🧮 くり上がりのたし算が苦手な子へ|10を作る考え方をやさしく説明

くり上がりのたし算は、ただ答えを覚えるだけのものではありません。

大切なのは、10を作ると数が見やすくなるという考え方です。

この記事では、

  • くり上がりってなに?
  • なぜ「10」が大事なの?
  • なぜ 8+5 で、5を2と3に分けるの?
  • 家でどう声をかければいいの?

というところを、やさしく整理していきます。

この記事でできること

  • くり上がりのたし算の意味がわかる
  • 「10を作る」考え方がわかる
  • 8+5の見方がわかる
  • 家でできる練習の仕方がわかる

※まだ「たし算・ひき算ってなに?」から確認したい場合は、先にこちらの記事もおすすめです。

たし算・ひき算ってなに?|ぬいぐるみ商店ゲームで学ぶ小学生算数の入口【プリントつき】

📘 クリックして開く:この記事の見方

この記事は、小学校はじめの算数で「くり上がり」が分かりにくい子や、家で教える保護者の方向けに、学習目的に合わせて要点をやさしく整理したものです。

わかりやすさを優先しているため、実際の授業や教科書の表現とは少し言い方が違う場合があります。お子さんの理解や学校の進め方に合わせて使ってください。

先に結論|くり上がりは「10を作る」と見えやすくなる

くり上がりのたし算は、いきなり答えを覚えるより、まず10を作ると考えると見えやすくなります。

たとえば、8+5 なら、

  • 8は、あと2で10になる
  • 5を、2と3に分ける
  • 8+2で10
  • 残りの3を足して13

という流れで考えられます。

もこあい先生:くり上がりは、答えを急いで覚えるよりも、「10を作ると見やすいんだな」と気づくことが大切です。

8たす5を8たす2たす3、10たす3、13へと順に考えるくり上がりの流れ図
8+5は、「8を10にする」と見やすくなります。

くり上がりってなに?

くり上がりのあるたし算とは、答えが10をこえるたし算のことです。

たとえば、

  • 8+5=13
  • 9+4=13
  • 7+6=13

のように、1けたどうしをたして、答えが10より大きくなるたし算です。

このとき大切なのは、ただ「13」と覚えることではなく、10のまとまりが1つできると見ることです。

数え足しでもいい?|でも「10を作る」と楽になる

くり上がりのたし算を考えるとき、最初は「数え足し」で考える子も多いです。

たとえば 8+5 を、

8、9、10、11、12、13

と数えて答えを出すやり方です。

この方法が間違いというわけではありません。最初はそれでも大丈夫です。

でも、数が大きくなってくると、数え足しは少し大変になります。

そこで役立つのが、10を作る考え方です。

ここがポイント

数え足しは「1つずつ進む」見方です。
10を作る考え方は、「ひとまとまりを先に作る」見方です。

健太:数えて答えは出せるけど、途中でこんがらがることがあるんだよね……。

もこあい先生:そういうときは、10を作る見方を覚えると、少し楽になりやすいですよ。

数え足しと10を作る考え方を比べて示したくり上がり説明用の比較図

10ってどんな数?|数をまとめて見るための「ひとまとまり」

10は、ただの数字ではありません。

算数では、数をまとめて見やすくするための区切りとして、とても大切な数です。

たとえば、

  • 両手の指を全部数えると10本
  • 10こ入りのお菓子
  • 10本入りのえんぴつ
  • 10円玉

のように、生活の中でも「10でひとまとまり」と見ることが多くあります。

くり上がりのたし算でも、まず10を作ると、そのあとの数が見やすくなります。

指10本や10このブロックを使って10がひとまとまりの数であることを示す小学生向け図
10は、数をまとめて見るための大事な区切りです。

日常でもやっていることあるよ|10で区切ると見やすくなる

10は、算数の中だけで大事な数ではありません。

日常の中でも、わたしたちは「10」で区切って見ることがあります。

  • 両手の指が10本
  • 10こ入りのお菓子
  • あと10分、あと10日
  • 10回やった、10人そろった、などの数え方

こうした場面では、1こずつバラバラに見るより、10でひとまとまりにした方がわかりやすくなります。

くり上がりのたし算でも、これと同じように「まず10を作る」と考えると見やすくなります。

場面別で見る|10は「ひとまとまり」になる境目

10は、生活の中でも算数の中でも、「ここでひとまとまり」と見やすい数です。

場面 10の見え方 くり上がりとのつながり
両手の指 全部で10本 「あと何本で10?」を考えやすい
10こ入りの箱 10こで1箱 まず箱をいっぱいにする見方につながる
10円玉 1円玉10枚で10円 10でまとめると見やすい
くり上がり 10を作って、残りを足す 8+5なら、8+2で10、残り3で13

10は、むずかしい壁ではなく、数を整理しやすくするための境目です。

8+5で困った健太|恵子が見つけた「あと2で10」

健太:8+5って、どう考えればいいの? 8から数えていくと、途中でわからなくなりそう……。

恵子:健太くん、8はあといくつで10になるかな?

健太:あと2!

恵子:そう。じゃあ5を2と3に分けてみよう。8に2を足して10。残った3を足したら13になるよ。

もこあい先生:ここが、くり上がりの大切な入口です。くり上がりは、「10を作る」と見えやすくなります。

8たす5で困る健太と、あと2で10になることに気づいた恵子が一緒に考えている場面
8+5は、「あと2で10」に気づくと考えやすくなります。

なぜ5を2と3に分けるの?|8を10にしたいから

くり上がりで子どもがよく止まるのが、ここです。

「なんで5を2と3に分けるの?」

答えは、8を10にしたいからです。

8は、あと2で10になります。

だから、5の中から2を使って、まず8を10にします。

すると、5の残りは3になります。

この流れで考えると、

  • 8+5
  • 8+2+3
  • 10+3
  • 13

となります。

ここがいちばん大切

5を2と3に分けるのは、8を10にするためです。

8たす5で5を2と3に分けて8を10にする理由を示したくり上がりの図解
5を2と3に分けるのは、8を10にしたいからです。

あといくつで10?|くり上がりで使う「10の相方」

くり上がりでは、「あといくつで10になるかな?」を見ることが大切です。

この記事では、10になる組み合わせを、わかりやすく「10の相方」と呼んでみます。

10にするには
9 あと1
8 あと2
7 あと3
6 あと4
5 あと5
4 あと6
3 あと7
2 あと8
1 あと9

全部を一気に覚えなくても大丈夫です。

まずは、8はあと2、9はあと1、7はあと3、というように、少しずつ見慣れていきましょう。

9はあと1、8はあと2など、あといくつで10になるかをまとめたくり上がり用のミニシート
「あといくつで10?」が見えると、くり上がりが楽になります。

練習してみよう|10を作るくり上がりミニ問題集

ここでは、10を作る考え方を練習してみましょう。

ステップ1|あといくつで10?

  • 9はあと □ で10
  • 8はあと □ で10
  • 7はあと □ で10
  • 6はあと □ で10
  • 5はあと □ で10

ステップ2|どんなふうに分ける?

  • 8+5 → 5を □ と □ に分ける
  • 7+6 → 6を □ と □ に分ける
  • 9+4 → 4を □ と □ に分ける
  • 6+8 → 8を □ と □ に分ける

ステップ3|答えまで出してみよう

  • 8+5=
  • 7+6=
  • 9+4=
  • 6+8=
📘 クリックして開く:答えを見る

ステップ1

  • 9はあと1で10
  • 8はあと2で10
  • 7はあと3で10
  • 6はあと4で10
  • 5はあと5で10

ステップ2の一例

  • 8+5 → 5を2と3に分ける
  • 7+6 → 6を3と3に分ける
  • 9+4 → 4を1と3に分ける
  • 6+8 → 8を4と4に分ける

ステップ3

  • 8+5=13
  • 7+6=13
  • 9+4=13
  • 6+8=14

くり上がりでよくあるミス|どこで止まっているか見てみよう

くり上がりが苦手なときは、どこで止まっているかを見ると、次の一歩が見えやすくなります。

よくあるミス 起きていること 見直すポイント
8+5で12になる 数え足しの途中でずれた 指やブロックで数え始めを確認する
5を2と3に分ける意味が分からない 8を10にする目的が見えていない 「8はあと2で10」を先に見る
10+3が13につながらない 10のまとまりと残りが結びついていない 10こと残り3こを別に見てみる
答えだけ覚えようとして苦しくなる 考え方より暗記が先になっている まず1問だけ、10を作る流れを見直す

くり上がりのたし算でよくある間違いと見直し方を比べて示した小学生向けの説明図
「どこで止まっているか」がわかると、見直しやすくなります。

保護者の方へ|「答えは?」より「あといくつで10?」と聞いてみよう

子どもがくり上がりで止まっていると、大人はつい「答えは?」「早くやってみて」と言いたくなることがあります。

でも、くり上がりで大切なのは、答えを急がせることよりも、10に気づくことです。

たとえば、こんな声かけが役立ちます。

  • あといくつで10になるかな?
  • どちらを10に近づけようか?
  • 5を、いくつといくつに分けようか?
  • 10ができたね。残りはいくつ?
  • まずは1問だけ、一緒に見てみよう

責めるより、見つける。
急がせるより、一緒に見る。

その方が、子どもはくり上がりに安心して向かいやすくなります。

保護者の方へ|はじめて「10を作る」に出会ったころを思い出してみる

大人も最初から、「8はあと2で10」「5を2と3に分ける」と考えられたわけではありません。

どこかで、指を使ったり、ブロックを動かしたり、先生や家の人に教えてもらったりしながら、少しずつ「10のまとまり」に出会ってきたはずです。

くり上がりは、ただ答えを覚えるだけの計算ではありません。

9までの数から、10というひとまとまりを作って見る考え方です。

子どもが止まったときは、すぐに答えを急がせるより、まずは「あといくつで10になるかな?」と一緒に見てみましょう。

筆算に進む前に|くり上がりの「1」はどこから来るの?

くり上がりのたし算は、あとで筆算にもつながります。

たとえば、8+5=13 では、10のまとまりが1つできると考えられます。

この「10のまとまりが1つできた」という見方が、あとで筆算の上に書く「1」につながっていきます。

ただし、この記事ではまず、筆算の手順よりも10を作る考え方を大切にしました。

筆算のくり上がりは、別の記事でくわしく見ていきます。

今日できる最小行動|8はあといくつで10か見てみよう

今日の最小行動は、とても小さくて大丈夫です。

  • 8はあと2で10
  • 9はあと1で10
  • 7はあと3で10

まずは、この3つだけ見てみましょう。

全部できなくても大丈夫です。
まず1問だけ、まず1つだけ、「10を作る」と見てみることが大切です。

健太:くり上がりって、ただ難しい計算だと思ってたけど、「10を作る」って思うと少し分かりやすいかも。

恵子:うん。いきなり全部できなくても大丈夫。まずは「あといくつで10?」からだね。

もこあい先生:くり上がりは、答えを急いで覚えるより、「10を作ると見やすい」と気づくことが入口です。少しずつ見慣れていきましょう。


もこあい先生より:「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

次に読むとよい記事

参考文献・出典

📚 クリックして開く:参考文献・出典

※本文は学習目的に合わせて要点化しています。教科書会社や公的資料によって表現が異なる場合があります。

  1. 文部科学省『小学校学習指導要領(算数)』
  2. お使いの教科書会社の小学校算数教科書・指導資料
  3. 必要に応じて、家庭学習向け算数教材・教育機関の公開資料