中学生の国語で字数制限が苦手な人へ|30字・50字に必要な内容をまとめる5ステップ
国語の記述問題で、
「答えたいことは分かるのに、30字以内に入らない」
ということはありませんか。
反対に、
「50字以内って書いてあるけど、何を書けばいいの?」
と止まってしまうこともあります。
健太:
「言いたいことはあるんだけど、書くと長くなるんだよな……」
そこへ悪もこあい先生がやってきます。
悪もこあい先生:
「30字以内なら、とにかく短くすればいいのよ! 大事そうなところも削っちゃいなさい!」
もこあい先生:
「短くすることだけが目的じゃないよ。必要な内容を残したまま、字数に収めよう」
字数制限のある問題で大切なのは、
「とにかく削ること」ではありません。
この記事では、
問い
↓
材料
↓
残す
↓
削る
↓
確認
という5ステップで、30字・50字などの字数制限に答えをまとめる方法を考えていきます。
- 字数制限は「短ければいい」問題ではない
- まず覚えたい|字数制限の基本5ステップ
- 30秒チェック|字数制限で、どこで止まる?
- ステップ1|最初に「何を答える問題か」を確認する
- ステップ2|答えに必要な材料を集める
- ステップ3|「絶対に残す内容」を先に決める
- ステップ4|大事な内容を守って、重複や余分な言葉を削る
- 「30字以内」は30字まで埋める問題ではない
- 50字問題では「設問が必要な情報量」を見る
- 息抜きコラム|字数制限は「引っ越しの荷物」に少し似ている?
- ステップ5|最後は「字数」と「問い」の2つを確認する
- 通し例題|30字以内にまとめてみよう
- 今日できる最小行動|1問だけ「残す2つメモ」を作ろう
- 悪もこあい先生の字数制限NG5
- 答え合わせでは「どこでずれた?」を見る
- AIは「答えを作る係」ではなく、削り方を確認する係にする
- 困り方が違うときは|シリーズの別記事へ
- 保存用|字数制限で迷ったときの5チェック
- 中学生国語|問題の答え方5記事シリーズ
- まとめ|字数制限は「削る問題」ではなく「残す問題」
- 参考にした資料・関連情報
- 訂正・追記履歴
字数制限は「短ければいい」問題ではない
たとえば、
健太が自信を持つようになった理由を、30字以内で書きなさい。
という問題があったとします。
本文には、
健太は人前で話すことが苦手だった。しかし、仲間が何度も練習につきあってくれたことで、少しずつ自信を持つようになった。
と書かれています。
ここで、
仲間がいたから。
と書けば、とても短くできます。
でも、これでは、
「仲間が何をしたことが理由なのか」
が十分に伝わりません。
反対に、本文の内容を全部入れようとすると長くなります。
大切なのは、
問いに答えるために必要な内容を残し、それ以外を整理すること
です。
まず覚えたい|字数制限の基本5ステップ
- 設問が何を聞いているか確認する
- 答えに必要な材料を集める
- 絶対に残す内容を決める
- 重複や余分な言葉を削る
- 字数と問いへの答えを確認する
短くすると、
問い → 材料 → 残す → 削る → 確認
です。
特に大切なのは、
「削る前に、残すものを決める」
という順番です。
30秒チェック|字数制限で、どこで止まる?
自分に近いものを一つ探してみてください。
- ① 何を書けばいいのか分からない
→ ステップ1・2を確認 - ② 書きたいことが多すぎて字数を超える
→ ステップ3へ - ③ どの言葉を削ればいいか分からない
→ ステップ4へ - ④ 短くすると大事な内容まで消えてしまう
→ 「残す2つメモ」を確認 - ⑤ 字数は合うのに正解にならない
→ ステップ5へ
ステップ1|最初に「何を答える問題か」を確認する
字数制限を見ると、
「30字」「50字」
という数字に目が行きやすくなります。
でも、先に確認するのは、
「何を答える問題なのか」
です。
たとえば、
- 理由
- 心情
- 変化
- 行動の目的
- 筆者の考え
などがあります。
たとえば、
健太が自信を持つようになった理由を30字以内で書きなさい。
なら、
「自信を持つようになった理由」
が答える内容で、
「30字以内」
は、その答えをまとめる条件です。
ステップ2|答えに必要な材料を集める
次に、本文から答えに必要な材料を集めます。
この部分は、シリーズ①の記述問題の記事で詳しく扱っています。
中学生の国語で記述問題が書けない人へ|答えに必要な言葉を集める5ステップ
この記事では、
材料が見つかったあと、それをどう字数内にまとめるか
を中心に考えます。
ステップ3|「絶対に残す内容」を先に決める
ここからが、今回の記事の中心です。
いきなり長い答案を書いてから、
「字数を超えたから削ろう」
とするのではなく、
「これがなくなると問いに答えられない」
という内容を先に決めます。
実戦用|「残す2つメモ」
問題用紙の余白に、
答えに必要そうな内容を、2つまで短くメモする
方法です。
ただし、
いつも「原因+結果」の2つを書く方法ではありません。
何を残すかは、設問によって変わります。
理由を聞かれたら
たとえば、
健太が自信を持つようになった理由を30字以内で書きなさい。
なら、
誰・何が:仲間が
どうした:練習につきあった
と整理できます。
変化を聞かれたら
たとえば、
健太の気持ちがどのように変化したか書きなさい。
なら、
変化前:不安だった
変化後:自信を持った
と整理できます。
理由と変化の両方を聞かれたら
その場合は、
理由:仲間との練習
変化:自信を持った
のようにします。
「残す2つメモ」の目的は、
2つ書くことそのものではなく、削ってはいけない内容を先に見える形にすること
です。
ステップ4|大事な内容を守って、重複や余分な言葉を削る
残す内容が決まったら、初めて削ります。
たとえば、
仲間が何度も一緒に練習につきあってくれて、何回も練習することができたので、自信を持つようになった。
という答案ができたとします。
ここには、
- 「何度も」
- 「一緒に」
- 「何回も練習することができた」
など、似た内容が重なっています。
まず削る候補になるのは、
- 同じ意味の繰り返し
- 問いに必要のない説明
- 意味を増やしていない言葉
- 回りくどい表現
同じ意味の繰り返し
何度も練習して、何回も練習を重ねた
なら、
練習を重ねた
のように整理できる場合があります。
回りくどい表現
〜することができるようになった
は、文脈によっては、
〜できるようになった
と整理できます。
ただし、
短くなるからという理由だけで、必要な意味まで変えてはいけません。
先に決めた、
「消してはいけない内容」
は守りましょう。
「30字以内」は30字まで埋める問題ではない
「30字以内」
なら、30字以下という条件です。
必ず30字ぴったりにする必要はありません。
たとえば、
健太が自信を持つようになった理由を、30字以内で書きなさい。
なら、
仲間が何度も練習につきあってくれたから。
と答えられます。
この答案は、句点も1字として数えると20字です。
30字まで書けるからといって、
残りの10字を無理に埋める必要はありません。
必要な内容が十分に伝わっているなら、それでよい場合があります。
なお、
「○字以内なら8割以上書けばよい」などを、すべての問題に共通する絶対ルールだと思わないようにしましょう。
学校や教材で目安が示されることはありますが、
大切なのは、
指定された字数の範囲で、設問に必要な内容を十分に入れること
です。
「30字以上50字以内」なら両方を見る
問題によっては、
30字以上50字以内で書きなさい。
という指定もあります。
この場合は、
30字以上であり、50字以内でもある
必要があります。
句読点・記号・数字などの数え方について個別の指示がある場合は、
その問題の指示を優先
しましょう。
50字問題では「設問が必要な情報量」を見る
50字以内と書かれていると、
「30字問題より、たくさん書かなきゃ」
と思うかもしれません。
でも、
必要な情報量を決めるのは、字数ではなく設問です。
たとえば、
健太が発表会への気持ちを変えた理由と、その変化を50字以内で説明しなさい。
と聞かれたとします。
この問題では、
- 理由
- 変化
の両方が必要です。
たとえば、
仲間が何度も練習につきあってくれたため、健太は人前で話すことへの不安が減り、自信を持つようになった。
とまとめられます。
この文は、句読点も1字として数えると50字です。
50字あるから情報を増やしたのではなく、
設問が「理由」と「変化」の両方を求めているから、両方を入れた
ということです。
息抜きコラム|字数制限は「引っ越しの荷物」に少し似ている?
字数制限では、
「これも大事そう」
「あれも入れたい」
と、全部残したくなることがあります。
健太:
「これも必要そうだし、あれも入れたいし……全部持っていきたい!」
悪もこあい先生:
「じゃあ全部詰め込めばいいのよ! 入らなかったら文字を小さくすれば!」
健太:
「答案でそれはダメだろ……」
もこあい先生:
「字数の箱に入れるなら、まず本当に必要なものを決めよう」
字数制限は、少しだけ荷造りに似ています。
大事なものを先に残す。
同じものは重ねない。
なくても答えが変わらないものは整理する。
ステップ5|最後は「字数」と「問い」の2つを確認する
答案ができたら、最後に2つだけ確認します。
① 字数条件に合っている?
30字以内?
30字以上50字以内?
問題の指示どおり?
② 問いに答えている?
理由を聞かれているのに、結果だけを書いていない?
必要な内容が抜けていない?
字数が合っているだけでは確認は終わりません。
通し例題|30字以内にまとめてみよう
本文:
健太は発表会に出ることを迷っていた。人前で話すことが苦手だった。しかし、仲間が何度も練習につきあってくれたことで、少しずつ自信を持つようになった。
問題:
健太が自信を持つようになった理由を、30字以内で書きなさい。
① 問いを見る
聞かれているのは、
「自信を持つようになった理由」
です。
② 材料を集める
本文から、
仲間が何度も練習につきあってくれた
という材料を見つけます。
③ 残す内容を決める
今回は、
誰・何が:仲間が
どうした:練習につきあってくれた
を残します。
④ 答案にする
仲間が何度も練習につきあってくれたから。
句点も1字として数えると、20字です。
⑤ 最後に確認する
- 理由を答えている? → ○
- 必要な内容が入っている? → ○
- 30字以内? → 20字なので○
ここで、
「あと10字書けるから、何か足そう」
とは考えません。
必要な内容が十分に伝わっているかを基準にします。
今日できる最小行動|1問だけ「残す2つメモ」を作ろう
いきなり30字・50字の答案を完璧に作る必要はありません。
今日は記述問題を1問だけ選んで、
「絶対に残したい内容は何か」
を短くメモしてみましょう。
健太:
「いきなり30字を考えるより、残すものを先に決めた方がやりやすそうだな」
もこあい先生:
「まず1問でいいよ。必要な内容を見分ける練習から始めよう」
悪もこあい先生の字数制限NG5
- 「短ければ短いほどいい!」
→ 必要な内容は残します。 - 「字数を埋めればいい!」
→ 必要のない内容は足しません。 - 「長かったら大事な内容も削る!」
→ 先に残す内容を決めます。 - 「同じ意味を何回書いてもOK!」
→ 重複は整理します。 - 「字数が合えば正解!」
→ 最後に問いへ答えているか確認します。
答え合わせでは「どこでずれた?」を見る
字数制限の問題を間違えたときは、
「字数に入らなかった」
だけで終わらせず、どこでずれたかを確認します。
- 問いを読み違えた?
- 材料が足りなかった?
- 必要な内容を削った?
- 重複や余分な説明を残した?
- 字数条件を外した?
たとえば、
問い○/材料○/残す×/字数○
なら、
「字数には入ったけれど、大事な内容を削りすぎた」
と分かります。
不正解を一つの失敗として見るのではなく、
どの段階でずれたのか
を確認すると、次の問題で直しやすくなります。
AIは「答えを作る係」ではなく、削り方を確認する係にする
AIに、
30字以内の正解を作ってください。
と頼めば、答案を作ってくれることがあります。
でも、それだけでは、
自分で何を残し、何を削るか考える練習
が少なくなります。
おすすめは、
自分で作る
↓
AIで確認する
↓
自分で直す
という使い方です。
AIへの聞き方①
正解そのものは作らず、私の答案で重複している部分だけ教えてください。
AIへの聞き方②
この答案で、設問に答えるために必要な内容が抜けていないか確認してください。正解の文章そのものは作らないでください。
AIからヒントをもらったあとも、
最後は自分で設問と本文へ戻って確認しましょう。
困り方が違うときは|シリーズの別記事へ
今回の記事は、
「必要な材料がある程度見つかったあと、字数内にまとめる」
ことに集中しています。
本文から答えの材料を集められない
中学生の国語で記述問題が書けない人へ|答えに必要な言葉を集める5ステップ
最後の2択で迷う
中学生の国語で選択肢問題が苦手な人へ|最後の2択を本文と比べる5ステップ
本文からそのまま抜き出す問題が苦手
中学生の国語で抜き出し問題が苦手な人へ|条件に合う言葉を本文から探す5ステップ
本文のどこへ戻ればいいか分からない
国語の文章問題が解けない中学生へ|設問・根拠・答えの3ステップで解く方法
保存用|字数制限で迷ったときの5チェック
- 何を答える問題?
理由? 心情? 変化? - 必要な材料はある?
本文の根拠を確認した? - 残す内容を決めた?
大事な内容まで削っていない? - 重複や余分な言葉を削った?
同じ意味を繰り返していない? - 字数と問いを確認した?
条件内? 設問に答えている?
迷ったら、
問い → 材料 → 残す → 削る → 確認
へ戻りましょう。
中学生国語|問題の答え方5記事シリーズ
このシリーズでは、
「本文は読めるけれど、問題になるとどう答えればいいか分からない」
という中学生向けに、問題形式ごとの考え方を整理しています。
① 記述問題
必要な言葉を集めて答えを作る
② 選択肢問題
本文とのずれを比べる
③ 抜き出し問題
条件に合う部分を探して切り取る- ④ 字数制限【今回】
必要な内容を残して字数内にまとめる - ⑤ 「どういうことですか」
本文の内容を前後から考えて言い換える
まとめ|字数制限は「削る問題」ではなく「残す問題」
字数制限で、
「長い! 削らなきゃ!」
と思ったときほど、
「何を残さなければいけない?」
と考えてみましょう。
順番は、
- 問いを確認する
- 材料を集める
- 残す内容を決める
- 重複や余分な言葉を削る
- 字数と問いを確認する
です。
字数制限は、とにかく文章を短くする問題ではありません。
問いに必要な内容を守りながら、決められた字数の中へまとめる問題
です。
まずは1問だけ、
「何を残す?」
を考えるところから始めてみましょう。
今日の“なんで?”を大切にしよう。
正解より、考えた道のりが宝もの。
参考にした資料・関連情報
この記事では、中学校国語で文章の内容を捉え、必要な情報を根拠として考えたり、目的に応じて表現したりする学習を踏まえ、字数制限のある問題に取り組む順番を整理しています。
なお、
「問い → 材料 → 残す → 削る → 確認」
という5ステップや、
「残す2つメモ」
は、上記資料にそのまま掲載されている公式の解法ではありません。
中学生が字数制限のある問題を考える順番を整理しやすいよう、もこあいブログで学習手順としてまとめたものです。
訂正・追記履歴
- 2026年9月13日
初稿作成。字数制限のある記述問題を「問い・材料・残す・削る・確認」の5ステップに整理し、「残す2つメモ」、30字・50字の例題、復習方法、AIの使い方を追加しました。

















