〖数学シリーズ⑦〗二次関数の最大・最小がわからない人へ|文字を含む範囲と場合分けの考え方
二次関数の最大・最小は、数字だけの範囲なら何とか解ける。
でも、0≦x≦a のように文字を含む範囲が出てきた瞬間に、急に手が止まることがあります。
「なぜ a=1 で分けるの?」
「頂点を見るの? 端点を見るの?」
「最大値と最小値で、考え方は同じなの?」
このあたりで迷うのは、数学が苦手だからとは限りません。
多くの場合、頂点・端点・範囲・場合分けの関係が、まだ一つにつながっていないだけです。
この記事では、文字を含む範囲で二次関数の最大値・最小値を考えるときに、
どこを見て、なぜ場合分けするのかを整理していきます。

この記事のゴール
- 文字を含む範囲で、何が難しくなるのか分かる
- 頂点が範囲に入るかどうかを判断できる
- なぜ a=1 のような境目で場合分けするのか分かる
- 最大値と最小値で見る場所の違いを整理できる
- 分からなくなったときに、どこへ戻ればいいか分かる
この記事の攻略マップ
- まず、最大値・最小値は「頂点」と「端点」で考えることを復習します。
- 次に、0≦x≦a のような文字を含む範囲で、何が難しくなるのかを見ます。
- そのあと、なぜ a=1 で場合分けするのかを整理します。
- 例題で、最小値と最大値の見方の違いを確認します。
- 最後に、よくあるミス・戻り方・今日できる最小行動までまとめます。
✅ クリックして開く:この記事を読む前の注意
この記事では、高校数学の二次関数について、できるだけ分かりやすく整理しています。
ただし、学校や問題集によって記号の書き方、説明の順番、扱う難易度が異なる場合があります。
また、AIに質問して学習する場合、説明や計算に誤りが混ざることがあります。
出てきた答えは、必ず自分でも代入・比較・グラフの位置関係で確認してください。
- この記事が難しく感じたら|先に確認したい記事
- 数学シリーズ⑥と⑦の違い|固定された範囲から文字を含む範囲へ
- まず復習|最大値・最小値は「頂点」と「端点」で考える
- 文字を含む範囲とは?|0≦x≦a が難しく感じる理由
- 基本例題|この1問で考え方をつかもう
- なぜ a=1 で場合分けするのか?
- 例題1|頂点が範囲に入るかで最小値を考える
- 例題2|最大値は端点どうしを比べて考える
- 分かったつもりチェック|本当に見る場所を区別できている?
- よくあるミス|場合分けで止まりやすいポイント
- 分からなくなったときの戻り方
- スクショ保存用|二次関数の最大・最小 場合分けチェック表
- AIに聞くときのプロンプト例|答えではなく考え方を確認しよう
- 今日できる最小行動|まず1問で「頂点が入るか」だけ確認しよう
- まとめ|場合分けは、頂点・端点・範囲を整理するためにある
- あわせて読みたい
- 訂正と追記
- 参考文献・出典
この記事が難しく感じたら|先に確認したい記事
この記事では、二次関数の最大・最小の中でも、文字を含む範囲と場合分けを扱います。
もし途中で「今どこを見ればいいの?」と感じたら、下の記事から確認すると進みやすくなります。
先に確認すると分かりやすい記事
| 不安なところ | 先に読むとよい記事 | 確認すること |
|---|---|---|
| 平方完成して頂点の形にするのが不安 | 数学シリーズ④|二次関数が苦手な人へ | 二次関数を頂点が読める形に直す流れ |
| 頂点・軸・グラフの動きが不安 | 数学シリーズ⑤|二次関数のグラフがわからない人へ | 頂点のx座標、軸、上に開く/下に開くの見方 |
| xの範囲からyの範囲を読む基本が不安 | 数学シリーズ⑥|二次関数の変域がわからない人へ | 端点と頂点を見て、変域を決める考え方 |
| 数字の範囲は分かるが、文字入りで止まる | この記事 | 頂点が範囲に入るかで場合分けする考え方 |
ポイント:この記事が難しいと感じても、数学が苦手だからとは限りません。
前提のどこかが少し抜けているだけなら、戻って確認すれば進みやすくなります。
数学シリーズ⑥と⑦の違い|固定された範囲から文字を含む範囲へ
前回の数学シリーズ⑥では、-1≦x≦3 のように、数字で決まった範囲を使って変域を考えました。
今回の数学シリーズ⑦では、0≦x≦a のように、範囲の中に文字が入る問題へ進みます。
| 項目 | 数学シリーズ⑥ | 数学シリーズ⑦ |
|---|---|---|
| 扱う範囲 | -1≦x≦3 のような数字で決まった範囲 | 0≦x≦a のような文字を含む範囲 |
| 主な目的 | xの範囲からyの範囲を読む | 最大値・最小値を場合分けして考える |
| 見る場所 | 頂点と端点 | 頂点が範囲に入るか、端点の値がどう変わるか |
| 難しくなる理由 | 範囲が数字で決まっている | aの値によって、見るべき場所が変わる |
| この記事で目指すこと | 変域の基本を読む | 場合分けの意味を理解する |

まず復習|最大値・最小値は「頂点」と「端点」で考える
二次関数の最大値・最小値を考えるとき、最初に見るのは大きく分けてこの2つです。
- 頂点:グラフの一番低い場所、または一番高い場所になりやすい点
- 端点:指定されたxの範囲の左端と右端
たとえば、上に開く二次関数では、頂点が一番低い場所になります。
そのため、最小値を考えるときは、まず頂点が範囲に入っているかを確認します。
一方で、上に開くグラフの最大値は、頂点ではなく範囲の端で決まることが多くなります。
だから、最大値では左右の端点のyの値を比べる必要があります。
| グラフの形 | 最小値で大事なこと | 最大値で大事なこと |
|---|---|---|
| 上に開く二次関数 | 頂点が範囲に入るかを見る | 左右の端点のどちらが高いかを見る |
| 下に開く二次関数 | 左右の端点のどちらが低いかを見る | 頂点が範囲に入るかを見る |
もこあい先生のひとこと
最大値・最小値は、いきなり答えを出そうとしなくて大丈夫です。
まずは、頂点を見るのか、端点を見るのかを整理しましょう。
文字を含む範囲とは?|0≦x≦a が難しく感じる理由
ここから、今回の中心になる 0≦x≦a を見ていきます。
数字だけの範囲なら、たとえば 0≦x≦3 のように、左端も右端もはっきりしています。
でも、0≦x≦a では、右端が a になっています。
つまり、aの値によって、xが動ける範囲そのものが変わります。
- a=0.5 なら、範囲は 0≦x≦0.5
- a=1 なら、範囲は 0≦x≦1
- a=3 なら、範囲は 0≦x≦3
このように、aの値によって範囲が変わるため、頂点が範囲に入るときと入らないときが出てきます。
だから、場合分けが必要になるのです。
ここで大事なこと
aがあるから場合分けするのではありません。
aの値によって、頂点や端点の位置関係が変わるから場合分けするのです。
基本例題|この1問で考え方をつかもう
この記事では、例題を増やしすぎず、次の1問を深く見ていきます。
基本例題
関数 y=(x-1)2+2 について、
0≦x≦a、a>0 のときの最小値と最大値を考えます。
この関数は、頂点の形になっています。
- 頂点:(1, 2)
- 軸:x=1
- グラフの向き:上に開く
つまり、今回の問題では、頂点のx座標である x=1 がとても大事になります。
なぜ a=1 で場合分けするのか?
今回の関数 y=(x-1)2+2 の頂点は、x=1 にあります。
一方、xの範囲は 0≦x≦a です。
つまり、左端は 0 で固定されていますが、右端は a によって動きます。
ここで大事なのは、頂点 x=1 が、0≦x≦a の中に入るかどうかです。
- 0<a<1 のとき、範囲は 0 から a までなので、x=1 は入りません。
- a≧1 のとき、範囲は 0 から a までなので、x=1 が入ります。
つまり、a=1 は暗記する境目ではありません。
頂点が範囲に入るかどうかが切り替わる境目です。

悪もこあい先生のツッコミ
「aがあるから何となく場合分け」では弱いです。
何が変わるから分けるのかまで言えないと、次の問題で迷います。
例題1|頂点が範囲に入るかで最小値を考える
まず、最小値から考えます。
関数 y=(x-1)2+2 は上に開くグラフです。
上に開くグラフでは、頂点が一番低い場所になります。
ただし、頂点が一番低い場所だとしても、その頂点が指定されたxの範囲に入っていなければ、その値は使えません。
だから、最小値を考えるときは、まず頂点 x=1 が 0≦x≦a に入るかを確認します。
| aの範囲 | xの範囲 | 頂点 x=1 は入る? | 最小値 |
|---|---|---|---|
| 0<a<1 | 0≦x≦a | 入らない | x=a のとき、(a-1)2+2 |
| a≧1 | 0≦x≦a | 入る | x=1 のとき、2 |
したがって、最小値は次のように整理できます。
最小値
- 0<a<1 のとき:最小値は (a-1)2+2
- a≧1 のとき:最小値は 2
ここで大切なのは、式を暗記することではありません。
頂点が範囲に入るかどうかで、最小値の出る場所が変わると分かることです。
例題2|最大値は端点どうしを比べて考える
次に、同じ関数で最大値を考えます。
関数 y=(x-1)2+2 は上に開くグラフです。
上に開くグラフでは、頂点は一番低い場所です。
つまり、最大値を考えるときは、頂点だけ見ても決まりません。
最大値は、指定された範囲の端点で起こりやすくなります。
今回の範囲は 0≦x≦a なので、端点は次の2つです。
- 左端:x=0
- 右端:x=a
それぞれ代入して、yの値を比べます。
| 端点 | yの値 | 見ること |
|---|---|---|
| x=0 | 3 | 左端の高さ |
| x=a | (a-1)2+2 | 右端の高さ |
ここで、左端の値 3 と、右端の値 (a-1)2+2 を比べます。
右端の値が 3 以上になるのは、次のときです。
(a-1)2+2 ≧ 3
(a-1)2 ≧ 1
a>0 の条件では、ここから最大値の境目として a=2 が出てきます。
- 0<a<2 のとき:右端より左端の方が高いので、最大値は 3
- a=2 のとき:左右の端点の値が同じで、最大値は 3
- a>2 のとき:右端の方が高いので、最大値は (a-1)2+2
最大値
- 0<a≦2 のとき:最大値は 3
- a>2 のとき:最大値は (a-1)2+2
ここで、「最小値では a=1 が出たのに、最大値では a=2 が出るの?」と感じた人もいるかもしれません。
これは自然な疑問です。
最小値では、頂点 x=1 が範囲に入るかを見ました。
だから境目は a=1 でした。
一方、最大値では、端点 x=0 と x=a のどちらが高いかを比べました。
だから、右端の高さが左端の高さに追いつく a=2 が境目になりました。
| 求めるもの | 何を比べる? | 境目 |
|---|---|---|
| 最小値 | 頂点 x=1 が範囲に入るか | a=1 |
| 最大値 | 端点 x=0 と x=a のyの値 | a=2 |

分かったつもりチェック|本当に見る場所を区別できている?
ここまで読んで、「何となく分かった」と感じた人もいると思います。
でも、この単元では分かったつもりのまま進むと、次の問題で止まりやすくなります。
分かったつもりチェック
- 頂点のx座標を確認しましたか?
- その頂点が、xの範囲に入るかを見ましたか?
- 最小値と最大値で、見る場所が違うことを意識しましたか?
- 場合分けの境目が、何を比べて決まるのか説明できますか?
- 「aがあるから場合分け」ではなく、「何が変わるから場合分け」と考えられていますか?
ここで1つでも引っかかったら、もう一度その場所に戻って大丈夫です。
数学は、先に進むことよりも、どこで迷ったかを見つけることが大切な場面があります。
よくあるミス|場合分けで止まりやすいポイント
文字を含む範囲の最大・最小では、似たようなミスがよく起こります。
先にミスを知っておくと、自分で止めやすくなります。
| よくあるミス | なぜ危ない? | 直し方 |
|---|---|---|
| aがあるから何となく場合分けする | 境目の意味が分からないまま進んでしまう | 頂点や端点の位置関係が変わる場所を探す |
| a=1を暗記しようとする | 問題が変わると使えなくなる | 頂点 x=1 が範囲に入るかで判断する |
| 最大値も最小値も頂点だけ見てしまう | 上に開くグラフでは最大値は端点で決まりやすい | 最大値は左右の端点のyの値を比べる |
| 端点の値を代入しない | どちらが大きいか判断できない | x=0 と x=a を代入して比べる |
| 頂点が範囲外なのに、頂点のy座標を答えにする | xがそこまで動けないなら、その値は今回の範囲に入らない | 頂点が範囲に入るかを先に確認する |
恵子のメモ帳
場合分けの境目は、急に出てくるものではありません。
頂点が入るか、または端点の高さが入れ替わるかを見ているだけです。
分からなくなったときの戻り方
二次関数の最大・最小で混乱したときは、最初から全部やり直そうとしなくて大丈夫です。
見る順番を決めて、そこに戻りましょう。
分からなくなったときの戻り方
- まず、頂点のx座標を確認する。
- 次に、xの範囲の左端と右端を見る。
- 頂点がその範囲に入るかだけ確認する。
- 最大値を聞かれているのか、最小値を聞かれているのか確認する。
- 最小値なら頂点を中心に、最大値なら端点を中心に見る。
- それでも不安なら、数学シリーズ⑥に戻って「端点と頂点」の基本を確認する。
特に大事なのは、3番目です。
頂点が範囲に入るかを見られるだけでも、かなり前進しています。
スクショ保存用|二次関数の最大・最小 場合分けチェック表
最後に、今回の内容をスクショで見返しやすい形にまとめます。
問題を解くときは、いきなり場合分けを書こうとせず、この順番で確認してみてください。
二次関数の最大・最小 場合分けチェック
- 関数は上に開く? 下に開く?
- 頂点のx座標はどこ?
- xの範囲の左端と右端はどこ?
- 頂点はその範囲に入る? 入らない?
- 最小値を聞かれている? 最大値を聞かれている?
- 端点のyの値を代入して比べた?
- 場合分けの境目は、何を比べて決まった?

AIに聞くときのプロンプト例|答えではなく考え方を確認しよう
AIを使うときは、答えだけを聞くよりも、どこを見ればよいかを確認する使い方がおすすめです。
特に数学では、AIの計算や説明が間違うこともあります。
出てきた答えは、必ず自分でも代入して確認しましょう。
✅ クリックして開く:考え方を確認するプロンプト
あなたは高校数学の先生です。
二次関数 y=(x-1)^2+2 について、
0≦x≦a、a>0 のときの最大値・最小値を考える流れを説明してください。
条件:
・答えだけでなく、どこを見ればよいかを説明する
・頂点が範囲に入るかどうかを重視する
・最大値と最小値で見る場所の違いを説明する
・最後に「自分で確認するチェック項目」を5つ出す
✅ クリックして開く:自分の解き方を点検してもらうプロンプト
次の問題について、自分の解き方が正しいか確認してください。
問題:
y=(x-1)^2+2、0≦x≦a、a>0 のときの最大値・最小値を求める。
お願い:
・計算結果だけでなく、場合分けの境目が何を比べて出ているかを確認してください。
・間違いがあれば、どこで考え方がずれたかを説明してください。
・最後に、次に同じタイプの問題を解くときの確認手順を短くまとめてください。
AIを使うときの注意
AIの説明は便利ですが、必ず正しいとは限りません。
特に、文字を含む場合分けでは、条件の見落としや境目の扱いがずれることがあります。
最後は、自分で頂点・端点・範囲に戻って確認しましょう。
今日できる最小行動|まず1問で「頂点が入るか」だけ確認しよう
ここまで読んで、少し難しく感じた人もいるかもしれません。
でも、今日すべてを完璧にする必要はありません。
今日できる最小行動
今日やることは、1問だけで大丈夫です。
- 問題文の二次関数から、頂点のx座標に丸をつける。
- xの範囲の左端と右端に線を引く。
- 頂点がその範囲に入るかだけ確認する。
最大値・最小値を最後まで出せなくても、まずは頂点が範囲に入るかを見るところまでできれば前進です。
数学は、「全部できたか」だけで判断しなくて大丈夫です。
今日は、頂点が範囲に入るかを確認できただけでも、次につながります。
まとめ|場合分けは、頂点・端点・範囲を整理するためにある
今回の記事では、二次関数の最大・最小で、文字を含む範囲と場合分けを考えました。
大事なのは、場合分けを暗記しようとしないことです。
- 最小値では、頂点が範囲に入るかを見る
- 最大値では、端点どうしのyの値を比べる
- 場合分けの境目は、何を比べているかで決まる
- a=1 は、頂点 x=1 が範囲に入るかどうかの境目
- a=2 は、端点 x=0 と x=a の高さが入れ替わる境目
つまり、場合分けは急に難しいことをしているのではありません。
頂点・端点・範囲の位置関係を、aの値ごとに整理しているだけです。
もこあい先生より
場合分けで迷ったら、答えを急がなくて大丈夫です。
まず、頂点はどこか。範囲はどこからどこまでか。
その2つを見直すだけで、次の一歩が見えてきます。
さらに複雑な条件付き問題や、入試応用レベルの最大・最小は、次の数学シリーズで扱う予定です。
まずはこの記事で、文字を含む範囲と場合分けの入口を整理しておきましょう。
あわせて読みたい
数学シリーズ⑥|二次関数の変域がわからない人へ
端点と頂点を見て、xの範囲からyの範囲を読む基本を確認できます。
数学シリーズ⑤|二次関数のグラフがわからない人へ
y=a(x-p)2+q の形から、頂点・軸・向き・広がり方を読む練習ができます。
数学シリーズ④|二次関数が苦手な人へ
平方完成から頂点の形へ直す流れが不安な人におすすめです。
訂正と追記
この記事では、二次関数の最大・最小と文字を含む範囲について、できるだけ分かりやすく整理しています。
ただし、数学の説明では、条件の書き方や場合分けの整理方法によって、表現が異なる場合があります。
誤りや分かりにくい表現に気づいた場合は、内容を確認したうえで訂正・追記します。
参考文献・出典
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』
文部科学省 高等学校学習指導要領解説
(参照日:2026年5月4日) - 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編 PDF』
高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編
(参照日:2026年5月4日)
もこあい先生より:「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

