【数学シリーズ④】📈二次関数が苦手な人へ|平方完成は「翻訳」だった(頂点・最大最小まで)
多くの場合、途中で不安になり、確認のしかたが分からなくなるだけです。
この記事では、二次関数を
- 読める形に翻訳(平方完成)し
- 最大・最小を事故らず決め
- 最後に1分で止血(見直し)できる
ところまで、一本道で整理します。
長く見えても、迷子にならないように作っています。
※はじめに(クリックで開く)
この記事は「高校数学・二次関数の最初の入口」を、初学者向けにできるだけ丁寧にまとめたものです。
計算ミスや見落としは誰にでも起きます。記事内の表②(1分チェック)で、最後に必ず確認してください。
まず確認:どこで止まっていますか?
この章でできること:「自分が詰まりやすい地点」を先に特定できます。
- 平方完成の途中で「合ってるか不安」になる
- a≠1になると急に分からなくなる
- 最大・最小で「頂点だけ見て」ミスする(端点チェック忘れ)
ひとつでも当てはまれば大丈夫。
この記事は、そのために作っています。
二次関数は「計算」ではなく「翻訳」です
この章でできること:平方完成のゴール(読める形)と、頂点・軸を一撃で理解できます。
二次関数の目的はシンプルです。
式を、読める形に翻訳すること。
最終的に読みたい形は、これだけです。
y = a(x - p)^2 + q
- 頂点: (p, q)
- 軸: x = p(左右対称の線)
- a:上に開く/下に開く、広い/細い

(つながり)a・p・qはグラフに何をする?(最小だけ)
- a:符号で上/下、絶対値で広い/細い
- p:左右に移動(頂点のx)
- q:上下に移動(頂点のy)
※この続き(グラフの変化と見方)は、数学シリーズ⑤で扱います。
表①:よくあるミス地図(ここで止血できる)
この章でできること:「どの事故が起きやすいか」を先に知って、怖さを減らせます。
| 場面 | ミスの型 | 具体例(ありがち) | 原因 | 止血(最小手順) |
|---|---|---|---|---|
| 平方完成(a=1) | 足した分を戻し忘れ | (x^2+4x+4) にしたのに外で −4 しない | 「足す」と「戻す」がセットになっていない | 中で足したら外で引くを声に出す |
| 平方完成(a≠1) | くくる前に平方完成して崩壊 | 2x^2+4x をそのまま平方に寄せる | x^2の係数を無視 | まずx^2の係数をくくる |
| 平方完成(a≠1) | 戻す量の係数ミス | 2(x^2+2x+1) にしたのに −2 を忘れる | 外側の係数が戻し量にもかかる | 戻す量=外の係数×足した数 |
| 頂点の読み取り | 符号ミス(pの取り違え) | y=a(x−2)^2+q を頂点(−2,q)とする | (x−p)の形に慣れていない | 頂点は(p,q)(pはそのまま) |
| 最大・最小(範囲あり) | 端点チェック忘れ | 頂点だけ計算して終わる(頂点が範囲外) | 候補を拾う意識がない | 候補は頂点+端点 |
この表は「間違い探し」ではなく、ミスを早く止めるための地図です。
例題中に「あ、これかも」と思ったら、該当の止血だけやればOK。
平方完成①:a=1 の基本(まず安心)
この章でできること:平方完成の基本パターンを「翻訳」として実行できます。
例題1:
y = x^2 + 4x + 1
(色分け風)やることはこれだけです。
- 平方を作るために:真ん中の係数4の半分は2 → 2の平方は4
- 中で足したら:外で引いて戻す
y = x^2 + 4x + 1
= (x^2 + 4x + 4) - 4 + 1
= (x + 2)^2 - 3
ポイント:中で足した分(+4)は、必ず外で戻します(−4)。

(心理学ミニ)平方完成がつらいのは「頭が悪い」からではありません
平方完成がしんどい理由は、能力ではなく脳の作業台(ワーキングメモリ)の容量の問題です。
途中式では「符号」「足す」「戻す」など同時に持つ情報が増え、誰でも不安になります。
対策はシンプル。手順を固定して外に出すこと。
だからこの記事では、表①(ミス地図)と表②(1分チェック)で止血できるようにしています。
平方完成②:a≠1 のとき(ここが一番の壁)
この章でできること:a≠1でも崩れずに翻訳できます。
例題2:
y = 2x^2 + 4x + 1
最初に必ずやること: x^2 の係数をくくる
y = 2x^2 + 4x + 1
= 2(x^2 + 2x) + 1
ここからは、( )の中だけ見ます。
- 真ん中の係数2の半分は1 → 1の平方は1
- 中で +1 したら、外では −1(外に2があるので戻す量は 2×1 = 2)
y = 2(x^2 + 2x) + 1
= 2(x^2 + 2x + 1) - 2 + 1
= 2(x + 1)^2 - 1
(コラム)健太の失敗:足した分を戻し忘れる

健太:あれ?なんか答えが合わない…
もこあい先生:大丈夫。足した分を外で戻すのを忘れただけ。
(止血)「中で足したら、外で引く」をセットで。外に係数があるときは戻す量も増えるよ。
AIを使って練習する(本文を邪魔しない:detailsで2つだけ)
(AIプロンプト①)理解をやさしく確認したい
あなたは高校数学の先生です。二次関数の平方完成を「翻訳」として説明してください。
ゴールは y=a(x-p)^2+q を読めるようにすることです。
a=1 と a≠1 の違い、足して戻す理由、軸 x=p と頂点(p,q)を短く整理し、
最後にチェック項目を5つだけ提示してください。
※AIの説明は誤りを含むことがあります。最後に必ずこの記事の表②(1分チェック)で確認してください。
(AIプロンプト②)追加の練習問題を作りたい(テスト用)
二次関数の平方完成と最大・最小の練習問題を8問作ってください。
条件:
・平方完成(a=1)2問、(a≠1)2問
・最大最小(範囲ありで端点チェック必要)2問
・頂点と軸の読み取りだけ 2問
解答は折りたたみ形式で、最後に「表②の①〜⑤で確認する」導線を付けてください。
※AIの解答は間違うことがあります。必ず表②で自分で確認してください。
最大・最小は「候補を拾うだけ」です
この章でできること:最大・最小を「手順化」して事故を防げます。
最大・最小でやることは、基本これだけです。
- 頂点の値(翻訳して頂点(p,q))
- 範囲があれば端点の値も計算
- 候補を比べて決める
※範囲(たとえば「0≦x≦3」)は 定義域。そのときに出てくる y の範囲が 値域 です。
値域は「候補を代入して一番大きい/小さい」を拾えば決まります。
(最小チェック)ラフ図を1回だけ描くなら、ここだけ見ればOK
- ① 頂点は (p,q)
- ② 軸は x=p
- ③ aの符号で上/下
- ④ 範囲(定義域)があるなら、頂点が範囲内か確認
ラフ図は芸術じゃありません。「候補がどれか」を確かめるための補助です。

例題3:最大・最小(範囲あり/頂点が範囲外→端点チェック必須)
この章でできること:「頂点+端点」で必ず決められます(頂点が範囲外なら端点だけ)。
問題:次の関数 y = (x - 3)^2 + 1 について、0≦x≦2 の範囲での最小値と最大値を求めよ。
手順は固定:①頂点 → ②頂点が範囲内? → ③候補を代入 → ④比較
① 翻訳(すでに頂点形)→ 頂点と軸
この式はすでに y=a(x-p)^2+q の形です。
a=1, p=3, q=1 なので、
- 頂点:(3, 1)
- 軸:x=3
- a=1 なので上に開く(最小が出やすい)
② 頂点は範囲内か?(ここが事故ポイント)
今回の範囲は 0≦x≦2。
頂点のx座標は x=3 なので、範囲外です。
結論:頂点が範囲外なら、最大・最小は端点で決まります。
③ 候補(端点)を代入
候補は端点の2つだけ:x=0 と x=2
x=0 のとき
y = (0 - 3)^2 + 1
= 9 + 1
= 10
x=2 のとき
y = (2 - 3)^2 + 1
= 1 + 1
= 2
④ 比べて決める
- 最小値:2(x=2 のとき)
- 最大値:10(x=0 のとき)
(よくあるミス)頂点だけ見て「最小値は1」としてしまう
頂点は (3,1) なので「最小値は1」と言いたくなります。
でも、範囲は 0≦x≦2。x=3 は使えません。
だから、今回の最小値は 2 になります。
表②:1分チェック(ミスを止血する)
この章でできること:どんな問題でも「不安」を手順に戻せます。
| チェック | 見るところ | よくある事故 |
|---|---|---|
| ① aの符号 | 上に開く/下に開く | 最大・最小の方向を取り違える |
| ② 頂点(p,q) | y=a(x-p)^2+q に翻訳できたか | pの符号ミス/翻訳未完了 |
| ③ 範囲(定義域) | 0≦x≦3 など条件の有無 | 範囲を見落とす |
| ④ 頂点は範囲内? | x=p が範囲に入るか | 頂点が範囲外なのに頂点だけで決める |
| ⑤ 候補漏れ | 候補(頂点/端点)を全部代入 | 端点代入し忘れ/比較し忘れ |
まとめ:肝心な所はこれだけ
- 平方完成は翻訳:
y=a(x-p)^2+qに直す - 頂点は(p,q)、軸はx=p
- 最大・最小は候補拾い:頂点+端点(範囲外なら端点)
- 不安になったら表②(1分チェック)で止血
(今やること)表②の①〜⑤を、今の例題3で1回だけなぞってから終わり。
※この続き(グラフの変化と見方)は、数学シリーズ⑤で扱います。
今回は、翻訳(平方完成)と止血(表②)ができれば十分です。
不安になったら戻れる(数学の土台)
(おまけ)中学の文字式が不安な人へ
もこあい先生より:
「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

