名作を最後まで読んだのに、

「結局、何を言いたい作品なの?」

「登場人物がなぜそんなことをしたのか分からない」

「感想はある気がするけれど、読書感想文にできない」

そんなところで止まっていませんか。

でも、難しい作品の読書感想文では、
作品を全部理解してから書く必要はありません。

むしろ、

「なぜだろう?」
「自分だったらどうするだろう?」
「これは本当に正しいのだろうか?」

と引っかかったところが、
自分だけの感想文の入口
になることがあります。

もこあいブログでは、少し難しい文学作品について、

作品の「正解」を覚えるのではなく、自分の問いから考える

ことを大切にした
「難解読書感想文シリーズ」
を作っています。

このページは、その総合案内です。

現在は、第1期となる10作品を紹介しています。

難しい本を前に、もこコトネが「分からないところから考えていい」と学んでいる導入イラスト

このページの使い方|3つの入口から探せます

このページでは、
3つの入口
から作品を探せます。

  • 作品から探す:読みたい作品が決まっている人
  • 悩みから探す:どこで困っているのかは分かる人
  • 問いから探す:作品をきっかけに何かを考えてみたい人

自分に合いそうな入口から選んでみてください。

作品・悩み・問いの3つの入口から、自分の感想へ進む流れを示した図解イラスト

作品から探す

悩みから探す

こんなところで困っている 読んでみたい作品
登場人物の気持ちや行動が分からない 『こころ』・
『山月記』・
『舞姫』
善悪をどう考えればいいか分からない 『羅生門』・
『高瀬舟』
何が本当なのか分からない 『藪の中』
作品の意味そのものがつかみにくい 『夢十夜 第一夜』・
『銀河鉄道の夜』
「すごい」「かわいそう」から感想が広がらない 『走れメロス』・
『こころ』
自分の経験とどう結びつければいいか分からない 『山月記』・
『檸檬』
正解のない作品をどう書けばいいか分からない 『藪の中』・
『銀河鉄道の夜』

問いから探す

ここで紹介する問いは、
作品の正しい読み方を決めるものではありません。

あくまで、考え始めるための入口の一例です。

別のところが気になったなら、
自分が気になったところを出発点にして構いません。

もこコトネと考える|「分からない」を1行だけ書いてみよう

もこコトネは、ことばノートを開きました。

「作品を全部分かろうとしなくてもいいのかな?」

まずは、こんなふうに1行だけ書いてみます。

「私は、○○が分からなかった。」

たとえば、

  • 私は、なぜ下人が最後にあの行動をしたのか分からなかった。
  • 私は、なぜ李徴があれほど自分を苦しめたのか分からなかった。
  • 私は、「ほんとうのさいわい」が結局何なのか分からなかった。

ここで終わっても大丈夫です。

次に、

「なぜ自分は、そこが気になったのだろう?」

と考えてみます。

「分からない」は、
読書感想文の失敗ではありません。

問いが生まれた場所
なのかもしれません。

もこコトネが「分からない」をことばノートに書き、「なぜ気になったのか」を考えているイラスト

第1期|難しい名作を考える10作品

ここからは、このシリーズで最初に取り上げた10作品を紹介します。

詳しいあらすじや、
感想文の組み立て方、
本文の読み方については、
それぞれの個別記事で扱っています。

この総合案内では、

「この作品なら、どんな問いから考えられるか」

に絞って紹介します。

1.『走れメロス』|人を信じるとはどういうこと?

『走れメロス』を、
「友情ってすばらしい」
だけで終わらせず、

信じることと、約束を守ることは同じなのか。

と考えてみると、感想文が広がります。

友情や信頼について、
自分なりに考えてみたい人に向いている作品です。

▶ 『走れメロス』の読書感想文を考える

2.『こころ』|人はなぜ、分かっていても間違えるのだろう?

先生の行動を、
「良い人」「悪い人」
だけで決めてしまうと、
『こころ』の複雑さは見えにくくなります。


人はなぜ、本当はよくないと分かっていても、
自分を守ろうとしてしまうのか。

先生、K、「私」の関係から、
人間の弱さや孤独について考えることができます。

▶ 『こころ』の感想文が難しい人へ|自分の考えを深める読み方とまとめ方

3.『羅生門』|生きるためなら、悪いことをしてもいい?

下人と老婆は、
それぞれ自分の行動に理由を持っています。

そこで考えたいのが、


「仕方がない」という理由があれば、
悪い行動も許されるのか。

という問いです。

善悪だけでなく、
人が自分の行動をどう正当化するのかまで考えられます。

▶ 『羅生門』の感想文が難しい人へ|下人の迷いと言い訳の読み方

4.『山月記』|プライドは自分を守るもの?苦しめるもの?

李徴には強い自尊心があります。

しかし、その自尊心は、
自信だけではなく、
失敗や他人の評価を恐れる気持ちとも結びついています。


自信があるのに、なぜ挑戦することが怖くなるのだろう。

そんな矛盾から、
自分自身について考えることもできます。

▶ 『山月記』の感想文が難しい人へ|李徴の苦しさを自分の言葉で考える

5.『夢十夜 第一夜』|意味が分からない物語を、どう読めばいい?

百年待つ約束。

白い百合。

夢のような時間。

『夢十夜 第一夜』は、

「これは○○を意味している」

と、一つに決めなくても読める作品です。

「なぜかこの場面が忘れられない」

「意味は分からないけれど美しい」

そんな感覚から考えてみても構いません。

▶ 『夢十夜』第一夜の感想文が難しい人へ|百年待つ約束と白い百合を考える

6.『檸檬』|自分にとっての「檸檬」は何だろう?

『檸檬』では、
大きな事件よりも、
主人公の感覚の変化が重要になります。

なぜ一つの檸檬が、
重苦しかった主人公の気持ちを少し変えたのでしょう。

そして、


自分にも、なぜか気持ちを少し軽くしてくれるものはないだろうか。

そんな問いから、
自分の経験へつなげることができます。

▶ 『檸檬』の感想文・考察が書けない人へ|“自分にとっての檸檬”から読む方法

7.『高瀬舟』|罪人なら「悪い人」なのだろうか?

喜助は罪人として高瀬舟に乗せられています。

しかし物語を読むと、

「喜助は本当に悪い人なのだろうか」

と、簡単には決められなくなります。

罪とは何か。
満足とは何か。
人を助けるとは何か。

答えが一つに決まらないからこそ、
自分の考えを書くことのできる作品でもあります。

▶ 『高瀬舟』の感想文が難しい人へ|喜助の罪と「満足」を考える

8.『舞姫』|自分で選ばなかったことにも責任はある?

『舞姫』を読んで、

「豊太郎はひどい」

と感じる人もいるでしょう。

その感想から、もう一歩進んでみます。


自分で決めず、周囲や状況に流されて選んだ結果にも、
責任はあるのだろうか。

仕事。

将来。

愛情。

周囲からの期待。

いくつものものを同時には選べないとき、
人はどう決めるのかを考えられます。

▶ 『舞姫』の感想文が難しい人へ|豊太郎の選択・責任・後悔を考える

9.『藪の中』|話が食い違うとき、何を信じればいい?

『藪の中』では、
同じ出来事について語っているはずなのに、
証言が一致しません。

「誰が本当のことを言っているの?」

と考えたくなります。

でも、そこでもう一つ問いを加えてみます。


「私は、なぜこの人の証言を信じたくなったのだろう?」

真相だけでなく、
判断している自分自身にも目を向けられる作品です。

▶ 『藪の中』の読書感想文が書けない人へ|食い違う証言から「自分は何を信じるか」を考える

10.『銀河鉄道の夜』|「ほんとうのさいわい」とは何だろう?

『銀河鉄道の夜』では、

「ほんとうのさいわい」

という言葉が、大きな問いとして残ります。

誰かを幸せにすること。

自分が幸せになること。

誰かのために何かをすること。

それらは、いつも同じなのでしょうか。

「私はまだ分からない」

というところからでも、
十分に考え始められる作品です。

▶ 『銀河鉄道の夜』の読書感想文が書けない人へ|「ほんとうのさいわい」とは何かを考える

保存用|難解読書感想文シリーズ第1期 10作品早見表

「どの記事を読もう?」

と迷ったときは、
この表から選んでみてください。

作品 まず考えてみたい問い こんな人におすすめ
走れメロス 人を信じるとは? 友情・信頼を考えたい
こころ 人はなぜ分かっていても間違える? 人間の弱さ・孤独を考えたい
羅生門 生きるためなら悪は許される? 善悪・言い訳を考えたい
山月記 プライドは自分を守る? 自尊心・失敗への恐れを考えたい
夢十夜 第一夜 意味が分からなくても読める? 不思議な作品を自分なりに読みたい
檸檬 自分にとっての「檸檬」は? 気持ち・感覚の変化を書きたい
高瀬舟 罪人なら悪い人? 罪・死・幸福について考えたい
舞姫 選ばなかったことにも責任はある? 人生の選択を考えたい
藪の中 何を根拠に人を信じる? 真実・証言について考えたい
銀河鉄道の夜 本当の幸せとは? 幸福・他者との関係を考えたい

※ここで示した問いや分類は、
作品の読み方を一つに決めるものではありません。

同じ作品でも、
どこに引っかかるかは人によって違います。

難解読書感想文シリーズ第1期の10作品と、それぞれの中心となる問いを一覧にした早見表

この10作品を並べると見えてくること

友情。

善悪。

自尊心。

罪。

人生の選択。

真実。

幸福。

10作品で扱っているテーマは、
それぞれ違います。

でも、
読書感想文を書くときには共通するところがあります。

それは、

「正しい感想を探しすぎないこと」

です。

「先生ならどう読むだろう」

「ネットでは何が正解になっているだろう」

と考える前に、

自分はどこで立ち止まったのか

を探してみてください。

正しい感想探しから、自分が立ち止まった場所を探す考え方への変化を示したイラスト

感想文に困ったら、「答え」ではなく「問い」を一つ作る

何を書けばいいか分からないときは、
作品について質問を一つ作ってみます。

たとえば、

  • なぜ、この人はこんな行動をしたのだろう?
  • 自分なら同じことをするだろうか?
  • 私は、なぜこの場面に納得できなかったのだろう?
  • この作品でいう幸せとは何だろう?

答えがすぐに出なくても構いません。

問いを持って本文へ戻り、

  • 最初はこう思った
  • でも、この場面を読んで少し考えが変わった
  • まだ分からないけれど、今はこう考えている

と書いていけば、
それも立派な自分の考えです。

「分からない」は読書感想文の失敗ではない

難しい作品を読んで、

「よく分からなかった」

と思うことがあります。

そこで終わらず、

「何が分からなかったんだろう?」

と、もう一度だけ考えてみます。

すると、

  • 登場人物の気持ちが分からない
  • なぜこの結末なのか分からない
  • この言葉の意味が気になる
  • 自分なら違う選択をすると思った

など、
小さな問いへ変わっていきます。

もこコトネのことばノートに書くなら、


分からない
↓
問いになる
↓
本文へ戻る
↓
自分の考えが動く

という流れです。

読書感想文は、
作品を完全に理解したことを証明する文章ではありません。


作品を読んで、自分が何を考えたのかを
言葉にしていく文章

と考えてみてください。

分からないことから問いを作り、本文に戻って自分の考えを深める流れを示した保存用図解

このシリーズは、10作品ごとに育てていきます

難解読書感想文シリーズは、
この10作品で終わりではありません。

もこあいブログではこれからも、


「読んだけれど、どう考えればいいか分からない」

と感じやすい文学作品を取り上げていきます。

ただし、新しい作品が1本増えるたびに、
このページへ追加するわけではありません。

シリーズでは、


10作品が完成するごとに、
一つのまとまりとして追加

していきます。

今回紹介したのが、
第1期の10作品
です。

11〜20作品目までが完成したときには、

第2期の10作品

として、このページへ新しいまとまりを追加します。

さらに30作品まで増えたら第3期。

その先も、
同じように少しずつ育てていく予定です。

ただ作品数を増やすことだけが目的ではありません。

一作品ずつ、


「この作品では、どんな問いから考えると
自分の感想につながるのか」

を大切にしていきます。

まとめ|難しい作品ほど、「自分の問い」から始めよう

難しい文学作品の読書感想文では、
作品の意味を全部説明しなくても構いません。

まずは、

一番気になったことを一つ見つけてください。

分からなかったことでもいい。

納得できなかったことでもいい。

「自分だったら」と思ったことでもいい。

そこから、

「なぜだろう?」

と問いを一つ作ります。

文学作品には、
一つの答えだけでは読み切れないものがあります。

だからこそ、


自分がどこで立ち止まり、
そこから何を考えたのか

を書くことに意味があります。

気になる作品があったら、
このページから一つ選んでみてください。

そして最初は、
立派な感想を書こうとしなくて大丈夫です。

「私は、ここが気になった。」

その一文から始めてみましょう。

もこコトネが「私は、ここが気になった」とノートに書き始めているまとめのイラスト

更新について

このページは、
難解読書感想文シリーズの追加や、
各作品記事のリライトに合わせて内容を見直しています。

各作品についての詳しい内容は、
それぞれの個別記事をご確認ください。

また、新しい作品については、
10作品が完成するごとに新しいまとまりとして追加
します。