計算だけならできるのに、文章題になると式を一本しか作れない。

xyを置いたけれど、途中でどちらが何を表していたのか分からなくなる。

一次関数の表は埋められるのに、式やグラフとどうつながっているのか説明できない。

そんなところで止まっていませんか。

中学1年生の文章題では、問い、数字、単位、主語、数量どうしの関係を一つずつ見つけてきました。

中学2年生になると、その基礎の上に、次のようなものが増えていきます。

  • 二つの未知数
  • 二つ以上の条件
  • 複数の人物や物
  • 行きと帰りなどの複数の区間
  • 文章・表・式・グラフの対応

数学が突然、まったく別のものになるわけではありません。

見るものが増えたので、一度に考えず、一つずつ分ける必要があるのです。

中1の一つの未知数と一つの関係から、中2の二つの未知数と複数条件へ広がる図

この記事では、文章題を読んだあと、すぐ連立方程式や一次関数の形へ当てはめるのではなく、次の順番で整理します。

  1. 問いで求められた内容をすべて答えた
  2. xyへ数量名と単位を付ける
  3. 条件1と条件2を言葉で分ける
  4. 二つが別の条件か確認する
  5. 表・図・式・グラフへ整理する
  6. 式と答えを文章へ戻す

式を二本作ることが、文章題の目的ではありません。

文章の中にある別々の二つの関係を整理すると、結果として二本の式になります。

型や公式を使わないようにする必要はありません。

文章から見つけた関係を、崩さず、分かりやすく保存する道具として使っていきましょう。

目次
  1. どこで止まる?中2文章題の簡易診断
  2. 文章題を見る力の3年間ロードマップ
  3. 中1の基礎から中2へ、文章題の何が増えるのか
  4. 文章を読まずに型へ急ぐと起きる、中2特有の8つのずれ
  5. 二つの未知数を区別する|xとyの意味を最後まで変えない
  6. 二つの条件を「条件1」「条件2」に分けて書く
  7. 式が二本あるだけでは足りない|二つの条件が別の内容か確かめる
  8. 小さな文字設定のずれが、自信のある誤答になるまで
  9. 文章を確認するだけで進めた、中2文章題の5つの例
  10. 二つの条件を組み立てる基本手順|5つの窓を10の行動へ広げる
  11. 一問を最初から最後まで完全分解する|大人券と中学生券
  12. 速さの文章題は、公式の前に人物と区間を分ける
  13. 中2文章題のもったいない失敗例
  14. どこでずれた?文章題の誤答カルテ・中2版
  15. 一次関数では、何に伴って何が変わるかを見る
  16. 一次関数の文章題を完全分解する|利用時間と料金
  17. 文章・表・式・グラフを往復して、同じ関係を確かめる
  18. 今日できる最小行動|二つの条件を二行で書く
  19. その場で一問やってみる|文章題を三回見る・中2版
  20. AIを使うなら、答えではなく二つの条件を確認する
  21. 7日間で、二つの条件を組み立てる順番を一度練習する
  22. 周りの大人が声をかけるなら、答えより二つの関係を質問する
  23. 複数の条件を見る力は、数学以外の教科にもつながる
  24. 中2で身に付けた「条件を組み立てる力」は高校以降にも残る
  25. 保存用|中2の文章題を見る最終チェック
  26. 次に読む記事|今の止まり方から選ぶ
  27. まとめ|式を二本作る前に、二つの関係を見つけよう
  28. 参考文献・出典
  29. 訂正・追記履歴

どこで止まる?中2文章題の簡易診断

この章で分かること:自分が文字設定、条件探し、表・式・グラフのどこで止まっているかを確認し、先に読む章を選べます。

最初から記事をすべて読む必要はありません。

今の自分にいちばん近い状態を、次の表から探してみてください。

今の止まり方 起きているかもしれないこと 先に読む章
xyに何を置けばよいか分からない 二つの数量へ名前と単位が付いていない 二つの未知数を区別する
式を一本しか作れない 条件を一つしか拾っていない 条件1と条件2に分ける
式を二本作ったが、同じような式になる 同じ条件を言い換えたり、倍にしたりしている 二つの条件が別の内容か確かめる
人数の式は作れるが、代金の式が作れない 個数・1個の値段・代金の役割が混ざっている 入場券問題を完全分解する
一次関数のabの意味が分からない 式を文章の場面へ戻していない 何に伴って何が変わるかを見る
表は埋められるが、式にできない 横方向の変化を言葉にしていない 文章・表・式・グラフを往復する
速さの問題で人物や区間が混ざる 時間の流れや速さが変わる場所で分けていない 速さの問題は区間を分ける
解説を見ると分かるが、自力では関係を見つけられない 条件を切り分ける自分の手順がまだ定まっていない 二つの条件を組み立てる10の行動
どこで間違えたのか分からない 文字・条件・計算・答えを一つにまとめている 文章題の誤答カルテ・中2版

二つ以上当てはまっても大丈夫です。

この診断は、「あなたはこのタイプ」と決めるためのものではありません。

分からなくなったときに、どこへ戻るかを決める案内図です。

xとy、二本の式、一次関数、速さなどの止まる場所を確認する中2文章題診断

文章題を見る力の3年間ロードマップ

この章で分かること:中1・中2・中3で育てる力の違いと、現在取り組んでいる場所が分かります。

記事 中心となる力 主に扱う内容
第1記事|中1 問い・数字・関係を見つける 主語、単位、基準、変化、図表化、数量関係、式と日本語の往復
第2記事|中2・現在地 二つ以上の条件を組み立てる 二つの未知数、独立した条件、連立方程式、一次関数、複数区間
第3記事|中3公開済み 条件から解法を選ぶ 長い問題文、複合問題、入試問題、複数の解法候補

中1では、文章題に書かれた材料を一つずつ見つけました。

中2では、見つけた材料を、二つ以上の関係として組み立てます。

中3では、さらに増えた条件の中から必要なものを選び、使う解法を判断します。

条件が増えた問題で、どれから使うか、どの解法を選ぶか迷う場合は、中3記事へ進んでください。

中3の文章題で解き方が分からない人へ|条件から解法を選ぶ順番

問い、数字、主語、単位、数量関係を見る基礎から確認したい場合は、次の記事へ戻れます。

中1記事「文章題を見る基本手順|5つの窓から確認する」へ戻る

中1は関係を見つけ、中2は条件を組み立て、中3は解法を選ぶ3年間ロードマップ


第1部|二つに増えたものを、一つずつ分ける

中1の基礎から中2へ、文章題の何が増えるのか

この章で分かること:中2で増えた作業を分けて考えればよいことが分かります。

中1で中心だったこと 中2で増えること
一つの未知数 二つの未知数
一つの等しい関係 二つの独立した条件
主に一つの式 主に二本の式
一人・一種類・一つの変化 複数の人物・物・区間・変化
文章から式へ進む 文章・表・式・グラフを行き来する
一つの答えを確認する 二つの答えや、二つの量の関係を確認する

中2では、文章を読む力が急に別の力へ変わるわけではありません。

中1で使った次の「5つの窓」は、そのまま使えます。

  1. 問い
  2. 材料
  3. 関係
  4. 表現
  5. 確認

ただし、中2では、それぞれの窓から見るものが二つ以上になります。

  • 問い:何を二つ求めるのか
  • 材料:どの数字が、どちらの数量に関係するのか
  • 関係:条件1と条件2は何か
  • 表現:二本の式、表、グラフへどう表すか
  • 確認:二つの答えと二つの条件が合うか

中1記事で詳しく扱った「何を求めるか」「数字へ意味を付ける」「式を日本語へ戻す」といった基礎は、この記事では必要な場面で短く確認します。

問い・単位・答え方を最初に確認する基本はこちら

中1の一つの未知数と一つの式、中2の二つの未知数と二条件を比較した図

文章を読まずに型へ急ぐと起きる、中2特有の8つのずれ

この章で分かること:連立方程式や一次関数で止まる原因が、計算力だけではないことが分かります。

型へ急いだときのずれ 起きやすいこと
1.連立方程式だから、先にxyを置く 何の数量を文字にしたのか曖昧になる
2.文章を読む前に式を二本作ろうとする 数字を組み合わせただけの式になる
3.同じ条件を言い換えて二本にする 二本の式があっても、一組の答えに決まらない
4.xyの意味を途中で入れ替える 式ごとに文字の意味が変わる
5.一次関数だからy=ax+bを先に書く abへ数字を当てはめるだけになる
6.表の空欄を埋めることが目的になる 数字の増え方を式へつなげられない
7.グラフの交点を数字としてしか見ない 何と何が同じになる点なのか説明できない
8.速さの表を形式だけ真似する 人物・区間・休憩・時間が同じ欄へ混ざる

悪もこあい先生:

「連立方程式の単元なのだから、とにかく式を二本作ればいい!」

「一次関数なら、最初にy=ax+bと書いて、数字を入れればいい!」

もこあい先生:

式の形は、文章を読む代わりではありません。

文章から見つけた関係を、崩さず整理するための形です。

型には、答案を整えたり、計算を進めやすくしたりする大切な役割があります。

問題なのは型そのものではなく、型を選ぶ前に必要だった「誰の数量か」「どのような関係か」という確認まで省いてしまうことです。

式を先に二本作らせる悪もこあい先生の罠と、条件確認を促すもこあい先生

二つの未知数を区別する|xとyの意味を最後まで変えない

この章で分かること:xyへ何を置き、途中で意味を失わない方法が分かります。

「xとyを使う」より先に、求める二つの数量を書く

次のような問題を考えます。

大人と中学生が合わせて18人、科学館へ入場しました。大人と中学生は、それぞれ何人でしたか。

まだ人数を求めるための条件は足りませんが、問いから次の二つを確認できます。

  • 求めるもの1:大人の人数
  • 求めるもの2:中学生の人数

ここまで確認してから文字を置きます。

x人=大人の人数

y人=中学生の人数

x=大人」「y=中学生」とだけ書くと、文字が人物そのものを表しているように見えます。

今回、文字が表しているのは、人物ではなく人数です。

xとyへ「数量名」と「単位」の名札を付ける

文字 数量名 単位
x 大人の人数
y 中学生の人数

計算を始めたあとも、紙の端へこの名札を残しておきます。

式が長くなったり、途中で移項したりしても、xyが何を表しているかへ戻れます。

中1記事で、文字へ数量名と単位を付ける基本を確認したい場合は、次の記事の「xにも名前と単位を付ける」を参照してください。

中1記事「xにも名前と単位を付ける」へ戻る

xとyの意味を途中で入れ替える失敗

最初に次のように決めたとします。

x人=大人の人数

y人=中学生の人数

人数の合計について、次の式を作りました。

x+y=18

ここまでは問題ありません。

ところが、代金の式を作るときに、次のように考えました。

中学生は1人500円だから、500x

最初に決めたxは、大人の人数です。

代金の式だけ、xを中学生の人数として使うと、二本の式の中で文字の意味が変わってしまいます。

このずれは、加減法や代入法の計算練習では直りません。

戻る場所は、最初に書いた文字の名札です。

求めたいものと、式を作りやすいものは同じとは限らない

基本的には、問題で求められている二つの数量を、そのままxyにすると整理しやすくなります。

ただし、文字の置き方は一つとは限りません。

例えば、大人と中学生が合わせて18人なら、大人をx人としたとき、中学生を18-x人と表すこともできます。

文字の置き方 作られる式 特徴
大人をx人、中学生をy 連立方程式 二つの数量を、そのまま別々に保てる
大人をx人、中学生を18-x 一元一次方程式 一方を全体から表し、文字を一つにできる

連立方程式を使わなければ間違いなのではありません。

大切なのは、一度決めた文字の意味を最後まで変えず、文章の条件を正しく表せているかです。

x人を大人の人数、y人を中学生の人数として計算中も名札を残す方法

二つの条件を「条件1」「条件2」に分けて書く

この章で分かること:長い問題文を、式を書く前に二行へ分ける方法が分かります。

中2の文章題では、文章を一度に式へ変えようとすると、条件が混ざりやすくなります。

最初に、文章の関係を次の二行へ分けます。

条件1:

条件2:

まだ式は書かなくても構いません。

条件になりやすい関係

  • 人数の合計
  • 個数の合計
  • 代金の合計
  • 距離の合計
  • 全体にかかった時間
  • 増える前と増えたあとの関係
  • 減る前と減ったあとの関係
  • 二人が進んだ距離が同じになる関係
  • 二つの料金が同じになる関係
  • 同じ数量を、別の方法で表した関係

二枚の条件カードへ分ける

次の問題を見てみましょう。

ノートとペンを合わせて10個買いました。ノートは1冊120円、ペンは1本70円で、代金は合わせて950円でした。

式の前に、条件を二枚のカードへ分けます。

条件カード1|個数について

ノートとペンは、合わせて10個。

条件カード2|代金について

ノートの代金とペンの代金は、合わせて950円。

二つの条件には、同じノートとペンが登場します。

しかし、一つ目は個数について、二つ目は代金についての条件です。

条件には主語と数量名を残す

次のように数字だけを抜き出すと、関係が見えにくくなります。

条件1:10

条件2:950

次のように書けば、何を合わせた数なのかが残ります。

条件1:ノートの冊数+ペンの本数=合計10個

条件2:ノート全部の代金+ペン全部の代金=合計950円

「合わせて」という言葉だけを見るのではなく、何と何を合わせたのかまで残します。

ノートとペンの個数条件と代金条件を二枚のカードへ分けた図

式が二本あるだけでは足りない|二つの条件が別の内容か確かめる

この章で分かること:同じ条件を言い換えた二本の式と、別々の情報を表した二本の式の違いが分かります。

連立方程式では、式を二本作ります。

ただし、二本あれば何でもよいわけではありません。

同じ条件を二本にした例

大人と中学生が合わせて18人という条件から、次の二本を作ったとします。

x+y=18

2x+2y=36

見た目は二本ですが、下の式は上の式を2倍しただけです。

どちらも、次の同じ内容を表しています。

大人と中学生を合わせると18人。

新しい手掛かりは増えていません。

一つの条件だけでは、答えが一組に決まらない

x+y=18だけなら、次の組はすべて条件を満たします。

大人x 中学生y 合計
1 17 18
5 13 18
8 10 18
12 6 18
17 1 18

人数の条件だけでは、どの組なのか決まりません。

そこで、代金についての別の条件が必要になります。

800x+500y=11400

この式は、人数ではなく入場料についての情報です。

二つの条件を同時に満たす組を探すことで、大人8人、中学生10人へ絞れます。

二本の式を確認する「別内容テスト」

二本の式ができたら、いったん式を日本語へ戻します。

日本語へ戻した内容
x+y=18 大人と中学生を合わせると18人
2x+2y=36 大人と中学生を合わせた数の2倍は36人

二つとも元は「合わせて18人」という同じ情報です。

一方、次の二本なら別の内容です。

日本語へ戻した内容
x+y=18 大人と中学生を合わせると18人
800x+500y=11400 大人と中学生の入場料を合わせると11400円

確認するときは、次の一言を使います。

一方の条件を隠しても、もう一方から別の新しい情報が残りますか。

ここでいう「独立した条件」とは、同じことを言い換えただけではない、別の手掛かりです。

中1記事で、式を日本語へ戻す基本から確認したい場合は、次の記事を参照してください。

中1記事「式を日本語へ戻し、途中結果と答えの意味を確認する」へ戻る

xとyの合計が18だけでは複数候補があり、代金条件で8人と10人に決まる図

小さな文字設定のずれが、自信のある誤答になるまで

この章で分かること:xyの曖昧さが、計算後の答えまでどのように広がるか分かります。

連立方程式で起きるずれの連鎖

xyの意味を曖昧にする

人数の式では、xを大人の人数として使う

代金の式では、xを中学生の人数として使う

二本の式で文字の意味がずれる

加減法の計算は正しく進む

数値は出る

何を求めた数字か分からなくなる

本人は「連立方程式の計算が苦手」と考える

しかし、できていた部分もあります。

  • 未知数が二つあることには気付いた
  • 人数と代金の二条件にも気付いた
  • 加減法の手順は実行できた

本当に戻る場所は、加減法の最初ではありません。

xyへ付けた数量名と単位です。

一次関数で起きるずれの連鎖

一次関数だから、先にy=ax+bを書く

何に伴って何が変わるかを見ない

abへ数字を当てはめる

式が偶然合うことがある

基本料金や変化量が少し変わると止まる

y=ax+bを使うことが問題なのではありません。

式を書く前に、次の二つが見えているかを確認します。

  • xが1増えると、yはいくつ変わるか
  • xが0のとき、最初からあるyはいくつか

最初のずれが見つかれば、連立方程式や一次関数を全部最初から学び直す必要はありません。

xとyの曖昧さが式のずれや意味不明な答えへ広がる誤答の連鎖

ここまでの到達点

次の三つを書ければ、第2部へ進めます。

  • xyが何を表すか
  • 条件1
  • 条件2

まだ式を作れなくても大丈夫です。


第2部|二つの条件を、二本の式へ組み立てる

文章を確認するだけで進めた、中2文章題の5つの例

この章で分かること:新しい公式を覚えなくても、文字や条件へ戻るだけで進める場合があると分かります。

例1|xとyの意味を書き直したら式が作れた

問題:

ノートとペンを合わせて10個買いました。ノートは1冊120円、ペンは1本70円で、代金は950円でした。ノートとペンをそれぞれ何個買いましたか。

生徒の考え:

x+y=10は作れたけれど、代金の式で12070のどちらへxを付けるか分からなくなった。

できていたこと:

  • 未知数が二つあると分かった
  • 個数の合計が10個だと分かった
  • ノートとペンの値段を読み取れた

見落としていた条件:

条件を見落としたのではなく、xyの意味を書いていませんでした。

ずれが広がった場所:

代金の式で、120xがノートの代金なのか、ペンの代金なのか分からなくなりました。

文章へ戻って直す方法:

x冊=ノートの冊数

y本=ペンの本数

と書けば、代金の式は次のようになります。

120x+70y=950

次回の一言チェック:

xyは、何の数量で、単位は何ですか。

例2|人数の合計条件を使っていなかった

問題:

大人1人800円、中学生1人500円の科学館へ、合わせて18人で入場しました。入場料の合計は11400円でした。

生徒の考え:

800x+500y=11400は作れましたが、もう一本が作れませんでした。

できていたこと:

  • 大人と中学生を文字で表そうとした
  • 1人分の料金と人数を掛けられた
  • 代金の合計条件を式にできた

見落とした条件:

「合わせて18人」という人数の合計です。

ずれが広がった場所:

代金の一条件だけで、大人と中学生の人数を決めようとしました。

文章へ戻って直す方法:

条件1:大人と中学生は、合わせて18人。

条件2:入場料は、合わせて11400円。

次回の一言チェック:

「合わせて」は、何と何の合計ですか。

例3|代金の合計を一文読み飛ばしていた

問題:

前の科学館の問題で、健太はx+y=18だけを作りました。

生徒の考え:

大人と中学生が合わせて18人だから、式はできた。

できていたこと:

  • 人数の合計を正しく式にできた
  • 二つの未知数を区別できた

見落とした条件:

「入場料の合計は11400円」という一文です。

ずれが広がった場所:

x+y=18を満たす組が複数あることに気付かず、適当な二数を選びそうになりました。

文章へ戻って直す方法:

人数とは別に、代金について書かれた文へ印を付けます。

次回の一言チェック:

人数以外に、もう一つの合計が書かれていませんか。

例4|グラフの切片が、最初からある料金だと分かった

問題:

利用時間をx時間、料金をy円とすると、ある施設の料金はy=200x+300で表されます。

生徒の考え:

300が何の数字か分からない。グラフを描くために使う数字だと思った。

できていたこと:

  • xが時間、yが料金だと分かった
  • 利用時間が増えると料金も増えることを理解した

見落とした条件:

利用時間が0時間でも、基本料金300円がかかることです。

ずれが広がった場所:

グラフが原点を通ると思い、(0,0)から線を引きました。

文章へ戻って直す方法:

x=0を式へ入れます。

y=200×0+300=300

(0,300)は、利用していなくても基本料金が300円かかることを表します。

次回の一言チェック:

xが0のときにも残っている量は何ですか。

例5|行きと帰りを分けたら整理できた

問題:

家から公園まで、行きは時速3km、帰りは時速5kmで歩きました。公園で20分休み、家を出てから戻るまで3時間かかりました。

生徒の考え:

速さが二つ、時間も3時間と20分があり、全部を一つの式へ入れようとして止まった。

できていたこと:

  • 行きと帰りで速さが違うと分かった
  • 全体の時間が3時間だと読み取れた
  • 休憩が20分あると分かった

見落とした条件:

休憩中は時間が進みますが、移動距離は増えません。

ずれが広がった場所:

3時間すべてを歩いた時間として使おうとしました。

文章へ戻って直す方法:

行きの移動

20分休憩

帰りの移動

と分けます。

次回の一言チェック:

速さが変わった場所と、動いていない時間を分けましたか。

文字設定、人数、代金、切片、区間分けという五つの戻る場所を示した図

二つの条件を組み立てる基本手順|5つの窓を10の行動へ広げる

この章で分かること:「文章をよく読む」を、二条件の問題で実行できる10の行動へ分けられます。

中1の5つの窓 中2の10の行動
1.問い 1.何を二つ求めるか確認する
2.材料 2.何をx、何をyにするか決める
2.材料 3.文字の横へ数量名と単位を書く
3.関係 4.条件1を言葉で書く
3.関係 5.条件2を言葉で書く
3.関係 6.二つが別の内容か確認する
4.表現 7.人・物・区間を表や図へ整理する
4.表現 8.二本の式を作る
5.確認 9.二本の式を日本語へ戻す
5.確認 10.答えを二条件と問いへ戻す

手元の問題へ書く短縮版

求めるもの1:

求めるもの2:

x

y

条件1:

条件2:

最初は、ここまでで構いません。

式を作れなくても、文章の中心部分はすでに整理できています。

中1記事の「5つの窓」を詳しく確認したい場合は、次の記事へ戻れます。

中1記事「文章題を見る基本手順|5つの窓から確認する」へ戻る

二つの未知数と二つの条件を二本の式へ組み立てる10の行動

一問を最初から最後まで完全分解する|大人券と中学生券

この章で分かること:二つの未知数と二つの条件が、連立方程式になるまでの流れを一問で確認できます。

次の問題を、問いの確認から答えの確認まで分解します。

ある科学館の入場料は、大人1人800円、中学生1人500円です。

大人と中学生が合わせて18人入場し、入場料の合計は11400円でした。

大人と中学生は、それぞれ何人でしたか。

1.問いを確認する

  • 求めるもの1:大人の人数
  • 求めるもの2:中学生の人数
  • 答えの単位:人

大人と中学生の両方を答える問題です。

2.登場するものを分ける

  • 大人
  • 中学生
  • 入場した全員
  • 大人の入場料
  • 中学生の入場料
  • 全員の入場料

3.二つの未知数を決める

x人=大人の人数

y人=中学生の人数

この名札は、計算が終わるまで紙の端へ残します。

4.数字へ意味と単位を付ける

数字 意味 単位
800 大人1人の入場料 円/人
500 中学生1人の入場料 円/人
18 大人と中学生を合わせた人数
11400 全員の入場料

5.条件1を文章で書く

条件1|人数について

大人の人数と中学生の人数を合わせると18人になる。

6.条件2を文章で書く

条件2|代金について

大人全員の入場料と中学生全員の入場料を合わせると11400円になる。

7.二つの条件が別の内容か確認する

  • 条件1は人数について
  • 条件2は代金について

同じ条件を言い換えたものではありません。

8.表へ整理する

種類 1人の料金 人数 料金の合計
大人 800円 x 800x
中学生 500円 y 500y
合計 18人 11400円

表は、数字を入れるためだけの枠ではありません。

縦に見ると、大人・中学生・合計を比べられます。

横に見ると、1人の料金×人数=その種類の代金、という関係が見えます。

9.二本の式を作る

人数の条件から、

x+y=18

代金の条件から、

800x+500y=11400

となります。

10.二本の式を日本語へ戻す

x+y=18

大人x人と中学生y人を合わせると18人になる。

800x+500y=11400

大人x人分の入場料と、中学生y人分の入場料を合わせると11400円になる。

二本を日本語へ戻しても、別々の内容が残っています。

11.連立方程式を解く

二本の式を並べます。

x+y=18

800x+500y=11400

一つ目の式を500倍します。

500x+500y=9000

代金の式との差を取ります。

300x=2400

x=8

x+y=18へ戻すと、

8+y=18

y=10

となります。

12.出た数値へ名前を戻す

結果 表しているもの
x=8 大人の人数は8人
y=10 中学生の人数は10人

「8と10」だけで終わらず、最初に決めた文字の名札へ戻します。

13.元の二つの条件へ戻して確認する

人数の条件:

8+10=18

大人と中学生を合わせると18人になります。

代金の条件:

800×8+500×10

=6400+5000

=11400

入場料の合計も11400円になります。

14.問いへ戻して答える

問いは、大人と中学生がそれぞれ何人かでした。

答え:大人は8人、中学生は10人

15.別の文字の置き方や別解を確認する

大人の人数だけをx人とすれば、中学生は18-x人と表せます。

代金の条件は、次の一元一次方程式になります。

800x+500(18-x)=11400

この式を解いても、大人8人、中学生10人になります。

連立方程式と一元一次方程式では、式の形が違います。

しかし、使っている二つの条件は同じです。

連立方程式を作ること自体が目的ではありません。

二つの数量と二つの関係を、そのまま保って整理した結果として連立方程式になります。

科学館の大人券と中学生券の人数を二条件と連立方程式で求める完全分解図

速さの文章題は、公式の前に人物と区間を分ける

この章で分かること:行き・帰り・休憩・二人の移動を、一つの表へ混ぜない方法が分かります。

速さの問題では、速さ×時間=距離という関係を使います。

ただし、公式を知っていても、人物や区間が混ざると、どの速さと時間を組み合わせるのか分からなくなります。

速さの問題で最初に分けるもの

  • 誰が動くか
  • どこからどこまで動くか
  • 速さが変わる場所はどこか
  • それぞれ何分・何時間動いたか
  • 休憩していた時間はあるか
  • どの距離や時刻が同じになるか

行き・休憩・帰りを分ける

家から公園まで、行きは時速3km、帰りは時速5kmで歩きました。

公園で20分休み、家を出てから戻るまで3時間かかりました。

家から公園までの距離を求めなさい。

時間の流れを分けます。

時間の流れ 種類 速さ・時間
家から公園 移動区間 時速3km
公園 出来事 20分休憩
公園から家 移動区間 時速5km

休憩中も時間は進みますが、移動距離は増えません。

全体3時間から休憩20分を除くと、実際に歩いた時間は2時間40分です。

家から公園までの距離をxkmとします。

  • 行きの時間:x÷3時間
  • 帰りの時間:x÷5時間

歩いた時間の合計は2時間40分、つまり8/3時間です。

x/3+x/5=8/3

両辺を15倍すると、

5x+3x=40

8x=40

x=5

したがって、家から公園までの距離は5kmです。

どこが同じになるかを見る

行きと帰りでは、速さと時間が違います。

しかし、家から公園までの距離と、公園から家までの距離は同じです。

行きの距離=帰りの距離=5km

速さの問題では、「どこが違うか」だけでなく、どの数量が同じになるかを見ると整理しやすくなります。

複数区間の代表的な場面

場面 最初に分けるもの
行きと帰り 往路と復路
途中で速さが変わる 速さが変わる前と後
一人が先に出発する それぞれの出発時刻と移動時間
休憩をはさむ 移動時間と休憩時間
二人が別々に動く 人物ごとの速さ・時間・距離

表の形を毎回同じにする必要はありません。

  • 人や物を比べるなら表
  • 時間の順番を見るなら時間軸
  • 距離の区切りを見るなら線分図

自分が文章へ戻れる形を選びます。

時間の流れを矢印へ変える基本は、中1記事でも確認できます。

中1記事「文章を図・表・矢印・短い言葉へ翻訳する」へ戻る

家から公園への行き、20分休憩、帰りを区間に分けた速さの時間軸

中2文章題のもったいない失敗例

この章で分かること:途中までできている答案の、直す場所だけを確認できます。

失敗1|xとyを途中で入れ替えた

できていたこと:二つの未知数を使い、二本の式を作ろうとしている。

ずれた場所:人数の式と代金の式で、xの意味が変わった。

本当に直す場所:計算ではなく、最初の文字設定。

次回の確認:最初に書いたxyの名札は変わっていませんか。

失敗2|条件を一つしか使わなかった

できていたこと:人数や個数の合計を正しく式にできた。

ずれた場所:代金・時間・距離など、もう一つの条件を式にしていない。

本当に直す場所:問題文の数字ではなく、条件2。

次回の確認:まだ式にしていない条件が残っていませんか。

失敗3|同じ条件の式を二本作った

できていたこと:式を二本用意する必要があると分かっていた。

ずれた場所:一つ目の式を倍にしただけで、新しい情報を使っていない。

本当に直す場所:式の本数ではなく、条件の内容。

次回の確認:二本の式を日本語へ戻すと、別の内容になりますか。

失敗4|単位の違う数量を同じ式へ入れた

できていたこと:時間に関係する数字を拾えた。

ずれた場所:30分と2時間を、そのまま30+2として扱った。

本当に直す場所:足し算ではなく、単位の統一。

次回の確認:分と時間を、どちらか一方へそろえましたか。

失敗5|人数と代金を同じ列へ入れた

できていたこと:問題文を表へ整理しようとした。

ずれた場所:人数と円を同じ列に並べた。

本当に直す場所:表の縦と横に、数量名と単位を書く。

次回の確認:この列には何の数量が入り、単位は何ですか。

失敗6|一次関数の切片を無視した

できていたこと:1増えるごとの変化量を見つけた。

ずれた場所:最初からある基本料金や初期値を式へ入れていない。

本当に直す場所:x=0のときのy

次回の確認:xが0のとき、yはいくつですか。

失敗7|グラフの交点の意味を書かなかった

できていたこと:二直線の交点の座標を求められた。

ずれた場所:座標を問題の場面へ戻していない。

本当に直す場所:横軸と縦軸の数量名。

次回の確認:その点では、何と何が同じになりますか。

失敗8|解は出たが、xとyを逆に答えた

できていたこと:立式と計算は最後まで正しくできた。

ずれた場所:数値を文字の名札へ戻さず、順番だけで答えた。

本当に直す場所:最初の文字設定と最後の答えの対応。

次回の確認:xyは、最初に何と決めましたか。

失敗9|負の人数や小数の個数をそのまま答えた

できていたこと:式を最後まで解き、数値を出せた。

ずれた場所:結果が問題の場面で成り立つか確認していない。

本当に直す場所:立式・計算の再確認と、現実の条件。

次回の確認:人数や個数として、その値はあり得ますか。

人数や個数を求める問題では、通常、0以上の整数になる必要があります。

負の数や小数になった場合は、符号、単位、文字設定、条件の読み取りを順に確認します。

xとyの逆、条件不足、単位違いなど中2文章題の九つの失敗と戻る場所

どこでずれた?文章題の誤答カルテ・中2版

この章で分かること:誤答を「文章題が全部できなかった」と考えず、九つの地点へ分けられます。

確認地点 よくあるずれ 確認の一言
1.問い 一方しか答えていない 何を二つ求めますか。
2.文字設定 xyの意味が曖昧 xyは何の数量ですか。
3.条件1 人数・個数などの合計を見落とした 一つ目の関係は何ですか。
4.条件2 代金・時間・距離などを見落とした もう一つの関係は何ですか。
5.条件の重複 同じ条件を言い換えて二本にした 日本語へ戻すと別の内容ですか。
6.表と式 表の数量と式の項が対応しない この項は表のどこを表しますか。
7.計算 立式後の符号・移項・計算でずれた 式を作るところまでは合っていますか。
8.答え方 xyを逆に答えた 数値へ数量名を戻しましたか。
9.現実確認 人数が負、小数、全体より多い 問題の場面であり得る値ですか。

できた場所にも印を付ける

確認地点 できた 戻る
問いを二つ確認した
xyへ名前を付けた
条件1を見つけた
条件2を見つけた
二つが別の条件だと確認した
表へ整理した
式を日本語へ戻した
二つの条件へ代入した

例えば、式は正しく作れたものの、最後に大人と中学生を逆に答えた場合、文章題全体が分からなかったわけではありません。

  • 問い:できていた
  • 文字設定:できていた
  • 条件1:できていた
  • 条件2:できていた
  • 立式:できていた
  • 計算:できていた
  • 答え方:ここへ戻る

できていた場所を残すと、次に直す範囲が小さくなります。

中2文章題の問い、文字設定、二条件、計算、答え方をできた場所と戻る場所で記録する誤答カルテ

ここまでの到達点

  • 二本の式を日本語へ戻せる
  • 二つが別の条件だと説明できる
  • 答えを元の二つの条件へ代入できる

第3部|表・式・グラフを往復する

一次関数では、何に伴って何が変わるかを見る

この章で分かること:y=ax+bを書く前に、文章中の変化を見つけられます。

一次関数の文章題を見ると、すぐy=ax+bを書きたくなることがあります。

しかし、先に確認したいのは式の形ではなく、次の五つです。

  1. 何が変わるか
  2. 何に伴って変わるか
  3. 一方が1増えると、もう一方はいくつ変わるか
  4. 最初からある量は何か
  5. xyの単位は何か

aは、1増えるごとの変化

y=ax+baは、xが1増えたときに、yがどれだけ変わるかを表します。

料金の問題で、利用時間が1時間増えるごとに料金が200円増えるなら、

a=200

です。

数字だけでなく、文章へ戻すと次の意味があります。

利用時間が1時間増えるごとに、料金が200円増える。

単位を付ければ、200円/時間です。

bは、x=0のときのyの値

bは、x=0のときのyです。

利用していなくても基本料金300円がかかるなら、

b=300

です。

abも、式へ入れるだけの数字ではありません。

文章中の変化と、最初の状態を表しています。

変わるもの・変わらないものを見る基本は、中1記事でも確認できます。

中1記事「変わるもの・変わらないものを見て、数量関係を一文にする」へ戻る

一次関数yイコール200xプラス300のaを1時間ごとの料金、bを基本料金として示す図

一次関数の文章題を完全分解する|利用時間と料金

この章で分かること:文章・表・式・グラフが、同じ料金関係をどのように表しているか分かります。

ある学習スペースのAプランは、基本料金が300円で、利用1時間につき200円かかります。

利用時間をx時間、料金をy円として、xyの関係を考えます。

1.xとyの意味と単位

文字 数量名 単位
x 利用時間 時間
y 料金

2.何に伴って何が変わるか

利用時間xが増えることに伴って、料金yが増えます。

時間と料金を逆にしないよう、次の一文を作ります。

利用時間が増えると、それに伴って料金が増える。

3.1増えるごとの変化

利用時間が1時間増えるごとに、料金は200円増えます。

したがって、変化の割合は、

a=200

です。

4.最初の値

利用時間が0時間でも、基本料金300円がかかります。

したがって、

b=300

です。

5.表へ整理する

利用時間x(時間) 0 1 2 3 4
料金y(円) 300 500 700 900 1100

表は二方向から見ます。

  • 縦に見る:上の行は時間、下の行は料金
  • 横に見る:時間が1増えると、料金が200増える

6.式へ表す

1時間につき200円の料金と、最初からある基本料金300円を合わせます。

y=200x+300

7.式を文章へ戻す

料金は、利用1時間につき200円かかる部分と、最初からかかる基本料金300円を合わせた金額です。

200xは、利用時間に応じて増える料金です。

300は、利用時間に関係なく最初からかかる料金です。

8.グラフ上の点を文章へ戻す

グラフでは、横軸を利用時間、縦軸を料金とします。

文章で表した意味
(0,300) 利用時間が0時間でも、基本料金300円がかかる
(2,700) 2時間利用したときの料金は700円
(4,1100) 4時間利用したときの料金は1100円

グラフ上の点は、ただの座標ではありません。

一つの点が、問題文の一つの場面を表しています。

9.別の料金プランとの交点を見る

Bプランを次の料金とします。

基本料金500円、利用1時間につき150円

Bプランの式は、

y=150x+500

です。

AプランとBプランの料金が同じになる時点を調べます。

200x+300=150x+500

50x=200

x=4

x=4をAプランへ入れると、

y=200×4+300=1100

交点は(4,1100)です。

この交点は、次の場面を表します。

4時間利用したとき、AプランとBプランの料金は、どちらも1100円になる。

交点は、計算で出た二つの数字ではありません。

二つの関係が、同じ値になる場面です。

AプランとBプランの一次関数グラフが4時間1100円で交わる図

文章・表・式・グラフを往復して、同じ関係を確かめる

この章で分かること:四つの表現を別々に覚えず、同じ数量関係として行き来できます。

文章

グラフ

文章

文章から表へ

文章中の数量名と単位を、表の縦と横へ置きます。

料金問題なら、利用時間と料金です。

表から式へ

横方向へ見て、xが1増えたときに、yがどれだけ変わるかを見ます。

さらに、x=0のときのyを確認します。

式からグラフへ

aは線の変化の仕方、bx=0のときのyであり、グラフでは直線と縦軸が交わる位置を表します。

ただし、形だけを見るのではなく、横軸と縦軸の数量名を残します。

グラフから文章へ戻る

グラフ上の点を一つ選び、次の形で説明します。

点(横軸の値,縦軸の値)は、○○のとき、△△であることを表す。

例えば、

(3,900)は、3時間利用したときの料金が900円であることを表す。

となります。

往復できないときの戻り方

止まり方 戻る場所
表の数字だけを見ている 1増えると何が変わるか
グラフの形だけを見ている 横軸・縦軸の数量名と単位
aの意味を説明できない xが1増えたときのyの変化
bの意味を説明できない x=0のときのy
点を座標としてしか見られない その点が表す問題文の場面
交点を数字としてしか見られない 何と何が同じになるか

文章から表、式、グラフへ進み、再び文章へ戻る一次関数の往復図

今日できる最小行動|二つの条件を二行で書く

この章で分かること:式を作れない日でも実行できる、最初の一歩が分かります。

問題集や学校のプリントから、文章題を一問だけ選んでください。

今日は、まだ式を作らなくても構いません。

次の二行だけを書きます。

条件1:

条件2:

例えば、ノートとペンの問題なら、次のようになります。

条件1:ノートとペンは、合わせて10個。

条件2:ノートとペンの代金は、合わせて950円。

二つの条件を文章から分けられた時点で、立式の重要な部分まで進んでいます。

ほかに選べる小さな行動

  • xyの横へ、数量名と単位を書く
  • 二本の式を日本語へ戻す
  • 表の縦と横へ数量名を書く
  • グラフ上の一点を文章で説明する
  • 答えを元の二つの条件へ代入する

ここで記事を閉じても大丈夫です。

今日の一問で、「条件1」「条件2」の二行を書けば、一つ行動を持ち帰れます。

式を作る前にx、y、条件1、条件2を確認する四項目の保存カード

その場で一問やってみる|文章題を三回見る・中2版

この章で分かること:解く前・式の前・答えの後に確認する場所が分かります。

中1記事では、文章題を「解く前」「式を作る前」「答えが出たあと」に三回見ました。

中2版では、二つの未知数と二つの条件の確認を加えます。

1回目|解く前に見る

  • 問いで求められた内容をすべて答えた
  • 登場する人物・物・数量は何か
  • 条件はいくつありそうか

2回目|式を作る前に見る

  • xyは何を表すか
  • 文字へ数量名と単位を書いたか
  • 条件1と条件2は何か
  • 二つは別の内容か
  • 単位はそろっているか
  • 二本の式を言葉で説明できるか

3回目|答えが出たあとに見る

  • xyを逆にしていないか
  • 二つの条件へ戻すと、どちらも合うか
  • 人数・個数・料金として現実的か
  • 問いで求められた内容をすべて答えた
  • 答えの単位と形式は合っているか

すべてを毎回行う必要はありません。

今日は文字の名札だけ、次の一問では条件1・条件2だけ、という進め方でも構いません。

中1版の三回見る方法から確認したい場合は、次の記事へ戻れます。

中1記事「その場で一問やってみる|文章題を三回見る」へ戻る

中2文章題を解く前、式の前、答えの後に三回確認する手順

AIを使うなら、答えではなく二つの条件を確認する

この章で分かること:自分で考える部分を残しながら、AIを質問役として使う方法が分かります。

AIへ文章題を入力すると、式や答えをすぐに表示することがあります。

しかし、この記事で育てたいのは、本人が二つの条件を見つけ、組み立てる力です。

AIを使う場合は、答えを出す係ではなく、見る場所へ戻す質問役として使います。

二つの条件を確認したいとき

答えと式はまだ出さないでください。

この問題にある二つの条件を、私が自分で言葉にできるよう、一つずつ質問してください。

xとyの意味を確認したいとき

私が決めたxyについて、「何の数量か」「単位は何か」を質問してください。

途中で文字の意味が変わっていないかも確認してください。

二本の式が別の条件か確認したいとき

私の二本の式をすぐに直さず、それぞれを日本語へ戻すよう質問してください。

同じ条件を言い換えただけか、別の条件かを、理由とともに確認してください。

グラフの点を確認したいとき

座標の答えを先に言わず、その点の横軸と縦軸が何を表すか、私に質問してください。

問題文の場面として説明できるようにしてください。

AIは、数式、符号、単位、計算を誤ることがあります。

問題文の条件、教科書の解説、先生の説明などでも確認してください。

名前、学校名、成績表、友達の情報などの個人情報は入力しないようにします。

7日間で、二つの条件を組み立てる順番を一度練習する

この章で分かること:二条件の文章題を見る動作を、一日一つずつ試せます。

この7日間は、「7日間で文章題を克服する計画」ではありません。

二つの未知数と二つの条件を組み立てる順番を、一度ずつ練習する期間です。

練習すること できた印
1日目 式を書かず、問いと二つの未知数を見る
2日目 xyへ数量名と単位を書く
3日目 条件1と条件2を言葉で分ける
4日目 人物・物・区間を表や図へ整理する
5日目 二本の式を日本語へ戻す
6日目 一次関数の文章・表・式・グラフを往復する
7日目 一問を最初から最後まで解き、二条件へ戻す

毎日、新しい問題を解く必要はありません。

同じ一問を使い、見る場所だけを変えても構いません。

できなかった日があっても、翌日に全部をまとめて行う必要はありません。

止まったところから、一つだけ再開します。

問いから二条件、表、式、グラフまでを一日一つ練習する7日間表

周りの大人が声をかけるなら、答えより二つの関係を質問する

この章で分かること:保護者や先生が、「よく読みなさい」以外の短い質問を選べます。

子どもが文章題で止まると、式の形や答えを先に教えたくなることがあります。

すぐに教えることが必要な場面もあります。

自分で見る練習を残したい場合は、今止まっている場所に合う質問を一つ選びます。

  • xyは、それぞれ何の数量かな。
  • 条件は二つの文に分けられそうかな。
  • 一つ目は人数、もう一つは何についてかな。
  • 二本の式を言葉に戻すと、別の内容になるかな。
  • この表の列には、何の数量が入るかな。
  • そのグラフの点では、何と何が同じかな。

一度に何問も尋ねると、新しい負担になることがあります。

答えを聞き出すためではなく、本人が戻る場所を見つけるために、一つだけ質問します。

複数の条件を見る力は、数学以外の教科にもつながる

この章で分かること:条件を分ける練習が、ほかの教科でどのように使われるか分かります。

教科 つながる見方 確認例
理科 変える条件と、そろえる条件を分ける 何を変え、何を同じにした実験ですか。
社会 複数の資料を同じ基準で比べる どの時代・地域・項目を比べていますか。
国語 二つの根拠や人物の考えを対比する 二人の考えは、どこが同じでどこが違いますか。
英語 二人の会話、時系列、条件を分ける 誰が、いつ、どの条件で行動しましたか。
技術・家庭 数量、予算、材料などの複数条件を満たす 必要な量と使える予算を両方満たしていますか。

教科ごとに使う知識は違います。

しかし、「条件を分ける」「同じ基準で比べる」「使った根拠を説明する」という見方には共通する部分があります。

中2で身に付けた「条件を組み立てる力」は高校以降にも残る

この章で分かること:連立方程式や一次関数の先で、今回の見方がどのように使われるか分かります。

中2で身に付けたいのは、連立方程式の加減法や一次関数の式だけではありません。

  • 複数の条件を別々に保つ
  • 文字の意味を最後まで変えない
  • 単位をそろえる
  • 同じ関係を表・式・グラフで見る
  • 使った条件を言葉で説明する
  • 答えを元の条件へ戻す

これらの力は、中3の複合問題で、条件から使う解法を選ぶときや、高校数学・高校理科の問題文でも使われます。

ただし、今の一問ですべて完成させる必要はありません。

式の前に条件を二行へ分けた経験が、次の学年で分からなくなったときの戻り道になります。

保存用|中2の文章題を見る最終チェック

この章で分かること:解く前から答えの確認までを、一枚で見直せます。

解く前

  • □ 問いで求められた内容をすべて答えた
  • xyが何を表すか書いた
  • □ 文字へ数量名と単位を付けた

条件を組み立てる前

  • □ 条件1を言葉で書いた
  • □ 条件2を言葉で書いた
  • □ 二つが別の条件か確認した
  • □ 必要なら表・図・時間軸へ整理した

式・表・グラフを作ったあと

  • □ 二本の式の意味を説明できる
  • □ 表の縦と横へ数量名を書いた
  • abを文章へ戻せる
  • □ グラフ上の点や交点を文章で説明できる

答えが出たあと

  • □ 答えを二つの条件へ戻した
  • xyを逆に答えていない
  • □ 人数・個数・料金として現実的か確認した
  • □ 問いで求められた内容をすべて答えた

全部できなくても大丈夫です。

分からなくなった場所へ、一つ戻りましょう。

xとy、二つの条件、表と式、答えの確認をまとめた中2文章題の最終チェック

次に読む記事|今の止まり方から選ぶ

この章で分かること:中1の基礎へ戻るか、中3の複合問題へ進むかを選べます。

問い・数字・一つの関係から確認したい場合

次のようなところで止まる場合は、中1記事の必要な章へ戻ってください。

  • 何を求める問題か分からない
  • 数字が誰・何の数量か分からない
  • 多い・少ないの基準を逆にする
  • 一つの数量関係を言葉にできない
  • 式を日本語へ戻せない

中1の文章題で式が作れない人へ|問い・数字・関係を見る順番

中2では、二つ以上の条件を分け、表や式へ組み立てました。

中3へ進む|条件から解法を選ぶ

中2では、二つ以上の条件を分け、表や式へ組み立てました。

中3では、さらに長い問題文の中から必要な条件を選び、どの解法を、どの順番で使うかを判断します。

中3記事では、次の内容を扱っています。

  • 長い問題文から必要な条件を選ぶ
  • 今使う条件と、あとで使う条件を分ける
  • 条件・目的・使えそうな道具を整理する
  • 二次方程式で出た二つの解を、問題の場面へ戻す
  • 相似・三平方の定理・関数などから使う方法を選ぶ
  • 入試形式の小問どうしのつながりを読む
  • 選んだ解法を使える根拠を確認する

条件を見つけても、どれから使えばよいか分からない場合は、次の記事が続きになります。

中3の文章題で解き方が分からない人へ|条件から解法を選ぶ順番

まとめ|式を二本作る前に、二つの関係を見つけよう

中2の文章題では、見るものが二つ以上に増えます。

  • 二つの未知数
  • 二つの条件
  • 複数の人物・物・区間
  • 表・式・グラフの対応

一度にすべてを考えるのではなく、次の順番で整理します。

何を二つ求めるか確認する

xyへ数量名と単位を付ける

条件1と条件2へ分ける

二つが別の関係か確認する

表・図・二本の式へ整理する

式を日本語へ戻す

答えを二つの条件と問いへ戻す

連立方程式の単元だから、式を二本作るのではありません。

文章の中に二つの未知数と二つの関係があり、それらを整理した結果として二本の式になります。

一次関数でも、先にy=ax+bを書くことが本質ではありません。

何に伴って何が変わるのか、1増えるとどれだけ変わるのか、最初からある量は何かを見つけたあとで、式へ整理します。

間違えたときも、「連立方程式が全部苦手」「一次関数が全部分からない」と考えなくて大丈夫です。

文字設定、条件1、条件2、表、式、計算、答えのどこでずれたかを確認します。

最初のずれが見つかれば、全部を最初から学び直す必要はありません。

次の一問では、式を作る前に、まず次の二行だけを書いてみてください。

条件1:

条件2:

その小さな確認が、型へ急ぐ前に、自分で関係を考える余地を守ります。

もこあい先生より:

「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

参考文献・出典

※この記事の例題・答案例・会話は、文章題を見る順番を説明するために作成したものです。

※学校や教科書によって、問題の表し方、文字の置き方、計算過程の書き方が異なる場合があります。授業や教科書で指定された書き方も確認してください。

訂正・追記履歴

  • 2026年8月6日:初稿作成。中学生の文章題を見る力3記事シリーズの第2記事として、二つの未知数、二つの独立した条件、連立方程式、一次関数、複数区間、表・式・グラフの往復、誤答カルテ、7日間練習を整理しました。