「よろしくお願いします」って何をお願いしているの?|もこコトネと考える日本語の不思議
ある日、もこコトネが、もこあい先生にあいさつしました。
もこコトネ「先生、今日もよろしくお願いします!」
もこあい先生「はい、よろしくお願いします」
もこコトネは、そのまま歩き出そうとして――止まりました。
もこコトネ「……先生」
もこあい先生「どうしたの?」
もこコトネ「私、今……何をお願いしたんですか?」
もこあい先生「え?」
もこコトネ「『お願いします』って言いましたよね?」
もこあい先生も、少し考えます。
もこコトネ「お願いしたのに、お願いしたものがありません!」
たしかに不思議です。
「よろしくお願いします」は、日本語でとてもよく使われます。
- 初めて会った人に「よろしくお願いします」
- 仕事を一緒にする人に「よろしくお願いします」
- 何かを頼んだあとに「よろしくお願いします」
- メールの最後に「よろしくお願いします」
- 新年に「今年もよろしくお願いします」
でも、すべての場面で、
「○○してください」
という具体的なお願いがあるわけではありません。
それなのに、なぜ「お願いします」なのでしょうか?
今回も、日本語の「なんで?」を集めているもこコトネと一緒に考えてみましょう。
- 最初に結論|「よろしくお願いします」は、いつも具体的なお願いがあるとは限らない
- そもそも「よろしく」って何?
- ① 本当に「お願い」がある場合
- 「お願いします」と「よろしくお願いします」は同じ?
- ② 初対面の「よろしくお願いします」は何をお願いしている?
- 「よろしくお願いします」を取っても文は成立する?
- ③ 一緒に何かを始めるときにも「よろしくお願いします」
- ④ メールの最後の「よろしくお願いします」は何をお願いしている?
- ⑤ 「今年もよろしくお願いします」は何をお願いしている?
- 5つの場面を比べてみよう
- コラム|「よろしくお願いします」は一つの外国語に置き換えにくい
- 「何が省略されている?」と無理に当てなくていい
- 悪もこあい先生「このプリン、よろしくお願いします」
- 大事な依頼では「よろしくお願いします」だけに任せすぎない
- 「よろしくお願いします」を見る4チェック
- ミニクイズ|この「よろしくお願いします」は何をしている?
- これまでの4記事ともつながっている
- もこコトネシリーズ共通|日本語を見る3ステップ
- コラム|「よろしく」の担当範囲、広すぎませんか?
- よくある質問(FAQ)
- もこコトネの今日の「なんで?」
- まとめ|「何をお願いしている?」から、場面を見てみよう
- 参考文献・参考資料
- 訂正・追記履歴
最初に結論|「よろしくお願いします」は、いつも具体的なお願いがあるとは限らない
先に結論を言うと、
「よろしくお願いします」には、いつも一つの具体的なお願いがあるとは限りません。
もちろん、
「この資料を確認してください。よろしくお願いします」
のように、具体的な依頼のあとで使われることもあります。
一方、
「はじめまして。もこコトネです。よろしくお願いします」
では、「○○してください」という一つの作業を頼んでいるとは考えにくいですね。
場面によって「よろしくお願いします」は、
- 前に伝えた依頼につなげる
- 自己紹介を締める
- これから一緒に活動する相手へあいさつする
- 今後のやり取りを意識して会話やメールを締める
- これまでの関係をこれからも続けることを意識する
といった働きをすることがあります。
ここで大切なのは、
「よろしくお願いします=○○」と一つの言葉に置き換えないこと。
今回も、
「この場面では、この表現が何をしているんだろう?」
と考えていきます。
そもそも「よろしく」って何?
もこコトネは、今度は「お願いします」の前を見ました。
もこコトネ「先生。そもそも『よろしく』って何ですか?」
これは、とてもよい疑問です。
辞書では「よろしく」は、「よろしい」の連用形からできた言葉として説明され、
「ちょうどよい具合に」といった使い方のほか、人に好意を示したり、何かを頼んだりするときに添える使い方などがあります。
つまり、「よろしく」には、
「よいように」「うまくいくように」
といった方向を感じさせるところがあります。
ただし、
「よろしくお願いします=よいようにしてください」
と、すべての場面で機械的に置き換えればよいわけではありません。
実際の「よろしくお願いします」は、自己紹介や仕事、依頼、新年のあいさつなど、さまざまな場面で使われる定型的な表現になっています。
もこコトネ「『よろしく』の時点で、もう一言では説明しにくいんですね……」
もこあい先生「日本語の不思議らしくなってきたね」
① 本当に「お願い」がある場合
まずは、いちばん分かりやすい例です。
もこあい先生が、もこコトネにプリントを渡しました。
もこあい先生「この文章に間違いがないか、確認してもらえる?」
もこコトネ「はい」
もこあい先生「よろしくお願いします」
この場合は、
「文章を確認してほしい」
という具体的な依頼が、すでに前にあります。
そのため、「よろしくお願いします」が何とつながっているのかも分かりやすいですね。
もこコトネ「これは本当にお願いがあります!」
もこあい先生「そう。まずは分かりやすいタイプだね」
「お願いします」と「よろしくお願いします」は同じ?
ここでもう一つ比べてみましょう。
「コーヒーをお願いします」
この場合は、コーヒーという具体的なものを頼んでいます。
「これからよろしくお願いします」
こちらは、具体的に一つの物や作業を頼んでいるとは限りません。
つまり、
「お願いします」には具体的な対象がはっきりしている使い方がある一方、「よろしくお願いします」は、もっと広い関係ややり取りの中で使われることがあります。
もこコトネ「同じ『お願いします』でも、前に『よろしく』が付くと、見る範囲が広くなることがあるんですね」
もこあい先生「そう考えると分かりやすいね」
② 初対面の「よろしくお願いします」は何をお願いしている?
新しい人が教室にやってきました。
「はじめまして。田中です。よろしくお願いします」
もこコトネが、すぐに反応します。
もこコトネ「何をですか?」
もこあい先生「そこを聞いちゃう?」
日本語教材でも、自己紹介の終わりに「よろしくお願いします」を置く使い方が紹介されています。
ここでは、
「明日までに○○をしてください」
という具体的な依頼があるわけではありません。
自己紹介を締め、これから関わる相手に向けたあいさつとして使われています。
「これからよい関係でやっていきたい」といった方向を持つ表現として考えると分かりやすいでしょう。
もこコトネ「お願いというより、“これから”に向いている言葉なんですね」
もこあい先生「そういう使い方もあるね」
「よろしくお願いします」を取っても文は成立する?
ここで、もこコトネが実験を始めました。
「よろしくお願いします」あり
「はじめまして。もこコトネです。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」なし
「はじめまして。もこコトネです」
どちらも、名前を伝える自己紹介としては成立します。
つまり、
「よろしくお願いします」が、名前や所属と同じような必須情報というわけではありません。
それでも自己紹介の最後に加えることで、単に自分の情報を伝えて終わるだけでなく、
これから相手と関わっていく場面へつなぐあいさつ
として働くことがあります。
もこコトネ「なくても自己紹介はできる。でも、あると役割が増える!」
もこあい先生「いいところに気づいたね」
③ 一緒に何かを始めるときにも「よろしくお願いします」
今度は、3人でグループ活動を始めることになりました。
健太「よろしくお願いします」
もこコトネ「よろしくお願いします」
ここでも、
「あなたは○○をしてください」
という一つの具体的な依頼があるとは限りません。
仕事、授業、部活動、プロジェクトなど、
これから一緒に何かを始める場面でも「よろしくお願いします」は使われます。
日本語教材には、初めての授業で自己紹介をする場面で、
「これから一年間、よろしくお願いします」
という用例もあります。
一年間ずっと同じ一つの作業を頼んでいるわけではありません。
これから続く授業や関係全体を意識した表現だと考えると分かりやすいでしょう。
④ メールの最後の「よろしくお願いします」は何をお願いしている?
次に、メールを見てみましょう。
具体的なお願いがあるメール
来週の打ち合わせについて、資料を添付しました。
内容をご確認ください。
よろしくお願いします。
この場合は、
「資料を確認してほしい」
という具体的な依頼があります。
最後の「よろしくお願いします」は、その依頼とつながっていると考えやすいですね。
具体的な作業がはっきりしないメール
本日はありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
こちらでは、
「○月○日までにこれをしてください」
という具体的な作業は書かれていません。
この場合は、今後の関係ややり取りを意識した締めのあいさつとしての役割が強くなります。
もこコトネ「メールの最後だから全部同じ、ではないんですね」
もこあい先生「その前に何が書いてあるかを見るんだね」
⑤ 「今年もよろしくお願いします」は何をお願いしている?
お正月。
もこあい先生が言いました。
もこあい先生「今年もよろしくお願いします」
もこコトネは、すぐにノートを開きました。
もこコトネ「先生。今年一年、具体的に何をお願いする予定ですか?」
もこあい先生「まだ何も決めてないよ」
もこコトネ「では、なぜ『お願いします』を……?」
「今年もよろしくお願いします」は、新年によく使われるあいさつです。
ここでも、
一年間ずっと一つの作業を頼んでいるわけではありません。
これまでの関係をふまえ、今年もこれから関わっていくことを意識したあいさつとして使われています。
もこコトネ「一年分のお願いをまとめて注文しているわけじゃないんですね」
もこあい先生「注文じゃないよ」
5つの場面を比べてみよう
| 場面 | 具体的なお願い | 「よろしくお願いします」の主な役割 |
|---|---|---|
| 資料の確認を頼んだあと | ある | 前にある依頼につなげる |
| 自己紹介 | 特定しにくい | 自己紹介を締め、これからの関係へつなぐ |
| 共同作業の始まり | 一つには特定しにくい | これから一緒に活動する相手へのあいさつ |
| 「今後ともよろしくお願いします」 | 特定しにくい | 今後の関係ややり取りを意識した締め |
| 「今年もよろしくお願いします」 | 特定しにくい | これからも関わることを意識したあいさつ |
もこコトネ「同じ言葉なのに、具体的なお願いがある場合と、ない場合がある!」
もこあい先生「そこが今回の大きなポイントだね」
コラム|「よろしくお願いします」は一つの外国語に置き換えにくい
「よろしくお願いします」の面白さは、別の言語に訳そうとすると、さらに見えてきます。
たとえば、自己紹介、具体的な依頼、共同作業の始まり、新年のあいさつでは、
同じ「よろしくお願いします」でも、別の言語では場面に合わせて違う表現になることがあります。
つまり、
「よろしくお願いします=外国語のこの一語」
のように、すべての場面で一対一に置き換えられるとは限りません。
大切なのは、単語だけを対応させることではなく、
「この場面で、この表現は何をしているのか」
を見ることです。
もこコトネ「日本語の一文に、外国語の一文が一個ずつ対応するわけじゃないんですね」
もこあい先生「言葉を学ぶときに大切なところだね」
「何が省略されている?」と無理に当てなくていい
ここは、今回の記事で特に大切です。
「よろしくお願いします」の後ろに、必ず一つの完全な文章が省略されている、と考える必要はありません。
たとえば初対面なら、
「仲良くしてください」
「よい関係でいてください」
などと説明したくなるかもしれません。
仕事なら、
「この仕事をうまく進めてください」
のように考えたくなるかもしれません。
でも、実際の「よろしくお願いします」は、もっと広い場面で使われます。
だから大切なのは、
隠れた一文を正確に当てることではありません。
その場面で「よろしくお願いします」がどんな役割をしているのかを見ることです。
これは、第3弾で考えた
「今日はちょっと…」だけでなぜ断ったことになるの?
にもつながっています。
悪もこあい先生「このプリン、よろしくお願いします」
そのときです。
黒と深紫の服を着た悪もこあい先生が、大切そうにプリンを持って現れました。
プリンを机に置きます。
悪もこあい先生「もこコトネ。このプリン、よろしくお願いします」
そして、そのまま立ち去ろうとしました。
もこコトネ「待ってください!」
悪もこあい先生「何かしら?」
もこコトネ「何をよろしくするんですか!?」
悪もこあい先生「よろしくは、よろしくよ」
もこコトネ「食べるんですか? 守るんですか? 冷蔵庫に入れるんですか!?」
悪もこあい先生は、にっこり笑いました。
悪もこあい先生「好きに解釈してちょうだい」
もこコトネ「大事なお願いは具体的に言ってください!」
大事な依頼では「よろしくお願いします」だけに任せすぎない
ここからは、実生活でも大切なところです。
「よろしくお願いします」は便利な言葉ですが、
具体的に何かをしてほしい場面では、それだけでは情報が足りないことがあります。
Before|これだけだと分かりにくいことも
「この件、よろしくお願いします」
これだけでは、
- 何をしてほしい?
- いつまで?
- どこまで確認する?
- 誰が担当する?
などが分かりにくい場合があります。
After|具体的な内容を先に伝える
「明日の15時までに、2ページ目の数字をご確認ください。よろしくお願いします」
これなら、何をしてほしいのかがかなり分かりやすくなります。
つまり、
「よろしくお願いします」は、具体的な指示の代わりになる万能語ではありません。
特に、
- 仕事
- 締め切り
- 予約
- 約束
- 重要な確認
などでは、必要な情報を具体的に伝えることが大切です。
もこコトネ「便利な言葉ほど、全部任せすぎない!」
もこあい先生「第4弾の『すみません』でも似たことを考えたね」
第4弾はこちらです。
「すみません」は謝る言葉?お礼の言葉?|もこコトネと考える日本語の不思議
「よろしくお願いします」を見る4チェック
では、「よろしくお願いします」が出てきたら、何を確認すればよいのでしょうか。
① 直前に具体的なお願いがある?
「確認してください」
「送ってください」
などが前にあるなら、その依頼につながっている可能性があります。
② 初対面や自己紹介の場面?
その場合は、具体的な作業依頼より、
自己紹介を締めてこれからの関係へつなぐあいさつとして使われていると考えやすくなります。
③ 何かを一緒に始めるところ?
仕事・授業・活動などの始まりなら、
これから一緒に進める相手へのあいさつとして使われることがあります。
④ 「今後とも」「今年も」「これから」などが付いている?
一つの作業より、これから続く関係ややり取りを意識した表現と考えやすくなります。
もこコトネ「結局、今回も前後と場面を見る!」
もこあい先生「もうシリーズの基本になってきたね」
ミニクイズ|この「よろしくお願いします」は何をしている?
ここまで読んだら、3問だけ考えてみましょう。
第1問
「はじめまして。今日からこのクラスに入りました。よろしくお願いします」
答えを見る
具体的な作業を頼むというより、
自己紹介を締め、これから関わる相手へ向けたあいさつ
と考えると分かりやすいでしょう。
第2問
「この資料を金曜日までに確認してください。よろしくお願いします」
答えを見る
「金曜日までに資料を確認する」
という具体的な依頼が前にあります。
「よろしくお願いします」は、その依頼につながっています。
第3問
「昨年はありがとうございました。今年もよろしくお願いします」
これまでの4記事ともつながっている
もこコトネは、これまでのノートを開きました。
第1弾|「私はうなぎです」
「私はうなぎです」ってどういうこと?|もこコトネと考える日本語の不思議
言葉だけを見るのではなく、どんな場面なのかを考えました。
第2弾|「大丈夫です」
「大丈夫です」はYES?NO?|もこコトネと考える日本語の不思議
何について「大丈夫」と言っているのかを、前後の会話や場面から考えました。
第3弾|「今日はちょっと…」
「今日はちょっと…」だけでなぜ断ったことになるの?|もこコトネと考える日本語の不思議
最後まで言い切らなくても、前後や場面から断りの意図が伝わることがあると考えました。
第4弾|「すみません」
「すみません」は謝る言葉?お礼の言葉?|もこコトネと考える日本語の不思議
同じ「すみません」でも、謝罪・呼びかけ・お願いの前置き・感謝や恐縮に関わる場面など、
会話の中で違う役割をすることを見ました。
そして第5弾|「よろしくお願いします」
今回は、
具体的なお願いが見当たらなくても、「よろしくお願いします」が使われるのはなぜ?
を考えました。
もこコトネは、シリーズを通して見えてきたことをノートに書きます。
「言葉だけで全部決めない!」
もこコトネシリーズ共通|日本語を見る3ステップ
第5弾まで来たので、これまで使ってきた考え方を3ステップにしてみましょう。
ステップ1|まず、その言葉を見る
「よろしくお願いします」って何をお願いしている?
そんな素朴な「なんで?」から始めます。
ステップ2|前後の会話と場面を見る
自己紹介?
仕事の依頼?
新年?
何かを始めるところ?
場面を見ると、手がかりが増えます。
ステップ3|会話の中で何をしているか考える
「この言葉の意味は何?」
だけでなく、
「この人は、この言葉を使って今何をしている?」
と考えます。
これは「よろしくお願いします」だけでなく、
これまで扱ってきた「大丈夫です」「すみません」などを見るときにも役立ちます。
コラム|「よろしく」の担当範囲、広すぎませんか?
もこコトネは、「よろしくお願いします」が登場した場面を書き出しました。
- 初対面
- お願い
- 共同作業
- メール
- 新年
しばらく見つめたあと、もこコトネが言いました。
もこコトネ「先生……」
もこあい先生「どうしたの?」
もこコトネ「『よろしく』の担当範囲、広すぎませんか?」
そこへ悪もこあい先生が現れました。
悪もこあい先生「では、担当手当を出しましょう」
もこコトネ「また給料の話ですか!」
どうやら、日本語には今日も働き者の言葉がいるようです。
よくある質問(FAQ)
「よろしくお願いします」は、本当にお願いしている言葉ですか?
具体的な依頼のあとに使われる場合もあります。
一方、自己紹介や新年のあいさつなど、
具体的な作業を一つに特定しにくい場面でも使われます。
そのため、いつでも一つのお願いがあると決めるより、
前後の会話と場面から役割を見る
ほうが分かりやすいでしょう。
「はじめまして」と「よろしくお願いします」は同じですか?
同じではありません。
「はじめまして」は、初めて会う相手へのあいさつです。
自己紹介では、そのあとに「よろしくお願いします」を続けることがあります。
「よろしく」と「よろしくお願いします」は同じですか?
どちらも使われますが、丁寧さや使われる相手・場面は同じではありません。
「よろしくお願いします」は、「よろしく」だけより丁寧な形として使われます。
「よろしくお願いします」と「よろしくお願いいたします」はどう違いますか?
どちらも丁寧な場面で使われますが、
「よろしくお願いいたします」はビジネスメールなどで、より改まった表現として使われることがあります。
ただし、今回の記事では敬語そのものの細かな違いより、
「よろしくお願いします」が会話の中でどんな役割をしているのか
を中心に考えています。
メールの最後には必ず「よろしくお願いします」と書きますか?
必ず書かなければならないわけではありません。
具体的な依頼があるのか、今後の関係について述べているのかなど、
メールの内容や相手との関係によって使い方は変わります。
大事な依頼も「よろしくお願いします」だけで伝わりますか?
内容によっては分かりにくくなることがあります。
期限・担当・作業内容などが重要なら、
必要な情報を具体的に伝えたうえで「よろしくお願いします」を添えるほうが分かりやすくなります。
もこコトネの今日の「なんで?」
その日の終わり。
もこコトネは、今日わかったことをノートにまとめました。
- 「よろしくお願いします」には具体的な依頼がある場合もある
- 自己紹介の終わりのあいさつとして使われることもある
- 一緒に何かを始める場面でも使われる
- メールでは前の依頼とつながる場合も、締めのあいさつに近い場合もある
- 「今年もよろしくお願いします」は、一年間ずっと一つの作業を頼んでいるわけではない
- 「よろしくお願いします」がなくても成立する文もある
- 隠れた一文を無理に当てなくてよい
- 大切な依頼では具体的な内容も伝える
- 今回も、前後と場面を見る
- 会話の中で、その言葉が何をしているのか考える
もこコトネは満足そうにノートを閉じました。
ところが、数秒後。
またノートを開きます。
もこコトネ「先生」
もこあい先生「まだあるの?」
もこコトネ「『お疲れさまです』って……疲れていない人にも言いますよね?」
もこあい先生が止まりました。
もこあい先生「……言うね」
もこコトネ「疲れてないのに?」
また、新しい「?」が生まれたようです。
まとめ|「何をお願いしている?」から、場面を見てみよう
「よろしくお願いします」と聞いて、
「何をお願いしているの?」
と疑問に思うのは、とても自然です。
実際に、具体的な依頼につながっている場合もあります。
でも、
- 初対面
- 共同作業の始まり
- メールの締め
- 新年のあいさつ
などでは、一つの具体的な作業を頼んでいるとは限りません。
だから、
「よろしくお願いします=○○」
と一つに決めるより、
- その言葉を見る
- 前後の会話と場面を見る
- 会話の中で何をしている表現か考える
という順番で考えてみましょう。
言葉だけでは見えなかったことが、場面を見ると少しずつ見えてきます。
今日の“なんで?”を大切にしよう。
正解より、考えた道のりが宝もの。
参考文献・参考資料
- 国際交流基金『いろどり 生活の日本語』
- 国際交流基金「みんなの教材サイト」日本語教育教材
- 東京外国語大学「TUFS言語モジュール 日本語」
- 小学館『デジタル大辞泉』「よろしく」
- 小学館『精選版 日本国語大辞典』「よろしく」
※この記事では、日常で使われる「よろしくお願いします」を、場面ごとの役割が見えやすいように整理しています。実際の受け取り方や適切な表現は、相手との関係、場面、前後の会話などによって変わることがあります。
訂正・追記履歴
2026年9月日
初稿作成。「よろしくお願いします」が具体的な依頼、自己紹介、共同作業、メール、新年などでどのように使われるかを整理しました。


















