冷たいコップの外に水滴がつくのはなぜ?|青い水の密室事件【小学生の理科】
冷たいジュースを飲んでいると、コップの外側に水滴がついていることがあります。
でも、その水はどこから来たのでしょう? コップの中からしみ出してきたのでしょうか。それとも、別のところから現れたのでしょうか。
答えを先に言うと、冷たいコップの外側につく水滴は、主に空気中の水蒸気が冷やされて液体の水になったものです。
この現象を「結露(けつろ)」といいます。
今回は、答えを覚えるだけではありません。健太、恵子、もこあい先生と一緒に、実験で証拠を集め、水滴の正体を確かめてみましょう。
第2事件|青い水の密室事件
ある日の午後、もこあい研究所で、健太が冷たいジュースを飲んでいました。
健太:「あれっ? 机がぬれてる!」
氷の入ったジュースのコップを持ち上げると、その下には小さな水たまりができています。
恵子:「ジュースをこぼしたの?」
健太:「こぼしてないよ! ほら、コップの外側がぬれてる!」
よく見ると、コップの外側に小さな水滴がたくさんついていました。
恵子:「本当だ。さっきまでは、こんなにぬれていなかったよね」
健太:「もしかして、コップの中のジュースがしみ出してきたのかな?」
そこへ、もこあい先生がやってきました。
もこあい先生:「面白いことに気づいたわね。では、この水がどこから来たのか、実験で確かめてみましょう」
最初の推理|水はどこから来た?
実験の前に、3つの可能性を考えてみましょう。
- 予想A:コップの中の水やジュースが、外に漏れた。
- 予想B:コップを置いたときから、外側に水がついていた。
- 予想C:空気中にあった水蒸気が、コップの外側で水になった。
健太:「ぼくはAだと思う! 中のジュースが外に出てきたんじゃないかな」
恵子:「私はCかな。冷たいコップにだけ水滴がつくことが気になるんだ」
もこあい先生:「予想が分かれたわね。理科では、思いついた答えをすぐ正解にせず、観察や実験で確かめることが大切よ」
あなたは、どの予想だと思いますか?
実験を始める前に、自分の予想を一つ選んでおきましょう。
実験①|青い水を閉じ込めて調べよう
恵子:「中の水と、外側につく水滴を区別できたら、手がかりになると思う」
もこあい先生:「いい考えね。中の水に色をつけて、ふたを閉めた容器で調べてみましょう」
研究所からの挑戦!
中の水が青くても、容器の外側には透明な水滴ができるでしょうか?
実験の前に予想してみましょう。
用意するもの
- 同じ形・大きさの透明なふた付きプラスチック容器:2個
- 水
- 氷
- 青い食用色素:少量
- 白いキッチンペーパー
- 乾いたタオル
- 容器を置くトレー
安全のお願い:実験は大人と一緒に行いましょう。容器はふたをしっかり閉められるものを使い、食用色素を入れた実験用の水は飲まないでください。
実験の手順
- 青い水を作る。
水に青い食用色素を少量混ぜます。 - 二つの容器に分ける。
同じくらいの量の青い水を、それぞれの容器に入れます。 - 片方だけ冷たくする。
一方には氷を入れ、青い氷水にします。もう一方には氷を入れず、室温程度のままにします。 - ふたを閉め、外側を乾かす。
両方のふたをしっかり閉め、容器の外側を乾いたタオルで拭きます。ふたの周りに水が残っていないことも確認しましょう。 - 同じ場所で観察する。
二つの容器をトレーの上に並べ、5〜10分ほど観察します。 - 水滴の色を確かめる。
外側に水滴が現れたら、白いキッチンペーパーでそっと触れ、色やぬれ方を確認します。
第1の証拠を発見!
条件が合うと、氷水を入れた容器の外側に、小さな水滴が現れます。
一方、室温程度の青い水を入れた容器の外側には、ほとんど水滴がつきません。
健太:「あっ! 冷たいほうだけ、外側がぬれてきた!」
恵子:「中の水はどちらも青いのに、外側の水滴は透明に見えるね」
健太:「じゃあ、中の青い水が漏れたわけじゃないのかな?」
もこあい先生:「その可能性は低そうね。でも、水滴の色だけでは決めつけられないわ」
恵子:「ふたが閉まっていることと、冷たい容器だけに水滴がついたことも大事な証拠だね」
もこあい先生:「そうね。いくつもの証拠を合わせて考えましょう」
※挿絵は水滴が観察できた場合の例です。空気が乾燥していると、水滴が少なかったり、ほとんど見られなかったりすることがあります。
ここまでに分かったこと
- 容器の中の水が青くても、外側に透明な水滴が現れることがある。
- 水滴は、室温程度の容器よりも、冷たい容器の外側につきやすい。
- 容器の中の水が漏れたとは考えにくいが、外側の水がどこから来たのか、さらに確かめたい。
健太:「冷たさが関係しているのは分かったけど、水はどこから来たんだろう?」
恵子:「周りの空気と関係があるのかもしれないね」
そこで、3人は次の実験に進みます。
実験②|空気をさえぎるとどうなる?
今度は、二つとも冷たい容器を用意します。
ただし、片方だけを透明な袋で包み、周りの空気に触れにくくします。
健太:「今度は両方とも冷たいんだね」
もこあい先生:「そうよ。今度は、周りの空気に触れやすいかどうかを比べるの」
研究所からの挑戦!
そのまま置いた冷たい容器と、袋で包んだ冷たい容器。どちらの容器そのものに、水滴が多くつくと思いますか?
安全のお願い
実験②では透明な袋を使います。必ず大人と一緒に行い、袋を顔にかぶったり、口や鼻を覆ったりしないでください。実験が終わったら、袋は小さな子どもの手が届かない場所に片づけましょう。
用意するもの
- 同じ形・大きさの透明なふた付きプラスチック容器:2個
- 冷たい水
- 氷
- 容器が入る大きさの透明なチャック付き袋:1枚
- 乾いたタオル
- 白いキッチンペーパー:2枚
- トレー
実験①の容器を洗って使ってもかまいません。二つとも同じ条件にしやすいよう、今回は色のついていない水を使います。
実験の手順
- 二つとも冷たい容器にする。
二つの容器に同じくらいの量の冷たい水と氷を入れ、ふたを閉めます。 - 外側を乾かす。
両方の容器の外側とふたの周りを、乾いたタオルでよく拭きます。 - 片方を袋に入れる。
一方の容器だけを透明なチャック付き袋に入れます。できるだけ空気を抜いて、しっかり閉じましょう。袋の中に水が入っていないことも確認します。 - 同じ場所に並べる。
袋に入れていない容器と、袋に入れた容器を同じ場所に置きます。 - 5〜10分ほど観察する。
それぞれの容器や、袋の表面の変化を観察します。 - 袋の外側を拭く。
袋を開ける前に、袋の外側についた水滴を乾いたタオルで拭き取りましょう。袋の水が中の容器につかないように注意します。 - 容器の外側を比べる。
まず、袋に入れていない容器の外側をキッチンペーパーで軽く拭き、ぬれ方を確かめます。次に、袋を開けて中の容器を取り出し、別の乾いた紙で外側を同じように拭いて比べます。
袋から取り出した容器も、周囲の空気に触れると結露が始まることがあります。取り出したら、なるべくすばやく確認しましょう。
第2の証拠を発見!
条件が合うと、袋に入れずに置いた容器の外側には、多くの水滴がつきます。
一方、袋に入れた容器そのものには、水滴が少なくなる傾向があります。
ただし、袋の外側に水滴ができたり、袋の中に残った空気によって、内側にも少し水滴ができたりすることがあります。
健太:「同じように冷たいのに、袋に入れたほうは容器の外側があまりぬれていないね!」
恵子:「周りの空気に触れる量が違うからかな?」
もこあい先生:「そう考えると、実験の結果を説明できそうね。外側の水滴には、周りの空気が関係しているのよ」
※この実験は、湿度が低いと水滴の違いが分かりにくくなります。袋の中に残った空気の量や、袋と容器の接し方によっても結果が変わります。
集めた証拠から、水滴の正体を考えよう
ここまでに集まった証拠を整理します。
3つの証拠
- 青い水を密閉した容器でも、外側に透明な水滴が現れた。
- 室温程度の容器より、冷たい容器のほうに水滴がつきやすかった。
- 同じように冷たい容器でも、周りの空気に触れにくくすると、水滴が少なくなる傾向があった。
健太:「つまり、コップの中の水が出てきたんじゃなくて、周りの空気が関係しているんだ!」
恵子:「空気の中にある、目に見えない水蒸気が手がかりだね」
水蒸気って何?
水蒸気とは、水が気体になったものです。
目には見えませんが、私たちの周りの空気にも含まれています。
結露はこうして起こる!
- 空気の中には、目に見えない水蒸気がある。
- その空気が、冷たいコップの表面に触れる。
- 表面付近で水蒸気が十分に冷やされると、液体の水に変わる。
- できた水が、小さな水滴となってコップの外側につく。
このように、水蒸気が冷やされて液体の水になる現象を「結露」といいます。
水滴の量は何によって変わる?
結露は、冷たいものがあれば必ず同じように起こるわけではありません。
- 表面の温度:コップの表面が十分に冷たくなると、結露が起こりやすくなります。
- 空気中の水蒸気の量:水蒸気が多い空気では、結露が起こりやすくなります。
恵子:「だから、同じ実験でも、日によって結果が違うことがあるんだね」
もこあい先生:「そうなの。水滴が見えなかったときも、何が違ったのか考えると、次の発見につながるわ」
理科のミニ辞書|今回の5つの言葉
- ① 水蒸気(すいじょうき)
- 水が気体になったもの。目には見えませんが、空気の中にも含まれています。
- ② 結露(けつろ)
- 気体の水蒸気が冷やされ、液体の水になること。冷たいコップの外側に水滴ができるのは、その一例です。
- ③ 蒸発(じょうはつ)
- 液体の水が、気体の水蒸気になること。水が沸騰していなくても起こります。
- ④ 湿度(しつど)
- 空気の湿り具合を表すもの。同じ気温なら、湿度が高いほど、一般に空気中に含まれる水蒸気の量も多くなります。
- ⑤ 密閉(みっぺい)
- ふたや袋の口をしっかり閉じて、中のものが外と出入りしにくい状態にすること。
ちょっと寄り道|白い湯気は本当に水蒸気なの?
健太:「先生! 水蒸気って、お茶やお風呂から出る白いモヤモヤのことですよね?」
もこあい先生:「実は、そこにも面白い違いがあるのよ」
理科でいう水蒸気は、目に見えない気体の水です。
一方、温かい飲み物の上などに見える白い湯気は、主に水蒸気が周りの空気で冷やされてできた、とても小さな液体の水滴の集まりです。
恵子:「目に見えない水蒸気が、冷えて水滴になるところは、結露と似ているね」
もこあい先生:「そうね。どちらも、水が気体から液体に変わる現象なのよ」
身近な場所にも結露はある!
恵子:「そういえば、結露って、コップ以外でも見たことがあるよ」
例えば、こんなところです。
① 冬の窓ガラス
寒い日に室内側の窓ガラスが冷たくなると、部屋の空気中の水蒸気がガラスの表面で水滴になることがあります。
② お風呂場の鏡
お風呂場には、水蒸気を多く含む空気があります。比較的冷たい鏡に水蒸気が触れて小さな水滴になると、鏡が曇って見えます。
③ 冷たいペットボトル
冷蔵庫から出したペットボトルの表面にも、水滴がつくことがあります。これも結露の一例です。
健太:「なんだ! 結露って、こんなに身近にあったんだ!」
もこあい先生:「そうね。いつもの景色にも、科学の手がかりが隠れているのよ」
工作に挑戦|水滴を受け止めるコースターを作ろう
水滴の謎が分かってきました。でも、机の水たまりは困りものです。
健太:「水滴ができる理由は分かったけど、机がぬれるのは困るなあ」
恵子:「それなら、水滴を受け止めるものを作ってみない?」
もこあい先生:「いい考えね。今度は学んだことを暮らしの工夫につなげてみましょう」
用意するもの
- 厚手のフェルト
- 紙と鉛筆
- はさみ
- 大きさの目安にするコップ
- トレー
作り方
- 紙にコップの底より少し大きな円や四角を描きます。
- 紙の形を目安に、フェルトを切ります。
- 完成したコースターをトレーの上に置きます。
- その上に冷たいコップを置き、落ちた水滴を受け止められるか観察します。
健太:「おお! 机に落ちる水が少なくなったみたい!」
恵子:「でも、コップの外側には、まだ水滴がついているね」
もこあい先生:「そこが大切よ。コースターは水滴を受け止める道具であって、結露そのものを止めるわけではないの」
追加研究|ほかの材料でも試してみよう
時間があれば、布やキッチンペーパーなどでも試してみましょう。
同じ量の水を落とし、どの材料が吸いやすいか比べてみると、新しい発見があるかもしれません。
※フェルトは種類や厚さによって水の吸いやすさが違います。水を通すこともあるため、最初はトレーの上で試し、使ったあとはよく乾かしましょう。はさみを使うときは、大人と一緒に作業してください。
事件のまとめ|青い水の密室事件、解決!
今回の事件で分かったことは、次のとおりです。
冷たいコップの外側につく水滴は、主に空気中の水蒸気が冷やされて液体の水になったものです。この現象を結露といいます。
そして、実験では、予想すること、条件を比べること、結果を確かめることが大切だと分かりました。
健太:「最初はコップの中の水が漏れたと思ったけど、空気の中に手がかりがあったんだね!」
恵子:「中の水に色をつけたり、袋で空気をさえぎったりして比べたから、理由が見えてきたんだと思う」
もこあい先生:「そうね。大切なのは、思いついた答えをすぐ正解にするのではなく、どうすれば確かめられるか考えることよ」
健太:「よーし! 次はどんな不思議を見つけようかな!」
恵子:「その前に、捜査記録を書き終えてね」
健太:「あっ、そうだった!」
こうして、青い水の密室事件は解決しました。
でも、身近な「どうして?」は、まだまだたくさんあります。
保存用|結露の謎・捜査記録シート
事件の内容を振り返りながら、自分の予想と実験で見つけた証拠を記録してみましょう。
印刷する場合は、ブラウザの印刷機能を使えます。Windowsの場合はCtrl+Pで印刷画面を開けます。
事件名:青い水の密室事件
調査した日:__年__月__日
その日の様子:
□ 暖かい □ 涼しい □ 寒い
□ 湿っている感じ □ 乾燥している感じ □ 分からない
1.最初の予想
コップの外側の水は、どこから来たと思う?
______________________
2.実験①の記録
| 調べたこと | 氷水の容器 | 室温の容器 |
|---|---|---|
| 外側に水滴があった? | ____ | ____ |
| 水滴は何色に見えた? | ____ | ____ |
| 気づいたこと | ____ | ____ |
3.実験②の記録
| 調べたこと | 袋なし | 袋あり |
|---|---|---|
| 容器そのものに水滴があった? | ____ | ____ |
| 気づいたこと | ____ | ____ |
袋の外側の様子:__________
4.私の推理
二つの実験から、コップの外側の水滴はどこから来たと考える?
______________________
5.予想と違ったところ
最初の予想と違ったことがあれば書いてみよう。
______________________
6.次に調べたいこと
新しく気になったことを書いてみよう。
______________________
※水滴が見えなかった場合も、そのまま結果を書いて大丈夫です。予想に合わせて結果を書き直す必要はありません。
保護者の方へ|安全に実験を楽しむために
この記事では、家庭にある道具を使って結露を観察します。次の点に注意してください。
- 実験は保護者などの大人と一緒に行ってください。
- 割れにくいプラスチック容器を使用してください。
- 実験用の色水は飲まないでください。
- 透明な袋を顔にかぶったり、口や鼻を覆ったりしないでください。小さな子どもの手の届くところに袋を放置しないでください。
- 氷水が床にこぼれたら、すぐに拭き取ってください。
- ぬれた手でコンセントや電気製品に触れないでください。
- 実験結果は、気温や湿度、道具の状態などで変わります。
- 期待した結果が出なかったときも、観察した事実を大切にしてください。
子どもの予想をすぐに正解・不正解で判断するのではなく、「どうしてそうなったのかな?」と一緒に考えてみてください。
参考資料
- American Chemical Society「Condensation Station」冷たい容器を袋で包む場合と包まない場合を比較する、結露の実験。
- American Chemical Society「Changing State—Condensation」水蒸気が液体の水になる仕組みと、温度・水蒸気量が結露に与える影響についての教育資料。
※本記事の実験は、家庭で実施しやすいように構成した学習活動です。結果は気温・湿度・道具の状態によって異なります。










