✨読む前に“逆説”を探せ!国語長文がスッと理解できる3つのコツ
国語長文が苦手な人へ
逆説で変わる読み方3つのコツ【もこあい先生】
「国語の長文、ちゃんと読んでいるつもりなのに、なぜか点数が伸びない……」
「選択肢を読むと、どれもそれっぽく見えてしまう……」
そんな“モヤモヤ長文勢”のために、この記事では
「逆説(しかし・ところが など)」を軸にした読み方を整理します。
もちろん、国語長文は「逆説」だけで解けるわけではありません。
でも、多くの文章で「話がひっくり返るポイント」=逆説が、とても大きなヒントになります。
本記事では、
- 今の読み方がどこで損をしているかをチェックし
- 長文の「型」と「ブロック読み」を軽くおさえた上で
- 逆説から一段深い答えを“生み出す”3つのコツを整理し
- 「やらかしがちな失敗パターン」もあえてさらし
- 最後に3日間だけやってみるトレーニングプランまで用意します。
読み終わるころには、
「とりあえず、長文を解く前に“逆説”を探してみるか」
と思えるところまでいければ、この記事の役目はひとまず達成です。
「長文を解くとき、まず“逆説”を探してから読む」という習慣のきっかけを作る。
今の読み方がずれていないかチェックしてみよう
まずは、今の自分の長文の読み方が「どのタイプ」に近いか、ざっくり確認してみましょう。
下の表の中で、「あ、これ自分っぽい」と感じるものがあれば、それが伸びしろです。
| やり方のタイプ | よくある行動 | 何がもったいない? | どう変える?(一言) |
|---|---|---|---|
| 量ゴリ押し型 | 最初から最後まで、全部同じスピードで真面目に読む。 | 大事なところも、そこまで重要でないところも同じ扱いになる。 | 文章の「かたまり(ブロック)」ごとに強弱をつけて読む。 |
| マーカーベタ塗り型 | ほぼ全部に線を引いてしまい、ノートがどこも真っ黄色になる。 | 後から見返しても、「どこが一番大事か」が分からない。 | 1つの段落で「ここだけ!」という文にだけ印を付ける。 |
| なんとなく雰囲気型 | 一応読んではいるが、「なんとなくこの選択肢かな」で選んでしまう。 | 文章を読んだ時間が、点数につながりにくい。 | 「どの文を根拠にしたか」を自分に言語化してみる。 |
今の自分に一番近いタイプを1つだけ選び、
「どう変える?」の欄をノートにメモしておく。
(後でトレーニングプランのときに使います)
長文の「型」を見抜いて、1段落をブロックに分けてみよう
国語長文はバラバラな文章に見えて、実はある程度「型(パターン)」があります。
たとえば説明文なら、ざっくり次のような流れになっていることが多いです。
- 導入:テーマの提示・問題提起
- 理由:なぜそうなるのか
- 具体例:実際の例・たとえ
- まとめ:言いたいことの整理
これを一息で全部読もうとすると、頭の中がごちゃごちゃになります。
そこで使うのが、数学の記事でも出てきた「ブロック読み」です。
1つの段落を、内容の切れ目ごとに「|」で区切り、
それぞれのブロックに「何の話か」を3〜5文字でメモしてみます。

1. 教科書かワークの説明文を1段落だけ選ぶ。
2. 内容の切れ目ごとに「|」を入れてみる。
3. 各ブロックの上に、「問題」「理由」「例」など、3〜5文字でメモを書く。
※きれいに分けられなくてもOK。「なんとなく」で大丈夫です。
逆説から一段深い答えを“生み出す”3つのコツ
ここからがこの記事のメインディッシュ、「逆説」です。
「しかし」「ところが」「だが」「けれども」などの逆説は、
文の流れをわざとひっくり返すスイッチとして使われます。
逆説をうまく読むと、
みんなが「なんとなく」選んでいる選択肢から、
一段深い答えを“生み出す”ことができるようになります。

コツ1:逆説の前後で「何が変わったか」を一言にする
まずやってほしいのは、逆説の前後で何が変わったかを一言で言い表すことです。
例えば、こんな文章があったとします。
私たちはふだん、自分の経験だけをもとに物事を判断しがちです。
しかし、 一人ひとりの経験には限界があり、そこから見える世界はごく一部にすぎません。
このとき、
- 逆説の前:「人は経験だけで判断しがち」
- 逆説の後:「経験には限界がある」
と読めます。
これを一言でまとめると、
→ 「経験だけでは足りない」という話にひっくり返った
ということです。
1. 長文の中から「しかし」「ところが」などを1か所だけ探す。
2. その前後の文を読み、
「〇〇だと思われている。しかし、本当は△△だ。」
の形でノートに書いてみる。
3. 「〇〇→△△」の変化を、一言でまとめてみる。
例:「経験は大事 → 経験だけでは足りない」
コツ2:「逆説の後ろ=正解」と決めつけない
よくある誤解が、
「逆説の後ろに本音があるって聞いたから、ここだけ読めばいいや」
という考え方です。
たしかに「逆説の後ろ」が大事なことは多いのですが、
前に書かれていた条件や前提を無視してしまうと、
かえって文章を極端に読みすぎてしまうことがあります。
逆説は、
- 前:みんながこう考えがちなこと・一般的な考え
- 後:その考えへの修正・例外・「でもね」の部分
というセットで読むのがポイントです。
コツ3:設問と逆説の関係をチェックする
逆説を見つけたら、設問との関係も確認しましょう。特に、
- 「筆者の考えとして適切なものを選べ」という問題
- 「本文の内容と合っているものを選べ」という問題
- 「傍線部の理由として最も適切なものを選べ」という問題
などでは、逆説の後の文がヒントになっていることが多いです。
1. 過去問やワークから、説明文の問題を1つだけ選ぶ。
2. 本文の中で「しかし」「ところが」を探し、前後に★マークをつける。
3. 選択肢の中に、「★の内容に近いもの」がないか探してみる。
※見つからない場合もあります。そのときは「今回は逆説が主役じゃない問題なんだな」と分かればOKです。
コラム:逆説の一言が“正解”を生み出した瞬間
ここからは、少しだけ「人と人との会話」の話をします。
自分の考えを、相手の逆説の一言がひっくり返してくれて、
結果的に「正解」に近づいたという場面は、勉強の外にもよくあります。
| シチュエーション | 相手の逆説の一言 | その場の気持ち | 後から分かったこと | 学べるポイント |
|---|---|---|---|---|
| テスト前、全部の問題を完璧に解こうとしていた。 | 「全部で満点を狙わなくていいよ。 でも基本問題だけは落とさないようにしよう。」 |
「え、全部がんばるのはダメなの?」と少しモヤっとした。 | 時間は有限。 「どこを落としてはいけないか」を決める方が、点数につながると気づいた。 |
逆説の一言が、「量の努力」から「質の努力」への切り替えを生み出すことがある。 |
| 感想文で、いいことだけを書こうとしていた。 | 「好きなところだけじゃなくて、 『でも、ここは分かりにくかった』も書いていいんだよ。」 |
「そんなこと書いたら失礼じゃないかな…」と不安だった。 | 分かりにくかった理由を考えることで、逆に作品への理解が深まった。 | 「でも〜」という逆説が、自分の考えを一段深くしてくれることがある。 |
健太: 「そのときは、モヤっとする逆説もあるよね……。」
もこあい先生: 「うん。でも、後から振り返ると、
『あの一言がなかったら、ずっと同じやり方のままだったな』って気づくことも多いんだよ。」
今までに誰かから言われた言葉で、
「そのときはモヤっとしたけれど、今思えば“正解”につながった逆説」
を1つだけノートに書いてみよう。
それが「自分のどんな考え方」をひっくり返してくれたのかも、一言でメモしてみてください。
コラム:やらかしがちな「逆説」読み3つの失敗パターン
逆説は強い武器ですが、使い方を間違えると、かえって点数を落としてしまうこともあります。
ここでは、あえて失敗パターンも整理しておきます。
| 失敗パターン | よくある勘違い | どう間違う? | 修正ポイント |
|---|---|---|---|
| ① マーカー職人型 | 「逆説は大事って聞いたから、とりあえず全部に線を引いておこう。」 | 線だけ増えて、「どこがどう大事なのか」が分からない。 | 線を引いたあとに、「何がどう変わったか」を一言メモする。 |
| ② 逆説=正解決めつけ型 | 「逆説の後ろに筆者の本音があるから、ここだけ読めばOK。」 | 前に書かれていた条件を無視して、極端な解釈になる。 | 前後セットで読む。「前:みんなの考え/後:修正・例外」と整理する。 |
| ③ とりあえず逆説探し型 | 「とにかく逆説を見つければ解けるはず。」 | 本当は因果・対比が大事な問題なのに、逆説だけを特別扱いしてハズす。 | 逆説が主役とは限らない。 因果(〜だから〜)、対比(〜一方で〜)も意識する。 |
悪もこあい: 「“しかしマーカー職人”っているんだよな。ノートはカラフルなのに点数がついてこないタイプ。」
もこあい先生: 「線を引くことが悪いんじゃなくてね。
『何がどう変わったのか』まで見ないと、せっかくの逆説がもったいないだけなんだよ。」
上の3つのうち、「自分っぽいな」と感じる失敗パターンを1つだけ選んで、
修正ポイントをノートに書き写しておきましょう。
次に長文を解くとき、その1点だけ意識すればOKです。
悪もこあい塾:みんな同じ答えから半歩抜け出す
記述式や感想を書くときに、よく出てくるのがこんな文です。
「この文章を読んで、〜の大切さが分かりました。」
この文自体がダメというわけではありません。
ただ、これだけだと「みんな同じ答え」になりやすいのも事実です。
健太: 「えっ……それ、よく書いてる……。」
悪もこあい: 「ダメとは言ってないって。問題は、その先だ。」
ここで効いてくるのが、やっぱり逆説です。
「この文章を読んで、〜の大切さが分かりました。
しかし、 今の自分の生活をふり返ると、まだ〜ができていないと思いました。」
逆説を1つ入れるだけで、
- 本文から分かったこと(〜の大切さ)
- それを自分の生活に当てはめてみたときのギャップ
という一段深い答えを“生み出す”ことができます。

悪もこあい: 「ほらな? 逆説は、“テンプレ回答”から抜け出すドアにもなる。」
もこあい先生: 「ただし、テストでは『本文にないことを勝手に書きすぎない』っていう安全ラインも大事だよ。」
テストの記述では、
- まず本文の内容を素直にまとめる
- そのうえで、逆説を使って「一段深い部分」を短く添える
という順番を意識すると、安全に「半歩だけ」抜け出すことができます。
1. 自分がよく書きがちな「〜の大切さが分かりました。」という文をノートに1つ書く。
2. そのあとに「しかし、〜」をつけて、
「まだできていないこと」「これからやりたいこと」を1文だけ書いてみる。
3. 全体で3行以内におさめてみよう。
※テスト本番では、問題文の指示や字数を必ず優先してくださいね。
明日から試せる「3日間トレーニングプラン」
最後に、「とりあえず3日だけ試してみる」ためのミニプランを用意しました。
1日1問だけでいいので、無理なく続けられるようにしてあります。
1日目:逆説サーチ+変化メモ
- 説明文の問題を1問だけ解く。
- 本文から「しかし」「ところが」などを1か所だけ探す。
- その前後の内容を読んで、「〇〇→△△」と一言でメモする。
2日目:ブロック読み+小見出し
- 別の説明文を1問だけ選ぶ。
- 1つの段落をブロックに分け、「問題」「理由」「例」などの小見出しを上に書いてみる。
- 「どのブロックが、設問と一番関係ありそうか」を〇で囲む。
3日目:逆説+自分の一文を書いてみる
- 説明文か評論文を1問だけ解く。
- 本文の中から逆説を1か所選び、その前後を読んで「筆者の主張」を1文でまとめる。
- その主張を受けて、「しかし、自分は〜」と自分の考えを1文だけ書いてみる(練習用)。
・毎日「1問だけ」でOK。
・うまくできなくても、「逆説を探す」「ブロックを意識する」だけでも十分な効果があります。
・3日終わって余裕があったら、もう一周してみてください。2周目から、急にラクに感じるはずです。
まとめ:逆説は「読み方」と「自分の考え」を生み出すスイッチ
最後に、この記事で伝えたかったことを整理します。
- 国語長文は、「型」と「ブロック読み」を意識すると、流れがつかみやすくなる。
- 逆説(しかし・ところが など)は、話がひっくり返る重要ポイント。
- 逆説は「前後セット」で読むことで、一段深い答えを“生み出す”ヒントになる。
- 成功パターンだけでなく、失敗パターンも知っておくと、自分のクセを直しやすい。
- 悪もこあい式に「しかし」を使うと、テンプレ回答から半歩抜け出す練習になる。
- 3日間だけでも、逆説+ブロック読みトレーニングをすると、「長文の見え方」が変わってくる。
逆説は、ただの「言葉のつなぎ」ではありません。
「みんなこう思いがちだけど、実はこうかもしれない」と、一段深い考えを生み出すスイッチです。
そのスイッチを、テストの点数だけでなく、自分の生き方や考え方にも、少しずつ生かしていけるといいですね。

