二次関数で「変域」が出てくると、急に手が止まることがあります。

式は分かる。グラフもなんとなく見える。けれど、

  • xの範囲をどう使えばいいのか分からない
  • yの範囲をどうやって決めるのか分からない
  • 頂点を見るのか、端点を見るのか迷う
  • 不等号で答えるときに向きが不安になる

そんな人は、変域を「計算だけの問題」と考えすぎているかもしれません。

二次関数の変域は、xが動ける範囲を見て、その中でyがどこからどこまで動くかを読む問題です。

この記事では、二次関数の変域を、xの範囲 → 頂点 → 端点 → yの範囲の順番で整理していきます。

この記事のゴール

  • 変域で出てくる言葉を整理できる
  • xの範囲とyの範囲を分けて考えられる
  • 頂点が範囲内にあるか確認できる
  • 端点と頂点のyの値を比べられる
  • yの範囲を不等号で書ける

この記事で扱うこと

  • xの範囲から、yの範囲を読む基本
  • 頂点が範囲内にある場合・範囲外にある場合
  • 上に開く場合・下に開く場合
  • 端点と頂点のyの値を比べる考え方

この記事では深く扱わないこと

  • 文字を含む範囲の変域
  • 場合分けが必要な最大・最小
  • 入試応用レベルの変域問題

これらは、次の数学シリーズ⑦で扱う予定です。

✅ クリックして開く:この記事の使い方

この記事は、二次関数の変域をはじめて整理したい人向けです。

すでに平方完成や頂点の読み取りが不安な人は、先に数学シリーズ④・⑤を確認すると進みやすくなります。

この記事では、難しい応用問題よりも、「変域の基本の読み方」に集中します。

二次関数の変域問題を前に、xの範囲とyの範囲で混乱している健太の様子を描いた挿絵で、二次関数 変域のつまずき理解を助ける

二次関数の変域とは?まずxの範囲とyの範囲を分けよう

まず大事なのは、xの範囲yの範囲を混ぜないことです。

たとえば、次のような問題を考えます。

二次関数 y = (x – 1)2 + 2 について、-1 ≦ x ≦ 3 のときの y の範囲を求めなさい。

このとき、-1 ≦ x ≦ 3 は、xが動ける範囲です。

でも、聞かれているのは「そのとき y はどこからどこまで動くのか」です。

つまり、変域の問題では、次のように考えます。

変域の見方

xが動ける範囲を見る

その範囲の中でグラフがどこまで上下するかを見る

yの範囲を書く

式だけを見つめるより、グラフの上をxが動いていくイメージを持つと、かなり分かりやすくなります。

xの範囲とyの範囲を分けて示した図で、二次関数 変域の基本の理解を助ける

ミニ辞書|変域でよく出る言葉を先に確認しよう

二次関数の変域では、言葉が混ざると一気に分かりにくくなります。まずは、よく出る言葉を短く確認しておきましょう。

用語 意味
変域 変数が動ける範囲のこと。この記事では、xの範囲とyの範囲を分けて考えます。
xの範囲 xがどこからどこまで動けるかを示したもの。
yの範囲 xが動いたとき、yがどこからどこまで動くかを示したもの。
頂点 二次関数のグラフで折り返す中心の点。
グラフの左右の対称の中心になる直線。頂点を通ります。
端点 xの範囲のはしっこ。たとえば 0≦x≦3 なら、x=0 と x=3。
最大値・最小値 その範囲の中で、yがいちばん大きい値・小さい値。

※高校数学では、xの範囲を「定義域」、yの範囲を「値域」と呼ぶこともあります。この記事では分かりやすさを優先して、「xの範囲」「yの範囲」と書きます。

もこあい先生のポイント

変域で迷ったら、まず「xの範囲」と「yの範囲」を分けて考えましょう。xが動ける場所を見てから、その中でyがどこまで上下するかを読みます。

変域で大事なのは「端点」と「頂点」

二次関数の変域で見る場所は、基本的に端点頂点です。

なぜなら、二次関数のグラフは、頂点で折り返すからです。

上に開くグラフなら、頂点がいちばん低い場所になります。下に開くグラフなら、頂点がいちばん高い場所になります。

ただし、頂点がいつもxの範囲の中にあるとは限りません。

だから、次の順番で確認します。

変域を見る順番

  1. xの範囲を確認する
  2. 頂点のx座標が、その範囲に入っているか見る
  3. 端点のyの値を計算する
  4. 必要なら頂点のyの値も見る
  5. いちばん小さいyと、いちばん大きいyを不等号で書く

変域は、端点だけでも、頂点だけでも決まりません。

大切なのは、xの範囲の中で、グラフのどの部分を通るのかを見ることです。

放物線のグラフ上で端点と頂点を示した図で、二次関数 変域ではどこを見るべきかの理解を助ける

手順1|xの範囲を確認する

変域の問題で最初に見るのは、式ではなくxの範囲です。

たとえば、

-1 ≦ x ≦ 3

と書かれていたら、xは -1 から 3 まで動けるという意味です。

グラフで考えるなら、x軸の -1 から 3 までの部分だけを見るイメージです。

ここを見ないまま式だけ計算すると、「どこまでグラフを見ればいいのか」が分からなくなります。

手順2|頂点が範囲の中にあるか見る

次に、頂点がxの範囲の中に入っているかを見ます。

たとえば、

y = (x – 1)2 + 2

なら、頂点は (1, 2) です。

xの範囲が -1 ≦ x ≦ 3 なら、頂点のx座標である x = 1 は範囲の中に入っています。

確認

-1 ≦ 1 ≦ 3 なので、頂点は範囲内にあります。

頂点が範囲内にあるときは、頂点のyの値が最大値または最小値の候補になります。

手順3|端点と頂点のyの値を比べる

頂点が範囲内にあるか確認したら、次はyの値を比べます。

見る候補は、基本的に次の場所です。

  • 左の端点
  • 右の端点
  • 範囲内にある頂点

この候補の中で、yがいちばん小さいところと、いちばん大きいところを探します。

見るところ 確認すること
xの範囲 どこからどこまで動けるか
頂点 その範囲の中に入っているか
端点 範囲の両端のyの値はいくつか
aの符号 上に開くか、下に開くか
yの範囲 最小値から最大値までを不等号で書く

例題1|頂点が範囲内にある場合

例題1

二次関数 y = (x – 1)2 + 2 について、-1 ≦ x ≦ 3 のときの y の範囲を求めなさい。

まず、頂点を確認します。

y = (x – 1)2 + 2 なので、頂点は (1, 2) です。

xの範囲は -1 ≦ x ≦ 3 なので、頂点のx座標 1 は範囲の中にあります。

頂点の確認

-1 ≦ 1 ≦ 3
だから、頂点は範囲内。

上に開くグラフなので、頂点がいちばん低い場所です。

つまり、最小値は頂点のy座標である 2 です。

次に、端点のyの値を計算します。

x = -1 のとき

y = (-1 – 1)2 + 2
= (-2)2 + 2
= 4 + 2
= 6

x = 3 のとき

y = (3 – 1)2 + 2
= 22 + 2
= 4 + 2
= 6

最小値は 2、最大値は 6 です。

したがって、yの範囲は、

2 ≦ y ≦ 6

となります。

頂点がxの範囲内にある二次関数のグラフを示した挿絵で、二次関数 変域の基本パターン理解を助ける

例題2|頂点が範囲外にある場合

例題2

二次関数 y = (x – 3)2 + 1 について、-1 ≦ x ≦ 1 のときの y の範囲を求めなさい。

まず、頂点を確認します。

y = (x – 3)2 + 1 なので、頂点は (3, 1) です。

でも、xの範囲は -1 ≦ x ≦ 1 です。

頂点のx座標 3 は、この範囲の中にありません。

頂点の確認

-1 ≦ x ≦ 1 の中に、x = 3 は入っていません。
だから、頂点は範囲外です。

この場合、範囲の中では端点を見てyの値を比べます。

x = -1 のとき

y = (-1 – 3)2 + 1
= (-4)2 + 1
= 16 + 1
= 17

x = 1 のとき

y = (1 – 3)2 + 1
= (-2)2 + 1
= 4 + 1
= 5

この範囲では、yは 5 から 17 まで動きます。

5 ≦ y ≦ 17

ここで大事なのは、頂点が範囲外なら、頂点のy座標をそのまま答えに入れないことです。

頂点はグラフ全体では大事ですが、xがそこまで動けないなら、今回の範囲には関係しません。

頂点がxの範囲外にある二次関数のグラフを示した挿絵で、二次関数 変域で頂点をそのまま使わない考え方の理解を助ける

例題3|下に開くグラフの場合

例題3

二次関数 y = -(x – 1)2 + 4 について、0 ≦ x ≦ 3 のときの y の範囲を求めなさい。

今度は、前にマイナスがついています。

y = -(x – 1)2 + 4 なので、グラフは下に開きます。

頂点は (1, 4) です。

xの範囲は 0 ≦ x ≦ 3 なので、頂点のx座標 1 は範囲の中にあります。

頂点の確認

0 ≦ 1 ≦ 3
だから、頂点は範囲内。

下に開くグラフでは、頂点がいちばん高い場所になります。

つまり、最大値は頂点のy座標である 4 です。

次に、端点のyの値を計算します。

x = 0 のとき

y = -(0 – 1)2 + 4
= -1 + 4
= 3

x = 3 のとき

y = -(3 – 1)2 + 4
= -4 + 4
= 0

最小値は 0、最大値は 4 です。

したがって、yの範囲は、

0 ≦ y ≦ 4

下に開くと、頂点が「最大値」になります。上に開く場合と逆になるので、ここは注意しましょう。

下に開く二次関数のグラフで頂点が最大値になる様子を示した挿絵で、二次関数 変域の理解を助ける

よくあるミス|端点だけ見てしまう

変域で多いミスは、端点だけ代入して終わってしまうことです。

たしかに、端点は大事です。

でも、頂点がxの範囲の中にある場合、yの最大値や最小値は頂点で起こることがあります。

たとえば例題1では、端点だけを見ると、どちらも y = 6 です。

でも、頂点では y = 2 になります。

だから、yの範囲は y = 6 だけではなく、

2 ≦ y ≦ 6

になります。

悪もこあい先生:
「端点だけ見て安心するな。二次関数は途中で折り返すんだよ。頂点を見ないと、変域は平気で外すぞ。」

端点だけを見て頂点を見落とす二次関数 変域のよくあるミスを示した図で、誤答防止の理解を助ける

スクショ保存用|二次関数の変域チェック表

変域の問題を解いたあと、最後にこの順番で確認しましょう。

二次関数の変域チェック

  1. xの範囲:どこからどこまで動ける?
  2. 頂点:頂点のx座標は範囲内?範囲外?
  3. aの符号:上に開く?下に開く?
  4. 端点:左端と右端のyの値を出した?
  5. 比較:頂点と端点のyの値を比べた?
  6. 答え:小さいyから大きいyへ、不等号で書いた?

特に大事なのは、頂点が範囲内にあるかです。

ここを見落とすと、yの範囲が大きくずれやすくなります。

二次関数 変域の確認手順を1枚にまとめたチェックシートで、テスト前の見直し理解を助ける

AIに聞くときのプロンプト例

二次関数の変域で迷ったときは、AIに「答えだけ」を聞くより、考える順番を確認するのがおすすめです。

コピペOKプロンプト

次の二次関数について、xの範囲からyの範囲を求める手順を教えてください。

式:
y = (ここに式を書く)

xの範囲:
(ここにxの範囲を書く)

条件:
・答えだけでなく、見る順番を説明してください
・頂点が範囲内にあるか確認してください
・端点のyの値も計算してください
・最後に、なぜそのyの範囲になるのかを中学生〜高校生向けに説明してください

AIの説明は便利ですが、計算ミスや条件の読み違いが混ざることもあります。出てきた答えは、必ず自分でも代入して確認しましょう。

次に読むなら|二次関数を順番につなげよう

変域は、平方完成・頂点・グラフの動きとつながっています。分からない場所に合わせて、次の記事へ進んでみてください。

今の状態 次に読む記事 読む目的
平方完成や頂点の読み取りが不安
【数学シリーズ④】二次関数が苦手な人へ|平方完成・頂点・最大最小をやさしく整理
二次関数を「読める形」に直す
a・p・q の動きが分からない
【数学シリーズ⑤】二次関数のグラフがわからない人へ|a・p・q は何を動かしている?
頂点の形からグラフの動きを読む
文字を含む範囲や場合分けまで進みたい 数学シリーズ⑦(作成予定) 変域・最大最小の応用や場合分けを練習する

まとめ|変域は「xの動き」から「yの高さ」を読む問題

二次関数の変域は、式だけをにらむ問題ではありません。

大切なのは、xがどこからどこまで動けるかを見て、その中でyがどこからどこまで動くかを読むことです。

そのために見る場所は、基本的に端点と頂点です。

  • xの範囲を見る
  • 頂点が範囲内か確認する
  • 端点のyの値を計算する
  • 必要なら頂点のyの値も比べる
  • 小さいyから大きいyへ不等号で書く

変域で迷ったときは、いきなり答えを出そうとせず、まずグラフのどこを見ているのかを確認しましょう。

端点だけでも、頂点だけでもなく、xの範囲の中でグラフがどう動くかを見る。

それが、二次関数の変域を読むコツです。

もこあい先生より:
「今日の“なんで?”を大切にしよう。正解より、考えた道のりが宝もの。」

訂正と追記

この記事では、高校数学Ⅰの二次関数について、変域の基本的な読み方をできるだけ分かりやすく整理しています。

ただし、計算例・符号・条件の読み取りには、説明の不足や誤りが残る可能性があります。学校で使う場合は、教科書・授業ノート・先生の解法もあわせて確認してください。

記事内容に誤りや分かりにくい点が見つかった場合は、必要に応じて追記・修正します。

参考文献・出典(クリックして開く)

※この記事は、高校数学Ⅰの二次関数を学ぶ読者向けに、変域・頂点・端点・最大最小の考え方を分かりやすく整理したものです。説明には筆者独自のたとえや整理を含みます。学校で学ぶ際は、教科書・授業ノート・先生の解法もあわせて確認してください。

  1. 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)』数学Ⅰ
  2. 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』
  3. 使用中の高等学校数学Ⅰ教科書・授業ノート・学校配布プリント