中学生の国語で「どういうことですか」が苦手な人へ|本文の内容を言い換える5ステップ
国語の問題で、
「『これはどういうことですか』って聞かれても、何を書けばいいの?」
と止まってしまうことはありませんか。
本文は読めている。
傍線部がどこなのかも分かっている。
それなのに、
「どういうこと?」と聞かれると、急に答え方が分からなくなる。
そんな問題です。
健太:
「書いてある言葉を、そのまま写せばいいのかな……?」
そこへ悪もこあい先生がやってきます。
悪もこあい先生:
「難しい言葉を、適当にやさしい言葉に変えればいいのよ!」
もこあい先生:
「言葉は変えてもいいけれど、元の意味まで変えないようにしよう」
「どういうことですか」と聞かれる問題では、
本文の表現が、その場面で何を意味しているのかを考え、意味を保ったまま分かりやすく説明する
ことが大切です。
この記事では、
対象
↓
前後
↓
分ける
↓
言い換える
↓
確認
という5ステップで考えていきます。
- 「どういうこと?」は、そのまま写しても自由に広げてもいけない
- まず覚えたい|「どういうこと?」を考える5ステップ
- 30秒チェック|「どういうこと?」のどこで止まる?
- ステップ1|まず「言い換える対象」を確認する
- ステップ2|前後の文から「その場面での意味」を考える
- ステップ3|長い表現は、小さく分けて考える
- 実戦用|「そのまま → やさしくメモ」
- ステップ4|単語ではなく「意味の関係」を言い換える
- ステップ5|最後に「元の意味」と比べる
- 通し例題|「胸のつかえが取れた」を5ステップで考えよう
- 説明文の「どういうこと?」でも考え方は同じ
- 悪もこあい先生の「どういうこと?」NG5
- 答え合わせでは「どこで意味がずれた?」を見る
- 今日できる最小行動|3分で1つだけ言い換えてみよう
- AIは「正解を作る係」ではなく、意味のずれを確認する係にする
- 困り方が違うときは|シリーズの別記事へ
- 保存用|「どういうこと?」で迷ったときの5チェック
- 中学生国語|問題の答え方5記事シリーズ
- まとめ|言葉を変えても、意味は変えない
- 参考にした資料・関連情報
- 訂正・追記履歴
「どういうこと?」は、そのまま写しても自由に広げてもいけない
まず、3つの答えを比べてみましょう。
本文に、
健太は結果を聞き、胸のつかえが取れたような気がした。
とあり、
「胸のつかえが取れた」とは、どういうことですか。
と聞かれたとします。
× 本文をほぼそのまま写す
胸のつかえが取れたこと。
これでは、聞かれた表現を繰り返しただけで、
その意味を説明できていません。
× 自分の考えで広げすぎる
うれしくなり、これから何でも挑戦できると思ったこと。
これでは、本文からは分からない気持ちまで足している可能性があります。
○ 元の意味を保って説明する
心配していたことが解決し、安心したこと。
このように、
そのまま写すのでもなく、自由に想像するのでもなく、本文を根拠に意味を分かりやすくする
のが基本です。
まず覚えたい|「どういうこと?」を考える5ステップ
- 言い換える対象を確認する
- 前後の文から意味を考える
- 元の表現を小さく分ける
- 分かりやすい言葉へ言い換える
- 元の意味とずれていないか確認する
短くすると、
対象 → 前後 → 分ける → 言い換える → 確認
です。
この記事の合言葉は、
「言葉を変えても、意味は変えない。」
です。
30秒チェック|「どういうこと?」のどこで止まる?
自分に近いものを一つ探してみてください。
- ① 何を言い換えればいいか分からない
→ ステップ1へ - ② 傍線部だけを見ても意味が分からない
→ ステップ2へ - ③ 長い表現を整理できない
→ ステップ3へ - ④ 自分の言葉にすると意味が変わってしまう
→ ステップ4へ - ⑤ 書けたけれど合っているか不安
→ ステップ5へ
ステップ1|まず「言い換える対象」を確認する
最初に、
設問がどの部分の意味を聞いているのか
を確認します。
たとえば、
「胸のつかえが取れた」とは、どういうことですか。
なら、言い換える対象は、
「胸のつかえが取れた」
です。
まずは、
「この表現の意味を説明する問題なんだ」
と対象をはっきりさせます。
ステップ2|前後の文から「その場面での意味」を考える
言い換える対象が分かったら、
その部分だけを見続けない
ことが大切です。
前後の文を見て、
その表現が、その場面で何を表しているのか
を考えます。
たとえば、
健太は発表会の結果が出るまで、失敗したのではないかと心配していた。しかし、先生から合格だったと聞き、胸のつかえが取れたような気がした。
とします。
前後を見ると、
失敗したかもしれないと心配する
↓
合格だと分かる
↓
心配がなくなる
という流れが見えてきます。
つまり、この場面の
「胸のつかえが取れた」
は、
心配していたことが解決して、安心した
という意味だと考えられます。
ステップ3|長い表現は、小さく分けて考える
傍線部が長くなると、
一気に全部を言い換えようとして止まりやすくなります。
そんなときは、
意味のまとまりごとに分ける
と考えやすくなります。
たとえば、
それまで心の中にあった重いものが、少しずつ消えていくように感じた。
なら、
「それまで心の中にあった重いもの」
+
「少しずつ消えていく」
に分けます。
ここでも、単語だけを見て決めるのではありません。
前後から考えると、
重いもの=そのとき抱えていた不安や心配
消えていく=その不安や心配がなくなっていく
と整理できます。
すると、
「不安や心配が少しずつなくなっていった」
と言い換えやすくなります。
実戦用|「そのまま → やさしくメモ」
言い換え問題で使える簡単なメモを作ってみましょう。
この記事では、
「そのまま → やさしくメモ」
と呼びます。
ここでいう「やさしく」とは、
意味を簡単にしてしまうことではありません。
本文の意味を保ったまま、自分で説明できる形にする
という意味です。
| 本文の表現 | やさしくすると |
|---|---|
| 胸のつかえが取れた | 心配がなくなり、安心した |
| 肩の力が抜けた | 緊張がやわらいだ |
| 言葉を飲み込んだ | 言おうとしたことを言わずにこらえた |
ただし、
この表をそのまま暗記する必要はありません。
同じ表現でも、場面によって細かな意味が変わることがあります。
まず前後を読み、
「この場面では、どういう意味?」
と考えましょう。
ステップ4|単語ではなく「意味の関係」を言い換える
意味が整理できたら、分かりやすい言葉へ直します。
ここで気をつけたいのは、
難しい単語を一つずつ別の単語へ交換するだけではない
ということです。
たとえば、
「胸のつかえ」=「不安」
だけでは、
「取れた」=その不安がなくなった
という変化が抜けています。
大切なのは、
「何が、どうなったのか」まで残すこと
です。
分かりやすくしても、
本文にない内容は足さない
ようにしましょう。
言い換えと要約は少し違う
似ているようで、少し役割が違います。
言い換え
→ 元の意味を、別の分かりやすい表現で説明する
要約
→ 文章の大事な内容を選んで、短くまとめる
「どういうことですか」と聞かれたときは、
まず「この表現は何を意味しているのか」を説明すること
を考えます。
字数条件も付いている場合は、意味を整理したあとで、必要な内容を字数内へまとめます。
字数制限そのものが苦手な場合は、こちらの記事も参考にしてください。
中学生の国語で字数制限が苦手な人へ|30字・50字に必要な内容をまとめる5ステップ
ステップ5|最後に「元の意味」と比べる
答えができたら、最後に本文へ戻って2つ確認します。
① 元の意味を残している?
重要な状態・原因・変化などが抜けていないか確認します。
② 本文にない内容を足していない?
自分の感想や想像が入り込んでいないか確認します。
最後に見るのは、
「違う言葉を使えたか」ではなく、「同じ意味になっているか」
です。
通し例題|「胸のつかえが取れた」を5ステップで考えよう
本文:
健太は発表会の結果が出るまで、失敗したのではないかと心配していた。しかし、先生から合格だったと聞き、胸のつかえが取れたような気がした。
問題:
「胸のつかえが取れた」とは、どういうことですか。
① 言い換える対象を確認する
「胸のつかえが取れた」
② 前後を見る
失敗したかもしれないと心配している
↓
合格だと分かる
③ 小さく分ける
前後から考えると、
胸のつかえ
=結果が分からないことへの心配
取れた
=合格だと分かり、その心配がなくなった
と整理できます。
④ 言い換える
心配していたことが解決し、安心したということ。
⑤ 確認する
- 元の意味を残している? → ○
- 前後の流れと合っている? → ○
- 本文にない内容を足していない? → ○
説明文の「どういうこと?」でも考え方は同じ
ここまでは、物語文の表現を使って説明してきました。
でも、
「どういうことですか」=比喩表現だけの問題
ではありません。
説明文でも、抽象的な内容を具体的に説明する問題があります。
たとえば、
便利な道具にすぐ答えを求めてしまうと、自分で試したり考えたりする時間が減る。その結果、自分で考える機会が少なくなることがある。
という文章があったとします。
問題:
「自分で考える機会が少なくなる」とは、どういうことですか。
前の文を見ると、
「自分で試したり考えたりする時間が減る」
と書かれています。
そこで、
自分で試したり考えたりする時間が減るということ。
と説明できます。
この例でも、
対象を確認する
↓
前後を見る
↓
意味を具体的にする
という考え方は同じです。
物語文でも説明文でも、
本文の根拠を使い、元の意味を保ちながら分かりやすく説明する
ことが基本です。
悪もこあい先生の「どういうこと?」NG5
悪もこあい先生:
「言い換えなんて、この5つでラクしちゃえばいいのよ!」
- 「本文をそのまま写せばいい!」
→ 何を意味するのか説明します。 - 「単語だけ別の言葉に変える!」
→ 「何がどうなったか」まで見ます。 - 「前後は読まなくてもいい!」
→ その場面での意味は前後から考えます。 - 「自分の感想を書けばいい!」
→ 本文を根拠にします。 - 「分かりやすければ意味が変わってもいい!」
→ 言葉を変えても、意味は変えません。
もこあい先生:
「前後を見ながら、元の意味を守ろう」
答え合わせでは「どこで意味がずれた?」を見る
言い換え問題を間違えたときは、
どの段階でずれたのか
を確認します。
- 対象を取り違えた?
- 前後を十分に見なかった?
- 意味を分けるところでずれた?
- 言い換えるときに意味を変えた?
- 本文にない内容を足した?
たとえば、
対象○/前後○/分ける○/言い換え×
なら、
「意味は分かっていたけれど、自分の言葉にするときに広げすぎた」
と分かります。
次は、
元の表現と自分の答案を並べて、同じ意味になっているか比べる
と改善できます。
今日できる最小行動|3分で1つだけ言い換えてみよう
いきなり長い記述問題を何問も解く必要はありません。
今日は、
意味が分かりにくい表現を1つだけ
選びます。
① 表現を1つ選ぶ
教科書や問題集から、
「これってどういう意味?」
と思う表現を一つ選びます。
② 前後を1〜2文読む
その表現の前後で、
何が起きているのか
を確認します。
③ 「そのまま → やさしくメモ」を1つ作る
たとえば、
胸のつかえが取れた
↓
心配がなくなって安心した
これだけです。
今日は、
「言葉を変えても意味を変えない」を1回やってみる
ことを目標にしましょう。
健太:
「1つだけなら、すぐできそうだな」
もこあい先生:
「うん。まずは1回、自分で意味を説明してみよう」
AIは「正解を作る係」ではなく、意味のずれを確認する係にする
AIに、
この問題の正解を書いてください。
と頼めば、答えを作ってくれることがあります。
でも、それだけでは、
前後から意味を考え、自分で言い換える練習
が少なくなります。
おすすめは、
自分で考える
↓
AIでずれを確認する
↓
本文へ戻って自分で直す
という使い方です。
AIへの聞き方①
正解そのものは書かず、私の言い換えが元の意味からずれていないか確認してください。
AIへの聞き方②
本文にない内容を私が足していないか確認してください。答えそのものは作らないでください。
AIからヒントをもらったあとも、
最後は本文へ戻って、自分で確かめましょう。
困り方が違うときは|シリーズの別記事へ
今回の記事は、
「本文の表現の意味を、別の言葉で説明する」
ことに集中しています。
記述問題で材料そのものを集められない
中学生の国語で記述問題が書けない人へ|答えに必要な言葉を集める5ステップ
最後の2択で迷う
中学生の国語で選択肢問題が苦手な人へ|最後の2択を本文と比べる5ステップ
本文からそのまま抜き出す問題が苦手
中学生の国語で抜き出し問題が苦手な人へ|条件に合う言葉を本文から探す5ステップ
字数内に答案をまとめられない
中学生の国語で字数制限が苦手な人へ|30字・50字に必要な内容をまとめる5ステップ
本文のどこへ戻ればいいか分からない
国語の文章問題が解けない中学生へ|設問・根拠・答えの3ステップで解く方法
保存用|「どういうこと?」で迷ったときの5チェック
- 言い換える対象を確認した?
傍線部・指示された部分はどこ? - 前後を読んだ?
その場面で何が起きている? - 意味を小さく分けた?
何が、どうなった? - 分かりやすく言い換えた?
単語だけでなく、意味の関係も残した? - 元の意味とずれていない?
勝手な内容を足していない?
迷ったら、
対象 → 前後 → 分ける → 言い換える → 確認
へ戻りましょう。
言葉を変えても、意味は変えない。
中学生国語|問題の答え方5記事シリーズ
このシリーズでは、
「本文は読めるけれど、問題になるとどう答えればいいか分からない」
という中学生向けに、問題形式ごとの考え方を整理してきました。
① 記述問題
本文から必要な材料を集めて答えを作る
② 選択肢問題
選択肢と本文のずれを比べる
③ 抜き出し問題
条件に合う部分を探して切り取る
④ 字数制限
必要な内容を残して字数内にまとめる- ⑤ 「どういうことですか」【今回】
本文の意味を保ちながら、分かりやすく言い換える
まとめ|言葉を変えても、意味は変えない
「どういうことですか」と聞かれると、
「自分の言葉にしなきゃ!」
と焦るかもしれません。
でも、最初から上手な文章を作る必要はありません。
順番は、
- 言い換える対象を確認する
- 前後の文から意味を考える
- 元の表現を小さく分ける
- 分かりやすい言葉へ言い換える
- 元の意味とずれていないか確認する
です。
大切なのは、
別の言葉を使うことそのものではありません。
本文が表している意味を、自分で説明できる形にすること
です。
まずは今日、
1つの表現だけ「そのまま → やさしくメモ」にしてみましょう。
今日の“なんで?”を大切にしよう。
正解より、考えた道のりが宝もの。
参考にした資料・関連情報
この記事では、中学校国語で文章の内容や表現を文脈に即して捉え、根拠をもとに考える学習を踏まえ、「どういうことですか」と問われたときの考え方を整理しています。
なお、
「対象 → 前後 → 分ける → 言い換える → 確認」
という5ステップや、
「そのまま → やさしくメモ」
は、上記資料にそのまま掲載されている公式の解法ではありません。
中学生が言い換え問題を考える順番を整理しやすいよう、もこあいブログで学習手順としてまとめたものです。
訂正・追記履歴
- 2026年9月13日
初稿作成。「どういうことですか」と問われる問題を「対象・前後・分ける・言い換える・確認」の5ステップに整理し、「そのまま→やさしくメモ」、物語文・説明文の例題、復習方法、AIの使い方、今日できる最小行動を追加しました。

















