『注文の多い料理店』を読み終えて、

「話は分かったけれど、読書感想文には何を書けばいいんだろう?」

「二人の紳士が山猫に食べられそうになった話、で終わってしまう」

「怖かった、面白かった、以外の感想が思いつかない」

そんなふうに感じていませんか。

『注文の多い料理店』は、物語の流れそのものはそれほど難しくありません。

けれど、少し見方を変えると、あちこちで意味や立場がひっくり返る作品だと気づきます。

  • 客が注文すると思ったら、店から注文される
  • 食べるつもりだった人が、食べられる側になる
  • 狩る側だった人が、狩られるような立場になる
  • 親切そうだった言葉が、あとから危険な意味に見えてくる

そして、さらに不思議なのが、二人の紳士が何度も文章を読んでいるのに、なかなか危険に気づかないことです。

この記事では、作者の意図を一つに決めるのではなく、

「自分ならどう感じるだろう?」

という問いから、自分だけの読書感想文を考えていきます。

山奥で山猫軒という西洋料理店を見つけた二人の紳士の挿絵

目次
  1. まず、自分で考えてみよう|あなたなら、どこで「変だ」と思う?
  2. 『注文の多い料理店』はどんな話?|流れを簡単に整理
  3. 面白さ①|「注文」の意味がひっくり返る
  4. 面白さ②|二人は「読めなかった」のではない
  5. 山猫軒は、本当に二人を「だました」のだろうか
  6. もう一度考えよう|あなたなら、どの扉で引き返す?
  7. 危険が始まった場所と、戻りにくくなった場所は同じだろうか
  8. コラム|「これくらいなら」が積み重なる怖さ
  9. 面白さ③|食べる側だった人が、食べられる側になる
  10. 身近な例でも、見方をひっくり返してみる
  11. 一文だけを見るのと、前後をつなげて読むのは違う
  12. 犬の場面は、どう考えればいい?
  13. なぜ最後まで、二人の顔は元に戻らなかったのか
  14. 宮沢賢治について、どこまで考えればいい?
  15. 読書感想文にするなら|3つのルートから選ぶ
  16. 感想文の組み立て例|「自分ならどこで気づく?」から書く場合
  17. 「作者の気持ち」を当てなくても、感想文は書ける
  18. 今日できる最小行動|一つの扉を選ぶ
  19. まとめ|最初の感想と、読み直したあとの感想を比べてみよう
  20. おすすめの記事|ほかの作品でも「自分の問い」から考えてみよう
  21. 参考文献・参照した資料

まず、自分で考えてみよう|あなたなら、どこで「変だ」と思う?

解説を読む前に、一つだけ考えてみてください。

もし自分が二人と一緒に山猫軒へ入ったとしたら、どのあたりで「この店はおかしい」と思うでしょうか。

山奥に立派な料理店があるところでしょうか。

服装を整えるよう言われたところでしょうか。

武器を置くよう言われたところでしょうか。

それとも、体にクリームを塗るよう言われたところでしょうか。

今は答えを決めなくても大丈夫です。

読み進めながら、

「ここなら自分も進むかもしれない」

「ここはさすがに戻る」

と、自分の感覚を確かめてみてください。

山猫軒の注文を順番に並べ、どこで違和感を覚えるか考える図解

『注文の多い料理店』はどんな話?|流れを簡単に整理

二人の若い紳士が、猟をするため山へ入ります。

ところが、思うように獲物は見つからず、道にも迷ってしまいます。

そんな二人の前に現れたのが、山の中にある「山猫軒」という西洋料理店です。

空腹だった二人は喜んで中へ入ります。

しかし、奥へ進むには、何枚もの扉を通らなければなりません。

そして、その扉には次々と店からの「注文」が書かれています。

身なりを整える。

武器や身につけている物を置く。

体にクリームを塗る。

香水のようなものを振りかける。

二人は少し不思議に思いながらも、そのたびに理由を考えて先へ進みます。

ところが最後になって、ようやく気づきます。

自分たちは料理を食べる準備をしていたのではなく、料理されるための準備をさせられていたのではないか。

ここで、それまで読んできた注文の意味が一気に変わります。

注文の多い料理店の話の流れを5段階で整理した図解

面白さ①|「注文」の意味がひっくり返る

料理店で「注文」と聞けば、普通は客が店へ伝えるものを想像します。

「これをください」

「あれを食べたい」

という、客から店への注文です。

ところが山猫軒では、関係が逆です。

たくさん注文を出しているのは、店の側です。

つまり、二人は客として店へ入ったはずなのに、少しずつ店に動かされる側になっていきます。

ここで、「注文の多い料理店」という題名の見え方まで変わってきます。

読書感想文では、こうした、

「最初はこう思った。でも途中から違って見えた」

という変化が、とても大切です。

感想とは、最初から立派な意見を持つことではありません。

読んでいる途中で、自分の見方が変わったことそのものが、感想の材料になります。

普通の料理店と山猫軒で注文の向きが逆になることを示した図解

面白さ②|二人は「読めなかった」のではない

ここで、二人の行動を少し考えてみましょう。

二人は、扉に書かれた文字を読んでいます。

文章が読めなかったわけではありません。

むしろ、書かれていることについて何度も考えています。

それなのに、危険へ近づいていきます。

なぜでしょうか。

二人は注文を見るたびに、

「きっと、こういう意味なのだろう」

と、自分たちが納得しやすい理由を加えていきます。

書かれていること 二人が足した意味 あとから見える意味
身なりを整える 格式のある店なのだろう 料理の準備の始まりとも見える
武器などを置く 店の決まりなのだろう 身を守る物を手放している
クリームを塗る 寒さへの配慮だろう 料理の下ごしらえにも見えてくる

つまり、二人の問題は、単純に文字が読めないことではありません。

書かれていることに、自分が信じたい意味を足して読んでいたとも考えられます。

書かれた内容に期待を足して都合よく解釈してしまう構造を示した図解

山猫軒は、本当に二人を「だました」のだろうか

ここで、一度見方をひっくり返してみましょう。

「二人は山猫軒にだまされた」

そう考えれば、物語は分かりやすくなります。

でも、注文を一つずつ見ていくと、少し不思議です。

山猫軒は何度も、二人へ具体的な指示を出しています。

それを別の意味に読み替えているのは、二人自身です。

もちろん、山猫軒が二人を食べようとしている以上、善意の店ではありません。

それでも、

「店が全部うまく隠したから、二人は気づかなかった」

だけではなく、

「二人が自分に都合のよい説明を足したため、危険な意味を見落とした」

とも考えることができます。

そうすると、この物語の怖さが少し変わります。

怖いのは山猫だけではありません。

自分に納得しやすい説明が見つかった瞬間、それ以上疑わなくなってしまうこと。

そこにも、この物語の不気味さがあるのかもしれません。

注文の段階ごとにどこで引き返すかを考える気づきメーター図解

もう一度考えよう|あなたなら、どの扉で引き返す?

ここまで読んでから、最初の問いに戻ってみましょう。

あなたなら、どこで引き返しますか。

出来事 二人の受け取り方 自分なら?
山奥に立派な料理店がある 食事ができると喜ぶ まだ入る?
身なりを整える 格式のある店だから 普通に感じる?
武器などを置く 店の決まりなのだろう 少し不安になる?
体にクリームを塗る 寒さへの配慮だと考える かなり怪しい?
香水のようなものをかける まだ理由を考える ここで戻る?
塩を体につけるよう求められる ようやく意味に気づく それまでの注文がつながる

ここには一つの正解はありません。

「自分なら武器を置くところでおかしいと思う」

「クリームまでは、自分も理由を考えて進んでしまうかもしれない」

どちらでも構いません。

大切なのは、

二人と自分の感じ方の違いを見つけることです。

それだけでも、立派な感想文の材料になります。

危険の始まりと戻りにくくなる地点の違いを示した図解

危険が始まった場所と、戻りにくくなった場所は同じだろうか

ここで、もう一つ考えてみたいことがあります。

「どこから危険だったのか」と「どこから戻りにくくなったのか」は、同じでしょうか。

山猫軒へ入った瞬間から危険だった、と考えることもできます。

でも、二人にとっては、最初から危険がはっきり見えていたわけではありません。

一つの注文に従う。

次の注文にも従う。

さらに奥へ進む。

そうしていくうちに、

「ここまで来たのだから」

「前の注文にも従ったのだから」

と、先へ進みやすくなっていた可能性もあります。

つまり、

危険そのものが始まった地点と、心理的に引き返しにくくなった地点は、別かもしれません。

この違いに注目すると、「なぜ二人は途中で戻らなかったのか」を、単純に「鈍かったから」で終わらせずに考えることができます。

これくらいならと思いながら少しずつ奥へ進んでしまう様子を描いた挿絵

コラム|「これくらいなら」が積み重なる怖さ

山猫軒は、最初から大きな危険を突きつけてくるわけではありません。

最初は、身なりを整える。

次に、身につけている物を置く。

その次に、クリームを塗る。

さらに別の注文が続く。

一つひとつなら、二人はそのたびに、

「これくらいなら」

と思える理由を見つけています。

山猫軒は、一度に大きな一線を越えさせているわけではありません。

小さな一線を、少しずつ越えさせている。

だからこそ、途中で引き返しにくくなっていったとも考えられます。

私たちにも、似たことはないでしょうか。

最初は少し変だと思った。

でも、

「これくらいなら大丈夫」

と続けているうちに、それが普通に感じられてくる。

そう考えると、『注文の多い料理店』の怖さは、最後に食べられそうになる場面だけではありません。

小さな違和感を何度も見過ごすうちに、気づいたときには遠くまで進んでしまうこと。

そこにも怖さがあるのかもしれません。

食べる側から食べられる側へ立場が逆転することを示した図解

面白さ③|食べる側だった人が、食べられる側になる

『注文の多い料理店』には、もう一つ大きな逆転があります。

物語の最初で、二人は猟をするため山へ来ています。

つまり、動物を追い、撃ち、獲物にする側です。

ところが山猫軒へ入ると、その関係が反転します。

今度は二人自身が、

選ばれ、準備され、食べられようとする側

になります。

狩る人から、狩られるような立場へ。

食べる人から、食べられるものへ。

立場が入れ替わることで、それまで当たり前だった世界が違って見えてきます。

ただし、

「動物を撃とうとしたから、二人は罰を受けた」

と一つの答えに決める必要はありません。

むしろ、

いつも自分が見る側だと思っていた人が、見られる側に回ったら、世界はどう変わるだろう。

と考えてみる方が、感想は広がります。

感想が出ないときの考え方の切り替え方をまとめた保存用図解

身近な例でも、見方をひっくり返してみる

感想が出てこないときは、作品の意味を何度も考えるより、見る立場を変える方法があります。

たとえば、無料体験のサービス。

使う側から見れば、

「無料で使えて得だ」

と感じます。

でも、提供する側から見れば、

「まず使ってもらうための入口」

でもあります。

同じ出来事でも、立場を変えると意味が変わります。

行列のできている店も同じです。

「人気だから人が並んでいる」

とも考えられます。

一方で、

「人が並んでいるから人気に見えて、さらに人が並ぶ」

とも考えられます。

原因だと思っていたものが、結果でもあるかもしれません。

『注文の多い料理店』でも、

  • 客から見る
  • 店から見る
  • 動物から見る
  • 二人を外から見る
  • 自分が二人だったらと考える

と立場を変えると、新しい感想が見えてきます。

感想が出ないときは、一度だけ「反対側から見たら?」と考えてみる。

それだけで、作品の見え方が変わることがあります。

注文の多い料理店の感想文を書くための3つのルートをまとめた図解

一文だけを見るのと、前後をつなげて読むのは違う

山猫軒の注文は、一つずつ切り離して見ると、それほど危険に感じないものもあります。

ところが、前の注文と次の注文をつなげて考えると、意味が変わってきます。

クリームだけなら、不思議なサービスだと思うかもしれません。

しかし、

武器を置く。

身につけている物を外す。

クリームを塗る。

さらに塩まで求められる。

と並べると、別の意味が見えてきます。

ここから、読書そのものについても考えられます。

一文の意味は、その一文だけで決まるとは限りません。

前後をつなげることで、初めて意味が見えることがあります。

これは『注文の多い料理店』だけでなく、物語や説明文を読むときにも役立つ読み方です。

一つの注文だけを見る場合と前後の注文をつなげて読む場合の違いを示した図解

犬の場面は、どう考えればいい?

物語の終盤では、二匹の犬が現れ、山猫軒の状況が大きく変わります。

犬は二人を助ける役割を持つ、と読むことができます。

ただ、この場面にはいろいろな読み方ができます。

自然の力が二人を救った、と考える人もいるでしょう。

人間の理屈ではなく、別の感覚が危険を破った、と見る人もいるかもしれません。

ここは、無理に一つの意味へ決めなくても構いません。

「自分はこの犬をどう感じたか」

を考えるだけでも十分です。

作品のすべてを説明できなくても、感想文は書けます。

山猫軒の扉へ二匹の大きな犬が飛び込む場面を描いた挿絵

なぜ最後まで、二人の顔は元に戻らなかったのか

二人は山猫軒から逃れ、やがて東京へ帰ります。

ところが、完全に元通りにはなりません。

怖さのために変わってしまった顔は、以前と同じには戻りません。

なぜ、最後にこの一文が必要だったのでしょうか。

不気味な余韻を残すため、と考えることもできます。

でも、もう少し広げると、

大きな経験をしたあと、人は経験する前とまったく同じ自分には戻れない

という読み方もできます。

山猫軒を経験した二人は、自分たちが「食べられる側」になる怖さを知りました。

その経験は、なかったことにはできません。

読書も少し似ています。

作品を読む前と読んだあとで、同じ言葉や出来事が違って見えることがあります。

自分の見方が少し変わったなら、それも読書感想文に書ける大切な変化です。

山猫軒での経験の前と後で二人の見方が変わったことを表す挿絵

宮沢賢治について、どこまで考えればいい?

『注文の多い料理店』では、都会から来た二人の紳士が、自然の中で自分たちの立場を逆転させられます。

宮沢賢治が生きた時代や、自然との関わりを知ることは、作品を考えるヒントになります。

ただし、読書感想文で、

「作者は絶対にこう言いたかった」

と決めつける必要はありません。

作者について調べることと、自分の感想を持つことは別です。

背景を知ったうえで、自分はどう読んだか。

そこまで書ければ十分です。

同じ宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』とは、かなり雰囲気も違います。

『銀河鉄道の夜』が「ほんとうのさいわい」などを静かに考えさせる作品だとすれば、『注文の多い料理店』では、ユーモアや不気味さ、立場の逆転を通して読者へ問いを投げかけているようにも見えます。

読書感想文にするなら|3つのルートから選ぶ

ここまで読んで、

「面白いけれど、結局どこから書けばいい?」

と思った人は、次の3つから一つ選んでみてください。

ルート1|「なぜ二人は気づかなかったのか」から書く

向いている人:

  • 二人の行動が不思議だった
  • 自分ならもっと早く気づくと思った
  • 思い込みについて考えてみたい

問いの例:

「人は、なぜ違和感があっても自分に都合のよい説明を信じてしまうのだろう。」

ルート2|「立場の逆転」から書く

向いている人:

  • 食べる側と食べられる側の逆転が印象に残った
  • 人間と動物・自然の関係を考えたい
  • 別の立場から見ることに興味を持った

問いの例:

「いつも見る側だと思っていると、見られる側の気持ちを忘れてしまうのではないか。」

ルート3|「これくらいなら」から書く

向いている人:

  • 小さな注文が積み重なるところが気になった
  • 二人が少しずつ奥へ進む怖さを感じた
  • 自分の経験と結びつけて書きたい

問いの例:

「小さな違和感を見逃し続けると、なぜ途中で止まりにくくなるのだろう。」

注文の多い料理店の感想文を書き始めるための3つの問いをまとめた図解

感想文の組み立て例|「自分ならどこで気づく?」から書く場合

次の5つの順番で考えると、書きやすくなります。

  1. 最初に感じたこと
  2. 気になった場面
  3. そこから考えたこと
  4. 自分とのつながり
  5. 読んだあとに変わった見方

最初に感じたこと:

「私は最初、どうして二人はこんなに怪しい注文に従うのだろうと思った。」

気になった場面:

「特に体にクリームを塗る場面では、自分ならここでおかしいと思うと感じた。」

そこから考えたこと:

「しかし最初から順番に考えてみると、いきなり危険なことを求められたわけではない。二人は毎回、それらしい理由を考えていた。」

自分とのつながり:

「自分にも、少し変だと思いながら『これくらいなら大丈夫』と続けた経験がないか考えた。」

読み終わったあとの変化:

「最初は二人が鈍いからだと思っていたが、読み直すと、自分にも似たところがあるかもしれないと思った。」

このように書けば、作品のあらすじだけでなく、

自分の見方が変わった過程

まで感想文にできます。

「作者の気持ち」を当てなくても、感想文は書ける

読書感想文を書こうとすると、

「作者は何を伝えたかったのだろう」

と考えすぎることがあります。

でも、感想文は作者の意図を当てるテストではありません。

たとえば、

  • 私はここで怖くなった
  • 私はここで二人とは違うことを考えた
  • 最初と最後で「注文」の意味が変わった
  • 自分ならどこで引き返すか考えた
  • 自分にも似た思い込みがあると気づいた

こうしたことも、十分に感想文の中心になります。

作品を読んだことで、自分の中で何が動いたのか。

そこを探してみてください。

今日できる最小行動|一つの扉を選ぶ

まだ書き始められないなら、いきなり原稿用紙を埋めようとしなくても大丈夫です。

まず一つだけ決めてみましょう。

「自分なら、どの注文でおかしいと思う?」

そして、その理由を一文で書きます。

たとえば、

「私は武器を置くよう言われたところで少し怖くなると思う。自分を守る物まで手放すのは、普通の料理店とは違うと感じるからだ。」

次に、

「では、二人はなぜそこで気づかなかったのだろう?」

と考えてみます。

自分と二人の違いを一つ見つけるだけでも、感想文のテーマは生まれます。

まとめ|最初の感想と、読み直したあとの感想を比べてみよう

『注文の多い料理店』は、一度読んだだけなら、

「山猫に食べられそうになった怖い話」

と感じるかもしれません。

でも、注文を一つずつ追っていくと、少し違って見えてきます。

二人は何も読んでいなかったわけではありません。

何度も読み、何度も考えています。

それでも、自分に都合のよい理由をつけて奥へ進んでいきました。

最初は、

「どうして二人は気づかないんだろう」

と思ったかもしれません。

でも、ここまで読んだあとでは、どうでしょう。

本当に自分なら、もっと早く引き返せたでしょうか。

もし最初と今で少し答えが変わったなら、その変化こそ、あなた自身の感想です。

読書感想文は、作品の正解を書くものではありません。

読む前の自分と、読んだあとの自分の違いを書くこともできます。

まずは、あなたが気になった一つの扉から考えてみてください。

おすすめの記事|ほかの作品でも「自分の問い」から考えてみよう

『注文の多い料理店』では、

「なぜ二人は、おかしいと気づかなかったのだろう?」

という問いから、思い込みや立場の逆転、小さな違和感について考えてきました。

ほかの作品でも、

「どうしてだろう?」

「自分ならどう考えるだろう?」

と思ったところから、読書感想文を始めることができます。

『銀河鉄道の夜』|「ほんとうのさいわい」って何だろう?

同じ宮沢賢治の作品です。

『銀河鉄道の夜』では、「分からない」ことを無理に消さず、ジョバンニの旅や「ほんとうのさいわい」という言葉から、自分なりの問いを考えていきます。


『銀河鉄道の夜』の読書感想文が書けない人へ|「ほんとうのさいわい」とは何かを考える

『藪の中』|食い違う証言から「何を信じるか」を考える

同じ出来事について語っているはずなのに、登場人物たちの証言が食い違う『藪の中』。

「結局、誰が本当のことを言っているの?」という疑問から、犯人当てだけではなく、自分は何を根拠に人の言葉を信じているのかを考えていきます。


『藪の中』の読書感想文が書けない人へ|食い違う証言から「自分は何を信じるか」を考える

難しい作品でも、最初から立派な感想を考える必要はありません。

自分が引っかかった一場面や一つの疑問から、少しずつ考えてみてください。

参考文献・参照した資料

この記事では、作品本文や関連資料を確認しながら、読書感想文を書くための問いや考え方を整理しています。

文学作品には複数の読み方があります。本文中で紹介した「思い込み」「立場の逆転」「これくらいなら、の積み重ね」などの考察も、唯一の正解としてではなく、作品を考えるための一つの読み方として紹介しています。

読書感想文では、解説をそのまま答えにするのではなく、作品本文へ戻りながら、自分がどこで気になったのか、最初と最後で考えがどう変わったのかを大切にしてみてください。