国語長文が苦手だと、文章を読んでいても「どこが大事なのか分からない」「選択肢がどれもそれっぽく見える」と感じやすいですよね。

そんなときに役立つのが、「しかし」「ところが」などの逆接の接続語です。

もちろん、「しかし」の後ろだけ読めばよいわけではありません。
でも、話の向きが変わる場所に注目すると、筆者の考えや文章の流れが見えやすくなります。

この記事では、「しかし・ところが」から筆者の主張を見つける3つのコツを、やさしく実用的に解説します。

この記事でできるようになること

  • 「しかし」「ところが」が出てきたときに、どこを見ればよいか分かる
  • 筆者の主張を探すときの見方が分かる
  • 選択肢問題で、本文のどこに戻ればよいか分かる

※この記事では、主に「しかし」「ところが」などの逆接の接続語を使った読み方を扱います。
「逆説」という言葉とは少し意味が異なるため、ここでは国語長文で使いやすい「逆接」にしぼって説明します。

先に結論|「しかし・ところが」は、話の向きが変わる合図

先に結論を言うと、国語長文で「しかし」「ところが」が出てきたら、前と後で何が変わったかを見ましょう。

大事なのは、後ろだけ読むことではありません。

  • 前には、一般的な考えや、それまでの流れが書かれていることが多い
  • 後には、筆者の修正・反対意見・本当に言いたい方向が出てくることが多い
  • だからこそ、前後をセットで読むことが大切

この読み方ができるようになると、文章全体を同じ強さで読むのではなく、変化のある場所を手がかりに読めるようになります。

国語長文で前の内容から「しかし」を経て後の内容へ話の向きが変わる流れを示し、筆者の主張の読み取りを助ける図解
「しかし」の後ろだけを見るのではなく、前後で何が変わったかを見るのがポイントです。

「しかし・ところが」は何を教えてくれる言葉?

「しかし」「ところが」「だが」「けれども」などは、逆接の接続語です。

逆接の接続語が出てきたら、文章はこう動いていることが多いです。

  • 前に書かれた内容とは、少し違う方向へ進む
  • 一般的な考えを、筆者が修正する
  • 例外や本音、大事な視点が出てくる
  • 読み手の予想を少しひっくり返す

たとえば、こんな流れです。

多くの人は、勉強時間が長いほど成績が上がると考えている。
しかし、ただ長く机に向かうだけでは、理解できていない部分を見落としてしまうことがある。

この場合、前は「多くの人の考え」、後は「筆者が修正したいこと」です。

つまり、逆接の接続語は、「話の向きが変わりますよ」という合図なのです。

やってはいけない読み方|「しかし」に線を引いただけで終わらない

ここで先に、よくある失敗を見ておきましょう。

  • 「しかし」の後ろだけ読めばいいと思ってしまう
  • 接続語に線を引いただけで満足してしまう
  • 筆者の主張を、自分の感想で置き換えてしまう
  • 選択肢を雰囲気で選んでしまう

健太:「“しかし”の後ろが大事なんでしょ? じゃあ、後ろだけ読めば早いじゃん!」

もこあい先生:「そこが落とし穴なんだよ。大事なのは、“しかし”の後ろだけじゃなくて、前と後で何が変わったかを見ることなんだ。」

悪もこあい先生:「“しかし”に線を引いただけで安心するなよ。前後の変化を言えないなら、まだ読めてない。」

少し厳しく聞こえるかもしれませんが、ここは本当に大事です。
接続語は目印であって、答えそのものではありません。

健太が国語長文の「しかし」にだけ線を引いて後ろだけ読もうとしており、よくある失敗を分かりやすく示す挿絵

コツ①|「しかし」の前後をセットで読む

1つ目のコツは、「しかし」の前と後をセットで読むことです。

逆接の接続語を見つけたら、次のように整理してみましょう。

  • 前:それまで何が言われていたか
  • 後:何がどう変わったか

たとえば、次のようにまとめます。

前:多くの人は、勉強時間が長いほどよいと考えている。
後:しかし、時間の長さよりも、どこでつまずいたかを確認することが大切だ。
変化:時間の長さ → 勉強の質

このように読むと、筆者が何を言い直したのかが見えます。

健太:「あ、後ろだけじゃなくて、“何が変わったか”まで考えるのか。」

もこあい先生:「そうだよ。“しかし”は、前後を比べるための目印なんだ。」

もこあい先生が健太に国語長文の前と後をセットで読む方法を教え、話の変化を整理する読み方を示す挿絵
逆接の接続語を見つけたら、前と後をセットで読む習慣をつけましょう。

コツ②|筆者が本当に言いたい方向を探す

2つ目のコツは、筆者が本当に言いたい方向を探すことです。

逆接の後ろには、筆者が強調したいことや、話の向きが変わる大事な部分が置かれやすいです。

ただし、ここで注意したいのは、「逆接の後ろ=必ず筆者の主張」ではないということです。

後ろに説明が続くこともあれば、さらにその先でまとめが出てくることもあります。
だから、後ろを見たあとに、その段落の終わりや「つまり」などのまとめ表現も確認すると、より正確に読めます。

短い例で確認してみよう

読書は知識を増やすのに役立つ。
しかし、本を読むだけでは、自分の考えが深まるとは限らない。
大切なのは、読んだあとに「自分はどう思うか」を考えることである。

この文章では、逆接の後ろに「読むだけでは足りない」とあり、最後に「大切なのは〜である」とまとめています。

つまり、筆者の主張は「読んだあとに自分で考えることが大切だ」です。

このように、逆接の後ろをきっかけにしながら、その先まで読んで主張を確かめることが大事です。

コツ③|選択肢問題では「前後のズレ」を確認する

3つ目のコツは、選択肢問題で前後のズレを確認することです。

国語の選択肢問題では、本文に少し似た言葉を使いながら、意味をずらしてくることがあります。

特に気をつけたいのは、次のような選択肢です。

  • 「しかし」の前だけを言っている選択肢
  • 「しかし」の後ろを言いすぎている選択肢
  • 本文にない強い言い方をしている選択肢

例題|どれが筆者の主張に近い?

多くの人は、勉強時間を増やせば成績が上がると考えている。
しかし、ただ長く机に向かうだけでは、理解できていない部分を見落としてしまうことがある。
大切なのは、時間の長さではなく、どこでつまずいたかを確認することだ。

問:筆者が最も伝えたいこととして適切なものを、次の中から選びましょう。

  1. 勉強時間は長ければ長いほどよい。
  2. 勉強では、つまずいた場所を確認することが大切である。
  3. 勉強では、毎日同じ時間に机に向かうことが最も重要である。
  4. 勉強時間は意味がない。

答え:2

1は「しかし」の前の一般的な考えです。
3は本文に書かれていません。
4は言いすぎです。本文は「時間が意味ない」とは言っておらず、「時間の長さだけでは足りない」と言っています。

このように、選択肢問題では、前後の流れをふまえているか、そして言いすぎていないかを見ることが大切です。

健太が雰囲気で選択肢を選び、恵子が本文の前後関係を確認している対比で、国語長文の選択肢の読み方を助ける挿絵
選択肢問題では、本文と選択肢のズレを丁寧に比べることが大切です。

《恵子のメモ帳》「しかし・ところが」30秒チェック

恵子:「私は、“しかし”を見つけたら、次の順番で見ています。」

  1. 「しかし・ところが・だが」を探す
  2. 前の内容を一言でまとめる
  3. 後の内容を一言でまとめる
  4. 前後で何が変わったかを書く
  5. 設問と関係があるか確認する
  6. 選択肢が言いすぎていないかを見る

この6つだけでも、国語長文の読み方はかなり安定します。

国語長文で「しかし・ところが」を見つけたときの30秒チェック手順を1枚で整理し、読み方の実践を助ける保存用ミニシート
迷ったら、この順番でチェックすると読み方が安定します。

国語長文で見つけたい接続語ミニ辞書

「しかし・ところが」以外にも、国語長文では見ておきたい接続語があります。

種類 読むポイント
逆接 しかし、ところが、だが、けれども 前後で話の向きがどう変わったかを見る
対比 一方で、これに対して 何と何が比べられているかを見る
因果 なぜなら、だから、そのため 理由と結果のつながりを見る
具体例 たとえば、例えば 何を分かりやすくしているかを見る
まとめ つまり、このように 筆者の考えが整理されているかを見る

今回の主役は逆接ですが、他の接続語も少しずつ見られるようになると、長文全体の流れが読みやすくなります。

逆接・対比・因果・具体例・まとめの接続語を一覧で整理し、国語長文の流れを読み取る理解を助ける図解

この読み方の根拠|接続語は文章の流れをつかむ目印

この記事で紹介している「しかし・ところが」に注目する読み方は、
ただの裏ワザではありません。

国語長文では、文章の中にある大事な言葉や文を見つけ、
前後のつながりを考えながら読むことが大切です。
「しかし」「ところが」などの接続語は、文章の流れが変わる場所を見つけるための分かりやすい目印になります。

ただし、ここで大切なのは、「しかし」の後ろだけを読めばよいと決めつけないことです。
接続語は答えそのものではなく、前後の関係を確認するためのサインです。

この記事で大切にしている読み方

  • 接続語を見つける
  • 前の内容を一言でまとめる
  • 後の内容を一言でまとめる
  • 前後で何が変わったかを考える
  • 設問や選択肢と関係があるか確認する

このように読むと、文章全体をなんとなく読むのではなく、
筆者の考えが動く場所を意識して読めるようになります。

よくある失敗パターン

ここで、国語長文でよくある失敗を整理しておきます。

1.「しかし」の後ろだけで決める

逆接の後ろは大事なことが多いですが、前を見ないと「何が変わったのか」が分かりません。

2.筆者の主張と自分の感想を混ぜる

「自分はこう思う」は大切ですが、読解問題ではまず本文に書かれていることを優先します。

3.言いすぎの選択肢に引っかかる

「必ず」「すべて」「まったく」「だけ」などの強い表現は要注意です。本文と同じ強さで書かれているか確かめましょう。

4.本文に戻らず、雰囲気で選ぶ

迷ったら、接続語の前後や段落の最後に戻る習慣をつけると、かなり事故が減ります。

悪もこあい先生が「しかしの後ろだけ読んで満足するな」と鋭く注意し、読み違い防止の理解を助ける挿絵

3日間だけやってみよう|国語長文のミニ練習

読む力は、1回で完璧にはなりません。
でも、小さく練習すると少しずつ安定します。

1日目|「しかし」を1つ探す

教科書やワークの文章から、「しかし」「ところが」を1つだけ探してみましょう。

2日目|前と後を一言でまとめる

見つけた逆接について、前の内容と後の内容を一言で書いてみましょう。

3日目|設問とつなげる

その逆接が、設問や選択肢とどう関係しているかを考えてみましょう。

たった3日でも、接続語の見え方が変わってきます。

国語長文の読み方を3日間で小さく練習する流れを整理し、実践の始め方を助ける図解

分かったつもりチェック|本当に読めるようになったかな?

  • 「しかし」の後ろだけ見ればいい、と思っていない
  • 「前」と「後」で何が変わったかを一言で言える
  • 筆者の主張を探すとき、段落の終わりやまとめ表現も見ている
  • 選択肢を選ぶとき、本文の根拠に戻れている
  • 言いすぎの表現に注意できている

1つでも不安があるなら大丈夫です。
次の長文で、まずは「しかし」を1つ探すことから始めればOKです。

まとめ|「しかし・ところが」は、筆者の主張へ近づくための目印

国語長文が苦手だと、文章のどこが大事なのか分からず、全部が同じ強さに見えてしまいます。

そんなときに役立つのが、「しかし」「ところが」などの逆接の接続語です。

  • 逆接は、話の向きが変わる合図
  • 後ろだけでなく、前後をセットで読む
  • 選択肢問題では、前後のズレや言いすぎを確認する

これだけでも、国語長文の見え方はかなり変わります。

もこあい先生:「最初から全部うまく読めなくても大丈夫。まずは“話の向きが変わる場所”を見つけるところから始めてみよう。」

今日できる最小行動|「しかし」を1つだけ探してみよう

今日やることは、長文を1題完璧に解くことではありません。

まずは、教科書やワークの文章から「しかし」「ところが」を1つだけ探して、
その前後で何が変わったかを一言で書いてみましょう。

それだけでも、国語長文の読み方は少しずつ変わっていきます。

もこあい先生が国語長文はまず「しかし」を1つ探すところからで大丈夫とやさしく背中を押す挿絵

次に読むなら


もこあい先生より:「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

参考文献・出典

この記事では、国語長文の読み方を分かりやすく説明するために、
国語科の学習内容や接続詞に関する公的資料・辞書的情報を参考にしています。
解釈や説明には分かりやすさを優先した部分もあるため、必要に応じて原資料もご確認ください。