🧮 正負の数でつまずく中学生へ|マイナス・数直線・符号ミスの直し方
「マイナスが出てきた瞬間、計算がわからなくなる」
「-2 と -5 は、どちらが大きいんだっけ?」
「4-(-2) は、どうして6になるの?」
正負の数でつまずくとき、原因は計算練習の不足だけとは限りません。
じつは、負の数・符号・数直線・絶対値・計算記号の意味が少しずつ混ざっていることがあります。
そこでこの記事では、正負の数を最初から全部覚え直すのではなく、よくあるつまずきから「どこへ戻ればいいか」を整理していきます。
今日のゴールは、正負の数を完璧にすることではありません。
次の1問で「何を見ればいいのか」がわかればOKです。
- まず確認|正負の数のどこで止まっている?
- まず結論|正負の数は「記号の役割」を分ける
- 正負の数で最初に知っておきたい4つ
- つまずき①|-2と-5は、どちらが大きい?
- つまずき②|3-7は、なぜ-4になる?
- つまずき③|-3+5は、最初の「−」につられない
- つまずき④|4-(-2)は「−」を分けて見る
- つまずき⑤|かけ算・わり算は、たし算と符号ルールが違う
- 正負の数の計算|見る順番を整理しよう
- 数直線はいつ使う?|毎回書かなくてもいい
- 符号ミスを減らす途中式|「−」を省略しすぎない
- 今日できる最小行動|3問だけ解いてみよう
- 保存用|正負の数を見る6項目チェック
- FAQ|正負の数でよくある質問
- あわせて読みたい|次のつまずきへ進もう
- まとめ|正負の数は「暗記」より「見分ける」
- 訂正・追記履歴
まず確認|正負の数のどこで止まっている?
まず、次の項目を見てみましょう。
-2と-5のどちらが大きいか迷う3-7は「できない計算」のように感じる-3+5の最初の「−」につられる4-(-2)を見ると「−」が多くて混乱する- 絶対値が大きい数ほど、数としても大きいと思ってしまう
- たし算と、かけ算・わり算の符号ルールが混ざる
- やり方は知っているのに、テストで符号ミスをする
1つでも当てはまったら、問題数を増やす前に「見る場所」を整理してみましょう。
正負の数では、すべてを同じルールで考える必要はありません。
- 数の大小 → 数直線を見る
- たし算 → 符号と絶対値を見る
- ひき算 → 「反対の数をたす」に直す
- かけ算・わり算 → 同符号か異符号かを見る
この違いを分けるだけでも、かなり見やすくなります。
まず結論|正負の数は「記号の役割」を分ける
正負の数で迷ったときは、まず次の表へ戻ってください。
| つまずき | まず見るところ |
|---|---|
-2 と -5 の大小 |
数直線 |
3-7 |
3を出発点にして考える |
-3+5 |
符号と絶対値 |
4-(-2) |
「−」の2つの役割 |
| かけ算・わり算 | 同符号か異符号か |
大切なのは、「マイナスがあるからこうする」と記号だけで判断しないことです。
何の計算なのか、その「+」「−」は何を表しているのか。
そこから見ていきましょう。
正負の数で最初に知っておきたい4つ
1.正の数と負の数
正の数は0より大きい数、負の数は0より小さい数です。
たとえば、
3、7、0.5→ 正の数-2、-5、-0.7→ 負の数
です。
正の数は +3 のように書くこともできますが、ふつうは「+」を省略して 3 と書きます。
そして、ここも大切です。
0は正の数でも負の数でもありません。
2.数直線では右にある数ほど大きい
数直線では、0より右側に正の数、左側に負の数があります。
-5 < -2 < 0 < 3
というように、右へ行くほど数は大きくなります。
3.絶対値は「0からの距離」
絶対値とは、その数が0からどれだけ離れているかを表します。
たとえば、
|3|=3
|-3|=3
|0|=0
です。
3 と -3 は違う数ですが、どちらも0から3だけ離れています。
そのため、絶対値は同じです。
数そのものの大小と、絶対値の大小は別なので注意しましょう。
4.「+」「−」には2つの役割がある
正負の数で混乱しやすい原因の一つが、同じ「+」「−」が違う役割で出てくることです。
たとえば、
-3+5
では、
-3の「−」 → 負の符号- 途中の「+」 → たし算を表す記号
です。
また、
4-(-2)
では、
- 最初の「−」 → ひき算を表す記号
-2の「−」 → 負の符号
です。
「これは数についている符号? それとも計算の記号?」
と分けて見ることが、符号ミスを減らす第一歩です。
つまずき①|-2と-5は、どちらが大きい?
正負の数で最初につまずきやすいのが、負の数どうしの大小です。
-2 と -5 を比べてみましょう。
2と5だけを見ると、
「5の方が大きいから、-5 の方が大きいのでは?」
と思うかもしれません。
ここでは、数直線へ戻ります。
数直線では右にある数ほど大きいので、
-2 > -5
です。
一方、絶対値は、
|-2|=2
|-5|=5
なので、絶対値が大きいのは -5 です。
整理すると、
- 数として大きい → -2
- 絶対値が大きい → -5
となります。
見るポイント:負の数の大小では、2や5だけを比べず、数直線を見る。
つまずき②|3-7は、なぜ-4になる?
3-7 を見ると、
「3から7なんてひけないのでは?」
と感じることがあります。
ここでも数直線を使ってみましょう。
まず、3を今いる場所とします。
そこから正の数7をひくので、左へ7だけ動きます。
3 → 2 → 1 → 0 → -1 → -2 → -3 → -4
到着する場所は -4 です。
したがって、
3-7=-4
となります。
0までと、その先に分けてもいい
一度に7だけ動くのがわかりにくければ、0で分けて考えてみましょう。
- 3から0まで → 3だけ動く
- まだ7のうち4残っている
- 0からさらに左へ4だけ動く
-4に着く
慣れてきたら「反対の数をたす」と考える
ひき算は、ひく数の反対の数をたす形に直せます。
3-7
=3+(-7)
=-4
と考えることができます。
ただし、ここで、
「ひき算なら、いつも左へ動く」
と覚えないようにしましょう。
負の数をひく場合は違います。
それを後ほど確認します。
つまずき③|-3+5は、最初の「−」につられない
-3+5 を見て、最初に「−」があるため、
「左へ動けばいいのかな?」
と思うことがあります。
しかし、-3 の「−」は移動の指示ではありません。
-3 という負の数についている符号です。
まず、数直線上の -3 を今いる場所とします。
そこに正の数5をたすので、右へ5だけ動きます。
-3 → -2 → -1 → 0 → 1 → 2
したがって、
-3+5=2
です。
計算ルールでは絶対値を見る
-3 と +5 は符号が違います。
このような2数を異符号といいます。
異符号のたし算では、絶対値の大きい方から小さい方を引きます。
5-3=2
そして、絶対値が大きい数は +5 なので、答えは正です。
-3+5=2
となります。
ここで大切なのは、
「大きい方の符号」ではなく、「絶対値が大きい数と同じ符号」
ということです。
絶対値が同じなら答えは0
たとえば、
-5+5=0
です。
数直線で見ると、左右への動きがちょうど打ち消し合って0に戻ります。
つまずき④|4-(-2)は「−」を分けて見る
正負の数で特につまずきやすいのが、
4-(-2)
です。
「−」が2つ出てくるため、
「マイナスが2個だからプラス?」
と覚えている人もいるかもしれません。
でも、まず2つの「−」の役割を分けましょう。
- 最初の「−」 → ひき算を表す記号
-2の「−」 → 負の符号
つまり、
「4から、負の数である-2をひく」
という意味です。
ひき算は「反対の数をたす」に直す
-2 の反対の数は +2 です。
そのため、
4-(-2)
=4+(+2)
=6
となります。
反対に、
4-(+2)
なら、+2 の反対の数は -2 なので、
4-(+2)
=4+(-2)
=2
です。
つまり、
+2をひく →-2をたす-2をひく →+2をたす
と考えます。
悪もこあい先生の罠|「−が2個なら+」だけで覚えない
「−が2つだから+」だけで覚えると、簡単な問題では答えが出ても、式が長くなったときに混乱しやすくなります。
見るのは「−」の数ではありません。
これは計算記号なのか、それとも数についている符号なのか。
そこを分けましょう。
つまずき⑤|かけ算・わり算は、たし算と符号ルールが違う
正負の数のかけ算・わり算では、たし算とは違う方法で答えの符号を決めます。
0を含まない2数では、
- 同符号 → 答えは正
- 異符号 → 答えは負
です。
同符号なら答えは正
(-4)×(-2)
は、負と負なので同符号です。
まず、答えは正と決めます。
そのあと絶対値で、
4×2=8
と計算します。
したがって、
(-4)×(-2)=8
です。
異符号なら答えは負
(-4)×(+2)
は、負と正なので異符号です。
まず答えは負と決めます。
4×2=8
なので、
(-4)×(+2)=-8
です。
わり算でも、0を含まない場合の符号の決め方は同じです。
(-12)÷(-3)=4
(+12)÷(-3)=-4
「同符号なら正」を、たし算には使わない
ここは、とても大切です。
「同符号なら正、異符号なら負」は、かけ算・わり算の符号を決めるルールです。
たとえば、
(-3)+(-5)
は同符号ですが、
(-3)+(-5)=-8
です。
+8 にはなりません。
0があるときは別に考える
0は正の数でも負の数でもありません。
そのため、0を含む場合には「同符号・異符号」をそのまま当てはめません。
かけ算では、0にどんな数をかけても答えは0です。
0×(-5)=0
(-5)×0=0
となります。
わり算では、0を0ではない数でわることはできます。
0÷(-5)=0
です。
一方で、
0でわることはできません。
5÷0
は計算できません。
正負の数の計算|見る順番を整理しよう
ここまでの内容を、実際に問題を解く順番へまとめます。
たし算の見る順番
- 0が含まれているか確認する
- 0がなければ、2つの数が同符号か異符号かを見る
- 絶対値で計算する
- 答えの符号を決める
0が含まれている場合
0をたしても数は変わりません。
0+5=5
-3+0=-3
です。
同符号の場合
絶対値を足して、その符号をつけます。
(-3)+(-5)=-8
異符号の場合
絶対値の大きい方から小さい方を引き、絶対値が大きい数と同じ符号をつけます。
-8+3=-5
ひき算の見る順番
- ひき算であることを確認する
- ひく数の反対の数をたす形に直す
- たし算として計算する
たとえば、
4-(-2)
=4+(+2)
=6
です。
かけ算・わり算の見る順番
- 0が含まれているか確認する
- かけ算で0が含まれていれば、答えは0
- わり算で、割られる数が0・割る数が0でなければ、答えは0
- 割る数が0なら、計算できない
- 0がなければ、同符号なら正・異符号なら負と決める
- 絶対値で計算する
たとえば、
(-15)÷(+3)
は0を含まず、異符号なので答えは負です。
15÷3=5
だから、
(-15)÷(+3)=-5
となります。
数直線はいつ使う?|毎回書かなくてもいい
「正負の数では数直線を書きなさい」と言われると、いつまで使えばいいのか迷うことがあります。
毎回すべての計算で数直線を書く必要はありません。
数直線は、数や計算の意味がわからなくなったときに戻る道具です。
たとえば、次のような場面で役立ちます。
-2と-5の大小で迷った3-7の答えがなぜ負になるかわからない-3+5の答えが正か負かイメージできない- 0をまたぐ計算で混乱した
一方、
(-4)×(-3)
のようなかけ算なら、
「同符号だから正」→「4×3=12」
と計算すれば十分です。
数直線で意味を確認する → 計算ルールで解く → 迷ったらまた数直線へ戻る。
この往復ができれば大丈夫です。
符号ミスを減らす途中式|「−」を省略しすぎない
正負の数では、頭の中だけで符号を処理しようとするとミスが増えやすくなります。
特に慣れないうちは、途中式を一段書きましょう。
たとえば、
4-(-2)=6
と一気に書くのではなく、
4-(-2)
=4+(+2)
=6
と書けば、何を変えたのか確認できます。
また、
3-7
なら、
3-7
=3+(-7)
=-4
と書けます。
途中式は、先生へ見せるためだけのものではありません。
自分がどこで符号を変えたのか確認するためのメモとして使ってみましょう。
今日できる最小行動|3問だけ解いてみよう
正負の数を苦手だと感じても、今日は何十問も解かなくて大丈夫です。
次の3問だけで、「見る順番」を確認してみましょう。
-2+53-7(-4)×2
1問目|-2+5
異符号のたし算です。
絶対値の2と5を比べます。
5-2=3
絶対値が大きいのは +5 なので、
-2+5=3
です。
2問目|3-7
ひき算なので、反対の数をたす形に直します。
3-7
=3+(-7)
=-4
です。
3問目|(-4)×2
-4 と +2 は異符号です。
まず答えを負と決めます。
4×2=8
なので、
(-4)×2=-8
です。
3問とも速く解けなくて大丈夫です。
「この問題では何を見たのか」が言えれば、今日の練習は十分です。
保存用|正負の数を見る6項目チェック
宿題やテスト前に、次の6項目を確認してみましょう。
- 正の数・負の数・0を区別できている?
- 負の数の大小は数直線で確認できる?
- 「+」「−」が符号か計算記号か分けている?
- たし算では0・同符号・異符号を見分けている?
- ひき算は「反対の数をたす」に直せる?
- かけ算・わり算では0を確認してから符号を決めている?
6つ全部できなくても大丈夫です。
間違えた問題を見て、「どの項目へ戻ればよいか」を一つ選んでみましょう。
FAQ|正負の数でよくある質問
Q1.負の数は、なぜ必要なのですか?
0より小さい数を表すためです。
たとえば、0℃より低い気温を -3℃ のように表せます。
まずは、負の数=0より小さい数と整理しておきましょう。
Q2.-2と-5は、なぜ-2の方が大きいのですか?
数直線では右にある数ほど大きいからです。
-2 は -5 より右側にあるので、
-2>-5
となります。
Q3.小さい数から大きい数をひいてもいいのですか?
はい。
負の数まで数の範囲を広げれば、
3-7=-4
のように計算できます。
Q4.4-(-2)は、なぜ6になるのですか?
ひき算を「ひく数の反対の数をたす」形に直せるからです。
4-(-2)
=4+(+2)
=6
となります。
Q5.「同じ符号ならプラス」は、たし算にも使えますか?
使えません。
「同符号なら正、異符号なら負」は、0を含まない2数のかけ算・わり算で答えの符号を決めるルールです。
たとえば、
(-3)+(-5)=-8
なので、たし算とは分けて考えましょう。
Q6.絶対値が大きい数ほど、数としても大きいのですか?
いいえ。
絶対値は0からの距離です。
|-8|=8
なので -8 の絶対値は3より大きいですが、数として比較すれば、
-8<3
です。
Q7.0は正の数ですか? 負の数ですか?
どちらでもありません。
0は正の数でも負の数でもありません。
そのため、0を含む計算では「同符号・異符号」という見方をそのまま使わないことがあります。
Q8.0でわると、なぜダメなのですか?
0でわる計算は定義されていません。
たとえば、
5÷0
は計算できません。
一方、0を0ではない数でわることはできます。
0÷5=0
です。
Q9.数直線を書かないと解けませんか?
いいえ。
意味がわかって計算ルールを使えるなら、毎回書く必要はありません。
数直線は、意味がわからなくなったときに戻れる道具として使いましょう。
あわせて読みたい|次のつまずきへ進もう
正負の数だけでなく、中学数学そのものが急に難しく感じている場合は、どこから戻ればよいのかを整理してみましょう。
計算方法はわかっているのに、符号や途中式などの小さなミスが多い人はこちらです。
数学のケアレスミスを減らす方法|理解不足との見分け方・4タイプ別対策
計算はできても文章題になると式を作れない場合は、「問い・数字・関係」を見るところから戻ってみましょう。
まとめ|正負の数は「暗記」より「見分ける」
正負の数では、ルールを一気に暗記しようとすると混乱しやすくなります。
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 正の数は0より大きく、負の数は0より小さい
- 0は正の数でも負の数でもない
- 数の大小で迷ったら数直線を見る
- 絶対値は0からの距離
- 「+」「−」は符号と計算記号を分ける
- たし算では0・同符号・異符号を見分ける
- 異符号のたし算では、絶対値が大きい数と同じ符号をつける
- ひき算では「ひく数の反対の数をたす」
- かけ算・わり算では0を確認してから答えの符号を決める
- 0でわることはできない
そして、わからなくなったら数直線へ戻ってかまいません。
数直線で意味を確認する → 計算ルールで解く → 迷ったらまた数直線へ戻る。
この往復ができれば、正負の数を丸暗記だけで乗り切る必要はありません。
次の1問では、答えを急ぐ前に、
「これは何の計算?」「この−は何の−?」
と一度だけ確認してみてください。
もこあい先生より:
「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」
訂正・追記履歴
- 2026年8月9日:記事全体をフルリライトしました。正の数・負の数・0・絶対値・符号の説明を整理し、加法・減法・乗法・除法の説明を見直しました。
- 2026年8月9日:異符号の加法について、「大きい方の符号」という曖昧な表現を「絶対値が大きい数と同じ符号」へ修正しました。
- 2026年8月9日:
4-(-2)を「−が2つなら+」だけで説明せず、「ひく数の反対の数をたす」という考え方へ統一しました。 - 2026年8月9日:たし算と、かけ算・わり算の符号ルールを分け、0を含む計算と0でわる場合について追記しました。

