読書感想文って、むずかしいですよね。
本は読んだのに、「で、何を書けばいいの?」で手が止まることがあります。

健太も、読書感想文の紙を前にして困っていました。

「本は読んだけど、何を書いたらいいのかわからない……」

すると恵子も言いました。

「わたしも、あらすじは言えるけど、感想って言われると止まるかも」

そんなふたりに、もこあい先生はやさしく言いました。

「大丈夫。読書感想文は、最初から上手に長く書こうとしなくていいの。
まずは、“どこで心が動いたか”を見つけるところから始めよう」

読書感想文の紙を前にして困る健太と恵子を、もこあい先生がやさしく見守っている挿絵

小学校の国語では、物語を読んで場面や登場人物の行動を想像したり、自分の体験と結び付けて感想をもったりすることが大切にされています。高学年では、感じたことや考えたことから書くことを選び、材料を整理しながら伝えたいことを明確にすることも重視されています。この記事では、その流れに合わせて、読書感想文を「心が動いたところ」から書きやすくする形でまとめます。

📘 クリックして開く:このページの使い方と学校の宿題で気をつけたいこと

このページは、「何を書けばいいかわからない」「あらすじだけになってしまう」と困ったときに、考えをほどくためのガイドです。

ただし、学校や学年、先生によっては、文字数・原稿用紙の使い方・本の指定・名前や題名の書き方などが決まっていることがあります。
最後は、学校から出ている宿題の条件をいちばん優先してください。

まず結論|読書感想文は「心が動いたところ」を3つのメモにすると書きやすい

読書感想文が書けないときは、いきなり長い文を書こうとしなくて大丈夫です。

まずは、この3つだけメモしてみてください。

  • どの場面が心に残った?
  • そのときどう思った?
  • どうしてそう思った?

この3つが見えてくると、「何を書けばいいか」がかなりはっきりしてきます。

読書感想文は、全部をきれいにまとめるより、自分の心がどこで動いたかを見つけるほうが先です。

✅ まずはこの3つだけでOK

  1. 心に残った場面を1つ決める
  2. そのとき思ったことを書く
  3. どうしてそう思ったかを足す

読書感想文が書けないのはなぜ?|よくあるつまずき

読書感想文で止まるのは、やる気がないからではありません。

よくあるのは、こんなつまずきです。

  • 何を書けばいいかわからない
  • あらすじしか書けない
  • 思ったことはあるけど言葉にならない
  • 最初の1文が出てこない

本を読んで何かを感じていても、それを文章にするのは意外とむずかしいです。
だから、止まるのはめずらしいことではありません。

もこあい先生は、ふたりにこう言いました。

「止まるのは、“何も思っていない”からじゃないよ。
感じたことを言葉にするときに、少し道が見えにくくなるだけなんだ」

書きやすい本の選び方|好きなタイプから考えよう

小学生が図書館や本棚の前で、自分に合う本を選んでいる様子を示した挿絵

読書感想文は、有名な本やむずかしい本を選べば書きやすくなるわけではありません。

大切なのは、その子が気持ちを動かしやすい本を選ぶことです。

たとえば、「続きが気になる」「ちょっとかなしい」「すごいと思った」「おもしろかった」と思える本は、感想が出やすいです。

感想文が書きやすい本の目安表

こんな子に向きやすい 書きやすいジャンルの例 感想が出やすい理由 書くときの入口
ハラハラする話が好き 冒険・ぼうけん 場面を思い出しやすい いちばんドキドキした場面は?
動物が好き 動物・自然の話 気持ちが動きやすい どこで心が動いた?
友だちの話が気になる 学校・友情の話 自分と重ねやすい 自分ならどうする?
ふしぎな話が好き 謎・不思議な話 「なんで?」が出やすい いちばん気になったことは?
笑える話が好き 楽しい話・ユーモア 感想を言葉にしやすい どこがおもしろかった?

本選びで気をつけたいこと

  • 長すぎる本
  • むずかしすぎる本
  • 有名だからだけで選ぶ本

大切なのは、「立派な本」を選ぶことではなく、その子が反応しやすい本を選ぶことです。

まだ読む本が決まっていない子は、こちらも参考になります。

本を読みながらメモしてみよう|「気持ちが動いたところ」を見つけるコツ

本を読み終わってから急に感想を考えようとすると、何を書けばいいかわからなくなることがあります。

そんなときは、読みながら少しだけメモしておくのがおすすめです。

たとえば、こんな反応です。

  • びっくりした
  • かなしかった
  • すごいと思った
  • かわいそうだと思った
  • なんでだろうと思った
  • 自分と似ていると思った

長く書かなくて大丈夫です。
一言だけでも十分です。

3つのメモの作り方|この順番なら書きやすい

読書感想文を、心に残った場面・思ったこと・理由の3つのメモに分けて考える流れを示した挿絵

ここが、この記事のいちばん大事なところです。
順番どおりにやれば、かなり書きやすくなります。

メモ1|どの場面が心に残った?

まずは、いちばん気になった場面を1つ決めます。

全部を選ばなくて大丈夫です。
「ここだな」と思ったところを1つ決めれば、そこが感想文の入口になります。

メモ2|そのときどう思った?

次に、その場面を読んだときにどう思ったかを書きます。

  • すごい
  • かわいそう
  • やさしい
  • こわい
  • おもしろい

こんな短い言葉でも大丈夫です。

メモ3|どうしてそう思った?

最後に、「どうしてそう思ったのか」を考えます。

  • 自分にも似た経験があるから
  • 登場人物ががんばっていたから
  • こわかったのに動いたから

ここまでできると、感想文らしくなってきます。

たとえばこんなメモになります

  • 場面:友だちを助けたところ
  • 思ったこと:すごいと思った
  • 理由:こわくても動いたから

メモの作り方にまだ不安がある子は、こちらの記事も役立ちます。

「あらすじだけ」で終わらないコツ|感想になる文とのちがい

あらすじだけの文と感想が入った文のちがいを左右で比較した読書感想文の理解を助ける挿絵

読書感想文で多いのが、あらすじだけになってしまうことです。

あらすじだけの文

主人公が友だちを助けました。すごいと思いました。

感想が入った文

主人公が友だちを助けた場面が心に残りました。
わたしは、こわくても動いたところがすごいと思いました。

ちがいは、出来事だけで終わるか、自分の気持ちや理由が入るかです。

感想文では、「何があったか」だけでなく、それを読んで自分がどう思ったかを一つ足すことが大切です。

同じ本でも感想は変わる|健太の場合・恵子の場合

同じ題材を読んでも健太は自分の経験に結びつけ、恵子は登場人物の気持ちの動きに注目している違いを示した挿絵

読書感想文には、ひとつだけの正しい答えがあるわけではありません。

同じ本を読んでも、心に残る場面や思うことは人によって変わります。
ここでは、同じ題材を読んだ健太と恵子の例を見てみましょう。

健太の場合

ぼくがいちばん心に残ったのは、友だちを助ける場面です。
ぼくは、その場面を読んで「やさしいな」と思いました。
ぼくも前に、こまっているときに声をかけてもらってうれしかったことがあるからです。

恵子の場合

わたしが心に残ったのは、友だちを助ける前に少し迷っていた場面です。
すぐに動けるのもすごいけれど、こわさがあっても助けようとしたところが大切だと思いました。
わたしは、その気持ちの動きがていねいに書かれているところが印象に残りました。

もこあい先生のひとこと

もこあい先生は、健太の文を読んでにっこりしました。

「健太は、自分の経験とつなげて読めているね。
自分のことを思い出しながら書けるのは、とてもいいところだよ」

つづいて、恵子の文も読んで言いました。

「恵子は、登場人物の気持ちの動きをよく見つけられているね。
『どうしてそうしたのかな』と考えられるのも、とてもいいところだよ」

そして、ふたりにこう言いました。

「読書感想文は、同じ本を読んでも同じになるとは限らないの。
大切なのは、自分の心がどこで動いたかを見つけることだよ」

書き出しに困ったらこれ|最初の1文の型

最初の1文が出ると、そのあとがかなり書きやすくなります。

使いやすい型はこのあたりです。

  • わたしがいちばん心に残ったのは、〜の場面です。
  • この本を読んで、まず〜と思いました。
  • いちばん気になったのは、〜のところです。

型を借りるのは、ずるではありません。
書き始めるための足場です。

まとめの文に困ったらこれ|最後のしめ方の型

最後の文は、こんな形だとまとまりやすいです。

  • この本を読んで、〜が大切だと思いました。
  • これからは、わたしも〜したいです。
  • もしわたしが同じ場面にいたら、〜したいです。

長く立派に書こうとしなくて大丈夫です。
読んだあとに自分がどう思ったかが一言入るだけで、十分まとまります。

提出前に1分チェック|これだけ見れば大丈夫

読書感想文を書き終えたあとに、場面・気持ち・理由・書き忘れを1分で確認している小学生の様子を示した挿絵

書き終わったら、最後に1分だけ見直してみましょう。

  • 心に残った場面が書いてある?
  • そのとき思ったことが書いてある?
  • どうしてそう思ったかが入っている?
  • 名前や題名の書き忘れはない?

ぜんぶを完璧に直そうとしなくて大丈夫です。
「場面・気持ち・理由」が入っているかを見るだけでも、ぐっと伝わりやすくなります。


保護者の方へ|「書けない」は、やる気がないのではなく、言葉にするところで止まりやすいです

保護者が小学生の子どもに答えを押しつけず、どこが心に残ったかをやさしく聞いている挿絵

保護者の方も、小学生のころの読書感想文を少し思い出してみてください。

「何を書けばいいのかわからない」
「これで合っているのかな」

と迷って、手が止まったことがある方もいるかもしれません。

読書感想文は、やる気がないから止まるのではなく、気持ちを言葉にするところで止まりやすい宿題です。

だからこそ、すぐに答えを言うより、気持ちが動いたところを一緒に見つけるほうが助けになります。

声かけの例

言いやすい声かけ

  • どこが気になった?
  • いちばん心に残ったのはどこ?
  • そのときどう思った?

言いすぎ注意

  • もっと立派なことを書きなさい
  • そこじゃなくて別の場面を書きなさい
  • その感想は変だよ

子どもが止まっているときに大切なのは、正しい答えをすぐ教えることより、「どこで心が動いたか」を一緒に見つけることです。

ことばミニ辞典|読書感想文で出てきた言葉をかんたんに確認

✅ クリックして開く:読書感想文で出てきた言葉をもう一回チェック

あらすじ
お話の流れを短くまとめたものです。

感想
本を読んで、自分が思ったことや感じたことです。

場面
お話の中の、ひとつの出来事や様子のことです。

心に残る
読んだあとも、頭や気持ちに強く残っていることです。

理由
どうしてそう思ったのかを説明する言葉です。

下書き
いきなり清書せず、先に大まかに書いてみることです。

あわせて読みたい

この記事の考え方と信頼性

この記事は、小学校国語で大切にされている「場面や登場人物の行動を想像すること」「自分の体験と結び付けて感想をもつこと」「感じたことや考えたことから書くことを選び、整理して伝えること」といった考え方に沿って、読書感想文でつまずきやすい子が本選び→心が動いた場面→感想→理由の流れで書きやすくなるよう構成しています。

ただし、学校や学年、先生の指示によって、文字数・原稿用紙の使い方・題名のつけ方などは変わることがあります。
最終的には、学校から出ている宿題の条件を優先してください。

もこあい先生より:「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

参考文献・出典

📚 クリックして開く:参考文献・出典を確認

※以下は記事作成時に参照した資料です。教育資料や解説文は改訂や更新が入ることがあり、解釈の幅が生じる場合もあります。実際の宿題条件は、学校から出ている指示を優先してください。

  1. 文部科学省『小学校学習指導要領解説 国語編』
    https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_002.pdf
  2. 文部科学省『学習指導要領「生きる力」』
    https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm
  3. 文部科学省『第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」』
    https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/mext_00072.html
  4. 文部科学省『子供の読書活動に関する現状』
    https://www.mext.go.jp/content/20220628-mxt_chisui01-000023630_5.pdf