漢文入門|成り立ち・覚え方・勉強法+例題10個
「漢文=むずかしい」は誤解! ルール(返り点・句形)と音読を押さえれば、スラスラ読めます。この記事では、成り立ち→覚えやすい方法→勉強法→例題10個を、もこあい先生と仲間たちが分かりやすくナビします。
はじめに:もこあい先生エピソード
もこあい先生: むかし、初めて『論語』を音読したとき、「返り点って地図みたい」と気づいたの。道順さえ分かれば、あとは歩くだけ。だから今日は、地図(ルール)と歩き方(練習)を一気に渡すよ。
健太: 地図があれば迷子にならない!
恵子: (メモ)返り点=読む順路/句形=意味の合図。
悪もこあい先生: ルール無視して迷子になるのはお約束だけどなw
1. 漢文の成り立ち(なぜ日本語で読めるの?)
- 漢文=中国語の文を日本で読むために、訓点(返り点・送り仮名)という「読書ナビ」を発明。
- 語順が違うので、レ点・一二点などで「どこへ戻るか/どの順に読むか」を示す。
- 実際の読解は、訓読 → 書き下し文 → 現代語訳の流れで行う。
謎の声: 訓点は先人の知恵。道は示されておる、歩くのはおぬしらじゃ…。
2. 覚えやすい方法(まずはココだけ)
- 返り点のコツ: レ点=「あと戻り」。
AレB
ならB→Aの順で読む。 - 再読文字の鉄板: 未=「まだ〜ない」/ 将=「まさに〜んとす」/ 当・須=「〜すべし」。
→ カード1枚にセット暗記。 - 否定4兄弟: 不(単純否定)・未(未然否定)・無/莫(打消し・禁止)。
- 使役・受身の型: 使役=「AをしてBせしむ」/ 受身=「〜に…される」「〜の所と為る」。
- 疑問・反語のサイン: 何・安・孰/豈〜哉 など。疑問詞+否定は反語になりやすい。
恵子: (メモ)暗記は“セット”で。単発より効率↑
3. 勉強法(点が伸びるルーチン)
- 音読→書き下し: 原文を声に出し、返り点で順路をなぞる。書き下しをノートへ。
- 訳は短く: 一文ごとに10〜20字程度の訳でOK(冗長にしない)。
- 型暗記: 再読文字・否定・使役受身・疑問反語の「決まり文句」を5分カード化。
- 短文暗唱: 『論語』や成句などの1行物は丸ごと覚えるとテストで刺さる。
- 週末リセット: 1週間分の例題を音読し直し、弱点だけ抜き出し反復。
悪もこあい先生: 声出すの恥ずい? 点が上がるほうが大事だぞ?w
4. 例題10個(クリックで答え)
例題1(返り点:レ点)
学而時習之、不亦説乎。
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書き下し: 学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや。
訳: 学んで時々復習するのは、なんと喜ばしいことではないか。
もこあい先生: 「之」を“〜を”に返すのが合図!
訳: 学んで時々復習するのは、なんと喜ばしいことではないか。
もこあい先生: 「之」を“〜を”に返すのが合図!
例題2(返り点:一二点)
子曰、温故而知新、可以為師矣。
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書き下し: 子曰く、故きを温ねて新しきを知れば、以て師と為るべし。
訳: 古いことを復習して新しい理解に結びつけられれば、教師になれる。
恵子: 一二点=読む順番の番号だね!
訳: 古いことを復習して新しい理解に結びつけられれば、教師になれる。
恵子: 一二点=読む順番の番号だね!
例題3(否定:不)
君子不器。
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書き下し: 君子は器ならず。
訳: 君子は一面的な存在であってはならない。
健太: 目指せマルチスキル!
訳: 君子は一面的な存在であってはならない。
健太: 目指せマルチスキル!
例題4(否定:未)
未嘗不学。
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書き下し: 未だ嘗て学ばざること無し。
訳: 学ばなかったことは一度もない(=いつも学んでいる)。
もこあい先生: 二重否定=強い肯定!
訳: 学ばなかったことは一度もない(=いつも学んでいる)。
もこあい先生: 二重否定=強い肯定!
例題5(再読文字:将)
将行学。
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書き下し: 将に学ばんとす。
訳: まさに学ぼうとしている。
悪もこあい先生: 今やる、が最強!
訳: まさに学ぼうとしている。
悪もこあい先生: 今やる、が最強!
例題6(再読文字:当・須)
当勤学、須自省。
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書き下し: 当に学に勤むべく、須らく自ら省みるべし。
訳: 学問に励むべきであり、必ず自己反省すべきだ。
恵子: (メモ)当=当然、須=必然。
訳: 学問に励むべきであり、必ず自己反省すべきだ。
恵子: (メモ)当=当然、須=必然。
例題7(使役)
師使弟子読書。
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書き下し: 師、弟子をして書を読ましむ。
訳: 先生は弟子に本を読ませる。
もこあい先生: 「AをしてBせしむ」=させる。
訳: 先生は弟子に本を読ませる。
もこあい先生: 「AをしてBせしむ」=させる。
例題8(受身:所構文)
弟子為師所賞。
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書き下し: 弟子、師の賞する所と為る。
訳: 弟子は先生に褒められる。
健太: 「所〜」が見えたら受身を疑え!
訳: 弟子は先生に褒められる。
健太: 「所〜」が見えたら受身を疑え!
例題9(疑問)
何為学而不行。
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書き下し: 何為れぞ学びて行わざる。
訳: どうして学んで実行しないのか。
謎の声: 学んで動かねば、宝の持ち腐れじゃ…。
訳: どうして学んで実行しないのか。
謎の声: 学んで動かねば、宝の持ち腐れじゃ…。
例題10(反語)
豈有不学而能者哉。
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書き下し: 豈に学ばずして能くする者有らんや。
訳: 学ばずにできる人がいるだろうか、いやいない。
悪もこあい先生: 反語は強ツッコミ口調で!
訳: 学ばずにできる人がいるだろうか、いやいない。
悪もこあい先生: 反語は強ツッコミ口調で!
5. まとめ:パターン+音読=最短ルート
- 返り点=順路、句形=意味の合図。まずはここを暗記セット化。
- 音読→書き下し→短訳のサイクルを回す。短文暗唱は効く!
- 週末に“まとめ音読”でリセット。弱点だけを再テスト。
※ 授業の方針・学校配布訳と表現が異なることがあります。定期テストの直前は必ず授業準拠で最終調整してください。