🧮 かけ算が苦手な子へ|「1つ分×いくつ分」で意味からわかる入門ガイド
「かけ算が苦手……」「九九は言えるけれど、意味がよく分からない……」という子は少なくありません。
この記事は、主に小学校2年生〜3年生くらいで、かけ算を習い始めた子や、九九は覚え始めたけれど意味がまだあいまいな子に向けた入門記事です。
小学校4年生以上でも、かけ算の筆算や文章題でつまずいている場合は、「1つ分 × いくつ分」の考え方に戻ると整理しやすくなります。
かけ算は、むずかしい計算を増やすための勉強ではありません。同じ数を何回もたす手間をへらして、数えるのを楽にする考え方です。
この記事で分かること
- かけ算が「何を楽にしてくれる計算」なのか
- 「1つ分」と「いくつ分」の見つけ方
- 九九がどう役立つのか
- 文章題で止まったときに、どこを見ればよいか
- かけ算がこの先の学習にどうつながるか
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この記事は、主に小学校2〜3年生くらいの「かけ算の意味の入門」を扱います。
中心になるのは、「1つ分 × いくつ分」という考え方です。
2けたのかけ算や筆算、小数・分数のかけ算は、この記事では深く扱いません。そうした内容につながる土台を整理する記事です。
かけ算は、数えるのを楽にする考え方
かけ算は、「九九をがんばって覚えるもの」というイメージが強いかもしれません。
でも、本当はそれだけではありません。かけ算は、同じ数を何回もたすのを楽にするための考え方です。

| 場面 | たし算で考えると | かけ算で考えると |
|---|---|---|
| 3こずつ入った皿が4皿 | 3+3+3+3 | 3×4 |
| 5本ずつ入った箱が6箱 | 5+5+5+5+5+5 | 5×6 |
| 2人ずつ並んだ列が7列 | 2+2+2+2+2+2+2 | 2×7 |
もこあい先生: かけ算は、むずかしい計算を増やすものではありません。「同じ数がくり返し出てくる場面」を、楽に見るための道具なんです。
ミニ辞書|かけ算でよく出る言葉
まずは、この記事でよく使う言葉を短く整理します。
| 言葉 | かみ砕いた意味 |
|---|---|
| かけ算 | 同じ数のまとまりが、いくつ分あるかを考える計算 |
| 1つ分 | 1さらに何こ、1ふくろに何こ、1人に何本など、1まとまりの数 |
| いくつ分 | そのまとまりが何皿、何ふくろ、何人分あるか |
| 全部の数 | 1つ分といくつ分をかけて出てくる数 |
| ずつ | 同じ数でそろっていることを表す言葉 |
| 九九 | かけ算をすばやく使うために覚える表 |
| 式 | 考え方を数字と記号で表したもの |
| 単位 | こ、枚、人、円など、答えが何を表しているかを示す言葉 |
かけ算の中心は「1つ分 × いくつ分」
かけ算で一番大事なのは、「1つ分」と「いくつ分」を見つけることです。
たとえば、次の問題を見てみましょう。
1皿にりんごが3こあります。4皿では、りんごは全部で何こありますか。
この問題では、
- 1つ分:1皿に3こ
- いくつ分:4皿
- 全部の数:?こ
と見られます。
だから、式は 3×4 になります。

式の形は、こう考えると整理しやすいです。
1つ分 × いくつ分 = 全部の数
スクショ保存用|かけ算の見方ミニシート
「文章題になると、どこを見ればいいか分からない」という子は、この流れをそのまま見てください。スマホに保存しておくのもおすすめです。

かけ算で見る順番
- 1つ分はどれ?
- いくつ分ある?
- 何を聞かれている?
- 答えの単位は何?
たし算で見ると、かけ算の意味がわかりやすい
かけ算がよく分からないときは、いったんたし算に戻ると意味が見えやすくなります。
3こずつ入った皿が4皿あるなら、
3+3+3+3
と考えられます。
これを、まとめて 3×4 と書けるのがかけ算です。
つまり、かけ算は「たし算を短くしたもの」でもあります。
ただし、それだけではありません。かけ算は「同じ数のまとまりが、いくつ分あるか」を見る考え方でもあります。
九九は「意味を速く使うための道具」
九九はとても大切です。でも、九九は「ただ覚えるだけのもの」ではありません。
九九は、「1つ分 × いくつ分」をすばやく使うための道具です。
たとえば…
4こずつが6つ分あるとき、
4+4+4+4+4+4 と毎回考えるより、4×6=24 と分かると楽になります。
最初は九九を覚えるのが大変に感じるかもしれません。ですが、意味が分かってくると、九九は「考えるのを助けてくれる表」になります。
文章題で止まるときは、数字だけで式を決めない
かけ算の文章題が苦手な子は、数字を見つけても、そこから先で止まりやすいです。
そんなときは、数字だけを見て式を決めないことが大切です。
悪もこあい先生: 3と4があるからなんとなく3×4、ではダメだ。大事なのは、「何が何こずつあるのか」を見ることだ。

3×4と4×3は同じ?ちがう?
計算の答えだけ見ると、3×4も4×3も答えは12です。
でも、文章題では場面の見方が変わることがあります。
- 3×4:3こが4皿分
- 4×3:4こが3皿分
この記事では、「どちらがえらい・まちがい」ではなく、文章の場面を正しく読むために「1つ分」と「いくつ分」を見よう、という考え方を大切にします。
単位も忘れずに見よう
答えを書いたら、数字だけで終わらず、何の数なのかも見ましょう。
- 12こ
- 12人
- 12本
- 12円
単位を見ると、答えが何を表しているかが分かりやすくなります。
かけ算の地図|この先こう広がっていく
かけ算は、九九を言えるようになるためだけの勉強ではありません。今学んでいる「1つ分 × いくつ分」は、この先の筆算、わり算、面積、高学年の学習にもつながっていきます。
まずは、かけ算がこの先どう広がるのか、目安を見てみましょう。
※学ぶ順番や深さは、学校や教科書によって少し前後することがあります。ここでは、かけ算がどう広がっていくかの目安をまとめています。

| 学年の目安 | この時期のかけ算 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 小2 | 「同じ数ずつ」を見つける、九九を使う | かけ算の土台を作る時期 |
| 小3 | 少し大きな数でもかけ算する、筆算につながる | かけ算を広げる時期 |
| 小4 | わり算や面積にもつながっていく | かけ算を使いこなす入口 |
| 高学年 | 小数・分数・割合などにも広がる | かけ算が他の単元を支える時期 |
今、全部を分かる必要はありません。ですが、「1つ分」と「いくつ分」の考え方をここで持てると、この先の学習がかなり整理しやすくなります。
2けたのかけ算や筆算にも、考え方はつながる
この記事では、2けたのかけ算や筆算の詳しいやり方までは扱いません。
でも、今の考え方があとでどうつながるかだけ、少し見ておきましょう。
12×3 を考えるとき、12を 10と2 に分けると、
- 10×3=30
- 2×3=6
となるので、30+6=36 と考えられます。
この「大きな数を分けて考える」見方が、あとで習うかけ算の筆算にもつながっていきます。
つまり、筆算は急に別のものになるのではなく、今のかけ算の考え方が広がったものなんです。
ミニ練習問題|1つ分といくつ分を見つけてみよう
ここまで読んだら、短い問題で確かめてみましょう。
問題1
1皿にみかんが4こあります。3皿では、みかんは全部で何こありますか。
✅ クリックして開く:答えと考え方
1つ分は4こ、いくつ分は3皿です。
式は 4×3、答えは 12こ です。
問題2
1ふくろにあめが5こ入っています。6ふくろでは、あめは全部で何こありますか。
✅ クリックして開く:答えと考え方
1つ分は5こ、いくつ分は6ふくろです。
式は 5×6、答えは 30こ です。
問題3
1人にえんぴつを2本ずつ配ります。7人では、えんぴつは全部で何本必要ですか。
✅ クリックして開く:答えと考え方
1つ分は2本、いくつ分は7人です。
式は 2×7、答えは 14本 です。
今日できる最小行動|1問だけ「1つ分」と「いくつ分」に線を引こう
今日は、かけ算の問題をたくさん解かなくても大丈夫です。
まずは、教科書やドリルの問題を1問だけ選んで、次のことをやってみましょう。
- 「1つ分」に線を引く
- 「いくつ分」に丸をつける
- 「何を聞かれているか」を見る
- 答えの単位を確認する
この4つができるだけでも、大きな一歩です。
A4印刷用|かけ算の見つけ方チェックシート
宿題や復習で何度も使いたい場合は、印刷用のチェックシートがあると便利です。家庭でプリントして、手元に置いておくのもおすすめです。

チェックシートで見ること
- 1つ分はどれ?
- いくつ分ある?
- 式はどうなる?
- 答えの単位は何?
- 数字だけで式を決めていない?
保護者の方へ|「九九だけ」の苦手ではないこともあります
お子さんがかけ算で止まると、「九九をもっと覚えればよいのかな」と感じることがあります。
もちろん九九は大切ですが、実際には、「1つ分」と「いくつ分」が見えていないことがつまずきの原因になっている場合も少なくありません。
声かけの例
- 「1つ分って、どこかな?」
- 「それはいくつ分あるかな?」
- 「何こって答える問題かな?」
正解だけを急がず、どこを見て考えたかを一緒に確認すると、理解が安定しやすくなります。
まとめ|まずは「1つ分 × いくつ分」が見えれば大丈夫
かけ算は、むずかしい計算を増やすための勉強ではありません。同じ数を何回もたす手間をへらして、数えるのを楽にする考え方です。
そして、その中心にあるのが、「1つ分 × いくつ分」です。
- かけ算は「同じ数ずつ」を楽に見る考え方
- 1つ分といくつ分を見つけることが大切
- 九九は意味を速く使うための道具
- この考え方が、文章題や筆算、わり算にもつながる
今は、2けたのかけ算や難しい問題まで全部できなくても大丈夫です。まずは、1つ分といくつ分が見えること。ここが、これからのかけ算の土台になります。
もこあい先生より:「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」
参考文献・出典
この記事では、小学校算数における「かけ算の意味」「九九」「筆算へのつながり」について、主に文部科学省の資料で確認できる範囲をもとに、家庭学習向けにかみ砕いて整理しています。
- 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』
第2学年「A 数と計算(3)乗法」では、乗法の意味、乗法が用いられる場面を式に表すこと、九九などが示されています。小学校学習指導要領解説(文部科学省) - 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』
第3学年「A 数と計算(3)乗法」では、2位数・3位数のかけ算を、数のまとまりに着目して考えることや、筆算へのつながりが説明されています。小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編 PDF
※本記事は、上記資料を参考にしながら、保護者や小学生が家庭学習で使いやすいように表現をかみ砕いています。学校や教科書によって、扱う順番や説明の仕方が少し異なる場合があります。

