を見つけよう。


文章題は5秒で式にしなくていい

文章題が苦手な子ほど、早く式を書こうとしてしまうことがあります。

でも、式を書く前に少しだけ立ち止まると、間違いが減りやすくなります。

合言葉は、
「きく・まる・うごき・しき・たんい」
です。

🧮 もこあい式・文章題5ステップ

  1. きく:聞かれていることを探す
  2. まる:わかっている数字を丸で囲む
  3. うごき:増えた・減った・分けた・同じ数ずつを見る
  4. しき:式を作る
  5. たんい:答えの単位を確認する

📝 恵子のメモ帳

文章題であせったら、すぐ式を書かなくて大丈夫。
先に「何を聞かれているか」だけ見つけると、次に使う数字が選びやすくなります。

文章題を解く流れとして、きく・まる・うごき・しき・たんいの5ステップを整理した図
文章題は「きく→まる→うごき→しき→たんい」の順番で考えると整理しやすい。


ステップ1|まず「聞かれていること」に線を引こう

文章題で最初に見るのは、数字ではありません。

最初に見るのは、
何を聞かれているか
です。

例題

りんごが8こあります。3こもらいました。ぜんぶで何こありますか。

この問題で聞かれていることは、
「ぜんぶで何こありますか」
です。

ここに線を引きます。

見るところ

りんごが8こあります。3こもらいました。
ぜんぶで何こありますか。

文章題では、最後の文に「何を答えるか」が書かれていることが多いです。
迷ったら、まず最後の文を見てみましょう。


ステップ2|次に「わかっている数字」を丸で囲もう

聞かれていることが見えたら、次に数字を見ます。

ただし、数字だけを見るのではなく、
その数字が何を表しているか
も一緒に見ます。

例題

りんごが8こあります。3こもらいました。ぜんぶで何こありますか。

わかっていることは、次の2つです。

  • 最初に、りんごが8こある
  • あとから、3こもらった

ここで大事なのは、
8と3という数字だけではなく、「8こは最初の数」「3こはもらった数」と見ること
です。

数字の横に意味を書こう

  • 8こ → 最初にあるりんご
  • 3こ → もらったりんご

ステップ3|「増えた・減った・分けた・同じ数ずつ」を見よう

次に、文章の中で何が起きたのかを見ます。

文章題では、次のような「うごき」を見ると式につなげやすくなります。

うごき よく出る言葉 使いやすい計算
増えた もらった、ふえた、あわせて、ぜんぶで たし算
減った 使った、食べた、へった、のこり ひき算
同じ数ずつある ずつ、何ふくろ、何人分 かけ算
同じ数に分ける 同じ数ずつ分ける、1人分 わり算

たとえば、
「3こもらいました」は、りんごが増えた話です。

だから、
8+3
という式につながります。

悪もこあい先生の一言

数字だけ見て式を作るな。文章題は、数字当てゲームじゃないよ。

文章題のノートに、聞かれていることへ線、数字に丸、動きに印をつけて整理している図
「聞かれていること」「数字」「何が変わったか」を分けると、式を作りやすくなる。


数字だけ見る解き方と、文章を分ける解き方

同じ問題でも、見方によって考えやすさが変わります。

問題

りんごが8こあります。3こもらいました。ぜんぶで何こありますか。

見方 考え方
数字だけ見る 8と3があるから、とりあえず計算する
文章を分けて見る 「ぜんぶで何こ?」と聞かれている。3こもらって増えたから、8+3

文章題では、数字を見つけることも大切です。
でも、数字だけでは式は決まりません。

聞かれていること
何が変わったか
を見てから式を作ると、間違えにくくなります。

文章題の数字だけを見て考え込んでいる健太の場面数字だけを見ると迷いやすい。先に『何を聞かれているか』を見よう。

文章題でよく出る言葉ミニ辞典

文章題が苦手なときは、言葉の意味で止まっていることもあります。

よく出る言葉を、少しずつ覚えていきましょう。

言葉 意味 考えやすい計算
あわせて ぜんぶを合わせる たし算
ぜんぶで 合計を聞いている たし算
のこり へったあとの数 ひき算
ちがい どれだけ差があるか ひき算
ずつ 同じ数がくり返される、または同じ数に分ける かけ算・わり算
何倍 いくつ分かを見る かけ算

ただし、言葉だけで決めつけないことも大切です。

「もらった」と書いてあっても、何を聞かれているかによっては、
たし算ではなく、ひき算で考える場合もあります。

だからこそ、最後は必ず
「何を聞かれているか」
に戻りましょう。


使わない数字がある問題にも注意しよう

文章題では、出てきた数字を全部使うとは限りません。

例題

りんごが8こ、みかんが5こあります。りんごを3こもらいました。
りんごはぜんぶで何こですか。

この問題で聞かれているのは、
りんごの数
です。

だから、みかんの5こは使いません。

見るポイント

  • 聞かれていること:りんごはぜんぶで何こ?
  • 使う数字:りんご8こ、もらったりんご3こ
  • 使わない数字:みかん5こ

出てきた数字を全部使おうとすると、かえって間違えることがあります。
聞かれているものに関係ある数字だけを選びましょう。


文章題が長くて止まったときの逃げ道

文章題が長いと、それだけで「むずかしそう」と感じることがあります。

そんなときは、全部を完璧に読もうとしなくて大丈夫です。
まずは、次の順番で見てみましょう。

文章題が長くて止まったときの逃げ道

  1. 最後の文だけ読んで、何を聞かれているか探す
  2. 数字に丸をつける
  3. 数字の横に「何の数か」を書く
  4. 増えた・減った・分けた・同じ数ずつのどれかを見る

式まで行けない日でも、
「聞かれていること」を見つけられたら前進
です。


間違えたときは「どこで読み違えたか」を見よう

文章題を間違えると、
「自分は算数が苦手なんだ」と思ってしまうことがあります。

でも、間違えたときこそ、
どこで読み違えたのか
を見つけるチャンスです。

間違えたときの見直し順

  1. 聞かれていることを間違えていないか
  2. 数字の意味を取り違えていないか
  3. 増えた・減ったを逆にしていないか
  4. 使わなくていい数字を使っていないか
  5. 答えの単位が合っているか

間違えたら、すぐに次の問題へ進むより、
1つだけ原因を見つける方が、次につながります。


最後に「答えの単位」を確認しよう

式が合っていても、最後の答え方でミスをすることがあります。

たとえば、聞かれていることが
「何こありますか」
なら、答えは「11」だけでなく、
「11こ」
と書けるか確認します。

聞かれていること 答えの単位
何こありますか ○こ
何人いますか ○人
何円ですか ○円
何cmですか ○cm
何本ありますか ○本

最後に、
答えは聞かれていることに合っているかな?
と確認しましょう。


保護者向け|すぐ式を教えず、質問で整理しよう

子どもが文章題で止まっていると、つい
「これはたし算でしょ」
「ちゃんと読んで」
と言いたくなるかもしれません。

でも、文章題で大切なのは、式を教えることだけではありません。

子どもがどこで止まっているのかを見るために、
質問で整理する
のがおすすめです。

言いがちな声かけ おすすめの声かけ
なんでわからないの? 何を聞かれているか、一緒に探そう
これはたし算でしょ 増えた?減った?どっちに見える?
ちゃんと読んで どの文が大事そうかな?
早く式を書いて 先に、わかっている数字を丸で囲もう

保護者向け|答えより先に聞きたい一言

「どう考えたか教えて」と聞くと、子どもがどこで止まっているか見えやすくなります。
式が間違っていても、聞かれていることは合っている場合があります。

文章題が苦手な子に、いきなり大量の問題を解かせると、
算数そのものが嫌になってしまうことがあります。

家では、まず1問だけで十分です。

家でできる3分練習

  1. 問題を1問だけ読む
  2. 答えを出す前に「何を聞かれている?」と聞く
  3. 次に「わかっている数字は?」と聞く
  4. 最後に「増えた?減った?分けた?」と聞く
  5. 式と答えを書く

保護者が子どもに答えをすぐ教えず、何を聞かれているかを一緒に確認している場面
答えを急がず、「どう考えた?」と聞くと、つまずきが見えやすくなる。


ミニ練習問題|まずは2問だけやってみよう

ここで、少しだけ練習してみましょう。

すぐに答えを出さなくて大丈夫です。
まずは「聞かれていること」と「わかっていること」を分けてみてください。

練習してみよう

① あめが12こあります。4こ食べました。のこりは何こですか。

② えんぴつが1ふくろに6本ずつ入っています。3ふくろでは何本ありますか。

✅ クリックして開く:考え方のヒント

① 「のこり」を聞いているので、へった話です。
12こから4こ食べたあとを考えます。

② 「6本ずつ」が3ふくろあるので、同じ数をくり返す話です。

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もう少しだけ練習したいときは、文章題に絞ったドリルを1冊だけ使う方法もあります。

ただし、最初からたくさん解く必要はありません。この記事で「聞かれていること」「わかっている数字」「何が変わったか」を確認したあと、1日1〜2問だけ練習するくらいで十分です。

お子さんが疲れている日は、式まで作れなくても大丈夫です。「何を聞かれている問題かな?」を1問だけ確認して終わりにしても前進です。

小学3年生前後の内容が合う場合は、こうした文章題ドリルを選択肢にしてもよいでしょう。学年や問題の難しさが合うものを選び、無理なく使える範囲で試してみてください。


AIを使うなら、答えではなくヒントに使おう

家庭学習で対話型AIを使う場合は、
答えをそのまま聞く
よりも、
考え方のヒントを出してもらう
使い方がおすすめです。

特に小学生の場合は、保護者と一緒に使い、
個人情報や学校名、氏名などは入力しないようにしましょう。

答えを聞かないプロンプト例

この文章題の答えは言わないでください。
「聞かれていること」「わかっていること」「何が変わったか」を分けるヒントだけください。

似た問題を作ってもらうプロンプト例

小学3年生向けに、たし算とひき算の文章題を3問作ってください。
答えは最後にまとめて、最初は問題だけ見せてください。

AIは、答えをもらうためだけの道具ではありません。

文章題を自分で考えるための
ヒント係
として使うと、学習に役立ちやすくなります。

保護者と子どもが対話型AIを使って、文章題の答えではなくヒントを受け取っている場面

もこあい先生メモ|文章題は「式だけ」ではなく「場面の理解」も大切

算数の文章題では、数字を見てすぐ式を作るだけでなく、
「どんな場面なのか」「何がわかっていて、何を求めるのか」を整理することが大切です。

文部科学省の算数指導事例でも、文章問題の場面を図に表し、
式が正しい理由を説明する活動が取り上げられています。

この記事で紹介した
「聞かれていること」「わかっていること」「何が変わったか」を分ける方法も、
文章題の場面を理解してから式につなげるための練習です。


あわせて読みたい


スクショ保存用|文章題の読み方ミニまとめ

📱 文章題で迷ったら、この順番

  1. きく:何を聞かれている?
  2. まる:わかっている数字はどれ?
  3. うごき:増えた?減った?分けた?同じ数ずつ?
  4. しき:どの計算を使う?
  5. たんい:答えは「何こ」「何人」「何円」?

文章題は、数字を見てすぐ式にするより、
先に「何を答える問題か」を見つけると考えやすくなります。

文章題の解き方を、きく・まる・うごき・しき・たんいの順にまとめたスマホ保存用ミニシート
迷ったときは「きく・まる・うごき・しき・たんい」を思い出そう。


よくある質問

算数の文章題が苦手なのは、読解力のせいですか?

読解力が関係することはあります。
ただし、「国語が苦手だから無理」と決めつける必要はありません。
まずは「聞かれていること」「わかっていること」を分ける練習から始めると、考えやすくなります。

計算はできるのに、文章題だけできないのはなぜですか?

計算そのものではなく、式を作る前の読み取りで止まっている可能性があります。
数字だけを見るのではなく、その数字が何を表しているのかを確認してみましょう。

親は答えを教えてもいいですか?

すぐに答えを教えるより、まずは
「何を聞かれている?」
「どの数字がわかっている?」
と質問するのがおすすめです。
子どもがどこで止まっているか見えやすくなります。

AIに文章題を聞いてもいいですか?

保護者と一緒に、答えではなくヒントを聞く使い方なら役立つことがあります。
ただし、学校名や氏名などの個人情報は入力せず、最後は自分で考えてノートに書くようにしましょう。


まとめ|数字を見る前に、問いを見る

小学生の算数文章題は、計算だけの問題ではありません。

式を作る前に、
何を聞かれているのか
何がわかっているのか
何が変わったのか
を整理することが大切です。

合言葉は、
きく・まる・うごき・しき・たんい
です。

文章題が苦手なときは、いきなりたくさん解こうとしなくて大丈夫。
まずは1問だけ、聞かれていることに線を引くところから始めてみてください。

もこあい先生より

今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。


参考文献・出典

本記事は、小学生が算数の文章題を読み取りやすくするために、学習指導要領や公的な指導事例を参考にしながら、家庭学習向けにわかりやすく整理したものです。

  1. 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』2017年7月。
    小学校算数の目標や内容構成、数学的活動の考え方を確認するために参照。

    文部科学省|小学校学習指導要領解説

    (参照日:2026年4月29日)
  2. 文部科学省『言語活動の充実に関する指導事例集【小学校版】算数 事例3【2年】文章問題の立式の根拠を図を用いて説明する事例』。
    文章問題の場面を図に表し、式の根拠を説明する学習活動の参考として参照。

    文部科学省|算数 指導事例

    (参照日:2026年4月29日)

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