説明文の大事なところがわからない小学生へ|問い・答え・繰り返しを見る5ステップ
「大事なところに線を引いたら、ほとんど全部になっちゃった」
「結局、この文章で大事なのはどこ?」と迷うことがあります。健太も、説明文を読みながら首をかしげています。健太:「もこあい先生、全部大事そうに見えるんだけど……」すると、もこあい先生がやさしく答えました。もこあい先生:「説明文は、全部を同じように見る必要はないよ。文や段落が、どんな役割をしているか見てみよう」恵子も本文を見ながら考えます。恵子:「問いになっているところと、その答えになっているところがあるかもしれないね」その通りです。説明文には、
- 何について説明しているか
- 問いかけや疑問
- その答え
- 理由
- 具体例
- 繰り返される言葉や内容
- 段落ごとの役割
- まとめ
など、いろいろな手がかりがあります。
大切なのは、
「一番目立つ文」をなんとなく選ぶことではありません。
問い・答え・繰り返し・段落のつながりを見ながら、「この文章は何について、何を説明しているのか」を考えることです。
この記事では、この「その文章で主に説明している大切な内容」を、分かりやすく「文章の中心」と呼びます。
説明文の大事なところを見る方法を、5ステップで整理していきましょう。
まず覚えておきたい|「全部大事」に見えても、役割は同じではない
説明文には、たくさんの情報が出てきます。
たとえば、
- 動物の特徴
- 実験や観察の結果
- 理由
- 具体例
- 比べた内容
- まとめ
などです。
もちろん、どの部分も文章を理解するために必要です。
でも、
すべての文が同じ役割をしているわけではありません。
たとえば、
魚を干す。
野菜を塩につける。
米を乾燥させる。
という三つの例が書かれていたとします。
この三つを一つずつ覚えることが、文章の中心とは限りません。
そのあとに、
昔の人は、生活の中の知恵を使って食べ物を長く保存してきました。
と書かれていれば、三つの具体例は、
「昔の人は、生活の知恵を使って食べ物を保存してきた」
という内容を分かりやすくするための材料だと考えられます。
もこあい先生:「具体例は大事じゃない、という意味ではないよ。文章の中心を分かりやすくするために使われていることも多いんだ」
説明文の大事なところを見る5ステップ
説明文で迷ったら、次の5ステップに戻りましょう。
- 何について説明している?
- 問いかけ・疑問はある?
- 答えになる部分はどこ?
- 繰り返される言葉・内容はある?
- 段落をつないで、中心を確かめる
一つずつ見ていきます。
ステップ1|何について説明している?
まず、
「この文章は何について書かれている?」
を考えます。
たとえば、
- タンポポの種
- 森の働き
- 水の変化
- 昔の道具
- 食べ物の保存
- 生き物のくらし
などです。
題名を見ることもヒントになります。
ただし、
題名だけで内容を決めない
ことが大切です。
たとえば、題名が「森」でも、
- 森の生き物について
- 森と水について
- 森の働きについて
- 森を守る活動について
など、中心となる内容は違うかもしれません。
だから、
「何について、どんなことを説明している?」
まで考えましょう。
ステップ2|問いかけ・疑問はある?
説明文には、
なぜでしょう。
どうしてこのようになるのでしょう。
どのような仕組みなのでしょう。
のような問いが書かれていることがあります。
たとえば、
なぜ、タンポポの種には白い毛がついているのでしょう。
と書かれていたら、そのあとには、
白い毛がついている理由
が説明されそうだと考えられます。
問いは、
「このあと何を説明するのか」を教えてくれる手がかり
になります。
恵子:「問いが見つかると、答えになりそうなところも探しやすくなるね」
問いが書いていない説明文でも大丈夫
ここで健太が聞きます。
健太:「でも、『なぜでしょう』って書いてない文章もあるよね?」
あります。
問いがはっきり書かれていなくても大丈夫です。
すべての説明文に、
「なぜでしょう」
「どうしてでしょう」
という形の問いがあるわけではありません。
そんなときは、
「何について、何を説明しているのだろう?」と自分で問いを作ってみる
と考えやすくなります。
たとえば、
森には、木の実や草がたくさんあります。
木の葉や枝は、生き物が身をかくす場所にもなります。
森には水をたくわえる働きもあります。
と書かれていたら、
「森は、生き物にとってどんな場所なのだろう?」
と自分で問いを作ることができます。
問いが見つからないときは、
- 題名を見る
- 最初の段落を見る
- 繰り返される内容を見る
- 最後のまとめを見る
そして、
「この文章は何について、どんなことを説明している?」
と考えてみましょう。
ステップ3|答えになる部分はどこ?
問いが見つかったら、その答えになる部分を探します。
たとえば、
なぜ、ホッキョクグマは寒いところでもくらせるのでしょう。
という問いに対して、
ホッキョクグマの体には厚い脂肪があります。
そのため、体温が外へ逃げにくくなっています。
と書かれていれば、これは問いへの答えの一つです。
ただし、
答えが一文だけとは限りません。
たとえば、
- 厚い脂肪がある
- 毛が密集している
- 熱が逃げにくい体のつくりになっている
というように、いくつもの説明を合わせて答えている場合もあります。
だから、
「答えっぽい一文を見つけたから終わり」
にしないことが大切です。
問いと答えは「一対一」とは限らない
問いが一つでも、その答えがいくつかに分かれて書かれていることがあります。
たとえば、
なぜ、森にはたくさんの生き物がくらせるのでしょう。
という問いに対して、
- 食べ物がある
- 身をかくす場所がある
- 水がある
と説明されていたとします。
この場合は、いくつかの説明をまとめて、
「生き物がくらすために必要なものがたくさんあるから」
と考えることができます。
大切なのは、
一文だけで決めず、関係する内容をつなげて考えること
です。
ステップ4|繰り返される言葉・内容はある?
説明文では、大切なことが何度も出てくることがあります。
たとえば、
森にはたくさんの生き物がくらしています。
木の実は、生き物の食べ物になります。
木の葉や枝は、生き物が身をかくす場所になります。
森は雨水をたくわえます。
このように、森は多くの生き物を支えています。
という文章なら、
「森」
「生き物」
という言葉が何度も出てきます。
でも、
同じ言葉が多いから、それだけで中心だと決めるわけではありません。
大切なのは、
何について、どんな内容が繰り返し説明されているか
を見ることです。
この文章では、
- 食べ物になる
- 身をかくす場所になる
- 水をたくわえる
という違う説明が、
「森が生き物を支えている」
という同じ方向につながっています。
つまり、
同じ言葉ではなく、似た内容が繰り返されることもあります。
「同じ言葉の回数」だけで決めない
ここで悪もこあい先生が登場します。
悪もこあい先生:「『森』って10回も出てきた! じゃあ答えは『森』!」
健太が少し困った顔をします。
健太:「でも、『森』だけじゃ何を説明しているのか分からないよね?」
もこあい先生:「そうだね。何回出たかだけじゃなくて、森について何を説明しているのかを見よう」
たとえば「水」という言葉が何度も出ていても、文章の中心が、
- 水の流れ
- 水の働き
- 水と生き物の関係
のどれなのかは、本文を読まないと分かりません。
だから、
言葉の回数だけでなく、繰り返されている内容を見る
ことが大切です。
ステップ5|段落をつないで、中心を確かめる
最後に、段落どうしをつないで考えます。
説明文では、段落ごとに役割が違うことがあります。
たとえば、
- 第1段落 → 問い
- 第2段落 → 理由1
- 第3段落 → 理由2
- 第4段落 → 具体例
- 第5段落 → まとめ
というような構成です。
ただし、これは一つの例です。
文章によって、段落の役割や並び方は変わります。
大切なのは、
「この段落は、文章の中で何をする役目?」
と考えることです。
たとえば、
- 森にはたくさんの生き物がいる
- 食べ物がある
- 身をかくす場所がある
- 水がある
- 森は多くの生き物を支えている
という流れなら、⑤は②③④の説明を受けたまとめになっています。
つまり、
段落をつないで読むことで、文章の中心が見えやすくなる
のです。
段落に「役割ラベル」を付けてみよう
高学年になったら、段落の横に短い言葉を付けてみるのもおすすめです。
たとえば、
- 第1段落 → 問い
- 第2段落 → 理由
- 第3段落 → 具体例
- 第4段落 → まとめ
のように整理します。
長い要約を書く必要はありません。
まずは、
「この段落は何のためにある?」
を見るだけでも十分です。
恵子:「段落の役割が見えると、文章全体の形も見えやすくなるね」
基本例|問いと答えを見る
次の文章を読んでみましょう。
タンポポの種には、白い毛がついています。
なぜ、このような毛がついているのでしょう。
白い毛があることで、種は風に乗って遠くまで飛ぶことができます。
そのため、タンポポは広い場所に種を運ぶことができるのです。
問いは、
「なぜ、このような毛がついているのでしょう。」
です。
答えになる部分は、
「種が風に乗って遠くまで飛ぶことができるから」
と考えられます。
さらに最後には、
「広い場所に種を運ぶことができる」
と続いています。
ここでは、
問い → 答え → その結果
という流れを見ることが大切です。
少しむずかしい例|複数の説明をまとめて考える
次の文章を見てみましょう。
ある鳥は、寒い季節になると暖かい場所へ移動します。
では、なぜ遠くまで移動するのでしょう。寒い場所では、季節によって食べ物が少なくなることがあります。
また、暖かい場所では、冬でも食べ物を見つけやすいことがあります。
そのため、食べ物を求めて長い距離を移動する鳥がいるのです。
問いは、
「なぜ遠くまで移動するのでしょう。」
です。
答えになる内容は、
- 寒い場所では食べ物が少なくなることがある
- 暖かい場所では食べ物を見つけやすい
という複数の説明に分かれています。
これらをつなげると、
「食べ物を見つけるために、暖かい場所へ移動する」
と考えられます。
大切なのは、
一つの文だけではなく、関係する説明をつなげて答えを考えること
です。
高学年例|具体例と文章の中心を分けて考えよう
次の文章を見てみましょう。
昔の人は、食べ物を長く保存するために、さまざまな工夫をしてきました。
魚を干したり、野菜を塩につけたり、米を乾燥させたりしました。
冷蔵庫がなかった時代には、その土地の気候や材料に合わせた方法が使われていました。
このように、人々は生活の中で知恵を使い、食べ物を長く保存してきたのです。
健太:「魚を干すところが具体的だから、そこが一番大事かな?」
恵子:「でも、野菜や米の話もあるよね。いくつかの例をまとめると、もっと大きな内容が見えてきそう」
その通りです。
具体例は、
- 魚を干す
- 野菜を塩につける
- 米を乾燥させる
です。
では、これらをまとめると何が言えるでしょうか。
「昔の人は、生活の知恵を使って食べ物を保存してきた」
という内容が見えてきます。
具体例を見つけたら、
「これらをまとめると、何が言える?」
と考えてみましょう。
具体例 → まとめる → 文章の中心に近づく
という流れで考えると整理しやすくなります。
「具体例=大事ではない」ではない
ここは少し注意が必要です。
具体例だからといって、
「読まなくていい」
わけではありません。
具体例を見ることで、
- 説明が分かりやすくなる
- 理由が納得しやすくなる
- 文章の中心となる内容が具体的に分かる
ことがあります。
大切なのは、
「この具体例は、何を説明するために使われている?」
と考えることです。
悪もこあい先生の「ありがちな間違い」3つ
ここで、悪もこあい先生が自信満々に登場します。
①「最後の文だけ読めばいい!」
悪もこあい先生:「まとめは最後にあるんだから、最後だけ読めばOK!」
なぜ注意?
最後にまとめがあっても、その前の理由や具体例を読まないと、なぜそうまとめられるのか分からない場合があります。
どう見る?
最後の文と、そこまでの説明がつながっているか確認します。
②「同じ言葉が多いところが答え!」
悪もこあい先生:「『森』がたくさん出てくる! だから答えは『森』!」
なぜ注意?
同じ言葉が多いことは手がかりですが、回数だけでは文章の中心は分かりません。
どう見る?
その言葉について「何を説明しているのか」まで確認します。
③「一番目立つ具体例が大事!」
悪もこあい先生:「魚を干す話が分かりやすかった! だからこれが文章の中心!」
なぜ注意?
具体例は、もっと大きな内容を説明するために使われていることがあります。
どう見る?
いくつかの例をまとめると何が言えるか考えます。
悪もこあい先生:「そういえば、私も昔は最後の文だけ見てたなあ……」
高学年では「一文探し」だけでは足りない文章も増えてくる
問いのすぐあとに答えが書かれている文章もあります。
一方で、学年が上がるにつれて、
- 問い
- 複数の理由
- 具体例
- 比較
- 説明
- まとめ
が、いくつもの段落に分かれている文章も増えてきます。
だから、
「大事な一文はどこ?」だけではなく、「段落と段落がどうつながっている?」
を見ることが大切です。
これは、シリーズ④の指示語で学んだ、
「言葉探しではなく、文のつながりを見る」
という考え方にもつながっています。
保存用|説明文の大事なところを見る5チェック
説明文で迷ったら、次の5つを確認しましょう。
- 何について説明している?
- 問いかけ・疑問はある?
- 答えになる部分はどこ?
- 繰り返される言葉・内容はある?
- 段落をつないで、中心を確かめた?
一つの目印だけで決めない。
具体例を見つけたら、「何を説明するための例?」と考える。
むずかしいときほど、文章の流れへ戻ろう。
国語で困ったときは、どの記事へ戻る?
ここまでで、小学生国語の読解5ステップシリーズは5本そろいます。
困ったところに合わせて、戻る記事を選んでみましょう。
| 困ったこと | 戻る記事 |
|---|---|
| 答えがどこにあるかわからない | ① 小学生の国語で答えの場所がわからない人へ|問題文と本文を見る5ステップ |
| 「なぜですか」に答えられない | ② 小学生の国語で「なぜですか」に答えられない人へ|理由の見つけ方5ステップ |
| 登場人物の気持ちがわからない | ③ 登場人物の気持ちがわからない小学生へ|会話・行動・様子から考える5ステップ |
| 「これ・それ」が何を指すかわからない | ④ 小学生の国語で「これ・それ」がわからない人へ|指示語を見つける5ステップ |
| 説明文の大事なところがわからない | ⑤ この記事 |
5つの記事に共通していること
問題の種類は違っても、5つの記事には共通する考え方があります。
それは、
「一つの目印だけで答えを決めない」
ということです。
たとえば、
- 「なぜ」なら「から」を探せばいい
- 「笑った」なら「うれしい」
- 「これ」ならすぐ前の言葉
- 説明文なら最後の文
と機械的に決めると、うまくいかない問題があります。
そんなときは、
問題を確認する
↓
本文へ戻る
↓
前後や関係する部分を見る
↓
いくつかの手がかりをつなぐ
↓
本文のどこからそう考えたか確かめる
という基本に戻りましょう。
まとめ|説明文は「問い・答え・繰り返し・段落」をつないで読む
説明文の大事なところがわからなくなったら、次の5ステップに戻りましょう。
- 何について説明しているか確認する
- 問いかけ・疑問を見る
- 答えになる部分を探す
- 繰り返される言葉や内容を見る
- 段落をつないで、中心を確かめる
問いがはっきり書かれていない文章もあります。
同じ言葉が多いだけでは、文章の中心とは決められません。
最後の一文だけを見ればよいとも限りません。
具体例が一番目立っていても、それだけが中心とは限りません。
大切なのは、
一つの目印だけで決めず、いくつかの手がかりをつなぐこと。
説明文も、
「答えを当てる」のではなく、「本文のどこから、そう考えたのか」を確かめながら読む
ことが大切です。
もこあい先生:「むずかしいときほど、本文へ戻ろう。文章の中には、考えるための手がかりがちゃんとあるよ」
今日の“なんで?”を大切にしよう。
正解より、考えた道のりが宝もの。
参考文献・参考資料
この記事の作成にあたり、主に以下の資料を参考にしました。
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」
小学校国語の「読むこと」における、説明的な文章の構造と内容の把握、文章全体の構成、中心となる内容を捉える学習などを確認するために参照しました。 - 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」
小学校国語で育成する資質・能力や、各学年段階における国語科の学習内容を確認するために参照しました。
本記事では、学習指導要領の内容をそのまま説明するのではなく、小学生が説明文を読むときに使いやすいよう、
「何について説明しているか」「問いと答え」「繰り返される言葉・内容」「段落のつながり」という手がかりを5ステップに整理しています。
また、説明文にはさまざまな構成があります。そのため、「最後の文が必ず大事」「問いの直後に必ず答えがある」などの機械的な読み方ではなく、文章ごとに本文のつながりを確かめながら考えることを重視しています。
訂正・追記履歴
- 2026年9月|初稿作成
小学生国語・読解5ステップシリーズ⑤として記事を作成しました。「何について説明しているか」「問いと答え」「繰り返される言葉・内容」「段落のつながり」から文章の中心を考える5ステップを整理し、問いが明示されていない説明文、具体例と文章の中心の違い、高学年向けの段落の見方、よくある間違い、保存用5チェックを追加しました。












