中学生の数学文章題が苦手な人へ|式を作る前に見る「問い・数字・関係」の順番
- 何を聞かれているのか分からない
- 数字はたくさんあるのに、どれを使えばいいか分からない
- 計算はできるのに、式が作れない
- 解説を見ると分かるのに、自分では最初の一歩が出てこない
こんなことはありませんか?
文章題が苦手なとき、いきなり式を作ろうとすると難しくなることがあります。
まず見るのは、式ではありません。
基本は、次の順番です。
問い → 数字 → 関係 → 式
この記事では、中学生の文章題に共通する「最初の見方」を、1つの例題を使いながら整理します。
中1・中2・中3で扱う内容や使える解法は変わりますが、文章題を読むときの土台には共通する部分があります。
全部を一度に覚えなくても大丈夫です。まずは、自分がどこで止まっているのかを確認していきましょう。

先に結論|文章題は「問い→数字→関係→式」の順に見る
文章題を見ると、数字を見つけた瞬間に、足し算・引き算・かけ算・割り算のどれを使うか考えたくなることがあります。
しかし、最初に計算方法を決める必要はありません。
まずは次の4つを順番に確認します。
- 問い:何を求める問題なのか
- 数字:それぞれ何を表す数字なのか
- 関係:数量どうしがどうつながっているのか
- 式:その関係を数学の式に直す
たとえば、問題文に「120円」「2冊」「500円」という数字が出てきても、数字だけを見て計算するのではありません。
まず、
- 120円は何の値段なのか
- 2冊とは何の個数なのか
- 500円は何を表しているのか
を確認します。
数字の意味と関係が分かれば、そのあとに式を作りやすくなります。
まず確認|自分はどこで止まっている?
「文章題が苦手」といっても、止まっている場所は人によって違います。
まず、自分に近いものを探してみましょう。
① 何を求めればいいか分からない
問題文を読んでも、何を答えればいいのか分からない場合です。
まず、問題文の中から、
「何を求めなさい」「何個ですか」「何mですか」
など、何を答える問題なのかが分かる部分を探してみましょう。
多くの場合は問題文の最後付近にありますが、必ず最後に書かれているとは限りません。
最初に「何を答える問題なのか」をつかむことが大切です。
② 数字は見えるけれど、意味が分からない
数字を見つけても、「この数字は何を表しているの?」となる場合です。
数字だけを抜き出さず、名前や単位とセットで見てみましょう。
たとえば、
- 120 → ではなく「ノート1冊120円」
- 2 → ではなく「ノート2冊」
- 500 → ではなく「払ったお金500円」
と読みます。
③ 数字の意味は分かるけれど、式にできない
この場合は、数字どうしの関係を日本語で言ってみます。
たとえば、
ノート1冊の値段 × 冊数 = ノート全部の代金
という関係が見えれば、式に直しやすくなります。
④ 式は作れそうだけれど、何を使うか分からない
中2・中3になると、連立方程式や一次関数、さらに二次方程式・関数 y=ax²・相似・三平方の定理など、学習してきた道具が増えていきます。
この段階では、「数字を見る」だけではなく、問題の条件と目的から、使えそうな道具を選ぶことも必要になります。
後半で、中1・中2・中3それぞれの記事も紹介します。
数字を見てすぐ計算しない
文章題で起こりやすいミスの一つが、数字を見た瞬間に計算を始めることです。
たとえば、次の問題を見てみましょう。
1冊120円のノートを2冊買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。
問題文には、
120、2、500
という数字があります。
しかし、ここでいきなり、
120+2
や
500÷2
などと計算を始める必要はありません。
先に確認するのは、
- 問い:おつりはいくらか
- 120円:ノート1冊の値段
- 2冊:買ったノートの数
- 500円:払ったお金
です。
数字に「何の数字なのか」という名前がつけば、必要な関係も見つけやすくなります。
1問だけ一緒に見る|文章題を読む5ステップ
先ほどの問題を、最初から最後まで追ってみましょう。
1冊120円のノートを2冊買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。
STEP1|まず「問い」を見る
この問題で聞かれているのは、
「おつりはいくらですか」
です。
つまり、最後に求めるものはおつりです。
STEP2|数字に名前をつける
- 120円 → ノート1冊の値段
- 2冊 → 買ったノートの冊数
- 500円 → 払ったお金
数字だけで覚えようとしないことがポイントです。
STEP3|先に必要な量を考える
おつりを求めるには、先に「ノート2冊の代金」が必要です。
日本語で関係を書くと、
ノート1冊の値段 × 冊数 = ノート2冊の代金
です。
数字に直すと、
120 × 2 = 240
となります。
ノート2冊の代金は240円です。
STEP4|問いにつながる関係を考える
次に、おつりを求めます。
関係は、
払ったお金 − ノートの代金 = おつり
です。
したがって、
500 − 240 = 260
となります。
STEP5|最後に意味と単位を確認する
答えは、
260円
です。
最後に、
- 聞かれていたものに答えているか
- 単位は合っているか
- 答えが問題の状況から見て不自然ではないか
を確認します。
数字には「名前」と「単位」をつける
文章題では、数字そのものより、その数字が何を意味しているのかが重要です。
たとえば、
- 5km
- 5時間
- 5人
- 5円
は、すべて数字は「5」ですが、意味はまったく違います。
問題用紙の余白などに、
- 120円=1冊の値段
- 2冊=個数
- 500円=払った額
のような短いメモを書くだけでも、数字の混同を防ぎやすくなります。
特に、速さ・割合・図形など、複数の数量が出てくる問題では役立ちます。
式が作れないときは「関係」を日本語で言う
数字の意味は分かっているのに式が作れないときは、いきなり数学の記号にしようとしなくても大丈夫です。
まず、日本語で数量の関係を書いてみます。
たとえば、
- 1個の値段 × 個数 = 全体の代金
- 速さ × 時間 = 道のり
- 全体 − 使った量 = 残り
という形です。
日本語で関係を言えれば、そのあと数字や文字へ置き換えやすくなります。
「式が分からない」のではなく、「どんな関係なのか、まだ言葉にできていない」こともあります。
そんなときは、一度式から離れて、日本語に戻ってみましょう。
情報が多いときは「4ブロック」に分けてもよい
問題文が長くなると、どこを見ればいいのか分からなくなることがあります。
そんなときは、補助的に次の4つへ分けて整理する方法もあります。
- 質問:何を求めるのか
- 状況:何が起きているのか
- 条件:問題を解くうえで必要な決まりや数量は何か
- 変化:増えた・減った・動いた・変わったものは何か
ただし、すべての文章題を必ず4つに分ける必要はありません。
基本は「問い→数字→関係→式」です。
問題文が長く、情報整理が難しいときに、4ブロックを補助として使えば十分です。
中1・中2・中3で文章題はどう変わる?
文章題を読む基本は共通していますが、学年が上がるにつれて、扱う数量や条件、使える数学の道具が増えていきます。
| 学年 | 主な内容の例 | 特に意識したいこと |
|---|---|---|
| 中1 | 文字・一元一次方程式・比例・反比例など | 問い・数字・一つの関係を見つける |
| 中2 | 連立方程式・一次関数など | xとy・二つの条件を組み立てる |
| 中3 | 二次方程式・関数 y=ax²・相似・円・三平方の定理など | 条件と目的から使う解法を選ぶ |
学年が上がったからといって、「問い・数字・関係」を見る必要がなくなるわけではありません。
むしろ、その土台の上に、新しい公式や解法が増えていくイメージです。
中1|まず「問い・数字・関係」を見つけたい人へ
文章題を読んでも、どの数字を使えばいいのか分からない場合は、中1向けの記事から確認してみてください。
中2|xとy、二つの条件を式にできない人へ
連立方程式などで、「xとyは決めたけれど、2本の式が作れない」という場合はこちらです。
中2の文章題で式が作れない人へ|xとy・二つの条件を組み立てる順番
中3|条件は読めても、使う解法を選べない人へ
二次方程式・関数・図形などが組み合わさり、「何を使えばいいのか分からない」という場合はこちらです。
中3の文章題で解き方が分からない人へ|条件から解法を選ぶ順番
AIを使うなら「答え」ではなく「途中」を聞く
文章題の練習では、ChatGPTなどの生成AIを練習相手として使う方法もあります。
ただし、最初から答えや完成した式を聞いてしまうと、自分がどこで止まったのか確認しにくくなります。
おすすめは、答えではなく次の一歩だけを聞く使い方です。
たとえば、次のように聞けます。
- 「答えは言わず、まず何を求める問題かだけ確認してください」
- 「この問題の数字が何を表しているか、一緒に整理してください」
- 「式はまだ教えず、数量の関係を日本語で考えるヒントをください」
- 「私が作った式が、問題文の条件に合っているか確認してください」
AIは便利ですが、回答が必ず正しいとは限りません。
特に数学では、問題文の読み違い、条件の見落とし、計算ミスなどが起きる場合があります。
教科書・学校の解答・信頼できる問題集などとも照らし合わせながら、答えを代わりに出してもらう道具ではなく、考える練習相手として使うのがおすすめです。
解けなかったときの戻り道
文章題で途中から進めなくなったとき、最初から全部やり直す必要はありません。
止まった場所に応じて、一つ前へ戻ります。
- 何を答えるか分からない → 「問い」に戻る
- 数字が多くて混乱する → 数字の名前・単位を確認する
- 式が作れない → 数量の関係を日本語で言う
- 式は作れそうだが解法が分からない → 条件と使える公式・性質を確認する
- 計算したが答えがおかしい → 問い・条件・単位へ戻る
文章題は、一直線に最後まで解けなければ失敗、というものではありません。
「どこまで分かっていて、どこから分からなくなったのか」が分かれば、直す場所も見つけやすくなります。
保存用|文章題を見る6項目チェック
文章題で迷ったら、次の6つを確認してみてください。
- 何を求める問題か分かっている?
- 答えの単位は分かっている?
- それぞれの数字が何を表すか言える?
- 今使う数字・あとで使う数字を区別できる?
- 数量の関係を日本語で言える?
- 最後の答えが問い・条件・単位に合っている?
6項目すべてを一度に完璧にできなくても大丈夫です。
途中で分からなくなったら、チェックが止まった項目まで戻ってみましょう。
次に読む記事|学年ではなく「止まった場所」で選んでもいい
学年別の記事は、自分の学年だけを読む必要はありません。
たとえば中3でも、「そもそも文章から式を作るところで止まる」という場合は、中1の記事まで戻って確認した方が理解しやすいことがあります。
- 問い・数字・関係を見つけるところから確認したい
→ 中1の文章題で式が作れない人へ|問い・数字・関係を見る順番 - xとyを決めても、2本の式が作れない
→ 中2の文章題で式が作れない人へ|xとy・二つの条件を組み立てる順番 - 条件は分かるけれど、使う解法を選べない
→ 中3の文章題で解き方が分からない人へ|条件から解法を選ぶ順番
分からなくなったところまで戻ることは、遠回りではありません。
土台を確認してから進んだ方が、その先の問題も理解しやすくなります。
まとめ|式の前に「何と何がどうつながっているか」を見る
文章題が苦手なときは、最初から式を作ろうとしなくて大丈夫です。
まずは、
問い → 数字 → 関係 → 式
の順番で見てみましょう。
- 何を求めるのか確認する
- 数字に名前と単位をつける
- 数量の関係を日本語で言う
- その関係を式に直す
- 最後に問い・条件・単位へ戻って確認する
文章題で大切なのは、数字を見た瞬間に計算方法を思いつくことだけではありません。
「この数字は何?」「何と何がどうつながっている?」
と考えられることです。
今日の問題で一つだけ試すなら、数字の横に「何の数字か」を短く書いてみてください。
そこから、関係や式が見え始めることがあります。
今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。
訂正・追記履歴
- 2026年8月10日:記事全体をフルリライト。旧記事の「文章題を幅広く解説する構成」から、中学生の文章題シリーズへつなぐ共通入口記事へ再構成しました。「問い→数字→関係→式」を基本の流れとして整理し、中1・中2・中3の記事への導線、解けなかったときの戻り道、AIを練習相手として利用する際の注意点を整理しました。
参考・確認について
この記事は、中学校数学の文章題を特定の公式だけで解く方法ではなく、問題文から問い・数量・数量関係を読み取り、式や解法につなげるための考え方を整理したものです。
実際の学習では、学校で使用している教科書・授業内容・問題集・先生の指導もあわせて確認してください。
また、生成AIを学習に利用する場合は、AIの出力をそのまま正解とせず、問題文の条件や教科書・模範解答などと照合してください。






