文章を書き終えたあと、「これで大丈夫かな」と不安になることはありませんか。

この記事では、提出前にどこをどの順番で見直せばいいかを、できるだけ分かりやすく整理しています。作文・小論文・レポートなど、書くものが違っても使いやすい形でまとめました。

この記事について

はじめて推敲を意識する人でも大丈夫です。途中で出てくる言葉はできるだけやさしく説明し、分かりにくい単語は記事の最後にミニ辞書としてまとめています。

急いでいる人は、後半の「スクショ保存用|提出前に見るチェックまとめ」から先に見ても大丈夫です。じっくり理解したい人は、上から順番に読んでいくと流れがつかみやすくなります。

📘 そもそも推敲とは?|誤字チェックだけではありません

推敲とは、書いた文章を読み返して、「伝わるか」「読みやすいか」「ズレていないか」を整える作業です。

誤字や脱字を直すだけでなく、文末がそろっているか、同じ言葉が続いていないか、いちばん言いたいことが見えるかまで見直します。

つまり推敲は、文章を特別に上手く見せるためだけのものではありません。がんばって書いた内容を、相手に届きやすい形へ整える最後のひと押しです。

⚠️ 健太みたいに、推敲しないまま出すとどうなる?

作文を書き終えて安心した健太が、見直しをしないまま提出しようとしている場面の挿絵

健太は、作文を書き終えたときに「よし、できた!」と思いました。時間もあまりなかったので、そのまま提出しました。

でも、あとで読み返してみると、少し気になるところがありました。

同じ言葉が何回も続いていたり、文末が「〜と思いました」ばかりになっていたり、いちばん言いたいことが少しぼやけていたりしたのです。誤字はほとんどなくても、なんとなく読みにくい。そんな“もったいない文章”になっていました。

健太は、サボっていたわけではありません。ちゃんと考えて、ちゃんと書いていました。ただ、書き終えた安心感で、そのまま出してしまっただけです。

推敲をしないと、内容が悪くなくても、読みにくい・伝わりにくい・もったいない減点につながることがあります。だから推敲は、特別な人だけがするものではありません。がんばって書いた文章を、ちゃんと伝わる形に整えるために大切な作業です。

では、提出前にどこから見直せばいいのでしょうか。推敲が苦手な人は、全部を一気に直そうとしなくて大丈夫です。見る場所を順番に分けるだけで、文章はかなり整いやすくなります。

提出前に見る順番を、誤字・文末・重複・一文の長さ・主語と述語・話の流れの6段階で示した図
推敲は、思いついたところから直すより「見る順番」を決めると進めやすくなります。

提出前に見直す順番はこの6つでOK

推敲というと難しく感じるかもしれませんが、実際は見る場所を分けるだけです。おすすめは、次の順番で見直すことです。細かいところから順に整えると、途中で混乱しにくくなります。

順番 見る場所 よくあるミス どう直すか
1 誤字・脱字 変換ミス、送り仮名、助詞の抜け 声に出すつもりでゆっくり読む
2 文末 「です・ます」と「だ・である」が混ざる どちらかにそろえる
3 同じ言葉のくり返し 「思う」「大切」「すごい」が続く 言い換えるか、1つ削る
4 一文の長さ 1文が長くて読みにくい 1文1メッセージに分ける
5 主語と述語 何を言いたい文か分かりにくい 主語と述語がつながる形に直す
6 話の流れ 結論が見えない、話が飛ぶ 結論→理由→例の流れを確認する

① まずは誤字・脱字を見る

最初に見るのは、いちばん分かりやすいミスです。誤字や助詞のズレは、小さく見えても読み手の引っかかりになります。ここは内容より先に、表面のミスを減らすつもりで見直すとやりやすいです。

② 次に文末をそろえる

「です・ます」と「だ・である」が混ざると、文章の印象が不安定になります。また、文末が「〜と思いました」ばかり続くと、単調にも見えます。まずは文体をそろえることを意識すると、かなり読みやすくなります。

③ 同じ言葉のくり返しを減らす

書いていると、自分では気づかないうちに同じ言葉を何度も使ってしまいます。特に「思う」「大切」「すごい」は続きやすい言葉です。同じ意味でも、少し言い換えるだけで文章の見え方はかなり変わります。

④ 一文が長すぎないかを見る

一文が長いと、読み手は途中で何が言いたいのか分かりにくくなります。読んでいて息が長いと感じる文は、区切れることが多いです。迷ったら、1文に入れる内容は1つくらいの意識で見ると整えやすいです。

⑤ 主語と述語がつながっているか確かめる

書いている途中で文が伸びると、主語と述語の関係がズレることがあります。すると、文法的には読めても、何を言いたいかがぼやけます。ここでは、誰が・何が、どうしたのかが自然につながっているかを見ます。

⑥ 最後に話の流れを確認する

最後は、文章全体の流れです。一文ずつ正しくても、全体で読むと話が飛んで見えることがあります。結論、理由、具体例が自然につながっているかを見ると、伝わりやすさが上がります。

よくある勘違い

  • 誤字だけ見れば十分だと思ってしまう
  • 最初から全部直そうとして止まってしまう
  • 書いた直後の「たぶん大丈夫」を信じてしまう

時間がない人向け|30秒・3分・10分の推敲

いつも完璧に見直せるとは限りません。だからこそ、残り時間に合わせて見る場所を絞るのがおすすめです。短時間でも、見る順番があるだけで“もったいないミス”はかなり減らせます。

残り時間に応じて、30秒・3分・10分でどこを見直すかを比較した図
時間がないときは、全部やろうとせず「どこまで見るか」を決めるのがコツです。

30秒しかないときはここだけ

  • 誤字・脱字
  • 文末の乱れ
  • 最後の一文

3分あるときはここまで見る

  • 誤字・脱字
  • 文末
  • 同じ言葉のくり返し
  • 一文の長さ
  • 主語と述語

10分あるときはここまで整えたい

  • 誤字・脱字
  • 文末
  • 重複表現
  • 一文の長さ
  • 主語と述語
  • 全体の流れ
  • 課題からズレていないか
  • AIっぽい表現が残っていないか

どこまで直せば十分?

迷ったら、まずは「誤字がない・文末がそろっている・いちばん言いたいことが見える」の3つを目安にしてください。ここが整うだけでも、文章はかなり読みやすくなります。

直し方が分かるビフォーアフター

推敲は「ここを見よう」と言われるだけだと、実際にどう直すのか分かりにくいことがあります。そこで、よくある例を2つだけ見てみます。少し直すだけでも、文章の読みやすさはかなり変わります。

推敲しなかった文章と推敲した文章を見比べて、違いが分かるようにした比較図
「どこを直すのか」が見えると、推敲は急にやりやすくなります。

例① 同じ文末が続いて読みにくい

推敲しなかった文

私はこの出来事が大切だと思いました。とても大切だと思いました。忘れてはいけないと思いました。

推敲した文

私はこの出来事が強く心に残りました。自分の考え方が少し変わったと感じたからです。だから、簡単には忘れたくないと思いました。

変わったポイント:「〜と思いました」の連続を減らして、理由が少し見える形にしました。

例② 理由がふわっとしている

推敲しなかった文

この本はすごくよかったです。いろいろ考えさせられたからです。

推敲した文

この本を読んで、自分が当たり前だと思っていた考え方を見直したくなりました。特に、主人公の選択を見たときに、自分ならどうするかを考えたからです。

変わったポイント:「よかった」「考えさせられた」を、何をどう考えたのかまで少し具体化しました。

作文・小論文・レポートで、特に見る場所は少し違います

推敲の基本は同じでも、文章の種類によって大事なポイントは少し変わります。ここを分けて考えると、見直しがもっとしやすくなります。「何を書く文章なのか」に合わせて見るのがコツです。

種類 特に見る点 よくある失敗 最後に確認したいこと
作文 気持ちや場面が伝わるか 感想だけで終わる、同じ表現が続く 自分がいちばん言いたいことが見えるか
小論文 主張と理由がつながっているか 意見はあるが根拠が弱い、設問からズレる 結論→理由→具体例の流れになっているか
レポート 根拠・引用・文体・書式が整っているか 引用があいまい、文体が混ざる、条件漏れ 提出条件と参考文献まで確認できているか

ここは、文章の種類ごとに細かく見るとさらに理解しやすくなります。詳しく見たい人は、手元の作文記事・小論文記事・レポート記事と合わせて読むと、見直しの視点がつながりやすくなります。

ChatGPTで下書きしたあとに、必ず見たい4つのポイント

AIを使うと、下書きのスピードは上がります。でも、そのまま出すと自分の言葉ではない感じや、中身の薄さが残ることがあります。最後は自分で見直して、文章を自分のものに戻すことが大切です。

① 自分が普段使わない言い回しが混ざっていないか

ふだん使わない硬い表現や、急によそいきの言い回しが入ると不自然に見えます。自分が口では言わない表現は、少しやさしく直してみると自然になります。

② きれいだけど中身が薄い文になっていないか

AIは形の整った文を出しやすい反面、理由や具体性が弱いことがあります。「きれいに見える」だけで終わっていないかを確認します。

③ 事実・引用・出典があいまいではないか

とくにレポートや説明文では、事実関係があいまいなまま残ると危険です。引用や参考情報は、自分でも必ず確認しておくと安心です。

④ 最後に自分の言葉へ戻せているか

いちばん大切なのはここです。「自分は本当にこれを言いたいのか」を見直して、必要なら言い換えます。AIを使っても、最後に文章を仕上げるのは自分です。

スクショ保存用|提出前に見るチェックまとめ

提出直前に毎回本文を全部読むのは大変です。そんなときは、ここだけ保存して見返せるようにしておくと便利です。スマホでスクショしやすいように、短くまとめました。

提出前チェック|保存用

  • 誤字・脱字はないか
  • 文末はそろっているか
  • 同じ言葉をくり返していないか
  • 一文が長すぎないか
  • 主語と述語がズレていないか
  • 話の流れが自然か
  • 課題からズレていないか
  • AIの文をそのまま残していないか
スマホでチェックまとめを保存する場面と、紙に印刷して提出前に確認する場面を示した図
急いでいる日はスクショ、本気で整えたい日は紙で確認。使い分けると続けやすくなります。

プリントして使える|提出前チェックシート

本気で文章を整えたい人は、紙で確認すると気づきやすいことがあります。印刷して使えるように、チェック式でも置いておきます。レポートや作文の提出前に、1つずつ確認してみてください。

提出前チェックシート

  • □ 誤字・脱字はない
  • □ 文末の形はそろっている
  • □ 同じ言葉を続けて使っていない
  • □ 一文が長すぎない
  • □ 主語と述語がずれていない
  • □ 話の流れが自然である
  • □ 課題や設問からズレていない
  • □ 引用・根拠・参考文献を確認した
  • □ 提出形式や条件を確認した
  • □ AIの文をそのまま残していない

📘 ミニ辞書|この記事で出てきた言葉

クリックして開く:言葉の意味を確認する

推敲

書いた文章を読み返して、誤字だけでなく、読みやすさや伝わりやすさまで整えることです。

文末

文の終わりの言い方です。「です・ます」「だ・である」などが混ざると、文章の印象が不安定になります。

主語

「誰が」「何が」にあたる部分です。文章の中心になる言葉です。

述語

「どうする」「どうだ」にあたる部分です。主語と自然につながっているかが大事です。

表記ゆれ

同じ意味なのに書き方がそろっていないことです。たとえば「できる」と「出来る」が混ざるような状態です。

重複表現

同じ意味や同じ言葉がくり返し出て、文章がくどくなることです。

まとめ|推敲は、がんばって書いた文章をちゃんと届けるための最後のひと押し

推敲は、文章を完璧にするためだけの作業ではありません。もったいない減点を減らして、伝わりやすく整える作業です。

だから、全部を一気に直そうとしなくても大丈夫です。迷ったら、まずは誤字 → 文末 → 流れの3つだけでも見てみてください。それだけでも、文章はかなり変わります。

もこあい先生より:「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」